おたくの日常!?
透き通るような肌、金髪碧眼、そしてまだあどけなさの残る顔…。
そんな彼女が、自分に突然告白を…。
「うーむ、やはりこの新作ゲームの推しキャラはこのアリスちゃんでござる!」
してくるのは現実ではありえないわけで…。いつものように教室で仲間達と情報交換をしている。
「いやいや、次郎君。金髪ロリなど時代遅れ!この魔物娘、大百足の体液交換プレイこそ今最も熱いジャンルだよ!」
今は魔物娘モノのゲームが流行っており、仲間達の中でも信者が多いのだが…。
「いいや、拙者は魔物娘は…。」
俺は、魔物娘というものが少し苦手なのである。
授業中、ノートに書いていた落書きを見て思う。
金髪美少女か…現実で関わる事なんてないだろうなぁ。
いや、正確には関わったこと自体はある。しかし、その全員が魔物娘でありハーピーであったりラミアだったり…。
「まあ、そもそも拙者は嫌われ者でござるから…。」
俺が書いた落書きが見えたのか、こちらを見てくすくすと笑っている女子が居るのがわかる。
「はぁ…。」
この趣味が原因だというのは分かっている。分かっているんだけどさ…。
授業が終わったことを知らせるチャイムが鳴り、俺はすぐにバッグを持って教室を出た。
ラーメンでも、食べて帰ろうかな…。
「ねぇ、今日も真剣な顔しててかっこいいよね田嶋君。」
「ちゃらちゃらしてない感じでいいよね〜。」
「真面目系イケメンってやつだよね。隣のクラスの太郎君もいいけど、次郎君が個人的にはやっぱり一番かな。」
「田嶋のやつ、本当に気づいてないのかな…。」
「いや、あれはマジだろ…。リアル難聴系主人公タイプだよ次郎君は。」
「おー、次郎じゃん。どうした、今日は来るの早いわね。」
ラーメン屋に寄り、ラーメン定食を注文する。なぜか昔から1200円の定食を500円におまけしてくれるのだ。
あと、女将さんが金髪碧眼の美少女と来た。実年齢は知らないけど。
「はぁ…。」
「どうした次郎?元気ないけど、何かあったの?」
金髪碧眼の美少女どころか俺に彼女なんて…。金髪金髪金髪…。
「んん!?」
「えっ?いきなり…どうしたの?私の顔をそんなに見て…まだ老けてないからね。」
居たじゃないか…。金髪美少女ッ!!!
「作戦会議だ。」
「い、いきなりどうしたんだ次郎君。あと、口調素に戻ってるよ!」
「作戦会議でござる。」
「別に言い直さなくていいから!で、朝からなんなんだ?そんな真剣な顔して。」
俺は気づいてしまったんだ。あのラーメン屋の女将さんこそ俺の理想だと!
小さい頃から優しくしてくれた女将さん。思えばこれまで毎日4回の夜の作業のお供にしているのも女将さんじゃないか!
「みんな、聞いてくれ。」
「また、金髪美少女についてかい?今最強なのは魔物娘だと…。」
「告白の仕方について、教えてくれないか?」
「ほうほう、告白の仕方ね。…告白の仕方?」
なぜか一日、俺の告白作戦についての作戦会議になってしまった。
というか、先生達まで参加してこんな騒ぎになるとは…記事にでもして晒す気なのだろうか?
魔物娘のクラスメイト達は、もし失敗したら…とか言ってたしみんなでからかうつもりだったのかもしれない。
でもとても細かくアドバイスしてくれて、なんだかとても元気が出てきた。
そして俺は今…。
「で、今日もなにかあったの?次郎。」
「え、えーとですね。」
絶賛大ピンチです。アドバイス?そんなの実行できる能力なきゃ役に立ちませんよ。
「…。」
何か、言わなきゃ…。
「あ、あのですn「こんにちはー、いつもの定食お願いします!」…。」
「あら、太郎ちゃん。なんだか今日は嬉しそうね。」
「あー、昨日彼女できたんですよ。…次郎だと!?」
田嶋太郎。俺の双子の兄である。スポーツ万能頭もよくてイケメンという反則的な人物…。
「ラーメン屋に来て思い出したんだけど、次郎いつも夜中に女将さんッ!うッ!!とか言ってるよな。」
「うわあああああああああああああああああっ!!!!え、えーとですね!昨日、今日ちょっとお腹の調子が悪くて元気が無かったんですよ。」
太郎め…とんでもない爆弾を投下してくれたな!!!!!
「ごちそうさまでした。じゃ、俺彼女と待ち合わせしてるんで!」
「はい、また来てね〜。」
投下するだけして帰るのかよ!また、二人だけになっちゃったじゃないか!
「あのさ、次郎。」
「は、はい!」
終わった…終わったんだ…ははは。
「今日、もう営業時間終わったからさ…。」
「え…?」
まだ夕方の5時くらいだ。この店の閉店時間はもっと後だったはずなのだが…。
あれ…唇に柔らかい感触が…。
俺に、金髪美少女の彼女ができました。
「あれ、次郎じゃん!珍しいな俺の部屋に来るなんて。」
「…よくも俺に恥をかかせたな!!大変だったんだぞ!」
「すまんすまん。でも、お前から女の人の匂いがするじゃないか。…やったのか?」
「…ああ。だから、今回は感謝している。」
「でさ、ラーメン屋の女将さんとはどんな感じだったんだ?」
「その内容聞くかよ普通。…まあ、5回くらいやって最後は女将さんが軽く気絶しちゃったからやめたんだ。まあ俺が初めてだからって許してくれたんだけどさ…。本当はあと3回くらい…。」
「おい待て。」
「?」
「おかしいだろ。5回やりました。で、まだ3回できます。だけど女将さんが気絶しちゃったのでやめました。」
「うんうん。で、何か?」
「何か?じゃねぇ。おかしいだろ!回数が!」
「どこがおかしいんだ!そっちだって昨日彼女としてたじゃないか!」
「いいじゃないか!大百足最高!まあとりあえず、俺の彼女もちょっと気絶しちゃってたしそんなもんなんだろ…気にするな!」
何かがおかしい。俺はふとそう思った。
「あのさ、彼女って大百足なんだよな。」
「ああ、そうだけど。」
「大百足相手に優位とれるもんなの?普通。」
「え?」
「…。」
「あのさ。」
「はい。」
「ラーメン屋の女将さんってサキュバスなんだよね。」
「え!?そうだったの!?」
「知らなかったのかよ…。でさ、サキュバスってまあそっち方向強いわけじゃん。」
「そうだねぇ。」
「そんな相手に5回やって気絶させるとか…普通なのか?」
「…。」
大百足やサキュバスを相手にすることは大変危険です。良い子は真似しないでね!
■作者メッセージ
2回目の投稿になります。
前回に続き何を考えて書いたのかが自分でも全く分からないです。
もっと甘いラブストーリーのようなものを書きたかったのですが、やはり難しいですね。
拙い文章だと思いますが、ここまで読んでいただきありがとうございました
前回に続き何を考えて書いたのかが自分でも全く分からないです。
もっと甘いラブストーリーのようなものを書きたかったのですが、やはり難しいですね。
拙い文章だと思いますが、ここまで読んでいただきありがとうございました