読切小説
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パイロゥちゃんの『激重求婚(かる~いおさそい)』

「何言ってんの?近くに『自宅(ホテル)』あるしさ、いいでしょ?」

「さっきから何故かムラムラするから、ぜひお願いしたいところだけど…

 なんか不穏なものを感じるというか……」

「え~なんで~?大人なら『煉獄火炎(ひあそび)』くらい、余裕でしょ?」

「火だるまで済まない勢いを感じる」

「あ~もしかして『結婚資金(おかね)』の心配とか?」

「そうだね、あれ百万円単位だしね」

「あたしらサキュバスだし『子種を無期限無限提供(タダ)」でいいよ」

「タダより高いものはないっていうかただでは済まないというか…」

「時間も『万魔殿に滞在するから実質無限(2じかんだけ)』だし」

「時間が存在しないところで時間指定するってバグ起こしそうだね」

「なら『永遠に寄り添い生きる(そのへんデートする)』のは?」

「いや、いきなりプロポーズされても…」

「そんな重くないって、あたしは単に
 『互いの一生を捧げ、命尽きても魂魄を交わらせ永劫に愛し続けて(あそんで)』
 くれって言ってんの」
 
「キミ、人生は遊び みたいな考え方するタイプ?」

「あ、わかった兄さん『私専用純潔肉棒(どうてい)』?
 だからちょっと警戒しちゃってる感じ?」

「そういうキミもどうせ『俺専用どスケベ未貫通女陰(しょじょ)』だろ
 ……これ感染るの?」

「そーそーだから一緒に『結婚(そつぎょう)』しよ
 あたしもいつまでも『伴侶がいない(しょじょ)』だとアレだしさ」

「処女にそこまで重い意味持たせてるのキミかガイアくらいだよ」

「もしかして『交尾の前準備(シチュエーション)』とかにもこだわりたいタイプ?」

「どちらかといえばそう」

「ん~じゃあ『予行演習(しんこんさんごっこ)』とかする?

『交尾の前準備(おふろにする)?』

『交尾の前準備(ごはんにする)?』

それとも『即交尾(あ・た・し)?』

「万物を交尾か交尾の前準備と認識するのはマーチヘアと良い勝負できるからやめろ」

「え~いいじゃん
 『人間では想像も出来ない破滅的な快楽と
 燃え上がる灼熱の愛情を与える(サービス)』するよ?」

「初対面にしてはグイグイ来るね…」

「兄さんのこと『一年前からストーキングしてた(まちでたまにみかけて)』から
『絶対この人が運命の人だと確信(いいな~)』って思ったんで
『捕食態勢に入った(こえをかけた)』ってわけ』

「なんかたまにパンツが焦げくさかったのキミのせいか」

「『わるいむしがつかないように(加熱殺菌)」しただけだし」

「振り仮名と字を逆にするとややこしくなるから…」

「あたしらややこしいこととかしません~なんたって強気!陽気!色気!の
『陽キャ黒ギャルビッチに擬態した激重淫魔(パイロゥ)』だしね」

「魔物娘って全体的に愛が重いけど、パイロゥちゃんなんか特に重そうだよね」

「言えてる、でも、『ヤンデレファイア(シロヘビ)』に比べればマシじゃない?」

「キミも白蛇さんもやってることほぼほぼ同じなんすけど、
 もっと言うとウィル・オ・ウィスプもヤンデレファイアだし」
 
「白蛇のは燃やした後に自分で鎮火させちゃうじゃん。
 ウィスプもガワが燃えてるだけで、似てるようで全然違うんだよね

 そうだ、どう違うかあたしの炎「試用期間未定 延長有(ためして)」みる?

「炎使うやつは何か重くならなきゃいけない決まりでもあるの?」

「だからそんなに重くないって兄さん警戒しすぎ~」

「さっきから兄さんって言ってくれてるけど、もうそんなトシじゃないんだよね…」

「え~普通に見た目『おじさん(にいさん)』だよ」

「優しさは時として人を傷つけるね…」

「『いい加減観念してあたしに焼き尽くされろ
 (そんなのどうでもいいからはやくいこうよ~)』」

「若干イライラというかメラメラし始めてる?」

「そんなに信用できないなら『婚約者内定(おともだち)』から始める?」

「内定辞退とか絶対できなさそう」

「なら兄さんのトシに合わせて『婚姻届に記載(ぶんつう)』でもいいよ」

「俺の年齢でも文通とかもう誰もしてないし、その文書一回書いただけで終わるから」

「デートもダメ、友達もダメ、となると残りは…

『無理やり犯されるのが好き(えさ)』?」

「もっと段階を踏んでいただけません?」

「だいじょうぶ、だいじょうぶ、じっくり火を通して、
『足腰立たなくなるまで交尾(おいしくたべて)』あげるね」

「のらりくらりとかわそうと思ったけど、どうやら逃げ切れないようだね…




 これが本当の、焼きが回…


 熱っつぁ!!待って!無言で着火しないで!




 ァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!」









終わり
22/01/02 03:49更新 / ヤルダケヤル

■作者メッセージ
読んでいただきありがとうございました。

パイロゥちゃんから滲み出る重くてしっとりしてるオーラがとてもいいですよね… 

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