他人の双子 ― Black Mirror ―
チャリン・・・・・・チャリ・・・
何処かの倉庫だろうか。
薄暗く広い空間に金属が擦れあう音が鈴の音のように響く。
「ふっ・・・・・ふぅっ・・・!」
苦悶とも艶めかしい嬌声ともとれる呻き声が響く闇の奥、ややピンク色がかった銀の鎖によって拘束された肢体が浮かび上がる。
勃起し充血した乳首にはクリップローターがつけられ、アヌスにはピンク色をした凶悪なアナルバイブが蠢きその肉体に未体験の快楽を刻みつけていた。
彼自身のペニスは既に勃起していたが、その根本につけられているややピンク色がかったコックリングに吐精は塞き止められ、終わることのない快楽に彼自身のペニスからは粘りつくような液体が止め処もなくぴちょりぴちょりと涙のように滴り落ちている。
黄金の筋肉もなく、中肉中背ないたって平凡な身体つきの男性。
屈服させるのが目的ではない。
これは彼に対する「罰」であり、そしてその不義理に対する「審問」だ。
「おいおい、ちゃっかり楽しんでんじゃねーか。これじゃ罰になんねぇーな!おい!」
暗闇から声が響く。
明るい少女の声。
しかしその声には明確な侮蔑と怒りが含まれていた。
ブラックレザーの煽情的な衣装を身に纏い山吹色の髪を揺らしながら、彼に歩み寄り彼の乳首につけられたローターをその白い指で弾く。
「ふごッ!ふぉぉぉごぁ!!!」
チャリチャリ!
男が身体を捩り鎖が擦れあう。
「こんなにめちゃくちゃにされてもイケないなんて地獄だろ?」
少女は男の口に嵌められたゴム製の口枷に指をかけると強引に引き出す。
「前に言ったよね?アタシを裏切ったら許さないって!」
少女の身体が燃え上がった。否、それは少女が「元の姿」に戻っただけだ。
金色の髪
額から生えた二本の角
腰から伸びた翼手類にも似た翼
火を操る悪魔であり、上位種「バルログ」の眷属たる魔物娘「パイロゥ」が冷たい眼差しで立っていた。
「僕は裏切ってはいない!!信じてくれ!!!!」
男は懇願する。
しかしパイロゥはその焔色の瞳を細めただけだった。
「まだシラを切りやがるか・・・・」
ボワッ!
彼女の手に炎が灯る。
その姿を見て彼は彼女が自らに加える「罰」を理解した。
「や、やめろ!!!やめてくれぇぇぇ!」
慈悲を懇願し男が彼女の魔手から逃げようとするが四肢を拘束されてしまっている。この状態では彼女の劣情を更に煽り立てる以上の意味はなかった。
「・・・・誘ってんのか?怯えた顔もイイぜ」
少女が男の首筋をゆっくりと舐める。
「愉しめよ」
少女はその炎を纏った手で彼のペニスを握った。
「あっ!あああああぁぁぁぁあっぁぁぁぁぁぁあああああ!!!!!!!!!」
男の絶叫が響く。
魔物娘は人を傷つけない。
彼女が手に宿した炎は彼の身体を焼くことはないが、しかしその「魔炎」は焼かれるような欲情や快楽を刻む。
「は、面白いだろ?魔界銀のコックリングは?一度イっても吐精できず快感はずっと続くんだからな」
男がビクンビクンと、まるで電気椅子で処刑される死刑囚のように跳ねるのを見ながら笑みを浮かべる。
「どうだ?正直に答えなよ?浮気したんだろ?」
「違うんだ!違うんだよ朱火!」
朱火と呼ばれたパイロゥの手が彼の口を塞ぐ。
「まだ足りねぇってのか!あ?」
男が首を振る。
「じゃあアレはなんなんだよ!!答えろよ!!」
朱火が強引に男の首を「ソコ」に向ける。
そこには一人の少女が拘束されていた。
額の角や腰の翼などの違いこそあれ、その少女は朱火そっくりだった。
ザザァ・・・
黒々とした波間が揺れ寂しげなコーラスを奏でている。
読み方もわからない異国の文字が書かれた瓶や缶、奇怪な形の流木などが犇めく中、「ソレ」が身を捩る。
かろうじて「ソレ」が人間 ― 少女を模したモノ ― とはわかる。
動いたせいだろうか、パラパラと彼女を拘束していたものの残骸が崩れ落ちる。
「お目覚めかしら?」
ギギッ・・・!
ソレが声のした方向にぎこちなく首を向ける。
捩れた角と冷たさを感じる青い肌、そこに「悪魔」がいた。
「満月の晩の散歩は面白いわ。貴方のような存在に会えるもの・・・・」
「・・・・?」
悪魔が笑みを浮かべる。
「私はレーム、デーモンよ。貴方からは強い未練を感じたわ。さぁ言いなさい、貴方の願いを」
「ワ・・ダシは・・・・・」
― お前のこと好きだったんだよ、本当だよ ―
― でもお前がいるとあの子と一緒になれないんだ ―
― だから・・・! ―
「アいたいヒトがいマス・・・・」
「そう・・・」
レームと名乗ったデーモンが音もなく「ソレ」に近づく。
「これは餞別よ」
唇が重なる。その瞬間、ソレの身体に炎が入り込む。
それとともに「ソレ」の身体がが巻き戻るかのように修復されていく。
着ていたボロボロのドレスは「ウェディングドレス」を思わせる純白のものに変わる。
「さぁ行きなさい。為すべきことを為すために」
レームと名乗るデーモンはそう言うと愉快そうに笑みを浮かべた。
「少女」は歩き出した。
此処がどこかはわからなかった。
だが、彼女の身体の奥底、疼くように感じる熱さは進むべき道を教えてくれた。
ゆっくりとだが確実に、少女は満月のように輝く金色の髪を揺らし歩き始めた。
「ご主人様・・・・」
為すべきことを為すために・・・・。
「で、体に残る精の残り香を頼りに家にたどり着いたってことか」
「はい・・・・」
少女が俯く。
「鍵が掛かっていて入れなかったんですが、入りたいと思っていたら勝手にドア開いて。ご主人様の姿は見えなかったので少し待っていようと・・・・」
「で、その時にコイツが帰ってきたってことか」
静かに頷く。
「気が付いたら、その・・・アレを・・・・」
「あたしの旦那を問答無用でファックしていたってわけか?」
「ご主人様を見たらもうおかしくなって・・・すみません・・・」
生まれたての「魔物娘」が魔力不足になり意中の殿方を手籠めにしてしまうことはある。
それなりに理解できるが、しかし「謎」が残る。
朱火が彼、「野毛建郎」と出会った時は他の魔物娘の匂いなどしなかった。
そこに嘘はない。
だが、目の前の少女は「リビングドール」。れっきとした魔物娘だ。
「気になンのは、そのご主人様ってのは何だ?」
「それは・・・・・」
少女が言い淀む。
「・・・・彼女はダッチワイフだ」
建郎が重々しい口を開いた。
「正直俺は容姿に恵まれてもいなければ頭の良くない。この歳で役付きにもなれないぺーぺーの団体職員だ。だから・・・・」
「性欲をダッチワイフで満足させてたんだな?」
建郎が頬を染める。
オナホールで処理するならいざ知らず、ダッチワイフを使用しているとあれば羞恥心も生まれる。
幼い体躯
金色の瞳と柔らかな髪
見れば見るほど「少女」は角や翼の有無はあれど、パイロゥの朱火そっくりだった。
「満足していた。これは幸せなんだと納得していた。でも・・・」
「アタシに出会ったわけか」
静かに頷く。
「まるで家で待っててくれているあのダッチワイフが人間になったかのように、俺は一瞬で心奪われた」
「ああ、思い出すぜ。あの時のお前は引くくらいまじめで真剣で・・・。だからアタシは・・・・」
朱火にとって男はタダ酒やタダ飯をタカるだけの存在だった。
愛してる
大切にする
そんな軽薄な言葉を吐く男でも魔物娘としての姿を見せたら怯えて逃げるのが常だった。
人間は臆病で弱い。
自分よりも強い存在である「魔物」を見て正気でいられることなんてない。
だが建郎は逃げなかった。
どれだけ脅しつけても「愛」を叫んだ。
そこに嘘はなかった。
「あの日、あの夜。路地裏で無理矢理朱火に裸にされて犯された日。俺は心から幸福だった・・・」
建郎が静かに声を紡ぐ。
「でもその熱が収まった時、俺は同時に恐怖を覚えた。彼女を喪いたくない、と。」
「だからダッチワイフを処分したのか?」
目をつぶり頷く。
「考えても見てくれ。自分そっくりのダッチワイフを見たらどう思うか。君に捨てられる恐怖のあまり俺はダッチワイフを処分することにした」
製造元では引き取りもしていたが時間もかかる。朱火には既に家の鍵を渡してしまっていた。
事態が露呈するリスクは非常に高い。
ならいっそ・・・・・。
「のこぎりで切断しダッチワイフとわからないようにして破棄することも考えたが、朱火そっくりの身体を切断することはできなかった。悩んだ結果、ダッチワイフに重しをつけて廃棄することにしたんだ」
建郎が目を背ける。
「人形」である彼女は彼を糾弾する気持ちなどなかったが、後ろめたさに彼女の無垢な金色の瞳を彼は直視できなかった。
「テープで巻いているときに俺は彼女に謝っていた」
「・・・・聞こえていましたよ、ご主人様」
人形が口を開く。
「私はその時は人形で声を出すことができせんでした。ご主人様が幸せなら私は捨てられてもかまわなったのです。でも・・・・」
「でも?」
「これまで愛してくれてありがとうと言えませんでした。だからそれを言うためにここに来たんです」
「一途だねぇ」
朱火が苦笑する。
「本当にそれだけだったんです。ご主人様の幸せを壊すつもりなんてありませんでした!本当です!」
彼女の瞳から一筋の涙が落ちた。
「あ、あれ・・・」
「そういう事情なら致し方ないな・・・。だが!」
ビリィィィ!
「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
朱火の手が彼女のドレスを引き裂いた。
「やられっぱなしってのは割に合わねぇんだ、アタシは」
朱火の手が素肌を這う。
「確かにリビングドールになっている、いや成りかかっているな。でもこんなんじゃいつかは止まるぜ?」
「止まる?」
彼女が朱火を見る。
「文字通りさ。魔力を使い切って人形に戻るってことさ」
「そんな・・・・」
「お前はどうしたい?イかしたインテリアの一つに戻ってアタシとこいつのファックを見てるだけになりたいか?」
彼女が首を振る。
「なら早い。アタシがアンタに魔力を流し込む。それで完全に魔力が定着する。人形に戻ることもない」
「魔力を流し込むって・・・うぐっ!」
朱火が彼女の唇に口づけする。
「こういうことさ」
朱火が舌なめずりする。
「貝合わせって知っているか?お前」
ぐちゅ・・ぐちょ・・・
「は・・はぁ・・・」
苦し気な喘ぎ声が響く。
手を拘束された「彼女」の脚を開き、その間に朱火が潜り込み自らのヴァギナと「彼女」のヴァギナを正常位で重ねていた。
朱火が擦り付けるたびに淫らな水音と淫液が滴る音が響く。
「どうだ?女同士もなかなかだろ?」
朱火が笑みを浮かべる。
「あ、熱くてわからないよぉ・・・」
「彼女」が途切れ途切れに呟く。
「息を止めんじゃねーぞ。もっと快楽を貪れよ」
ギュッ
「!」
朱火が勃起した「彼女」の乳首を摘まむ。
「お、イイ反応じゃねーか。愛しのご主人様とファックしていてもココはいじってもらってねーのか?」
快楽と羞恥に彩られた表情で「少女」は朱火を見つめる。
「ご、ご主人様は交わりの時に私の乳房を愛撫することはありましたが、その・・・乳首を愛撫されることはありませんでした・・・」
「まぁ、反応のない人形の乳首をいじっても気持ちよくないからな」
朱火の舌が「彼女」の乳首を這う。
「ヒッ!」
「さっきよりもだいぶ感度も良くなってきたな。これなら・・・」
背後の建郎を朱火が見る。
その瞳はギラつき、コックリングを嵌められたペニスからは白濁した淫液が滴る。
「メインデッシュと行こうか」
彼はその淫靡な光景に目を奪われていた。
かつてその淫欲のはけ口として扱っていたダッチワイフと瓜二つの美貌を持つ魔物娘「パイロゥ」。
彼女たちは無垢な子猫のようにじゃれ合い、そして爛れたダンスを踊っていた。
朱火と添い遂げる、その一心で捨てたはずのダッチワイフが奏でる淫声に彼自身は高まり切っていた。
なんと浅ましい下欲か。
自分自身を叱責するが「雄」としての本能が彼を塗りつぶしていった。
キャラキャラ
滑車が耳障りな不協和音を奏で彼は地面に投げ出される。
冷たい床が彼の火照りを癒すが、すぐさま朱火の手で引き上げられる。
魔物娘の膂力は人間を遥かに超える。
朱火は建郎よりも背が低いにもかかわらず、難なく彼を立たせた。
「見てみなよ」
脚を開かれた「人形」のソコは薔薇のように紅く色づき、胡蝶蘭や麝香にも似た香しい芳香が漂っている。
その淫靡な痴態にゴクリと息を飲む。
「へへっ、盛りのついた駄犬のようなツラしてやがる」
・・・・最早建郎には朱火の嘲笑すら届かない。
クチィ・・・グチュッ!!
亀頭が「人形」のヴァギナに触れた瞬間、彼は彼自身の全てを押し入れた。
「かッはッ!」
その強引な交わりに「人形」が空気を吐き出すように呻く。
ぐちゅぎゅぐちゅ
交わりの際に漏れ出た水音が響くのを聞きながら朱火は笑みを浮かべた。
「愉しそうじゃねーか。ならアタシはこっちで愉しませてもらおうか」
ずるッ!
建郎のアナルからピンク色のアナルバイブが引き出される。
バイブが彼のGスポットを刺激したのだろう。
彼が後ろを振り向く。
朱火の手にあるもの。
ソレは棒のようにも見えるが、暗がりの中目を凝らすと、鈍くピンクがかった銀色のソレが男性器を両端に象った淫具であることがわかった。
― 魔界銀製の双頭バイブ ―
朱火は金色の茂みの奥の、自らのヴァギナに押し当てた。
既にソコは濡れていたのだろう、微かな水音とともに大した抵抗なく根本まで差し込まれる。
彼女はそれをしっかりとその細い腰にレザーバンドで固定した。
「!」
自体を察知した建郎が腰を引くが・・・・。
ぎゅぅ!
征服しつくした「人形」のヴァギナを刺激してしまったのだろう、彼のペニスを強く締め付けてしまった。
強い快楽の中身動きもできぬまま、その時がやってきた。
グポッ!
「アッーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!」
彼の尻肉が割り引かれ、その凶悪なアーティファクトが彼の純潔を散らした。
グプッ!グプッ!グプッ!
「ぐふっぐふっ!!」
声にならない呻き声をあげながらも彼のペニスは「人形」を貫き続ける。
タケリダケの服用や魔力や魅了を使った交わりの例あるが、セックスの終わりは通常男の吐精で終わる。
しかし吐精を止める「魔界銀製のコックリング」では「終わり」がない。
朱火が建郎のアナルを犯すとそれに伴い「人形」のヴァギナを貫き、建郎が快楽に身を捩りアナルが締まり朱火の膣内で魔界銀製の張型が暴れまわる。
淫らな永久機関が完成していた。
「アタシもヨクなってきたぜ。それじゃぁ・・・・」
朱火がニヤリと淫らな笑みを浮かべた。
「イきな」
カランッ
不意に魔界銀製のコックリングが外れた。
「さおふぁふあぁいああぁぁぁぃあぁいあ!!!!!!!」
声にならない、例えるなら獣の断末魔のような声を叫び建郎は「人形」に精を注ぎ込んだ。
「あ・・・・あ・・ぁ・」
ドサッ
文字通り精も根も尽き果てた建郎が力なく倒れた。
バチッ・・・ゴッ!
朱火がもぎ取るように双頭バイブを引き抜く。
一度達した彼女にとってソレは不快な異物に他ならなかったからだ。
「どうだ?アタシからの魔物娘としての最初の誕生日プレゼントは?」
「人形」は快楽を受け止めきれなかったのだろう、彼女もまた荒い喘ぎ声を漏らしていた。
「見れば見るほどアタシそっくりだな。気に入っちまったよ。そうだ・・・・」
朱火が彼女を抱きしめる。
「アタシの妹になれよ」
悪魔の囁きに彼女は静かに頷いた。
間接照明の暖かな光の中、三つの影が躍る。
「正妻」であるパイロゥの朱火が伴侶である建郎を抱きしめながら、その肉の花弁に彼自身を受け入れ快楽を貪っていた。
ぐっちゅ!ぐっちゃ!ぐちゃ!
「突きが甘いんじゃねーか?オラッ!」
ぺちん
朱火がやわらかな建郎の尻を叩く。
「そんなにアタシのマンコより、掘られるのが好きなら・・・・」
朱火が建郎の背後の少女を見る。
「火燐、ヤれ」
火燐と呼ばれたリビングドールの少女に命令する。
彼女のヴァギナには以前朱火が装着していた魔界銀製の双頭バイブが装着されていた。
グプププッ
「かッ・・・・・・」
「ごめんなさい・・・腰が・・・止まりません!!」
彼にバイブが押し込まれると同時にパンパンと響く破裂音とともに少女が彼のアヌスを犯し始める。
「おや、さっきよりも固くなったな、イイぜ」
建郎の唇を塞ぎ、お互いの舌を絡ませる。
あの夜の後、二人は「彼女」を受け入れた。
魔物娘は同じ男を好きになっても相手を排除しない。
それが再び会いたい一心で魔物化した存在なら猶更だ。
こうして三人は今宵も交わり合う。
〜 やっぱり幸せだ 〜
愛しの「姉妹」に激しく愛され犯され、彼は幸福を噛みしめながら朱火の膣内にスペルマを注ぎ込んだ。
何処かの倉庫だろうか。
薄暗く広い空間に金属が擦れあう音が鈴の音のように響く。
「ふっ・・・・・ふぅっ・・・!」
苦悶とも艶めかしい嬌声ともとれる呻き声が響く闇の奥、ややピンク色がかった銀の鎖によって拘束された肢体が浮かび上がる。
勃起し充血した乳首にはクリップローターがつけられ、アヌスにはピンク色をした凶悪なアナルバイブが蠢きその肉体に未体験の快楽を刻みつけていた。
彼自身のペニスは既に勃起していたが、その根本につけられているややピンク色がかったコックリングに吐精は塞き止められ、終わることのない快楽に彼自身のペニスからは粘りつくような液体が止め処もなくぴちょりぴちょりと涙のように滴り落ちている。
黄金の筋肉もなく、中肉中背ないたって平凡な身体つきの男性。
屈服させるのが目的ではない。
これは彼に対する「罰」であり、そしてその不義理に対する「審問」だ。
「おいおい、ちゃっかり楽しんでんじゃねーか。これじゃ罰になんねぇーな!おい!」
暗闇から声が響く。
明るい少女の声。
しかしその声には明確な侮蔑と怒りが含まれていた。
ブラックレザーの煽情的な衣装を身に纏い山吹色の髪を揺らしながら、彼に歩み寄り彼の乳首につけられたローターをその白い指で弾く。
「ふごッ!ふぉぉぉごぁ!!!」
チャリチャリ!
男が身体を捩り鎖が擦れあう。
「こんなにめちゃくちゃにされてもイケないなんて地獄だろ?」
少女は男の口に嵌められたゴム製の口枷に指をかけると強引に引き出す。
「前に言ったよね?アタシを裏切ったら許さないって!」
少女の身体が燃え上がった。否、それは少女が「元の姿」に戻っただけだ。
金色の髪
額から生えた二本の角
腰から伸びた翼手類にも似た翼
火を操る悪魔であり、上位種「バルログ」の眷属たる魔物娘「パイロゥ」が冷たい眼差しで立っていた。
「僕は裏切ってはいない!!信じてくれ!!!!」
男は懇願する。
しかしパイロゥはその焔色の瞳を細めただけだった。
「まだシラを切りやがるか・・・・」
ボワッ!
彼女の手に炎が灯る。
その姿を見て彼は彼女が自らに加える「罰」を理解した。
「や、やめろ!!!やめてくれぇぇぇ!」
慈悲を懇願し男が彼女の魔手から逃げようとするが四肢を拘束されてしまっている。この状態では彼女の劣情を更に煽り立てる以上の意味はなかった。
「・・・・誘ってんのか?怯えた顔もイイぜ」
少女が男の首筋をゆっくりと舐める。
「愉しめよ」
少女はその炎を纏った手で彼のペニスを握った。
「あっ!あああああぁぁぁぁあっぁぁぁぁぁぁあああああ!!!!!!!!!」
男の絶叫が響く。
魔物娘は人を傷つけない。
彼女が手に宿した炎は彼の身体を焼くことはないが、しかしその「魔炎」は焼かれるような欲情や快楽を刻む。
「は、面白いだろ?魔界銀のコックリングは?一度イっても吐精できず快感はずっと続くんだからな」
男がビクンビクンと、まるで電気椅子で処刑される死刑囚のように跳ねるのを見ながら笑みを浮かべる。
「どうだ?正直に答えなよ?浮気したんだろ?」
「違うんだ!違うんだよ朱火!」
朱火と呼ばれたパイロゥの手が彼の口を塞ぐ。
「まだ足りねぇってのか!あ?」
男が首を振る。
「じゃあアレはなんなんだよ!!答えろよ!!」
朱火が強引に男の首を「ソコ」に向ける。
そこには一人の少女が拘束されていた。
額の角や腰の翼などの違いこそあれ、その少女は朱火そっくりだった。
ザザァ・・・
黒々とした波間が揺れ寂しげなコーラスを奏でている。
読み方もわからない異国の文字が書かれた瓶や缶、奇怪な形の流木などが犇めく中、「ソレ」が身を捩る。
かろうじて「ソレ」が人間 ― 少女を模したモノ ― とはわかる。
動いたせいだろうか、パラパラと彼女を拘束していたものの残骸が崩れ落ちる。
「お目覚めかしら?」
ギギッ・・・!
ソレが声のした方向にぎこちなく首を向ける。
捩れた角と冷たさを感じる青い肌、そこに「悪魔」がいた。
「満月の晩の散歩は面白いわ。貴方のような存在に会えるもの・・・・」
「・・・・?」
悪魔が笑みを浮かべる。
「私はレーム、デーモンよ。貴方からは強い未練を感じたわ。さぁ言いなさい、貴方の願いを」
「ワ・・ダシは・・・・・」
― お前のこと好きだったんだよ、本当だよ ―
― でもお前がいるとあの子と一緒になれないんだ ―
― だから・・・! ―
「アいたいヒトがいマス・・・・」
「そう・・・」
レームと名乗ったデーモンが音もなく「ソレ」に近づく。
「これは餞別よ」
唇が重なる。その瞬間、ソレの身体に炎が入り込む。
それとともに「ソレ」の身体がが巻き戻るかのように修復されていく。
着ていたボロボロのドレスは「ウェディングドレス」を思わせる純白のものに変わる。
「さぁ行きなさい。為すべきことを為すために」
レームと名乗るデーモンはそう言うと愉快そうに笑みを浮かべた。
「少女」は歩き出した。
此処がどこかはわからなかった。
だが、彼女の身体の奥底、疼くように感じる熱さは進むべき道を教えてくれた。
ゆっくりとだが確実に、少女は満月のように輝く金色の髪を揺らし歩き始めた。
「ご主人様・・・・」
為すべきことを為すために・・・・。
「で、体に残る精の残り香を頼りに家にたどり着いたってことか」
「はい・・・・」
少女が俯く。
「鍵が掛かっていて入れなかったんですが、入りたいと思っていたら勝手にドア開いて。ご主人様の姿は見えなかったので少し待っていようと・・・・」
「で、その時にコイツが帰ってきたってことか」
静かに頷く。
「気が付いたら、その・・・アレを・・・・」
「あたしの旦那を問答無用でファックしていたってわけか?」
「ご主人様を見たらもうおかしくなって・・・すみません・・・」
生まれたての「魔物娘」が魔力不足になり意中の殿方を手籠めにしてしまうことはある。
それなりに理解できるが、しかし「謎」が残る。
朱火が彼、「野毛建郎」と出会った時は他の魔物娘の匂いなどしなかった。
そこに嘘はない。
だが、目の前の少女は「リビングドール」。れっきとした魔物娘だ。
「気になンのは、そのご主人様ってのは何だ?」
「それは・・・・・」
少女が言い淀む。
「・・・・彼女はダッチワイフだ」
建郎が重々しい口を開いた。
「正直俺は容姿に恵まれてもいなければ頭の良くない。この歳で役付きにもなれないぺーぺーの団体職員だ。だから・・・・」
「性欲をダッチワイフで満足させてたんだな?」
建郎が頬を染める。
オナホールで処理するならいざ知らず、ダッチワイフを使用しているとあれば羞恥心も生まれる。
幼い体躯
金色の瞳と柔らかな髪
見れば見るほど「少女」は角や翼の有無はあれど、パイロゥの朱火そっくりだった。
「満足していた。これは幸せなんだと納得していた。でも・・・」
「アタシに出会ったわけか」
静かに頷く。
「まるで家で待っててくれているあのダッチワイフが人間になったかのように、俺は一瞬で心奪われた」
「ああ、思い出すぜ。あの時のお前は引くくらいまじめで真剣で・・・。だからアタシは・・・・」
朱火にとって男はタダ酒やタダ飯をタカるだけの存在だった。
愛してる
大切にする
そんな軽薄な言葉を吐く男でも魔物娘としての姿を見せたら怯えて逃げるのが常だった。
人間は臆病で弱い。
自分よりも強い存在である「魔物」を見て正気でいられることなんてない。
だが建郎は逃げなかった。
どれだけ脅しつけても「愛」を叫んだ。
そこに嘘はなかった。
「あの日、あの夜。路地裏で無理矢理朱火に裸にされて犯された日。俺は心から幸福だった・・・」
建郎が静かに声を紡ぐ。
「でもその熱が収まった時、俺は同時に恐怖を覚えた。彼女を喪いたくない、と。」
「だからダッチワイフを処分したのか?」
目をつぶり頷く。
「考えても見てくれ。自分そっくりのダッチワイフを見たらどう思うか。君に捨てられる恐怖のあまり俺はダッチワイフを処分することにした」
製造元では引き取りもしていたが時間もかかる。朱火には既に家の鍵を渡してしまっていた。
事態が露呈するリスクは非常に高い。
ならいっそ・・・・・。
「のこぎりで切断しダッチワイフとわからないようにして破棄することも考えたが、朱火そっくりの身体を切断することはできなかった。悩んだ結果、ダッチワイフに重しをつけて廃棄することにしたんだ」
建郎が目を背ける。
「人形」である彼女は彼を糾弾する気持ちなどなかったが、後ろめたさに彼女の無垢な金色の瞳を彼は直視できなかった。
「テープで巻いているときに俺は彼女に謝っていた」
「・・・・聞こえていましたよ、ご主人様」
人形が口を開く。
「私はその時は人形で声を出すことができせんでした。ご主人様が幸せなら私は捨てられてもかまわなったのです。でも・・・・」
「でも?」
「これまで愛してくれてありがとうと言えませんでした。だからそれを言うためにここに来たんです」
「一途だねぇ」
朱火が苦笑する。
「本当にそれだけだったんです。ご主人様の幸せを壊すつもりなんてありませんでした!本当です!」
彼女の瞳から一筋の涙が落ちた。
「あ、あれ・・・」
「そういう事情なら致し方ないな・・・。だが!」
ビリィィィ!
「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
朱火の手が彼女のドレスを引き裂いた。
「やられっぱなしってのは割に合わねぇんだ、アタシは」
朱火の手が素肌を這う。
「確かにリビングドールになっている、いや成りかかっているな。でもこんなんじゃいつかは止まるぜ?」
「止まる?」
彼女が朱火を見る。
「文字通りさ。魔力を使い切って人形に戻るってことさ」
「そんな・・・・」
「お前はどうしたい?イかしたインテリアの一つに戻ってアタシとこいつのファックを見てるだけになりたいか?」
彼女が首を振る。
「なら早い。アタシがアンタに魔力を流し込む。それで完全に魔力が定着する。人形に戻ることもない」
「魔力を流し込むって・・・うぐっ!」
朱火が彼女の唇に口づけする。
「こういうことさ」
朱火が舌なめずりする。
「貝合わせって知っているか?お前」
ぐちゅ・・ぐちょ・・・
「は・・はぁ・・・」
苦し気な喘ぎ声が響く。
手を拘束された「彼女」の脚を開き、その間に朱火が潜り込み自らのヴァギナと「彼女」のヴァギナを正常位で重ねていた。
朱火が擦り付けるたびに淫らな水音と淫液が滴る音が響く。
「どうだ?女同士もなかなかだろ?」
朱火が笑みを浮かべる。
「あ、熱くてわからないよぉ・・・」
「彼女」が途切れ途切れに呟く。
「息を止めんじゃねーぞ。もっと快楽を貪れよ」
ギュッ
「!」
朱火が勃起した「彼女」の乳首を摘まむ。
「お、イイ反応じゃねーか。愛しのご主人様とファックしていてもココはいじってもらってねーのか?」
快楽と羞恥に彩られた表情で「少女」は朱火を見つめる。
「ご、ご主人様は交わりの時に私の乳房を愛撫することはありましたが、その・・・乳首を愛撫されることはありませんでした・・・」
「まぁ、反応のない人形の乳首をいじっても気持ちよくないからな」
朱火の舌が「彼女」の乳首を這う。
「ヒッ!」
「さっきよりもだいぶ感度も良くなってきたな。これなら・・・」
背後の建郎を朱火が見る。
その瞳はギラつき、コックリングを嵌められたペニスからは白濁した淫液が滴る。
「メインデッシュと行こうか」
彼はその淫靡な光景に目を奪われていた。
かつてその淫欲のはけ口として扱っていたダッチワイフと瓜二つの美貌を持つ魔物娘「パイロゥ」。
彼女たちは無垢な子猫のようにじゃれ合い、そして爛れたダンスを踊っていた。
朱火と添い遂げる、その一心で捨てたはずのダッチワイフが奏でる淫声に彼自身は高まり切っていた。
なんと浅ましい下欲か。
自分自身を叱責するが「雄」としての本能が彼を塗りつぶしていった。
キャラキャラ
滑車が耳障りな不協和音を奏で彼は地面に投げ出される。
冷たい床が彼の火照りを癒すが、すぐさま朱火の手で引き上げられる。
魔物娘の膂力は人間を遥かに超える。
朱火は建郎よりも背が低いにもかかわらず、難なく彼を立たせた。
「見てみなよ」
脚を開かれた「人形」のソコは薔薇のように紅く色づき、胡蝶蘭や麝香にも似た香しい芳香が漂っている。
その淫靡な痴態にゴクリと息を飲む。
「へへっ、盛りのついた駄犬のようなツラしてやがる」
・・・・最早建郎には朱火の嘲笑すら届かない。
クチィ・・・グチュッ!!
亀頭が「人形」のヴァギナに触れた瞬間、彼は彼自身の全てを押し入れた。
「かッはッ!」
その強引な交わりに「人形」が空気を吐き出すように呻く。
ぐちゅぎゅぐちゅ
交わりの際に漏れ出た水音が響くのを聞きながら朱火は笑みを浮かべた。
「愉しそうじゃねーか。ならアタシはこっちで愉しませてもらおうか」
ずるッ!
建郎のアナルからピンク色のアナルバイブが引き出される。
バイブが彼のGスポットを刺激したのだろう。
彼が後ろを振り向く。
朱火の手にあるもの。
ソレは棒のようにも見えるが、暗がりの中目を凝らすと、鈍くピンクがかった銀色のソレが男性器を両端に象った淫具であることがわかった。
― 魔界銀製の双頭バイブ ―
朱火は金色の茂みの奥の、自らのヴァギナに押し当てた。
既にソコは濡れていたのだろう、微かな水音とともに大した抵抗なく根本まで差し込まれる。
彼女はそれをしっかりとその細い腰にレザーバンドで固定した。
「!」
自体を察知した建郎が腰を引くが・・・・。
ぎゅぅ!
征服しつくした「人形」のヴァギナを刺激してしまったのだろう、彼のペニスを強く締め付けてしまった。
強い快楽の中身動きもできぬまま、その時がやってきた。
グポッ!
「アッーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!」
彼の尻肉が割り引かれ、その凶悪なアーティファクトが彼の純潔を散らした。
グプッ!グプッ!グプッ!
「ぐふっぐふっ!!」
声にならない呻き声をあげながらも彼のペニスは「人形」を貫き続ける。
タケリダケの服用や魔力や魅了を使った交わりの例あるが、セックスの終わりは通常男の吐精で終わる。
しかし吐精を止める「魔界銀製のコックリング」では「終わり」がない。
朱火が建郎のアナルを犯すとそれに伴い「人形」のヴァギナを貫き、建郎が快楽に身を捩りアナルが締まり朱火の膣内で魔界銀製の張型が暴れまわる。
淫らな永久機関が完成していた。
「アタシもヨクなってきたぜ。それじゃぁ・・・・」
朱火がニヤリと淫らな笑みを浮かべた。
「イきな」
カランッ
不意に魔界銀製のコックリングが外れた。
「さおふぁふあぁいああぁぁぁぃあぁいあ!!!!!!!」
声にならない、例えるなら獣の断末魔のような声を叫び建郎は「人形」に精を注ぎ込んだ。
「あ・・・・あ・・ぁ・」
ドサッ
文字通り精も根も尽き果てた建郎が力なく倒れた。
バチッ・・・ゴッ!
朱火がもぎ取るように双頭バイブを引き抜く。
一度達した彼女にとってソレは不快な異物に他ならなかったからだ。
「どうだ?アタシからの魔物娘としての最初の誕生日プレゼントは?」
「人形」は快楽を受け止めきれなかったのだろう、彼女もまた荒い喘ぎ声を漏らしていた。
「見れば見るほどアタシそっくりだな。気に入っちまったよ。そうだ・・・・」
朱火が彼女を抱きしめる。
「アタシの妹になれよ」
悪魔の囁きに彼女は静かに頷いた。
間接照明の暖かな光の中、三つの影が躍る。
「正妻」であるパイロゥの朱火が伴侶である建郎を抱きしめながら、その肉の花弁に彼自身を受け入れ快楽を貪っていた。
ぐっちゅ!ぐっちゃ!ぐちゃ!
「突きが甘いんじゃねーか?オラッ!」
ぺちん
朱火がやわらかな建郎の尻を叩く。
「そんなにアタシのマンコより、掘られるのが好きなら・・・・」
朱火が建郎の背後の少女を見る。
「火燐、ヤれ」
火燐と呼ばれたリビングドールの少女に命令する。
彼女のヴァギナには以前朱火が装着していた魔界銀製の双頭バイブが装着されていた。
グプププッ
「かッ・・・・・・」
「ごめんなさい・・・腰が・・・止まりません!!」
彼にバイブが押し込まれると同時にパンパンと響く破裂音とともに少女が彼のアヌスを犯し始める。
「おや、さっきよりも固くなったな、イイぜ」
建郎の唇を塞ぎ、お互いの舌を絡ませる。
あの夜の後、二人は「彼女」を受け入れた。
魔物娘は同じ男を好きになっても相手を排除しない。
それが再び会いたい一心で魔物化した存在なら猶更だ。
こうして三人は今宵も交わり合う。
〜 やっぱり幸せだ 〜
愛しの「姉妹」に激しく愛され犯され、彼は幸福を噛みしめながら朱火の膣内にスペルマを注ぎ込んだ。
23/12/11 11:10更新 / 法螺男