恐怖!リリムの盆踊り
― 魔王の娘「リリム」 ―
たった一人で一軍に匹敵する魔力を持つ「魔物」にして、現魔王の娘たる存在。
その生態は謎に包まれている。
今回我が探検隊はその謎に包まれたリリムの生態を暴くべく、秘境王魔界へと足を踏み入れた。
「ここが王魔界・・・・」
今我らの眼前には恐ろしい魔物達が生息する王魔界が広がっている。のだが・・・・しかし傍目から見ればただの裏山にしか見えない。
「グわぁ!!!蛇が!!!キングコブラが!!!」
迷彩服を着た青年がその場に蹲る。
「いかん!フィリップ隊員!!!傷は浅いぞ!!早く血清を!!!!」
「川口隊長・・・・自分はもうだめです・・・・」
「何を弱気な事を!!!!まさか!!!」
「ええ・・・・。転んだ拍子にサソリにやられてしまいました・・」
「そんな・・・・!君はまだ結婚したばかりだ!!気をしっかり持て!!」
川口隊長と呼ばれた男は腰に下げたボウイナイフを持つと、サソリとキングコブラに噛まれた傷跡を切り付け、毒を吸い始めた。
「隊長!!止めてください!!隊長にもキングコブラとサソリの毒が!!」
「蛇の毒は血中に入れば危険だが胃で消化できる!!サソリも流し込む量は少量だ!!!問題ない!!!」
「ありがとうございます隊長・・・」
「脛の傷は探検家の勲章だ!!帰ったら嫁さんに自慢してやれ!!!」
そう言うと川口は親指を立てた。
小一時間後、キングコブラとサソリの毒を喰らったにしては元気にフィリップと探検隊は捜索を続けた。
「ム?!モーリス隊員!頭を伏せろ!!!」
川口が頭を下げる。彼の声に反応して隊員達が草むらに身を隠した。
見ると密林(どう見ても藪)をボンテージをキメた幼女が一人歩いている。
「白い髪に黒と赤の瞳、噂通りリリムだ」
「クンニ?(男の匂いがする・・・!」
「いかん!ヤツめコチラに気付いたぞ!!!」
ザッザッ!
「ク・・・クンニ!(熟成された精の匂い・・・童貞ね!!)」
「隊長!!撃ちましょう!!」
ガシャッ!
モーリスと呼ばれた隊員がショットガンのポンプを操作する。ポンプアクションの銃は一発撃つごとにポンプ操作でショットシェルを排莢せねばならないが、何もない場所でそれをすれば目立つことこの上ない。
「馬鹿なモーリス隊員!!銃なんてお守りにもならん!!!」
「先手必勝です!!私はアラスカでグリズリーを狩ったこともあります!大丈夫です!!」
モーリスと呼ばれたハゲ、もといハゲ隊員が愛銃のレミントンM870を向けるが・・・
「い・・いない?」
その瞬間だった!
「鼻フック!!!(男だァァァァ!!!!)」
ボンテージ幼女、もといリリムの幼生がモーリスのショットガンを掴んでいた。
「う、うわぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
ガン!ガン!
パニックに陥ったモーリスがトリガーを引く。が、銃身を掴まれてしまっては熊用のスラッグ弾であっても意味がない。そこ!ポンプアクションの銃はポンプ操作なしで二連射できないとツッコまない!
「鼻フック!!鼻フック!!クスコ!!!!!!(男!男!!ごちそうだぁぁぁぁぁぁ!!!)」
この露出狂幼女にどんな力が秘められているのだろうか?
瞬く間にモーリスはその場に押し倒されてしまう。
そして・・・。
「クスコ!!クスコ!!明るい家族計画!!!クスコ!!ポキール!!(ごちそう!ごちそう!!久しぶりのごはんだぁぁぁ!!)」
リリムの貴重な捕食映像。
ただしモザイク処理が激しすぎて何をしているか激しくわからない!
「くっ!モーリスはもうだめだ!!!撤退する!!」
「隊長!モーリスを見捨てるんですか!モーリスはこの前植毛したばかりなのに!!」
「私とて断腸の思いだ!しかし我々が全滅してしまったらそれこそお終いだ!」
捕食が済んだのだろう、ぐったりしたモーリス。若干、痩せこけてハゲが増しているようにも見える。
「TENGA!(村の皆におみやげにしよう!)」
難なく彼を担ぐとリリムが藪の中に入っていく。
「いくぞフィリップ!!モーリスの仇をとるぞ!!!」
「はい!!」
フィリップは腰のホルスターから愛用のトーラス・レイジングブル44マグを引き出すとしっかりと握る。
二人は王魔界最深部にあると言われる「リリム村」へと足を踏み入れた。
「んぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
野太い男性の悲鳴が響く。
「やっぱりこうなったか・・・・」
個室ビデオやリンパマッサージといった如何わしい店が軒を重ねる通り。その片隅で一人の女性が溜息をつく。
もっとも、そういう彼女とて「普通」ではない。
青紫色の肌、冬の満月のようなさめざめとした色の瞳。
深淵の奉仕種族たる魔物娘「ショゴス」だ。
「カタリ!悪い!またしくった!!!」
「もう慣れましたよ宇津郎様」
カタリと呼ばれたショゴスが宇津郎の手を見ると皮一枚で繋がっている有様。本来なら激痛でのたうち回ってもおかしくないが、彼はいたって平然としていた。
「いやぁ〜〜ヤッパ抜いて誠意を見せんかい!とすごまれたんでコレ、やったら悲鳴をあげちゃってさ」
「いくら柔軟性を持った身体だって言っても、何も知らない人間が見たらトラウマになりますよ!!」
そう。ショゴスの伴侶はその妻同様に「柔軟性」を持つ。彼はその特性を生かして古典的な人体切断マジックのように腕を「切った」ように見せかけたのだ。当然ながら断面も完全に再現して。
「ハハッ、次からは気を付けるよ」
〜 おやっさんが泡吹いてやがる!ヤツを探し出せぇぇぇ!!! 〜
明らかに堅気じゃない連中の声が聞こえてくる。殺されることは絶対に無いが面倒事になるのは避けたい。
「で、今日は何になさいます?」
「今日は風を感じたいからケータハム・スーパーセブンで」
「了解。わかりましたわ」
そう言うとカタリの身体が風船のように膨れ、パンッと弾けると紫色のケータハム・スーパーセブンが一台停車していた。
「色はグリーンの方が好みだが、今は仕方ない」
宇津郎は伴侶が車に変化したというのに顔色変えずドアを開くと座席に乗り込む。
私の夫である「江戸川宇津郎」は映画監督をしている。ただし「最低の」がつくが・・・・。
弁解させて欲しいが、夫は何も軽い気持ちで映画を作っているわけではない。ちゃんと一本一本しっかりと作っている。
ただ・・・・少々「アレンジ」してしまうのだ。
愛する人のためにアルプになった少年のドキュメントを撮る契約がどうゆうわけか、代役を立てて魔王の夫の「北斗アルプ化拳」を喰らってアルプ化してしまうという「北斗〇拳」モドキになるくらい激しいアレンジをしてしまう。
おかげでそれを見たアルプの少年はショックのあまり数日間寝込んでしまった。
それを聞きつけた「魔物排斥派」からの依頼で作ったのが今回の作品なのだが・・・。
「魔物が対話も理解もできない化物であると啓蒙する作品を作れっていうから作ったのに」
流石の私でも「対話も理解もできない」という条件で「淫語で会話」という表現はどうかと思うが。もちろん、当然ながら魔物を伴侶にしていることは隠している。
ちなみに作中の「リリム」は私が変化して演じた。
ショゴスである私には造作もないことだ。
「ま、前金もたんまり貰ったし」
彼はこれからも失敗作や駄作を作り続けるだろう。
失敗を100繰り返しても101回目のチャンスがあれば、彼はそれに手を伸ばす。
だからこそ私は・・・・・。
「カタリ、もう次の構想を練っているんだ」
「どんな作品ですの?」
「それはクラーケンがトルネードに乗って・・・・」
「却下。今更マーシャークネードなんて流行りませんよ!」
「じゃあスキュラとマーシャークがレズプレイ中にくっついて抜けなくなって・・・」
「シャークトパスなんて言ったら、ボンドカーよろしく撃ち出しますわよ?」
「ははっ・・・冗談冗談だよ〜〜〜〜」
最低の映画監督と呼ばれたエドウッド。
彼には公私ともに支えてくれる恋人がいた。
しかし、彼女は彼を支えきれなかった・・・・。
恋人と別れたエドウッドは酒に溺れ、そして死んだ。
もし
もしも恋人がエドウッドを見捨てることなく、支え続けたら・・・。
あるいは未来は変わっていたかもしれない。
― 愛しているわアナタ ―
カタリは静かにそう呟いた。
「ん?カタリ、何か言った?」
「・・・・朴念仁」
ギュォォォォォォォォォォ!!!!!!
「ちょっwwwwwww、スピードで過ぎ!!」
たった一人で一軍に匹敵する魔力を持つ「魔物」にして、現魔王の娘たる存在。
その生態は謎に包まれている。
今回我が探検隊はその謎に包まれたリリムの生態を暴くべく、秘境王魔界へと足を踏み入れた。
「ここが王魔界・・・・」
今我らの眼前には恐ろしい魔物達が生息する王魔界が広がっている。のだが・・・・しかし傍目から見ればただの裏山にしか見えない。
「グわぁ!!!蛇が!!!キングコブラが!!!」
迷彩服を着た青年がその場に蹲る。
「いかん!フィリップ隊員!!!傷は浅いぞ!!早く血清を!!!!」
「川口隊長・・・・自分はもうだめです・・・・」
「何を弱気な事を!!!!まさか!!!」
「ええ・・・・。転んだ拍子にサソリにやられてしまいました・・」
「そんな・・・・!君はまだ結婚したばかりだ!!気をしっかり持て!!」
川口隊長と呼ばれた男は腰に下げたボウイナイフを持つと、サソリとキングコブラに噛まれた傷跡を切り付け、毒を吸い始めた。
「隊長!!止めてください!!隊長にもキングコブラとサソリの毒が!!」
「蛇の毒は血中に入れば危険だが胃で消化できる!!サソリも流し込む量は少量だ!!!問題ない!!!」
「ありがとうございます隊長・・・」
「脛の傷は探検家の勲章だ!!帰ったら嫁さんに自慢してやれ!!!」
そう言うと川口は親指を立てた。
小一時間後、キングコブラとサソリの毒を喰らったにしては元気にフィリップと探検隊は捜索を続けた。
「ム?!モーリス隊員!頭を伏せろ!!!」
川口が頭を下げる。彼の声に反応して隊員達が草むらに身を隠した。
見ると密林(どう見ても藪)をボンテージをキメた幼女が一人歩いている。
「白い髪に黒と赤の瞳、噂通りリリムだ」
「クンニ?(男の匂いがする・・・!」
「いかん!ヤツめコチラに気付いたぞ!!!」
ザッザッ!
「ク・・・クンニ!(熟成された精の匂い・・・童貞ね!!)」
「隊長!!撃ちましょう!!」
ガシャッ!
モーリスと呼ばれた隊員がショットガンのポンプを操作する。ポンプアクションの銃は一発撃つごとにポンプ操作でショットシェルを排莢せねばならないが、何もない場所でそれをすれば目立つことこの上ない。
「馬鹿なモーリス隊員!!銃なんてお守りにもならん!!!」
「先手必勝です!!私はアラスカでグリズリーを狩ったこともあります!大丈夫です!!」
モーリスと呼ばれたハゲ、もといハゲ隊員が愛銃のレミントンM870を向けるが・・・
「い・・いない?」
その瞬間だった!
「鼻フック!!!(男だァァァァ!!!!)」
ボンテージ幼女、もといリリムの幼生がモーリスのショットガンを掴んでいた。
「う、うわぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
ガン!ガン!
パニックに陥ったモーリスがトリガーを引く。が、銃身を掴まれてしまっては熊用のスラッグ弾であっても意味がない。そこ!ポンプアクションの銃はポンプ操作なしで二連射できないとツッコまない!
「鼻フック!!鼻フック!!クスコ!!!!!!(男!男!!ごちそうだぁぁぁぁぁぁ!!!)」
この露出狂幼女にどんな力が秘められているのだろうか?
瞬く間にモーリスはその場に押し倒されてしまう。
そして・・・。
「クスコ!!クスコ!!明るい家族計画!!!クスコ!!ポキール!!(ごちそう!ごちそう!!久しぶりのごはんだぁぁぁ!!)」
リリムの貴重な捕食映像。
ただしモザイク処理が激しすぎて何をしているか激しくわからない!
「くっ!モーリスはもうだめだ!!!撤退する!!」
「隊長!モーリスを見捨てるんですか!モーリスはこの前植毛したばかりなのに!!」
「私とて断腸の思いだ!しかし我々が全滅してしまったらそれこそお終いだ!」
捕食が済んだのだろう、ぐったりしたモーリス。若干、痩せこけてハゲが増しているようにも見える。
「TENGA!(村の皆におみやげにしよう!)」
難なく彼を担ぐとリリムが藪の中に入っていく。
「いくぞフィリップ!!モーリスの仇をとるぞ!!!」
「はい!!」
フィリップは腰のホルスターから愛用のトーラス・レイジングブル44マグを引き出すとしっかりと握る。
二人は王魔界最深部にあると言われる「リリム村」へと足を踏み入れた。
「んぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
野太い男性の悲鳴が響く。
「やっぱりこうなったか・・・・」
個室ビデオやリンパマッサージといった如何わしい店が軒を重ねる通り。その片隅で一人の女性が溜息をつく。
もっとも、そういう彼女とて「普通」ではない。
青紫色の肌、冬の満月のようなさめざめとした色の瞳。
深淵の奉仕種族たる魔物娘「ショゴス」だ。
「カタリ!悪い!またしくった!!!」
「もう慣れましたよ宇津郎様」
カタリと呼ばれたショゴスが宇津郎の手を見ると皮一枚で繋がっている有様。本来なら激痛でのたうち回ってもおかしくないが、彼はいたって平然としていた。
「いやぁ〜〜ヤッパ抜いて誠意を見せんかい!とすごまれたんでコレ、やったら悲鳴をあげちゃってさ」
「いくら柔軟性を持った身体だって言っても、何も知らない人間が見たらトラウマになりますよ!!」
そう。ショゴスの伴侶はその妻同様に「柔軟性」を持つ。彼はその特性を生かして古典的な人体切断マジックのように腕を「切った」ように見せかけたのだ。当然ながら断面も完全に再現して。
「ハハッ、次からは気を付けるよ」
〜 おやっさんが泡吹いてやがる!ヤツを探し出せぇぇぇ!!! 〜
明らかに堅気じゃない連中の声が聞こえてくる。殺されることは絶対に無いが面倒事になるのは避けたい。
「で、今日は何になさいます?」
「今日は風を感じたいからケータハム・スーパーセブンで」
「了解。わかりましたわ」
そう言うとカタリの身体が風船のように膨れ、パンッと弾けると紫色のケータハム・スーパーセブンが一台停車していた。
「色はグリーンの方が好みだが、今は仕方ない」
宇津郎は伴侶が車に変化したというのに顔色変えずドアを開くと座席に乗り込む。
私の夫である「江戸川宇津郎」は映画監督をしている。ただし「最低の」がつくが・・・・。
弁解させて欲しいが、夫は何も軽い気持ちで映画を作っているわけではない。ちゃんと一本一本しっかりと作っている。
ただ・・・・少々「アレンジ」してしまうのだ。
愛する人のためにアルプになった少年のドキュメントを撮る契約がどうゆうわけか、代役を立てて魔王の夫の「北斗アルプ化拳」を喰らってアルプ化してしまうという「北斗〇拳」モドキになるくらい激しいアレンジをしてしまう。
おかげでそれを見たアルプの少年はショックのあまり数日間寝込んでしまった。
それを聞きつけた「魔物排斥派」からの依頼で作ったのが今回の作品なのだが・・・。
「魔物が対話も理解もできない化物であると啓蒙する作品を作れっていうから作ったのに」
流石の私でも「対話も理解もできない」という条件で「淫語で会話」という表現はどうかと思うが。もちろん、当然ながら魔物を伴侶にしていることは隠している。
ちなみに作中の「リリム」は私が変化して演じた。
ショゴスである私には造作もないことだ。
「ま、前金もたんまり貰ったし」
彼はこれからも失敗作や駄作を作り続けるだろう。
失敗を100繰り返しても101回目のチャンスがあれば、彼はそれに手を伸ばす。
だからこそ私は・・・・・。
「カタリ、もう次の構想を練っているんだ」
「どんな作品ですの?」
「それはクラーケンがトルネードに乗って・・・・」
「却下。今更マーシャークネードなんて流行りませんよ!」
「じゃあスキュラとマーシャークがレズプレイ中にくっついて抜けなくなって・・・」
「シャークトパスなんて言ったら、ボンドカーよろしく撃ち出しますわよ?」
「ははっ・・・冗談冗談だよ〜〜〜〜」
最低の映画監督と呼ばれたエドウッド。
彼には公私ともに支えてくれる恋人がいた。
しかし、彼女は彼を支えきれなかった・・・・。
恋人と別れたエドウッドは酒に溺れ、そして死んだ。
もし
もしも恋人がエドウッドを見捨てることなく、支え続けたら・・・。
あるいは未来は変わっていたかもしれない。
― 愛しているわアナタ ―
カタリは静かにそう呟いた。
「ん?カタリ、何か言った?」
「・・・・朴念仁」
ギュォォォォォォォォォォ!!!!!!
「ちょっwwwwwww、スピードで過ぎ!!」
18/08/23 18:38更新 / 法螺男