読切小説
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ハイオークさんは良い匂いとやべえ臭いの両方がする
「いや、まあそうだけど…マジでオレのカラダ好き放題しやがったけど…
 そうじゃねえ!あんな汚ねえマネして勝ったことにされたんじゃ
 オレ様のプライドが許さねえってことだ!」

「自分でも若干汚かったかなぁとは思ってる」

「だろ?」

「尻から腕を抜いてもらった後、しばらくは臭い落ちなかったし」

「お前の心が一番汚ねえ」

「2番目はお前の肛門周辺、腋と足の裏は3位タイな」

「そんなの誰だって汚いだろうが!」

「でもお前のパンツ、エッチなシミで済まない時が多々あるし」

「ちょ、ちょっと白い下着が多いから目立つだけだ!」

「腋とか嗅いだ時に、さんざん交尾して頭と鼻ぶっ壊れてなかったら
多分死んでたなって思うときがある」

「新陳代謝が良いから仕方ねえんだよ、あとリンパの流れみたいなものとか……」

「リンパって言っておけばどんなことでも許されるのはAVの中だけだから」

「あーもう!めんどくせえ!そんなに言うならお前がオレ様を洗いやがれ!」

「いいぞ、じゃあ風呂場行くか」

「おう!


 ……って待て、なんか当初の目的からズレてる気がする」

「なんだっけ『汚ねえ』『カラダを好き放題』ってのは思い出せる」

「ずいぶん恣意的な部分だけ思い出してるな」

「お前も自分が敗北雌豚宣言した後、街中を四つん這いで歩き回ったことを思い出して
 復讐なんてことやめて欲しい」

「絶対に復讐してやる」

「いいじゃないか、アレのおかげで大した罰も受けずにこうやって暮らせてるんだから」

「まともに暮らせてねえんだよ!もう二度と街に行けやしねぇだろが!」
 
「街に行く目的は略奪だろうが、元からまともな暮らししてねえんだよ、お前は」

「オークが略奪して何が悪いんだ!」

「なら略奪するオークを討伐して何が悪い」

「……しいて言うなら討伐の仕方だな」

「じゃあ聞くけど、どうやって討伐されたかったんだ」

「タイマンで一進一退の攻防を繰り広げて戦ってるうちにお互いの実力を認め合うも、
 僅差で負けて『お前の子供だったら孕んでも良いかな』って子宮の底から敗けたい」

「話なげー上にそれただのサラマンダーだろうが
 奢るな茶色い豚風情が」

「そこまで言うことねえだろ!」

「そういう正々堂々みたいな負け方ってのは
 そうなるまでの過程があってこそだからな?
 徒党を組んで小狡いことやってたお前がぬかすことではない」

「う、うるせえバーカ!!
 とにかくもう一回勝負だ!」

「勝負しないと面倒くさそうだからやるけど、
 このままの状態でやるのダメだろ」

「なんでだ?」

「俺とやりまくって魔力がたまって強くなってるお前と、
 インキュバスになっただけの俺とじゃ不公平だろ

 せめて会った時と同じくらいに魔力を戻さないと」

「そんなのどうやんだよ?」

「この鍼(はり)を使う。体に何カ所か刺すと良い感じに魔力が抜けていく」

「どうしてお前がそんなの持ってるんだよ?」

「鍼と整体で食ってたからな」

「通りであの時やたらと手慣れてると思ってたんだ」

「魔界銀製の鍼だから痛みもないし、ついでに肩こり、腰痛にも効く」

「そりゃいいな、最近、胸とか尻とかデカくなったせいか
 肩がこってたんだ」

「あと、この薬も飲め。魔力への耐性が下がる」

「なんでそんなのまで飲まなきゃいけねえんだよ」

「最大HPだけ下げても防御力下げなきゃ片手落ちだろ」

「そこまでする必要ねえだろ」

「魔力がほぼ空の状態かつ耐性0の状態で交尾すると
 めちゃくちゃ気持ちがいいらしいぞ」

「……お前」

「……(さすがに露骨すぎたか?)」

「ククッ、戦う前から交尾の準備なんて媚売ってるのか?
 いいぜ、これを飲んでもオレ様が圧勝して、
 最高に気持ちよくてめえを犯してやる♥」

「あ、じゃあ鍼刺すんでうつ伏せになってくださ〜い。
 頭にも何本か刺していきますね〜悪いところが結構あるみたいなんで」

「オレ様は頭脳労働だからどうしても悪いのが溜まっちまうんだよなぁ…
 まったく、ボスってのも辛いもんだぜ」

「そうですね〜」

「お…♥刺されたとこがじんわり気持ちいい…
 思ってたより良いじゃねえか」

「では、効かせるために1時間ほどそのままお待ちください」

「ん…あぁ…終わったら起こせ…」













「おーい、ハンマーと杭貸してくれ」

「いいっすけど、元ボスはどこ行ったんすか?
 仕事がまだ残ってるんすけど」

「復讐してやるって俺のところに乗り込んできた。今は寝てる」

「仕事が面倒くさくなって、最終手段に出たんすね
 で、どうするつもりなんすか?」

「目を覚ました瞬間に勝負開始ってことで、

 頭に魔界銀の杭をぶち込んでやる」

「吸血鬼の退治方法みたいっすね、完全にオーバーキルっすよ」

「バカモノ退治にはオーバーキルくらいがちょうど良いんだよ

 …ん?……オーバーキル?…オーバー…


 あ、頭に余計に刺した分の魔力放出量、計算に入れてなかった」










一方そのころ……


 くかっ…んぉ、ちょっと寝ちまってたな…

 ま、どうせあいつが起こしに来るからもう少し寝ててもいいか…

 こうやって気持ちよくウトウトできるのって最高だなぁ…

 これが終わったら軽くあいつを捻って、めちゃくちゃ気持ちのいい交尾!

 そのあとは上手い飯と酒をたらふく食って、そしてまた交尾♥

 今から楽しみで仕方ねえぜ……
 
 …こうやって考えるとオレってすげえ幸せだな

 考えれば考えるほど頭と子宮の奥から幸せな気持ちが溢れてくる…

 やべっ♥幸せ過ぎてイキそう…♥

 って、幸せ過ぎてイクってなんだよ!?

 いやでも、実際なんだか脳みそふわふわして股もどろどろしてきてる…

 なんだか分かんねえけどこのままだと不味いことになりそうだ!

 とにかく逃げっ……う、動けねえ!あ、あいつ魔力を全部抜きやがった!

 あの野郎…一度ならず二度までも汚ねえマネを…絶対許さねえ!

 でも、あいつのチンポすげえ気持ちいいし♥

 こうやって動けなくしたってことは…

 すぐにおしおきエッチしてくれるってことだな!?

 想像しただけでキモチよくなってきた…♥

 ちがう!こんなひきょうな手を使うやつに負けてたまるか!こんなまけかたしたら

 ごしゅじんさまのチンポにこびこびするだけのめすぶたになっちまう♥

 なんでこんなにあたまがぐちゃぐちゃに…

 あ、そうか、へやがオレのにおいでいっぱいになってるから…

 あ♥イクッ♥やべっ…イクとまたにおいがつよく…うっ♥♥

 イグッ♥あたまっ♥おかしくなるっっ♥まけちゃっ♥












「おい、大丈夫…うっ!なんだこれ幸せ臭っ!!」

「なんすか幸せ臭いって!
 あ、ホントだ!幸せ臭いとしか言えないっす!」

「いひっ♥いひっ♥」

「これ以上息を吸うな!窓全部開けろ!」






「耐性0の状態で自分の臭いを嗅ぎ続けたせいか…」
 
「魔力を空にしても、一度体が負けを認めてしまっている以上、
 雌豚臭はリセットできなかったんすね」

「なまじ精神だけは反抗的だったせいで、ただでさえキツい自分の体臭に負けて
 さらに弱くさらに屈服することに幸せを感じるようになった、と」
 
「そして敗北感と同時に幸福な気分も体臭に反映され、
 もっと幸せな気分になる…喜びが喜びを呼ぶ互乗喜爆豚ってわけっすね」

「……解説は良いから、オレ様に言うことがあるんじゃないのか?」

「そうだな、

 おしおきしてやるから股開け、雌豚」


「ひゃい♥ごしゅじんさま♥」










「アホくさ…」
 
23/08/13 05:22更新 / ヤルダケヤル

■作者メッセージ
お盆近いので帰ってきました。

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