読切小説
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面接 ― 選ばれし「勇者」 ―
― 面接 ―

選考方法の一つであり、書類や筆記でのアンケートないしテストでは判断ができない人物像や能力思想などを、実際に会って見極める事にある。
進学、あるいは就職。場合によっては「お見合い」も面接による花嫁の選考とも言えるかもしれない
人間誰しも生きる上で「面接」から逃れることなどできないのだ・・・・・。


「・・・・・」

広い会議場。ポツンと置かれたありふれたパイプ椅子に一人の男が座っている。それなりに良い生地を使った背広は彼の社会的立場が透けて見えるようだ。
しかし、彼の表情は晴れない。
当然だろう。
今、「この場所」で彼の「人生」が決まるのだから・・・・。

パラッ・・・・。

目の前には一人の女性。青みがかった銀髪とオレンジがかった赤い瞳の印象的な美女だ。彼女は緊張でガチガチの男には目をくれず、目の前の履歴書に目を通している。

「今回、志望した理由は・・・」

「お黙りなさい」

「はい」

「志望理由なんてたかが知れるわ、瑞樹さん。貴方は臨床心理士として精神科病院に五年勤務するも、毎度毎度の資格更新と小間使いのような仕事に飽き飽きとして退職。親類が税金対策に設立した福祉団体に再就職し、給料は低くとも土日祝日定時上がりのホワイト生活を満喫中。間違っているかしら?」

「いいえ・・・違いません」

「職場では誠実さを語りつつも、ソープでは二輪車プレイをいつもオーダー。OLと秘書コスプレをさせた泡姫をオプションで用意させた双頭バイブでレズらせつつ、フェラさせるようなド変態。とんだ外道ね」

瑞樹と呼ばれた男性がビクビクッとのけぞる。

「どうせあなたのような偽善者に自己紹介させても組織の潤滑剤とでも言うだけでしょ?ウチ、ローションなんて足りてるのよ?」

女性が瑞樹を責め立てる。所謂「圧迫面接」だ。

「ねぇ、どうなの?悔しいかしら?言い返したらどう?」

「・・・・違っていません」

「なら認めるのね?ド変態のド外道と?」

「はい・・・」

女性は満足げに目を細める。

「口に出して言ってごらんなさい」

「ウッ・・・・!」

「ここまで来て怖気づいてしまったのかしら?いいのよボクちゃん、この部屋を出て行っても?」

「・・・・・・・変態の外道です」

「聞・こ・え・な・い」

「ド変態のド外道です!!!!」

「まだ足りないものがあるわ。ワカッテルデショ?」

「私は泡姫をレズらせて悦に入っている下品で救いようのない下衆野郎です!!!!医師の家系に生まれた鼻つまみ者です!!」

パチパチ

女性が手を叩いた。

「おめでとう。まずは第一関門のクリアを報告するわ。当然、続行よね?」

瑞樹は静かに頷いた。


「次のテストは論説テストよ。二つの画像を見て答えなさい。あらかじめ言っておくわ。これには答えはない、自分自身の答えを出しなさい」

女性の背後に設置されたモニターに二人の女性、否二人の「魔物娘」の画像が映し出される。

「これは・・・・!」


背中に黒々とした目のついた触手を持つ一つ目の魔物娘「ゲイザー」


サバトの盟主にして魔物娘屈指の名器を持つ山羊の角を持つ小さき王「バフォメット」


「この二人の内、貴方の人生に必要な魔物娘はどちらかしら?」

瑞樹はゲイザーとバフォメットを見る。
共通項は「幼い肢体」と「高位の魔物娘」ということ。


― 「ゲイザー」といえば、その容姿から卑屈で意地が悪い。恐らく罵倒は絶えないだろう、いやそれどころかその職能を生かして・・・・ ―


〜  ゲイザービーム! ビビビ 〜

〜  はうっ! 〜

〜  今日は肉バイブプレイだぜ!みじめだな〜〜アタイみたいなロリにいいようにされるのは!!

〜 (しゃべれない!!!息はできるけど)

〜 そうら、入っていくぞ・・・・ ヌププ 〜


― ダメだダメ!そんなんじゃただの熟年カップルのイメプレの域を出ない!バフォ様なら・・・ ―


〜 兄様!!できましたぞ!!グツグツ 〜

〜 こ・・・れは・・・? 〜

〜 ドラえも〇を代表する料理!その名も「ジャイアンシチュ〇」じゃ!!! 〜

〜 嘘・・・・そんな・・・ 〜

〜 兄様が一度食べたいと言っておったから奮発したのじゃ! 〜

〜 何かハハッ・・・食欲ないな・・・・ 〜

〜 なん・・・じゃ・・と? 〜

〜 (ゲッ!怒らせた??) 〜

〜 病気なのか!不治の病なのか!万能薬のジャイアンシチューを食べるのじゃ!! 〜

〜 ヒッ!ヒィィィィィィィィィ!!!!!! 〜


― バフォ様のイノセンスな虐待プレイも捨てがたい。が、それは真実を知ったバフォ様が傷つく。下手をしたらお兄ちゃんズにバフォ様を泣かした咎でギルティされるかもしれない ―


瑞樹は二つの画像を見る。答えは決まった。

「必要ない」

「もう一度」

「二人共必要ない」

「・・・・・」

沈黙が二人に訪れる。

「ファイナルアンサー?」

「アンサ―」


「合格よ」

そういうと女性はツカツカと瑞樹に近づき、彼の髪を掴み無理矢理上を向かせた。

「犬としては合格よ。飼ってあげるわ!」

その瞬間、女性の身体からピンク色の光が溢れ服が弾け飛んだ。
サイドが大胆に切り込みが入れられたレザーのショートパンツに編み上げのブーツ。
腰には彼女の種族の特徴である「鞭」
そう
彼女の「種族」は。

「このダークエルフのゾラのペットとして一生飼い殺しにしてあげるわ!」

「はっ!ありがたき幸せ!!」

瑞樹はその場で跪き、人間としての「尊厳」を捨てた。


彼は満たされたかった。
医師の家系に生まれ、何不自由ない生活。欲しいものは買えたし、勉強しなくてもソコソコの成績。
難関である臨床心理士の資格とて彼が本気で勉強すれば現役で合格できた。
社会的地位もある。
金もある。
だが「満足」は無かった。
そんな中、彼は「ゾラ」と出会った。
魔物娘が一般的になった現代。
街中でも彼女達の姿を見ない日はない。
その日、翌日が休日であることもあり瑞樹は夜の街へと繰り出した。
いつものバーでミルク入りのジンフィズ「會舘フィズ」を楽しんだ後、彼は何をするでもなく夜の街を歩く。
その時だった。

「お高くとまりやがってこの化け物女!!」

見るとチンピラが一人の女性に絡んでいた。
見た目は普通に人間と変わらないが、その尖った特徴的な耳は「エルフ」であることを雄弁に語っている。
肌の黒さから言って恐らくはエルフの亜種である「ダークエルフ」に間違いない。

ビシッビシッ!!

黒い閃光がチンピラを打ち据える。
それと同時にカルキ臭が周囲に漂う。
人間の力では太刀打ちできない「暴力」。
その美しさに彼は魅入られた。
ベルデッドと名乗るベルゼブブの探偵に調べてもらった結果、彼女には「ペット」はいない。
意を決して、瑞樹は彼女とコンタクトを取り、結果が今回の「ペット選考面接」だったのだ。


ジジ・・・・

ゾラはジッパーを開き、整えられたヘアーを見せつける。

〜 「犬」ならどうするべきかわかるでしょ? 〜

彼女からの命令はない。しかし、「犬」としての本能が何をすべきかを教えてくれる。
クリトリスの根本を押し込み、クリトリスの皮を完全に剥き、クリトリスを丸出しにしてしまう。
そしてクリトリスを唇で挟み、音をたてて吸い付き、さらに唇でクリトリスを挟んだまま捏ね回し激しく吸い上げる。

「粗削りだけど中々味なことしてくれるじゃない。そら!ご褒美だよ!」

微かに彼女の尿道が震えた瞬間。

ジョボボボボ!!!!!

彼女の雫が口に流し込まれた。飲み干せず、溢れてしまったがその光景をゾラは満足そうに眺めた。

「何を期待しているのかしら?小汚いココをこんなにして!」

ギュッ!

ゾラが彼自身を掴む。

「ゾラ様お許しを・・・・・!」

「駄犬の躾けも飼い主の甲斐性ね。その場に横になりなさい!ちゃんとお腹を見せてね」




愛しの「ペット」と狂暴な「ご主人様」
彼らの夜は終わらない。



18/08/31 23:00更新 / 法螺男

■作者メッセージ
毎度毎度の資格更新って面倒なんですよ。
いや、マジで。

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