老騎士と首なし乙女
「……何だ、お前は」 「魔王軍第七騎兵隊所属、イライザ・カランバインだ! 貴様を貰い受けに来た!」 「ほう、こんなしがない一傭兵の首を所望か。妙なものを欲しがる奴も居るものだ」 「いや、首よりかは股間のモノのほうが……って何を言わせる!?」 「むしろ何を言っている。……それにしても、随分と物々しい格好だな」 「これは我らが正装だ! 何だ、恐れをなしたか? まぁ、いかに逃げようとも――」 「ここで首を取ろうということか、それなら話は早いな。さぁ、構えろ」 「――我らデュラハンがそれを逃すことは……って、へ? ……あ、うむ、勝負だ!」 「まさか……私が不覚を、取ろうとは……」 「首を取ろうなどとは思わん。さっさと魔界なり何なりに帰れ」 「う、く……」 「万が一諦めがつかないと言うのなら、俺としてはそこまで恨まれる覚えはないのだが、いつでも好きな時に挑んでくると良い」 「ぐすっ……ひぐっ……」 「む?」 「グレゴールの馬鹿あぁぁぁぁぁっ!」 「何だったのだ、一体。……はて、おかしいな。何故奴は俺の名を知っていたのだ?」 |
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