ふぉーす(エロもあるよ!)
俺の生まれた家庭は決して裕福じゃあなかった。イギリス女王が誰なのかを俺が理解出来る年齢になった頃には、もうお袋はこの世にはいなかった。下手に物心ついた頃に母親との別れを経験せずに済んだ事を感謝すべきか? かもな。
親父は必死に働いていた。学校からボロアパートに帰っても大抵は誰も出迎えてはくれなかったが、親父は頑張って働いてくれているんだろうと思っていた。しかし思春期の不安定な時期に、誰も家にいないのは不味かったのかも知れない。誰かを好きになった、誰かと喧嘩した、誰かを泣かせた。色々あったが、俺と話してくれる奴は家にいなかった。教員のお叱りよりも大事なものが俺には与えられなかったのだ。
何故俺を怒らない? 何故俺の話を聞きに来ない? 何故俺の気持ちを察してくれない? 思春期のガキとは概して他人に責任を求める傾向があるだろう、俺がそうだったからわかる。そうして甘ったれたクソガキは、側にいて欲しい時にいてくれない親父を嫌う様になった。自分から相談しようとしなかった事を棚上げにして。
「なんで俺がてめぇと同じ名前なんだ!?」何度そう言った事か、思い出せない。親父はただ辛そうに目を伏せるだけ。殴れよ、殴ってくれよと心の中で何度もそう思った。
周りを見渡しても冷たい世界が広がるばかり。ロンドンは魔物娘の人口が少ない、と少し前に読んだ雑誌のページに書いていた。彼女達の発する愛は、肉欲的な効果以外にも周囲の人々の気持ちを、立場や人種民族や思想の差に関係なく融和させ、落ち着かせる効果もあるらしい。確かペリー・ローダンに出てきた異星人にもそういう連中がいたな。
生まれて以来ロンドンから離れた事がほとんどなかった俺は、次第にロンドン自体にも嫌気が差してきた。いよいよフラストレーションをぶつける場が見つからず、俺は友達と一緒に非行へ走り出した。校内でも俺達が特にヤバかったと思う。下層の労働者階級出の俺達を、普段デカい面をしている中流や上流の運動部連中でさえ目に見えて干渉をさけるぐらいには。もちろん、ガキのギャング気取りは別段珍しい事ではなかったが。
親父は俺が非行に走った事も知っていたはずだが、何も言わなかった。俺には何故親父が俺をテレビドラマの父親みたいに叱りつけないのかが、わからなかった。そしてある日、いつもの様に深夜帰りの親父へ辛辣な言葉を浴びせたが、その日は全く嬉しくないサプライズがおまけとして付いてきた。
親父が遂に、倒れた。
退院した親父を家まで支えながら帰った。綺麗にシャワーを浴びてもこびり付いた親父の汗の匂いが、かすかに漂ってきたのをはっきりと覚えている。人が変わった様に親父を支える事しか、俺には出来なかったのだから。退院してすぐ働きに行こうとした親父を必死に引き止め、俺は親父と久方ぶりに話し合う事を選んだ。昔の様にボロアパートのボロソファに2人で並んで座り、じっくりと話し合った。
深夜まで話した後に、俺達は話を纏めて眠った。それから数日後には既にロンドンを離れ、祖父が1人で住むボーンマスの一戸建てへと移り住んでいた。あのボロいくせに結構家賃の高いクソアパートにこれ以上家賃を払わなくて済む事は最高だったと思う。長い事会っていない俺達と祖父が仲良くやれたのは幸運と言っていい。祖父は俺が21歳の時に亡くなるまで、俺達に不器用ながら接してくれた。そういう不器用さも親父と似ているものだ。
地元の学校へ通い始めた俺は、意味も無く必要以上に突っ張るのをやめ、周りと馴染む事を選んだ。もちろん荒くれた生徒もいたが、話してみればいい奴らだったし、向こう程の非行少年達ではなかった。
高校卒業後、ボーンマスで取りあえずアルバイトをしていた俺は、ひょんな事から音楽の道へ興味を持ち、そして…
俺は実力に見合った地位を得た。ただそれだけの単純明快な話。親父が倒れた事を機に、俺は自身を解毒(デトックス)する事が出来たのだ。ロンドンに残った昔の不良仲間も今じゃそれぞれの道に進んで頑張っており、俺のライブに招待してやると昔みたいにみんな笑ってくれた。あいつらは勝手にロンドンから逃げた俺の事をとっくに許してくれていた。器が大きいのは俺ではなくあいつらかも知れない。俺は親父が静かに暮らす祖父宅とは別に新しく家を買ったが、親子仲はとてもいい。それこそ、ある曲の中で俺が「親父と俺の名前が同じ事」を喜ぶぐらいに。
さて、俺は女に困ってはいないが、どうもしっくりこなかった。有名税って奴かと思ったが、気のせいだろう。運命の人ってのはつまり映画監督が作り出した迷信であって、俺には無縁なのだろうか。あの頃はそんな事ばかり考えていた。1夜限りの付き合いが終わると次の日からは友達に戻る。その繰り返し。どんな女が相手でも、だ。
そんなある時、仲の良いDJが俺にある写真を見せてくれた。雑誌の切り抜きらしく、月夜の砂浜で1人のスキュラが佇んでいたが、その一瞬後に自分が見たものがただの写真ではなく至高の芸術作品である事を理解した。言うまでもなく、その時点で俺は地元のビーチに出現する謎の美人に心を奪われたのだ。
信じられなかった。聞いていた場所とは少しズレた場所だったが、確かに彼女は存在したのだ。一応詳細な話は色々な筋からの情報を得ていたのでわかっていた。曰く、少女と大人の両方の魅力を併せ持つあの美しい彼女は、実は49歳で。冷ややかな印象のせいで行き遅れたらしい。まあそんな事は別に問題ではない。何故ならその彼女が月夜の下、こうして俺の事をまじまじと見つめているのだから。
まさかあっさり家までついて来てくれるとは思わなかったが、よく見ると彼女にも彼女なりの表情の変化があった。それらを見るに、案外まんざらでもないらしい。だが油断していたのだろうか、今家に酒が無い事に気付いた。無くても大丈夫と言えば大丈夫だが、やはり無いと不便だ。泣く泣く彼女を待たせて買いに行く事を選んだ。その彼女―アマンダ・ノートンちゃん―は「いえ、大丈夫。とっても楽しいから」と素っ気なさそうな返事をしたものの、かすかに感情の移り変わりが見てとれた。
酒を買いに行くだけなので大して時間はかからない。住宅街なので俺のアストンマーチンはうるさくない様にカスタムされてあるが、その音が静かになろうとパワーは衰えはしなかった。エンジン音を店員に覚えられているらしく、俺がコンビニについた時点で店員は小窓の内側でいつもの酒を持って待っていた。金を払っている時にかすかに聞こえてきたBlack and yellowに聞き耳を立ててみると、イギリスのアーティストがカバーしたバージョンだったのだが…「あ、俺よりうめぇわ」とつい呟いてしまった。
店員は呆れた様に、「おいデトックス、ファンの前では言うなよ」と答えた。
さすがに予想GUYの展開に驚かされる。まさかあの絵画の様に美しく冷徹オーラを出していたアマンダが、俺のベッドの中でゴニョゴニョしているところに出くわすとは。しかもこの声や仕草は反則一発退場だろう、少々可愛過ぎではないだろうか。今までこういうタイプの女の子と話した事が無いので色々面食らう。
「いやっ! ああっ♥ デニス♥ デニス♥!」
どうして俺は彼女を襲わないのか、自分自身が不思議でならない。
そんなこんなで彼女とセックスする事になって人生の黄金期を迎えた俺だが、さすがに7分ぐらい経った辺りでもう持ちそうになくなった。さっきまで処女だったはずのマンディはの秘所は、俺を気持ち良くさせようと蠢き始めたのでもうそろそろ余裕が無い。何故彼女はここまで可愛いのかわからないが、ギャップ補正を除いても異常としか言いようがない。さっきも俺が可愛いと言ったら途端に顔が真っ赤になった。というか可愛いと言った辺りからマンディの中が蠢き始めた。
「マンディっ、そろそっろ、俺もヤバい!」だがそれでもさすがに中に出すのは不味かろう。彼女の事は好きだが、いきなり妊娠させてしまうのはさすがに無神経・無責任な行いではないだろうか。そういう事はもう少しお互いに愛を深め合ってから…
「ふぇっ!?」
WTF?
「だめっデニス! おねっがい、抜かないで…!」
これはいかんぞ。レッドカードとかそういうレベルじゃない。切なそうな泣き顔をしながら両手全脚でガッチリとホールドされて中に出す事を哀願される事の破壊力…
「デニスっいっぱいこれからもっ、愛してあげる、だから♥」無理に抜くのは駄目だがこのままでは。「赤ちゃんちょうだいっ! デニスの赤ちゃん欲しいよぉ♥」いや、ここまでか。溜めに溜めた精液が駆け上がり、そして彼女の子宮へと注がれていくのを、俺の冷静な部分が認識した。
「すまんマンディ、出るっ! 本当にごめんな!」ああ、愛しのマンディ…すまない。さっきまで処女だった君に、こんな重荷を背負わせる事になってしまって申し訳ない。
親父は必死に働いていた。学校からボロアパートに帰っても大抵は誰も出迎えてはくれなかったが、親父は頑張って働いてくれているんだろうと思っていた。しかし思春期の不安定な時期に、誰も家にいないのは不味かったのかも知れない。誰かを好きになった、誰かと喧嘩した、誰かを泣かせた。色々あったが、俺と話してくれる奴は家にいなかった。教員のお叱りよりも大事なものが俺には与えられなかったのだ。
何故俺を怒らない? 何故俺の話を聞きに来ない? 何故俺の気持ちを察してくれない? 思春期のガキとは概して他人に責任を求める傾向があるだろう、俺がそうだったからわかる。そうして甘ったれたクソガキは、側にいて欲しい時にいてくれない親父を嫌う様になった。自分から相談しようとしなかった事を棚上げにして。
「なんで俺がてめぇと同じ名前なんだ!?」何度そう言った事か、思い出せない。親父はただ辛そうに目を伏せるだけ。殴れよ、殴ってくれよと心の中で何度もそう思った。
周りを見渡しても冷たい世界が広がるばかり。ロンドンは魔物娘の人口が少ない、と少し前に読んだ雑誌のページに書いていた。彼女達の発する愛は、肉欲的な効果以外にも周囲の人々の気持ちを、立場や人種民族や思想の差に関係なく融和させ、落ち着かせる効果もあるらしい。確かペリー・ローダンに出てきた異星人にもそういう連中がいたな。
生まれて以来ロンドンから離れた事がほとんどなかった俺は、次第にロンドン自体にも嫌気が差してきた。いよいよフラストレーションをぶつける場が見つからず、俺は友達と一緒に非行へ走り出した。校内でも俺達が特にヤバかったと思う。下層の労働者階級出の俺達を、普段デカい面をしている中流や上流の運動部連中でさえ目に見えて干渉をさけるぐらいには。もちろん、ガキのギャング気取りは別段珍しい事ではなかったが。
親父は俺が非行に走った事も知っていたはずだが、何も言わなかった。俺には何故親父が俺をテレビドラマの父親みたいに叱りつけないのかが、わからなかった。そしてある日、いつもの様に深夜帰りの親父へ辛辣な言葉を浴びせたが、その日は全く嬉しくないサプライズがおまけとして付いてきた。
親父が遂に、倒れた。
退院した親父を家まで支えながら帰った。綺麗にシャワーを浴びてもこびり付いた親父の汗の匂いが、かすかに漂ってきたのをはっきりと覚えている。人が変わった様に親父を支える事しか、俺には出来なかったのだから。退院してすぐ働きに行こうとした親父を必死に引き止め、俺は親父と久方ぶりに話し合う事を選んだ。昔の様にボロアパートのボロソファに2人で並んで座り、じっくりと話し合った。
深夜まで話した後に、俺達は話を纏めて眠った。それから数日後には既にロンドンを離れ、祖父が1人で住むボーンマスの一戸建てへと移り住んでいた。あのボロいくせに結構家賃の高いクソアパートにこれ以上家賃を払わなくて済む事は最高だったと思う。長い事会っていない俺達と祖父が仲良くやれたのは幸運と言っていい。祖父は俺が21歳の時に亡くなるまで、俺達に不器用ながら接してくれた。そういう不器用さも親父と似ているものだ。
地元の学校へ通い始めた俺は、意味も無く必要以上に突っ張るのをやめ、周りと馴染む事を選んだ。もちろん荒くれた生徒もいたが、話してみればいい奴らだったし、向こう程の非行少年達ではなかった。
高校卒業後、ボーンマスで取りあえずアルバイトをしていた俺は、ひょんな事から音楽の道へ興味を持ち、そして…
俺は実力に見合った地位を得た。ただそれだけの単純明快な話。親父が倒れた事を機に、俺は自身を解毒(デトックス)する事が出来たのだ。ロンドンに残った昔の不良仲間も今じゃそれぞれの道に進んで頑張っており、俺のライブに招待してやると昔みたいにみんな笑ってくれた。あいつらは勝手にロンドンから逃げた俺の事をとっくに許してくれていた。器が大きいのは俺ではなくあいつらかも知れない。俺は親父が静かに暮らす祖父宅とは別に新しく家を買ったが、親子仲はとてもいい。それこそ、ある曲の中で俺が「親父と俺の名前が同じ事」を喜ぶぐらいに。
さて、俺は女に困ってはいないが、どうもしっくりこなかった。有名税って奴かと思ったが、気のせいだろう。運命の人ってのはつまり映画監督が作り出した迷信であって、俺には無縁なのだろうか。あの頃はそんな事ばかり考えていた。1夜限りの付き合いが終わると次の日からは友達に戻る。その繰り返し。どんな女が相手でも、だ。
そんなある時、仲の良いDJが俺にある写真を見せてくれた。雑誌の切り抜きらしく、月夜の砂浜で1人のスキュラが佇んでいたが、その一瞬後に自分が見たものがただの写真ではなく至高の芸術作品である事を理解した。言うまでもなく、その時点で俺は地元のビーチに出現する謎の美人に心を奪われたのだ。
信じられなかった。聞いていた場所とは少しズレた場所だったが、確かに彼女は存在したのだ。一応詳細な話は色々な筋からの情報を得ていたのでわかっていた。曰く、少女と大人の両方の魅力を併せ持つあの美しい彼女は、実は49歳で。冷ややかな印象のせいで行き遅れたらしい。まあそんな事は別に問題ではない。何故ならその彼女が月夜の下、こうして俺の事をまじまじと見つめているのだから。
まさかあっさり家までついて来てくれるとは思わなかったが、よく見ると彼女にも彼女なりの表情の変化があった。それらを見るに、案外まんざらでもないらしい。だが油断していたのだろうか、今家に酒が無い事に気付いた。無くても大丈夫と言えば大丈夫だが、やはり無いと不便だ。泣く泣く彼女を待たせて買いに行く事を選んだ。その彼女―アマンダ・ノートンちゃん―は「いえ、大丈夫。とっても楽しいから」と素っ気なさそうな返事をしたものの、かすかに感情の移り変わりが見てとれた。
酒を買いに行くだけなので大して時間はかからない。住宅街なので俺のアストンマーチンはうるさくない様にカスタムされてあるが、その音が静かになろうとパワーは衰えはしなかった。エンジン音を店員に覚えられているらしく、俺がコンビニについた時点で店員は小窓の内側でいつもの酒を持って待っていた。金を払っている時にかすかに聞こえてきたBlack and yellowに聞き耳を立ててみると、イギリスのアーティストがカバーしたバージョンだったのだが…「あ、俺よりうめぇわ」とつい呟いてしまった。
店員は呆れた様に、「おいデトックス、ファンの前では言うなよ」と答えた。
さすがに予想GUYの展開に驚かされる。まさかあの絵画の様に美しく冷徹オーラを出していたアマンダが、俺のベッドの中でゴニョゴニョしているところに出くわすとは。しかもこの声や仕草は反則一発退場だろう、少々可愛過ぎではないだろうか。今までこういうタイプの女の子と話した事が無いので色々面食らう。
「いやっ! ああっ♥ デニス♥ デニス♥!」
どうして俺は彼女を襲わないのか、自分自身が不思議でならない。
そんなこんなで彼女とセックスする事になって人生の黄金期を迎えた俺だが、さすがに7分ぐらい経った辺りでもう持ちそうになくなった。さっきまで処女だったはずのマンディはの秘所は、俺を気持ち良くさせようと蠢き始めたのでもうそろそろ余裕が無い。何故彼女はここまで可愛いのかわからないが、ギャップ補正を除いても異常としか言いようがない。さっきも俺が可愛いと言ったら途端に顔が真っ赤になった。というか可愛いと言った辺りからマンディの中が蠢き始めた。
「マンディっ、そろそっろ、俺もヤバい!」だがそれでもさすがに中に出すのは不味かろう。彼女の事は好きだが、いきなり妊娠させてしまうのはさすがに無神経・無責任な行いではないだろうか。そういう事はもう少しお互いに愛を深め合ってから…
「ふぇっ!?」
WTF?
「だめっデニス! おねっがい、抜かないで…!」
これはいかんぞ。レッドカードとかそういうレベルじゃない。切なそうな泣き顔をしながら両手全脚でガッチリとホールドされて中に出す事を哀願される事の破壊力…
「デニスっいっぱいこれからもっ、愛してあげる、だから♥」無理に抜くのは駄目だがこのままでは。「赤ちゃんちょうだいっ! デニスの赤ちゃん欲しいよぉ♥」いや、ここまでか。溜めに溜めた精液が駆け上がり、そして彼女の子宮へと注がれていくのを、俺の冷静な部分が認識した。
「すまんマンディ、出るっ! 本当にごめんな!」ああ、愛しのマンディ…すまない。さっきまで処女だった君に、こんな重荷を背負わせる事になってしまって申し訳ない。
12/09/09 22:38更新 / しすてむずあらいあんす
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