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SWATな彼女
「SWATな彼女」



「スカウト1よりコントロールへ。ロメオが帰宅。入室を確認。タイムスケジュール通りです。」

「こちらコントロール。スカウト1了解した。スカウト各員は回収地点まで後退。フォワード各員はポジションに着き次第作戦開始。以後コントロールとの通信は封鎖する。」

「こちらフォワード1了解した。」

ぷつり、という音と共に無線機と接続されているヘッドセットから何の音も聞こえなくなった。

「なんで普通にアプローチしないんだろう。」

世代の変化によって夫を得る手段が男狩りだけでは無くなった現代のアマゾネスにおいて、なぜなのか男狩りに固執する自分たちの頭首に疑問符を浮かべた。

――――

週に一度は確実に訪れる休日。

朝から晴れ渡り、残り少ない夏を満喫しようとする者達が海やプールに殺到しているだろう。

9月に入っているというのに一向に下がらない気温に対し、夏の暑さもお盆までなんて言った奴はとんでもないほら吹きだな。と心中で毒を吐きながら快適な我が家に向かって歩みを進める。

僅かな休日を堪能すべく以前から目を付けていた映画のDVDとアルコールを抱え、これから訪れる至福の時に心を躍らせながらアパートの階段を上り切る。

一日に一回は目にしている自分の部屋の扉の前に立ち、鍵を開け、靴を脱いで部屋に上がる。

気温によってすっかりぬるくなり表面に水滴の付いたアルコール類を冷蔵庫に入れる。

たかが数分の外出であったのにも関わらずあまりの暑さで噴出した汗を流すべくシャワーを浴びた。

この暑さにも関わらず締め切った南面のベランダの窓はエアコンによって冷却された空気を逃がすこと無く、ただ日光のみを透過し部屋の中は夏の生命力にあふれた明るさに満ちている。

そんな中でシャワーを浴びて体を清めた後に飲むアルコール―特にビール―は他の物では代用のできない多幸感を僕に与えてくれる。

休日だからとエアコンを容赦なく酷使し、タオル一枚を腰に巻いた状態でアルコールを摂取しながら映画を見るのは僕の数少ない娯楽の一つだ。

大学を出て地方の役所に就職してからというもの仲の良い友人と離れ離れになり、特に彼女等いない僕にとってはいつもの休日の過ごし方である。

最近は大量に住民票の移動がありあわただしく過ごす日が多かっただけに今日この日の清々しさは何とも言えない快感だ。

それにしてもすごい数の書類だった。なんでも部族ごと引っ越してきたとか…

前日までの仕事の内容に思いを馳せていると画面の中では前半の山場が過ぎ、手元の缶が空っぽになっている事に気がついた。

僕は二本目の缶を冷蔵庫から取り出すべく立ち上がり、煌々と光が差し込む窓とテレビに背を向けた。

その時突然ガラスの割れた音が響く。

鳴らしっぱなしの映画に動きがあったのかと振り向くと目に飛び込んできたのは、拳大に割れた窓ガラスとガラスを割り飛び込んできた缶のような何か。

酔っ払いが飲みさしの酒の缶を投げ込んできたのか。

よく見るとそれは、今まさに映画の中で見た手榴弾そのもの―しかもなぜかデフォルメされた山羊のかわいらしい模様つき―であった。

突然の事態に驚愕し体がこう着する。

やばいって。爆発するって。

思考のみいつもの数倍の速度で働いているのを感じる。

窓から飛び出ろ。テーブルをひっくり返して盾にしろ。浴室に飛び込め。玄関から飛び出せ。僕の今の恰好やばくね?

一瞬の間に様々な事が頭をよぎるも体はそれに反応せず僅かな時間デフォルメされた山羊と見つめ合う。

あっ死んだ

と思った次の瞬間、間近で打ち上げ花火を見た時のような轟音が響き視界が一瞬にして真っ白になる。

音に驚きとっさに顔の前で両腕を交差させた。

自分の腕によって視界がふさがれたその時、さらなる爆音と窓ガラスの派手に飛び散る音が部屋中に響く。

完全に思考が現実について行かず、より近くである窓の方を無意識に見やる。

そこには全身真っ黒の戦闘服。頭には黒の目だし帽の侵入者がさながら未来から現れた人型殺人マシーンのように膝立ちの体制で僕を睨みつけていた。

膝立ちの体勢から一気に加速し僕に飛びつく様子は、たわんだばねが弾けた時を思わせる勢いで、そのまま僕は引きずり倒されてしまう。

いつの間にかに玄関を蹴り破り侵入してきた同様の恰好をした二人によって抵抗する暇もなく腕にはナイロン製の手錠がはめられていた。

「なっ…何なんですか!ぼぼぼ僕は何も…!」

焦る僕を見て目だし帽から覗く目が嗜虐の喜びに歪んだ。

―――――

「フォワード1からオールフォワードへ私のガス弾の投擲を合図に突入せよ。」

「了解」「了解」

ふふっ今行くぞ旦那さまよ。

始めて見た時から気にかけていたのだ。良い大人の癖して小動物のように役所の机と机の間を駆け回るあいつ。山のような書類に埋まりそうになりながら懸命に仕事を続ける様なんて思いだしただけでも…いかんいかん。

私はここ最近頭から離れない彼の事を思い、熱を持ち始めた顔を振り精神を集中する。

そして渾身の力を込め手に持った缶―サバト印の催淫閃光ガス弾―を窓ガラスに向かって投げつける。

窓ガラスが割れる音の後、部屋から響く轟音。

屋上から懸垂降下してきた私は、そのまま窓ガラスにとび蹴りの要領で突っ込み部屋の中に飛び込む。

鍛えられた四肢はいとも簡単に衝撃を吸収し膝立ちの体勢で彼の部屋に着地。

あっあいつ、なっなっなんて恰好で…

タオル一枚腰に巻いたあいつの姿を見て顔が熱を持つ。心臓が恐ろしいほどの早さで拍動するのを感じる。

ほとんど裸のあいつと目が合う。

突然の出来事に怯えているのがはっきりとわかった。

逃がさん!

意を決してあいつに向かって全力で飛びかかり、馬乗りになった私は心身ともに彼の優位に立った事に笑みを隠せなかった。

―――――

どうしてこうなった。どうしてこうなった。

頭の中はその一言に埋め尽くされ反撃や脱出の事など全く浮かんでこない。

依然僕は組み伏せられ侵入者の下敷きだ。

目だし帽から覗く褐色の肌と意思の強さを感じさせる若干釣り気味の目は僕の事をまっすぐ見つめ、しかもこれからどう僕を料理してやろうか言わんばかりにサディスティックに輝いている。

「私が誰だかわかるか?」

突然侵入者が効いてきた。

声の調子を聞き侵入者の身なりを改めて見直す。

僕の体を押さえつけている両手には頑丈そうなグローブ。

真っ黒のカーゴパンツ。

真っ黒なジャケットを胸が押し上げて…

こいつ女だったのか。

声の高さと体型によってようやく侵入者が女性だと気付く。

「ダダダダレって言われましても…」

僕の上に馬乗りになった彼女の目だし帽から覗く眉間にしわが寄ったのが見えた。

ヤバいよ怒らせちゃったよ。そうだ機嫌を取ろう。それしかない。

「あっあのですね…」「そうかこの覆面が邪魔だな。」

僕の言葉を遮り僕を左腕で押さえつけたまま、右手で自身の目だし帽の裾を握り一気にはぎ取る。

目だし帽から覗いていたのと同じ褐色の肌。つり気味の目。

それに加え、目だし帽に収まっていた艶やかな長い銀髪。女性が入れるにしてはえらく野性的な刺青を入れたほっそりとした首元。が露わになり目を奪われる。

間違いなく美人だ。すごい美人だ。

こんな陳腐な言葉が頭を過ぎる。

「ふふっ。まだ分からんのか。何度もお前と顔を合わせ、言葉を交わしたじゃないか。」

正直全く記憶に無い。当たり障りの無い回答をひねり出すために未だかつて無い速度で脳みそが仕事を始めた。

「住民票を持ってまいりました。一番近い銀行はどこですか」

彼女がニヤニヤと笑いながら何の脈絡もなくそう告げる。

思いだした。

「もしかして雨宮さん!?」

「やっと気付いたのか…。こちとらお前の事を思って夜も眠れんと言うのに…」

それにしても以前会った時と随分雰囲気が違うもんだ。

役所に書類を提出しに来た時は眼鏡を掛け、パンツスーツ姿の女性実業家と言った出で立ちだった。

彼女は雨宮良子。つい先日、以前暮らしていた集落の部族ごと引っ越してきたアマゾネスの若き頭首。と名乗っていたのを思い出す。

「まぁ過ぎた事などどうでもいい。」

「はぁ…そうですか。それはどうも。」

若干態度を軟化させてくれたような気配はするが未だに彼女は僕に馬乗りになり、玄関から突入してきた彼女の仲間は僕の頭の上で仁王立ちになり僕の事を睨みつけている。

彼女らが窓とドアをめちゃくちゃにしてくれたせいで部屋の空気と外気の差が無くなっていった。

「建設的に話を進めようじゃないか。」

「はっはい。そうしていただけると助かります。」

気のせいか彼女の顔がだんだんと赤く染まり、目線が落ち着きなく行ったり来たりしている。

「そっそのだな……あれだ…」

なぜか突然彼女の言葉に切れが無くなり勝手に焦りだす。

「…ふぅ……に…」

「はい?」

先ほどまでの強気な態度とは打って変わり俯き僕に視線を合わせず何事かを呟く。

「ゎ……ふぅ…に…」

「すっすいませんなんとおしゃいましたか?」

彼女を怒らせてしまうのではないかと思い恐る恐る聞き返してしまう。

すると彼女は意を決したかのように目をつむり私に向かって

「私と!夫婦に!なれっ!」

「はいぃぃぃ!?」

全く予想だにしない言葉に僕は声をひっくり返らせ叫んだ。

―――――

「はいぃぃぃ!?」

私の一世一代の告白に彼は間抜けな叫び声で返事をした。

こっ…こいつ…私がどんなに悩んでいたと思っているんだ…。

「私と!夫婦に!なれと!言っている!」

私は再び語気を強め宣言する。

思わず力の入ってしまった両手が彼の肩にぎりぎりと食い込む。

「いたいですって!痛いですから優しくしてくださいっ言って!」

やっやっ優しくしてくださいだと…

「大丈夫だ、何も痛い事なんてせんよ。お互い気持ち良くなるだけ…」

「違いますって。何考えてるんですか!」

私の言葉を遮り彼は喚く。

「だから!私と!夫婦に!」

「それは分かりましたって!だから…」

ワカリマシタ?

「今間違いなく分かりましたといったよな?」

全く予想してなかったタイミングで出た彼の返答に、私は彼の頭上で仁王立ちしている私の侍女たちに確認をとる。

二人の侍女は私をしっかりと見つめながら首を上下に動かす。

「ふ、ふ、ふ、流石私の見染めた男だ。物分かりがよくて助かるよ。」

「いやいや!なんでそうなるんですか!」

「お前も限界なんだろう…私もだよ…」

組み伏せた彼を眺めている間中くすぶっていた欲望に火がつく。

彼を受け入れる事を想像すると子宮が切なく疼き、愛液が服を濡らしてゆくのを感じる。

私はボタンを引きちぎり、一気に上着を脱ぎ捨てた。

―――――

「お前も限界なんだろう…私もだよ…」

駄目だこの人。なんか知らんけど一杯一杯で僕の話聞いてない。

彼女が上着を脱ぎ捨てる。

彼女は黒の戦闘服の下には何も着けておらず、上着一枚脱いだだけですでに半裸だった。

その体には文字のような刺青があちらこちらに刻まれていて、それはけして痛々しいものではなく彼女の褐色の肌によく似合っていて思わず見惚れてしまう。

そのまま僕の頭を鷲掴みにして口付けた。

一気に舌を刺しこんで来たものの、それまでの勢いに反し、舌使いは優しくぎこちなさすら感じられた。

「プハァッ…」

彼女から流し込まれた唾液はほのかに甘く感じ、僕の脳内をゆるい快感によって徐々に融かしてゆく。

彼女がふ、ふ、ふ、と一音ずつ区切りながら笑っている。

「可愛いぞわが夫よ。男とはそうでなくては」

恐らく彼女の言う男らしくとはアマゾネスの価値観で言う男らしさなのだろう。

その言葉に僕は、自分の顔がどれ程快楽によって緩んでいるのか想像する。

再び彼女の顔が接近する。

女性特有の髪から漂ういい香り。彼女の体から発せられるフェロモン。魔物娘の、男を快楽によって屈服させる魔力。そのすべてが僕を彼女の虜にさせようと襲いかかってくる。

正確には襲いかかってくるという表現は正しくないだろう。

まるでそれらは草食獣を捕らえるチーターのように激しく向かってくるが、僕を傷つけずに優しく包み込んで行く。

キスと唾液の交換だけで抵抗の意思を殺がれ、されるがままに快楽を受け取る。

「ふふふ。お前は気付いていなかったかもしれんがお前のこれはお前の口より正直だったぞ。」

そう言って彼女は僕の竿を握る。

「やはり男は素直な方が良いな。ふふふ、そんなに吐き出したいのか?遠慮するな。今、私が、全部吐き出させてやるからな。」

彼女は僕の腹の上に馬乗りになったままグローブを脱ぎ僕の竿を後ろ手で上下に擦る。

「うっ…あ…あぁ…」

先ほどまでの行動からは想像もつかないほど優しく擦られ、ゆっくりと与えられる快楽に僕はうめき声を上げる。

僕の息子を擦っている間彼女の腰は切なげにもじもじと前後運動し僕の体で自慰を行っていた。

彼女の愛液は黒いカーゴパンツを侵食し僕の腹をてらてらと光らすほどだった。

「んっ…はぁ…気持ちいいか?私は気持ちいいぞ…やっと…愛しいお前の体で…んっ…狂えるのだからな。」

彼女の顔は自らが与える快楽によって紅潮し、吐く息も艶かしく色を持っているかのようだった。

「ほら…見ろ…私はこの男と…ンッ…夫婦となるぞ…あっ…」

自ら言った言葉が更なる快感を呼び、彼女は満足げに侍女二人を見る。

そう言えばこの人たち出ていかないのか。

「くっ…雨宮さん…この方たちは…うっ…いつまで…」

僕は自らの痴態を赤の他人に見られていた事を思い出し彼女に問う。

「ふふ…最後までに決まってるだろう…」

「えっそんな…嘘で…」

「何を嫌がる事がある…見せつけてやろう…」

僕の耳に顔を近づけ彼女は囁く。

そのひどく倒錯的な―少なくとも僕の価値観では―提案に僕の息子はピクリと反応し、唐突に射精感が高まってゆく。

「ふふふ…お前の息子は…んっ…元気がいいな。」

「あっ…駄目…もう…」

「出すのか?良いぞ…好きなだけ私の手で気持ち良くなって吐きだせ。」

そう言うと緩やかに快感を与えるのみだった動きが激しい搾り取る様なものに変わり僕を責め立てた。

「うっ…あっ…あぁ…!」

僕の息子が脈打ち、精子を吐き出す。

「ふっふ。やはりお前は可愛いな…そんな蕩けた顔で…」

そう言いながら彼女は指についた精子をなめとり恍惚とした表情を浮かべる。

一度発射したのにもかかわらず僕の息子は臨戦態勢を保ったままだった。

「次もすぐに行けるのだろう?ふふっ。」

彼女はそう言うと僕の上から腰を上げる。

彼女の愛液が僕の腹とカーゴパンツの間で短く糸を引き湿った音を立てた。

そのまま僕の足の間に屈みこみ再び僕の息子を擦り始める。

具合を確かめるように数度擦ると顔を近づけ上目遣いに僕の方を見る。

「いいか?見てろよ…お前の息子は私が食べてしまうぞ…」

喜色満面と言った表情でそう告げると、べろりと舌を出し根元から先端まで舐め上げる。

鈴口まで舌がやってくると口をすぼませ亀頭まで口の中に収める。

唇をカリに引っ掛け亀頭を舐めまわし、先端の敏感な部位を責められ僕の息子ははち切れんばかりにいきり立った。

「あっ…それっ…」

それを聞いた彼女は口を離し僕に問う。

「これが…どうかしたか」

彼女の瞳には僕を引きずり倒した時のような嗜虐的な色が浮かんでいる。

「良かったのだろう?ならば良かったと言えば良いではないか。お前と私は…その…夫婦なのだからな。」

なぜか夫婦のところで恥ずかしそうに言い淀み彼女は続ける。

「お前の息子だからな。ンっ…こんな先端だけでなく…ちゅっ…全部気持ち良くさせてあげなきゃ可哀想だな。」

言い終えたところで彼女は僕の息子を飲み込む。

僕の根元で唇をすぼめ、咥内で舌が僕を舐り責め立てる。

そして上下のストロークを始める。

じゅっじゅっと液体を強くすする音が室内に響き、彼女が一心不乱に僕の一物をしゃぶる姿に目が釘付けになる。

光を受けて銀色に輝く長い髪が彼女の動きに合わせて上下に揺れる様は、ただ美しいだけでなく行われている行為とのギャップによって何とも形容しがたい淫らさを感じさせた。

外の明るさに反し、彼のうめき声と彼女の荒い息遣いが妖しく室内に満ちる。

その後数度の往復を繰り返した後彼女は彼から口を離す。

「直に味わうのが一番だよ…本当に…なんて私好みなんだ」

そして彼女はたっぷりとした質量を持ち重力に逆らってその存在を主張する両の胸で彼の一物を挟み込む。

「その…愛しの旦那さまよ。こういうのはお嫌いか?」

一物を挟んだ両側から圧力を加え上下に擦り、彼を責め立てる。

彼女は巨乳に埋もれてしまい亀頭しか出てない彼の一物に吸いつく。

再び彼の一物を啜る音が響き、彼女が胸を使い一心不乱に彼を射精に追い込もうとする様子に再び射精感が高まってゆくのを感じる。

「あっ…あっ…もうだめ…」

僕がそう呟くと彼女は目を三日月に歪め、より一層強く彼を吸引する。

絶え間なく与えられる暴力的ともいえる快感に僕はあっという間に屈してしまい彼女の咥内に勢いよく射精してしまう。

「んっ…んっ…んぐっ…」

数度に分けて彼女の口の中に放たれた精を一滴の凝らず飲み干し淫らに微笑む。

「ふふぅん。随分出したな…おまけに飲み下せないかと思うほど濃くて…」

彼女が赤裸々に僕の精子の感想を言うものだから顔を真っ赤にしてしまう。

「何を恥ずかしがっている。本番はこれからだぞ。」

そう言うと自身の愛液を吸ってすっかり重くなってしまったカーゴパンツを脱ぎ捨てる。

ゆったりとした服のせいで分からなかったが彼女の下半身は引き締まっていながらも女性的な曲線を持つ、ありふれた表現を使うならモデルのような美しいものだった。

上着と同様に下着を身に着けておらず、すっかり愛液まみれとなった秘部は惜しげも無く晒されていた。

そこから放たれる色香に目が釘付けになり、ごくりと喉が鳴る。

「ふふ。お前も早くここにお前自身を突き立てて、残りの子種を存分に吐きだしたいんだな?」

彼女は僕に向かって性器を広げ見せつける。

「私もだよ。お前に壊れるほどに突き挿されて妊娠するまで子種を注いでほしいんだ…。」

熱っぽい視線を僕に向けたまま彼女は続ける。

「ふふふ。何もためらう事は無いんだ。私たちは夫婦なのだからな。」

そう言って僕に跨り、僕の一物をつかみ彼女の秘所にあてがう。

「じゃあ行くぞ。愛してるよ旦那様。」

少しも言い淀まず言い終えると彼女は徐々に腰を下ろして行く。

入り口はまるで入り込んでくるものを食いちぎらんとしているように僕を締め付けた。

ぬるぬると媚薬のように僕を刺激する愛液によって十分な滑らかさであるものの、彼女の膣内は僕をきつく締めつけた。

しかしそれは苦痛を伴うもので無く、いち早く子種を絞るための甘い刺激を与えるためのものであった。

「くっ…少しきついか…」

内容に反し、すでに顔を快楽にとろけさせた彼女は僕に言う。

「はぁ…どうだ旦那様…んっ…旦那様専用の…あっ…雌穴は?」

僕の性器を飲み込んだ征服欲と僕とつながった達成感に快楽を感じ潤んだ瞳で僕を見つめる。

「はぁ…初物はぁ…だったんだからな…責任とって…あっ…くれるよね?」

そう言って激しく上下運動を開始する。

「はぁ…あぁ…あんっ…」

甘い声を上げながら僕の上で腰を上下させる彼女はまさに戦士としてのアマゾネスそのものだった。

相手に容赦なく激しく責め立て相手を屈服させる。

ただ彼女の好きな様に貪られ快楽を与えられているわけではなく、僕が彼女に合わせて腰を上下にゆすると彼女は嬉しそうに上半身を倒し僕に口付ける。

そしてそのままの体勢で一層激しく上下運動を始めた。

パチンパチンと肌のぶつかりあう音と、彼女の中に出し入れされる僕の性器のグチュグチュと淫らな音が激しく響く。

それに息も絶え絶えな彼女のあえぎ声と僕の短い唸り声。

突入の際壊れたテレビが何も音を立てていない今この部屋から発せられる音はそれだけだった。

時のたつほどに僕の形に合わせて彼女の中が狭くなったり広くなったりしているようで与えられる快感はより大きなものになってゆく。

そのうちに僕の先端が彼女の行き止まりを突くようになると彼女は一層激しく喘ぎ、自身の中が僕で一杯に満たされている事に喜んでいるようだった。

彼女の強靭な脚力は疲れを知らず、挿入した時から延々と上下に動き続けていた。

やがて彼女より先に僕が音を上げる。

続けざまに与えられる暴力的な快楽により射精感が高まってゆく。

「もう…でるっ…」

僕は辛うじてそこまで言うと彼女は満足げに微笑み

「はぁ…いいぞ…ンっ…お前の…子種を…一杯…」

最後まで言い終わらないうちに彼女は僕の唇に貪りつき一心不乱に腰を振りたくる。

互いに互いの口をふさいでいるためただくぐもったうめき声が漏れる。

彼女の膣内が今まさに種子を吐き出さんとしている僕の性器に激しく吸いついているのを感じる。

それまでの彼女の中も、もちろん気持ち良かったが、彼女が最後のスパートに入ってからは筆舌に尽くしがたい快楽をもたらした。

あまりの快楽に脳の神経が焼き切れるかと思った頃その快感は耐えきれないレベルに達した。

膨大な快楽を与えられ短くうめき声を上げる。

彼女の中ではち切れんばかりに膨れ上がった性器から精子が吐き出される。

彼女も自身の中で精が吐き出されたのを感じ絶頂に達したようだった。

ただでさえ甘い圧力をもたらしていた彼女の膣内は、尿道に精を残す事も許さないかのように痙攣するように何度も収縮した。

彼女自身も数度の痙攣の後くたりと僕に体重を預けた。

「流石私の見染めた旦那様…私の眼は狂っていなかったようだな。」

僕の胸の上でそう呟く彼女は満足げな表情を浮かべていた。

そして僕に深く口付けを交わし

「では愛しい旦那さまよ二回戦といこうか。」

とのたまった。

「はいぃぃぃ!?」

「ふふふ。恥ずかしがるな。まだまだ元気じゃないか。」

確かにあれだけ激しく射精していたのにも関わらず一向に萎える様子は無かった。

外と全く変わらない温度となってしまった室内で汗まみれの男女が再び絡み合い始めた。

―――――

それから数時間

サバト印の催淫閃光ガス弾の効果によって絶倫になってあれも治まり彼女の侍女二人と協力して部屋の片づけを行った。

「なんで僕の顔も身元もわかっていたのにこんな過激な真似したの?」

僕はあきれながら彼女に問いただした。

「そっそれはだな…アマゾネスはだな…でっ伝統的にな…」

彼女はあわててもっともらしい言い訳を述べ始める。しかし僕は見抜いていた。

最初は旦那様と呼ぶのにも言い淀む様子。告白した際の歯切れの悪さ。

「あなた…恥ずかしくて声が掛けられなかっただけでしょう?」

僕はにやりと口角をつり上げそう告げた。

「だだだったらどうしたというのだ!」

彼女は語気を強めて言うが時すでに遅し。

「うるさい!私だって初めて里の外に出てどうしていいか困ってたんだ!訳のわからん書類は一杯書かされるし!用事の無い時に役所に寄ってお前のところに顔を出してもお前は何にも気付いてくれなかったじゃないか!」

「えっあれってアプローチだったの?」

そう言えば昼休みや帰宅時に仕事場の前で良く彼女と顔を合わせていた気がする。

「いやてっきり僕の事なんて眼中にないのかと…」

「奥手なアマゾネスがいたら悪いか!ばか!」

そっぽを向いた彼女の顔が赤くなっていたのは夕日のせいだけではないだろう。
12/01/21 01:35更新 / 熊五郎太郎

■作者メッセージ
S sugoku
W wet
A and
T tight
な現代都市型アマゾネスさん達の超アグレッシブな婚活の一例でした。

最後まで読んでいただき本当にありがとうございます。
ここがおかしいぞ!ちょっと見難いよ!
等々ございましたら感想欄よりよろしくお願いします。

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