連載小説
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魔物アプリ……アリス編
「おつかれー」
「おつかれっしたー」

 日が暮れても蒸し暑さがしぶとく残る六月下旬。東の空から夜闇が遡上し、それに合わせて都会の街並みがイオンの装飾を纏い始めた頃、廃ビルの解体工事に従事していた筋骨隆々の男達が、近場に建てたプレハブ小屋を後にし始めた。
 従事者の大半は年季の入った中年男性ばかりだが、中には若さと血気に満ち溢れる若者の姿もあった。本田彰洋も、そんな若者の類に含まれる一人である。
 格闘技でも習っていたのか耳ダコが出来、そして鋭い眼差しを放つ目付きの悪さと相まって喧嘩っ早い印象を第三者に与える。
 されども短く切り揃えた黒髪や、太さと凛々しさを兼ね備えた眉などは生真面目な青年の印象を齎し、また鍛え上げられた肉体美と絶妙に合わさって絵に描いたようなガチムチという当たり障りのない雰囲気に収まっている。
 
「おお〜い、本田ぁ。今から呑みに行くんだが、一緒にどうだ?」

 一緒に働いていた中年男性がクイッと御猪口を口元に傾ける仕草をしながら気さくに声を掛ける。しかし、先輩からの申し出に対し本田は心底申し訳なさそうに眉を顰めながら軽く頭を下げた。

「すいません、ちょっと用事がありまして……」
「うん? 用事?」
「ええ、実は妹がウチに転がり込んできているんです。何か実家で大喧嘩したらしくって。で、その妹に付き合って日用品の買い入れをしなきゃなんないですよ。妹は田舎者ですし、この辺の地理なんてサッパリで……」
「はぁー、そりゃ大変だな。まぁ、そっちの問題が片付いたらゆっくりと呑もうや」
「ええ、その時は是非」

 大人らしい振る舞いで穏便に事を済ませると、本田は小走りで今度こそ帰路へと付いた。しかし、その内心は帰路へ付ける事への喜びと、中年男性の誘いを断った上に嘘をついてしまった事への罪悪感で激しく鬩ぎ合っていた。
 


 都会の喧騒から距離を置くように閑静な住宅街の一角に建てられた二階建てのアパート。良くも悪くも中古という言葉が似合う佇まいだが、中身は最新のIHキッチンやシステムバスなどが導入されており、またインターネットも完備されているので生活面において極めて快適と言えよう。
 本田はアルミ質の階段を三段跳びで駆け上がり、瞬く間に自分が借りている一室に辿り着く。彼自身は無意識だったが、その軽やかな足取りからは上機嫌さが垣間見える。されど、見方を変えれば逸る気持ちを必死に抑えようとしている風にも見える。

「帰ったぞー」
「おにいちゃん!」

 ガチャリッと扉を開けた直後、小さい子供が彼の逞しい腹部に抱き着いた。
 本田のことを『おにいちゃん』呼ばわりしたものの、その髪の毛はサラサラと流れるブロンドの長髪であり、とてもじゃないが日本人である彼と血の繋がりがあるとは思えない。顔立ちや皮膚や目の色も西洋人のソレに近く、身に纏っている衣装も不思議の国に迷い込んだ少女のようだ。
 しかし、子供にしては異常なまでに妖艶な色気を纏っており、それを肌身で感じ取った本田はゴクリッと固唾を飲み込む。が、己の内に燃え盛る情欲と上手く折り合いを付けると、彼は兄らしい笑みを口元に浮かべながら幼女の頭を優しく撫でた。

「ただいま、アリス」



 実を言うと本田彰浩に妹なんて存在しない。彼と血の繋がりを有しているのは両親を始め、実兄と実弟がそれぞれ一人ずつのみだ。しかし、現にこうしてアリスなる存在と出会ったのには理由がある。
 何処の誰から聞いたのかは忘れてしまったが、最近巷で噂になってる魔物アプリなるものを小耳に挟んだのがきっかけであった。その噂によると魔物アプリというゲームをクリアすると、特殊なメッセージが出てきて自分の願望にピッタリな恋人が出来る……というものだ。
 当初、そんな眉唾の噂など本田は歯牙にも掛けなかった。しかし、もしかしたら……という淡い願望も抱いており、それが魔物アプリをインストールさせる後押しとなった。
 そして彼がインストールしたのは『シスタープリンス』という可愛らしい名前のアプリゲームだ。内容は自分にとって理想の妹キャラを作り上げ、デコってデコってデコりまくって世界トップレベルのアイドルへ導くという一種のアイドルゲーだ。
 どうして彼のような無骨な男がアイドルゲーというマニアックなゲームをチョイスしたのか? その答えは単純明快、本田彰浩が生粋のロリコンだからだ。厳つい顔と筋肉マッチョで誤解され易いが、物凄く年下の女の子が大大大好きなのだ。
 どうしてロリコンになったのかはさて置き、そのシスタープリンスの中では様々な女の子――但し、人間ではなく魔物娘と呼ばれる亜人――が紹介されていた。小悪魔系アイドルのインプ、努力系アイドルの魔女、策士系アイドルのバフォメット、犬っ娘アイドルのコボルト等々。
 その中でも本田が魅入られたのは清純系アイドルを謳うアリスであった。西洋人の顔立ちから繰り出される無垢な微笑み、未発達な身体から溢れ出るエロス、その全てが本田の性癖にジャストミートしていた。
 そして本田はアリスをプレイヤーキャラクターとしてチョイスし、彼女を世界一のトップアイドルにまで引き上げるべく奮闘した。幸いにもこの手のゲームにあって然るべきの課金システムが存在せず、本田の懐が痛まなかった事もゲームを最後までやり遂げられた要因の一つだ。
 慣れないアイドルゲーに四苦八苦しながらも『シスタープリンス』を開始してから三カ月が過ぎた頃、彼はアリスを世界一のトップアイドルへと導いてみせた。即ち、ゲームのクリア条件を達成したのだ。それと同時にスマートフォンの画面に一つの文章が出現した。

『此処でYESかNOかを選ぶのは貴方次第ですが、YESを選んだ場合には貴方は自由を奪われます。人生を棒に振る覚悟はありますか?』

 そこに書かれていた言葉にドクリッと本田の心臓が驚愕で波打った。この文章が出現する瞬間まで忘れていたが、この魔物アプリをクリアしたら彼女が出来るかもしれないという噂から鑑みるに、『人生を棒に振る=彼女に囚われる』という意味ではないだろうか?
 しかし、本田に迷いは無かった。彼は即座にYESを描かれた部分をタッチすると、真っ黒い画面に切り替わる。どうしたのかと眉を顰めた直後、一転して画面が真っ白い輝きに溢れて光の柱が立ち上る。
 そして画面と一緒に噴き上がった無数の粒子が光の柱の中で密集し、まるでSF映画のワンシーンのように一つの像へと再構築される。それが明白な形になるにつれて、本田が見開いた眼は驚愕に染め上げられていく。
 何故なら最終的に具現化されたソレは、画面越しに向き合っていたアリス本人だったからだ。こうして彼はアリスという可愛い妹を手に入れ、念願だったロリっ子との甘い生活を送る……筈だった。



「ごちそうさま、アリスの料理美味しかったよ」
「ふふ、おにいちゃんに喜んでもらえてアリスも嬉しいよ♡」

 アリスの手作り夕食を食べ終え、本田は満足感に満ちた溜息を吐き出した。そして台所の流し台の前に置いた脚立に立ちながら鼻歌交じりに洗い物をするアリスをチラリと盗み見る。
 フリルの付いた短いスカートと真っ白いニーソックスの隙間から柔らかな太腿が覗いており、ロリコンである本田の情欲を掻き立てる。既にアリスが現実世界にやって来てから一カ月近くが経過しているが、依然として本田は彼女に手を出していなかった。
 自分がロリコンであるという事実こそ認めてはいるが、だからと言って不用意に触れても良い理由にはならないという彼自身が定めたルールが一線を守り続けていた。とは言え、彼女と一緒に過ごす時間が増えるにつれて情欲の炎も増し続けているが。

(このままじゃ何れアリスに手を出しちまうな、性的な意味で。しかし、彼女は魔物娘だ。手を出して良いのか、それとも駄目なのか。それが分からない限りはどうしようもないな……)

 と、考え込んでいたら風呂が沸いた事を知らせる電子音のメロディが鳴り響いた。

「おにいちゃん、お風呂が沸いたよー」
「ああ、それじゃ先に入ってくるよ」

 あくまでも表面上は平静を保ったまま、本田は着替えを小脇に抱えて脱衣場へと向かった。しかし、この時の彼は気付いていなかった。脱衣場へと消える彼の後姿を、怪しげに瞳を輝かせたアリスがジッと見入っていた事実に……」



「ふぅ……」

 湯船に浸かりながらガス抜きのように体内に溜まった疲れを溜息に乗せて吐き出す本田。身体は湯船の温かさで満たされているが、殊更に熱を帯びた部分が一カ所だけあった。
 男性器だ。様々な筋が浮かび上がるほどに膨張したソレは金属バットのような太さと硬さを併せ持っており、最早一種の凶器と言っても過言ではない。その原因がアリスにあるのは言わずもがなだ。

「抜いておくか……」

 このままだと過ちを犯しそうだと判断した本田は、湯船から出るとバスチェアに腰掛けた。そして勃起した男根を逞しい手で鷲掴みにし、ゴシュゴシュと音を立てて擦り上げた。
 理性では己を御し切れているが、妄想の中で浮かべる己は別だ。アリスの幼い裸体に手を這わせ、彼女と恋人のようなキスを幾度と交わし、そして性に飢えた獣のように激しく互いの体を求め合う。

「ふぅ……ふぅ……!」

 やがて脳内の自分がアリスの中で絶頂を迎えるのと同時に、背骨に沿ってゾクゾクとした快感が込み上がる。イク―――そう思った矢先、扉がガチャリと開いた。

「おにいちゃーん、あたしも入って良いー?」
「あ、アリス!?」

 浴室に裸体のアリスが飛び込むや、本田は慌てて手を男根から離した。絶頂する間際という事もあって男根は今までにないほどに怒張しており、己の巨体で完全に隠し切るのは不可能だった。

「わー、おにいちゃんのすごい大きいねー」
「お、おい! アリス……!」

 本来ならば幼女相手に猥褻物を直に見せるのは良くないと己の利性がブレーキを掛ける筈なのだが、彼自身の目は彼女の裸体に釘付けられてしまいソレどころではない。また彼女から放たれる魔性のオーラが何時も以上に膨れ上がっており、それが彼の内にある情欲を滾らせていた。

「えへへへー、おにいちゃんの洗ってあげるー♪」

 しかし、彼女は兄の劣情など知る由もなく、両手にこんもりと乗せたボディソープの泡を兄の体に擦り付けた。彼女の小さい手が身体の隅々まで舐めるように滑っていく。泡越しに自分の裸体を弄られる感触に本田の心臓はバクバクと激しく脈を打ち続ける。

「じゃあ、おにいちゃんの此処も洗ってあげるねー」

 そしていよいよアリスの手は本田の股間で膨張している男根へと伸ばされた。止めろと言うべきかと理性が囁くも、既に彼の情欲はソレを遥かに上回っていた。結果、本田は何も言わずに静観し、彼女の手が自分の男根を優しく握り締めて上下するという光景を見下ろし続けた。

「わー、おにいちゃんのガチガチー♡」
「あ、ああ。だけど、そこは男の中でも大事な部分だからな。優しく洗ってくれよ?」
「うん、分かった!」

 一体俺は何を言ってるんだと自分自身の言動に内心で突っ込みながらも、欲望に抗い切れなかった本田は黙って彼女の奉仕を受け続けた。小さい子供の手が凶暴な男根を丁寧に擦り上げるという光景は、背徳感も合わさって得も言えぬ快感を彼に齎した。

「お兄ちゃん、気持ちいい〜?」
「ああ、気持ちいよ……」
「えへへ〜、良かった〜」

 恐らく血の繋がっていない妹は純粋なマッサージ気分でやっているのだろうが、やられている側からしたら肉欲的な快感が半端ない。一瞬たりとも気を抜いてしまえば、身体の奥底に溜まっているマグマのような欲情の証……精液を放出してしまいそうになる。
 だが、それを寸でのところで必死に耐えながら、本田は無邪気なアリスを見守り続けていた。とは言え、彼女に対して常々邪な感情を抱いている彼からすれば、たったそれだけでも十分な苦行に値するが。
 そんな苦行に耐えた末、全身を埋め尽くしていた泡がアリスの手によって洗い流される。漸く終わったか……と、本田が自分自身の情欲に打ち勝てたと思い込んだのも束の間だった。

「あのね! アリスね! おにいちゃんの本を見て色々と勉強したんだよ!
「本?」

 アリスの言葉に本田は不思議そうに眉を顰めた。脳筋とまではいかないが、それでも自分が勉学とは程遠い位置に存在する人間であると自覚している。
 少なくとも彼女が見て学べるような本の類は置いていない筈だが……? と、自問自答していると彼女はニパッと無邪気な笑みを浮かべながら言葉を付け加えた。

「うん! おにいちゃんのベッドの下にあった本!」

 その言葉を聞いた瞬間、本田は心臓に氷の杭を打ち込まれたかのような衝撃に見舞われた。ベッドの下には彼が愛読している書籍が置かれてある。無邪気で幼い女児達が大きい友達に組み敷かれ、あんあんひぃひぃと喘ぐ痴態を赤裸々に描いたコミックL●が!!
 
「こうするとおにいちゃん、気持ち良いんでしょ?」

 硬直していた本田が意識を取り戻した時には、既にアリスは剛直した男性器にキスをおとしていた。チュッチュッと可愛らしいリップ音を立てながら鈴口に、そのまま筋裏へと丁寧に口付けする。
 ちょっと前まで抱いていた理性は何処へやら。本田は自分の男根を愛おしそうに口付けするアリスに目を奪われ、それ以外の事を考えられなくなっていた。
 やがて可愛らしい口付けは、小振りの舌を男根に這わせたフェラへと推移していく。不潔の象徴に口付けるだけでも相応の覚悟が必要だろうに、アリスの表情には嫌悪は見当たらない。寧ろ、子供がアイスキャンディーを頬張るように嬉々とした感情が見え隠れしている。

「おにいひゃん、きもひいい?♡」
「あ、アリス……!」
「もっと、もーっと、きもひいいことしてあげりゅ♡」

 巨大な亀頭をパクリと口に咥えたままモゴモゴと話し続けるアリス。その舌の動きが本田の男根を刺激し、更なる快楽を呼び起こす。
 そしてアリスは小さい口で男根を頬張り、AV女優顔負けのディープスロートを披露した。流石に根元まで入り切らないが、それでも平均男性を大きく上回る巨根を半ばまで呑み込んでみせた。人体の奇跡が成せる技なのか、はたまた魔物娘特有の頑丈さが成しているのか。
 しかし、どちらにしても頭の奥底までビリビリと感電するような快感に支配された本田にソレを考える余裕などなかった。じゅぼっじゅぼっじゅぼっと肉棒を啜る卑猥な音が室内に反響、それが益々彼の理性を打ち砕いて行く。

「アリス……!」
「ん……んぐぅ!?」

 そして理性の欠片がミリ単位も無くなった途端、本田は彼女の頭を掴んで自分から腰を動かし始めた。彼女の口に男根を乱暴に叩き付ける様は、最早彼女を生き物ではなくオナホールとして扱っているようだ。

「ぐ……おおおおお!!」
「!!!」

 男根から背筋に沿って絶頂の電流が駆け上がった瞬間、本田はアリスの後頭部を抑え込んで根元まで強引に捻じ込んだ。刹那、亀頭の鈴口から精液が凄まじい勢いで放出された。
 これまでに自慰行為で射精した事はあれど、こうやってSEX形式で誰かの身体に流し込むのは初めてだ。だからだろうか、何時もの何倍以上にも及ぶ射精が終わった頃、アリスは鼻孔と口の端から精液を溢れさせながら白目を引ん剝いていた。

「! す、すまん!」

 射精の快楽から我を取り戻した本田は慌てて男根を引き抜いた。すると、彼女の口からマーライオンみたいな勢いで精液がゴボリと吐き出された。その精液の多量さも驚いたが、自分が理性の枷を外して彼女に酷い仕打ちをしてしまったショックの方が大きかった。

「アリス! 大丈夫か!?」

 心配そうにアリスの顔を覗き込もうとした時、彼女の腕が不意に伸びて本田の首の後ろで絡み付いた。そして彼女はぐいっと自分の体を引き起こし、本田の体と密着させた。

「嬉しい……」
「え?」

 あんだけ酷い事をされたにも拘らず、アリスの口から突いて出た声は喜色と色気に満ちていた。その証拠に腰元から生えた蝙蝠のような翼はパタパタと小刻みに動き、臀部から延びた先端がハート形の尻尾は懐いた子犬のように嬉しそうに揺れ動いている。

「おにいちゃんってばアリスに何処か素っ気無い態度を取ることがあるし、こうやって密着したら何だかギコちなくなっちゃうし……もしかしてアタシのこと嫌いなのかなって心配だったんだよ?」
「それ、は……」

 言うまでもなく本田はアリスのことを好いている。しかし、それは薄氷の上にある好意だ。それが一度割れてしまえば獣欲に満ちた欲望が噴き上がり、アリスに酷い事をしてしまうと彼自身が認識していた。故に彼女との接触には慎重を期していたのだ。
 しかし、彼が取った紳士的な態度の数々はアリスを却って不安にさせたようだ。いや、不安と言うよりも魔物娘の流儀に則って言い換えれば―――愛が物足りないと思ったのだろう。
 そして彼の心を鷲掴みにするべく(誤った知識を)勉強し、最終的にこのような手段を取るに至ったのだ。これまでの明け透けな態度が裏目に出てしまったと思うと、流石の本田も自責の念を覚えずにはいられなかった。しかし、謝罪するよりも先にアリスが嬉しそうな口振りで語り始めた。

「だからさ、おにいちゃんがアリスを求めてくれた時……とーっても嬉しかったの♡ おにいちゃんの本に書いてあったよ。この白いのを一杯出すのは大好きな証拠だって♡」

 それは違うような気がするが……と思わないでもなかったが、下手に話を折るよりも今はアリスと真摯に向き合いたいという気持ちが勝った。

「ごめん、アリス。俺もアリスの事が好きだよ。いや、愛していると言っても良い。だけど、俺はこんなガタイだろ? だから、今みたいな無理をしたらお前が壊れるんじゃないかって不安だったんだ……」

 見た目にそぐわない弱々しい声で弱音を吐くと、アリスは本田の耳元に唇を寄せて囁いた。

「大丈夫だよ、おにいちゃん。アリス、おにいちゃんのがどんなに大きくっても受け入れられるよ。それにおにいちゃんの本でも書いてあったもん、女の子は大きなチンチンをアソコで受け止めるのが好きだって」
「アソコって……」

 そう言い掛けるとアリスは踵を返すように背を向け、プリッとした可愛らしい尻を彼に向けて突き出した。控えめな臀部は大人の色気には程遠いかもしれないが、ロリコンである本田の目には情欲を引き立たせる扇情的な象徴に映った。
 事実、性を吐き出して手折れた筈の男根はみるみると力を取り戻し、あっという間に再戦に臨める状態へと復活する。更に追い打ちを掛けるようにアリスは穢れを知らない秘部を自身の指で広げ、その奥にある無垢の肉壺を愛しい人に披露した。

「おにいちゃん、アリスのココ……凄くジンジンしてるの♡ おにいちゃんの本に書いてあった女の子のように、アリスのココにおにいちゃんのおちんちんを入れてぇ♡」

 幼さと甘さを含んだ禁断の誘惑は本田の情欲を激しく燃え上がらせた。ましてや既に理性を放棄してしまっただけに、今更ソレに抗う術も気力も持ち合わせていなかった。
 まるで何かに導かれるように伸ばした手は彼女の小振りな御尻を鷲掴みし、そして未成熟な肉壺に己のそそり立った男根を宛がう。雌猫のように肩越しから振り返る彼女の眼には恐怖は無い。寧ろ、これから始まる行為を想像してドキドキと表情をときめかせている。

「良いんだな、アリス? もう止められないぞ?」
「うん、良いよぉ♡ アリス、おにいちゃんのを全部受け止めてあげる♡」

 その一言で火蓋が切って落とされたかのように、本田は自身の剛直でアリスの秘部を一息に貫いた。瞬間、ブチブチッと何かが千切れたような感覚が亀頭に走り、次いでポタポタと床のタイルに鮮血の雫が零れ落ちる。

「ひぐぅぅうううう!!♡♡♡」
「処女膜……か」独り言のように小さい声で呟く本田。「アリス、痛いか? 一回抜くか?」

 本田が優しく声で尋ねると、アリスはイヤイヤと駄々を捏ねるように首を左右に振った。そして彼女は目尻に涙を浮かべながら彼の方へと振り返った。

「やだぁ……♡ アリス、このままずーっとおにいちゃんと一緒にいたいよぉ♡」

 ウルウルと涙の膜を張った瞳は痛々しさを覚えるが、それとは裏腹に幼い肉壺は痙攣を起こしたかのようにキュッキュッと咥えた男根を小刻みに締め付ける。どうやら処女膜が破れた痛みよりも、身体の悦びの方が遥かに上のようだ。
 それでも本田は彼女の苦痛が落ち着くまで待ち続けた。キュウキュウと只管に締め続けていた肉壺が徐々に緩くなっていき、やがて彼の肉棒にフィットするかのような心地良い感触になった頃、アリスが猫撫で声で懇願した。

「おにいちゃん、動いてぇ♡ おにいちゃんのおちんちんでアリスをパンパンしてぇ♡」
「ああ、行くぞ」

 本田はゆっくりと腰を動かし始めた。幼い見た目とは裏腹に彼女の中――男根に絡み付く襞――は熟成し切っており、男の性を搾り取らんばかりに四方から絡み付いてくる。その感触に思わず絶頂しそうになるムスコを理性で制御しつつ、本田は少しずつ腰を振る速度を上げていく。

「ああん!♡ すごぉい!♡ おにいちゃんのちんちん、アリスの中で暴れてるぅ!♡ アリス、おにいちゃんと一緒になってるぅ!」
「ああ、凄いぞアリス! 俺もこんなに興奮したのは初めてだ!」

 パンパンパンッと肉と肉が激しくぶつかり合う音が浴室内に響き渡り、やがてソレに勝るとも劣らぬ男女の喘ぎ声が混じり始める。理性や建前を取っ払った本田は本能の赴くままに彼女を貪った。
 平たい胸板から突起した乳首を弄り、小さな唇に舌を捻じ込ませ、自由の利いた手で女性器のクリトリスを刺激したり……今まで妄想の中でしか出来なかった事を次々と実現していく。更にアリスもアリスで彼の欲望を健気に受け止めてくれるのだから、底無しのように肉欲が次々と湧き出てくる。

「おにいちゃぁん!♡ 気持ちいい!?♡ アリスの中、気持ちい!?♡」
「ああ、気持ちいいぞ! アリス! ほら、もっと奥まで入れてやるぞ!」
「きゃっ!」

 本田はアリスの背中を胸板で受け止めると、接合部を密着させたまま一気に立ち上がった。所謂、AVなどで見受けられる背面駅弁と呼ばれる難易度の高い立位だ。

「ほら、アリス。前の鏡を見てごらん」

 浴室の鏡には秘部をひけらかし、兄と慕う男のイチモツを受け入れる己の痴態が映し出されていた。普通の女性ならば恥ずかしさを覚えるところなのだが、アリスは無邪気さと喜びを半々に分けたような笑みを綻ばせた。

「ああん♡ おにいちゃんのちんちんがアリスのアソコに入っているぅ♡」
「アリス、お前の言うアソコはな……おまんこって言うんだぞ?」
「おまんこ……?」

 自分が愛読していたロリコン雑誌を見て勉強した割には、彼女の口調は性に関して無知であることを物語るようなたどたどしさがあった。しかし、それが却って本田の背徳感を刺激し、禁断の味は更なる甘味を伴って彼の倫理観を麻痺……いや、崩壊させていく。


「ああ、そうだ。ほら、今の言葉を言い直してごらん」

 そう促しながらも本田は腰をゆさゆさと上下に揺さ振り、アリスに快楽を与え続ける。その都度にアリスの口から可愛らしい喘ぎ声が漏れ出るが、それでも兄の求めに応じようと彼女は快楽の波に揉まれながら口を動かした。

「あ!♡ あん!♡ おにいちゃんのちんちん♡! アリスの!♡ おまんこに入っているぅぅぅ!!!♡」
「良く言えたな! 偉いぞ! 御褒美にアリスの腹の中にザーメン一杯出してやるぞ!」
「ああん♡ ザーメン♡ アリス知ってるよぉ♡ おにいちゃんの本に書いてあった、男の人が出す白くてドロドロした赤ちゃんの素でしょぉ♡」
「ああ、そうだ」相手を焦らすようにアリスの耳元で言葉を囁く本田。「アリスは欲しいか? 俺のザーメン欲しいか?」
「うん!♡ 欲しい!♡ おにいちゃんのザーメン欲しい!♡ アリスのおまんこに沢山どぴゅどぴゅしてぇ!♡」
「アリスは素直な上に良い子だな! アリスの中に一杯出してやるぞ!」

 そう言うや本田は激しく腰を上下に振り出した。既に肉棒と肉壺の接合部は互いの愛液でグチャグチャに混じり合い、処女膜を破った時の痛々しさは何処にも見当たらない。肉壺の襞と肉棒の竿が擦れ合う音が狭い浴室に反響し、二人の快楽を延々と高め合っていく。
 130cm程度の身長しかない女児が、2m近い巨体を誇る筋骨隆々の男に犯される。このような紊乱行為が法治国家日本で行われているとは誰が想像しようか。されど、この背徳の甘美さを知ってしまった今、本田自身に止める手立てなど持ち合わせていなかった。
 
「イクぞぉ! アリスぅぅぅ!!」
「きゃううううう!!!♡♡♡」

 睾丸から精液が込み上がった瞬間、本田はアリスを掴んでいた太腿の手をわざと緩めた。するとアリスの体は重力に従って落下し、その勢いで彼女の秘部に咥えられていた男根が小振りな子宮を無慈悲に貫通した。
 生まれて初めての子宮姦にアリスの脳髄が快感の許容量を上回り、スパークにも似た衝撃を引き起こす。そこへ追い打ちを掛けるように夥しい精液が放出され、彼女の思考を快楽の波で押し流す。

 どびゅるるるるる!!♡ びゅぼぼぼぼぼぼ!!♡ びゅぐるるるる!!♡

「あひぃぃぃ!!♡♡♡ で、でてりゅ!♡ おにいちゃんのザーメン!♡ アリスのお腹の中で!♡ 元気に出てりゅううう!♡」
「ああ、そうだ。今、アリスの腹の中に兄ちゃんのザーメンドクドク出ているんだぞ。全部受け止められるか?」
「うん♡ 受け止めてあげるぅ♡ だからもっとぉ♡ おにいちゃんのザーメン、アリスにちょうらいぃぃ♡」

 やがて射精が最後まで終わって肉棒を抜くと、ポッカリと空いた膣穴からドバッとダムが決壊するかのような勢いで精液が噴出した。しかし、アリスの御腹はポッコリと膨れ上がっており、本田の精液が植え付けられた事を意味していた。

 その後、風呂から上がった二人はベッドの上でも熱烈なまでに愛を育み合った。野獣のように本田がバックで彼女を犯し、時にはアリスが彼に跨って真摯に奉仕する。そして二人のSEXは夜明けの太陽が昇る頃まで続いたのであった。



「う……?」

 文字通り精魂を吐き尽くした本田が目覚めた時、既に時刻は昼過ぎに差し掛かろうとしていた。しかし、一つのベッドで共に眠っていた筈のアリスが居ない。不思議に思いベッドから出ると、台所でせっせと作業する妹……いや、妻の姿があった。
 働き者だと感心する一方で、昨日の事を思い出して思わずニヤケ笑いが零れてしまう。手を出す前は過ちを犯してしまいそうな己の煩悩に悩んでいたが、手を出した今ならば全てが吹っ切れて却って清々しい気持ちすらあった。

「アリス」
「あっ、おにいちゃん!」

 名前を呼ばれたアリスは作業の手を止め、本物の兄のように慕う本田の方へと振り返った。昨夜……いや、早朝まで激しく愛し合っていたと言うのに、その表情に疲れや気怠さは一切見当たらない。

「もう飯を作ってるのか?」
「もうって、今お昼だよ?」
「はは、そうだな」

 そう言って本田は彼女の背後から優しく包み込むように抱き締め、米神辺りにキスを落とす。兄の行動にアリスは一瞬驚いたように目を丸くするも、直ぐに擽ったそうな微笑みと共に喜びを露わにした。

「もう、おにいちゃんってば。今日はどうしちゃったの? 何時もより甘えん坊さんだね」
「はは、まぁ自分の気持ちに素直になったまでさ。昨日、漸くお前と結ばれたんだしな」

 経緯はどうであれ肉体関係を持った事実に変わりはない。そして最後の枷が外れた今、本田は煩悩に苦しむことなく純粋に彼女を愛せる―――そう思っていた矢先だった。

「昨日? 何かあったっけ?」
「え……? いや、何ってお前とセックスしたじゃないか」
「セックスってなーに?」
「…………」

 ぐっすりと眠り込んだことによって、あの激しい情事を忘れてしまったのか? いや、それは考え難い。自分の脳裏には鮮明にあの出来事が焼き付いているのに、アリスだけ忘れるなんておかしい。
 これは一体どういう事なのだ……と、ミステリーさながらの謎に直面して思わず硬直してしまった本田だったが、アリスの言葉によって現実へと引き戻された。

「それよりもおにいちゃん、お昼を食べたらアリスと一緒におでかけしよ! この前約束したでしょ、アリスの服を見ようねって!」
「あ、ああ……そうだな」

 どうやら服を買う約束は覚えているらしいが、セックスに関する出来事は完全にアリスの記憶から消去されているようだ。とは言え、本田は些細な事だと自分に言い聞かして、それ以上思考を追及させようとはしなかった。

 可愛い幼女と一緒に暮らし、そして深く愛し合うという非日常のような生活はまだ始まったばかりなのだから……。
19/05/31 01:08更新 / ババ
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■作者メッセージ
お久しぶりでございます、ババです。
最近は個人的な事情で中々気ままに小説を書けませんでしたが、ちょっぴり時間が空いたので久々に書いてみました。
長いブランクがあるので下手な部分もあるかもしれませんが、そこは生温かい目でスルーして頂けると幸いでございます(;´∀`)

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まろやか投稿小説ぐれーと Ver2.33