読切小説
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屁ひるライダー
「おならが出るだけで、そのほか身体に影響ないので安心してください」

「ホントに?脳に異常をきたすとかは?」

「ないですよ、私を見ればわかるでしょう?」

「だから言ってんだよ」

「ちょっと私が陽気なだけです、他に何も影響ないですよ」

「でも社会的立場に影響があるよ」

「病気でおならが出る人を嘲笑するような社会の方が病んでるのでは?」

「それはそうなんだけど」

「おならの音は大きくなりますが、ご了承願います」

「承服いたしかねます」

「臭いは…どうなんでしょうね?ご確認のほどよろしくお願いします」

「承服いたしかねます!」

「ちなみにおならを吸ってしまうとどんな生物もまずまずの確率で感染します」

「騒音 悪臭 大気汚染って何だお前、公害か?」

「でも残念ながら尻用マスクことパンツがあれば感染するほど飛びません」

「パンツって偉大」

「私はノーパンですが」

「鎧を着る前に着ける物があったんじゃないの?」

「エレメント系は丸出しスタンダードなんで」

「精霊エレメント系14種中、丸出しが9種…これは反論できない」

「実は丸出しの最先鋭ことスライム種より丸出ししてる数が多いんですよね」

「あれは服みたいに見えるスライムの一部だから」

「それ言ったら私らエレメントだって魔力の一部で作ってますよ![要出典]
 種族別丸出しランキング1位[要出典]は絶対譲りません!」

「対抗意識まで丸出しにするな」

「世の中にはチラリズムを尊ぶ人も多いですが、
 あなたは丸出しが好きそうな顔をしてます」

「[要出典!!]」

「出ないより出た方がいいじゃないですか、おならもおっぱいも」

「おっぱいだけ出してくれ」

「本当に?おならも好きそうなのに」

「そこまで尖った性癖持ってない」

「じゃあ私が持たせてあげますね」

「心が持たない」

「例えば『にぎりっぺ』だって美少女がやれば立派な性癖破壊兵器ですよ」

「持たせるんでしょ?破壊しないで」

「他にも『種付けプレスで腰を打ち付けられるたびに放屁するぶぴぶぴックス』とか
 終わってる感あってエロくて好きでしょ?」

「やっぱり元ネタ的に終末とか好きなんだ」

「好きです。『アポカリプス』ってちょっとすかしっ屁っぽいし」

「『プス』の部分だけでそこまで想像できるの病気だよお前」

「病気です」

「そういえば馬はどうした?」

「馬の背におならを浴びせ続けるのは虐待ではないかと、牧場に保護されました」

「お前もうライダー名乗れないじゃん」

「まあ、乗りたくなったらあなたの顔に騎乗させてもらいますので」

「I want to go home!」

「残念なことにエレメントである私がおならしても出るのは単なる魔力なんです」

「例えるなら便器型の皿に盛られてるカレーってわけか」

「そういう下品な例えはやめてほしいですね。
もっと『お尻型アロマディフューザー』みたいな例えにしてください」

「そこは譲れない一線かもしれないけど、ガス出しっぱなしはもうライン越えなんだよ」

「ポケモンみたいでカワイイと思いませんか?ドガース的な」

「お前、ドガースどころかベトベター垂れてるぞ」

「まさか!私は『おならが多くなるだけの病魔』なのに本体が出たら
 アイデンティティの崩壊じゃないですか〜……

 え、ウソ、マジ?」

「アイデンティティの前に肛門が崩壊してんじゃねえか!」

「これが私の新しい力…?」

「違うね、括約筋に力入ってないからそうなってんだね」

「あ、よく見てください。前の方の汁が垂れてきてただけですよ。よかった〜」

「良いわけな…くもないのか、結構いるな、股から垂らしてる奴」

「誤解も晴れたんで一旦デート行きます?」

「デートどこいく?内科?肛門科?」

「自宅で軽くパコってから焼肉食べ放題で安い肉にニンニク掛けて
 ビールで流し込んだ後にホテル行きましょ」

「そこにたどり着くまでの道程が大事であって
最初からそこ行くのは任意コード実行してED呼び出してるようなもんだからな」

「相方が家でおならしてもケツ叩いて許すくらいの終わった関係ってよくないですか?」

「屁をするたびに叩いてたらケツが真っ赤になるぞ」

「肛門が閉じなくなるくらいアナルセックスすれば1カウントだけで済みますよ」

「自分を終わらせることにも躊躇い無いって本当に怖いわ」

「病気ってそういうもんですし、それに24時間交尾していれば気にならないですよ」

「実際問題、他の人間に感染ないように隔離(24時間交尾)が正解なんだよな」

「二人だけの愛の巣というわけですね」

「病巣だよ」

「まあ、私くらいになると感染のコントロールくらい余裕ですけどね」

「そんなこと出来るなんて聞いたことないぞ」

「パンツ履きます」

「やっぱりパンツって偉大」

「あなたに関してはもう手遅れですけど」

「お前がおならするのは百歩譲って許すとして自分が罹るのは普通に嫌だ…」

「何か問題でも?」

「お前が『お尻型アロマディフューザー』だとしたら
 俺の場合『お尻型腸内ガス噴出機』くらいの違いがある」

「それは私も嫌だ…」

「てめえこの野郎…一応言っておくけど俺の方が正規品だからな」

「なのでちょっと弱毒化させますね」

「病気に脳みそがあるって、こうやって見るとヤバいな」

「人間ってヤバい存在に好き好き言われるの好きじゃないですか?」

「よくわかってるじゃねえか」

「よし、これであなたは体中瘴気まみれでも症状が出ません」

「本当に?それ以外の症状が出るとかないのか」
 
「私にもっと夢中になっちゃうとか」

「今までの会話で夢中になる場面あったか」

「なら手っ取り早くヤります?」

「もう少し段階を踏めって、起承転結が大事なの」

「いやいや、ペイルライダーはみんなこんな感じですよ、よくいうでしょ






 『一病即妻』って」



「…………症状に『悪寒』も付け加えておけ」




終末
25/08/13 16:58更新 / ヤルダケヤル

■作者メッセージ
「病は『起』からともいうだろ」

「そういうの『屁理屈』っていうんですよ?」


放屁ってなんか独特な立ち位置の性癖ですよね。スカトロをマイルドにした感じかと言われれば、それとはまた違う体系の性癖のような気がするし…とあまり実のない話をしても仕方ないですね、おならだけに

……今回も読んでいただきありがとうございました。

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