百合に挟みたがる
「魔王の娘よ、『まだ』ね」
「リリムの割になんかあんまりエロさを感じねえな」
「抑えてるのよ、あんたをリリラウネの中に放り込むのが目的なのに、
あたしに欲情されたら困るじゃない？」
「なんでまたそんなことを…」
「勢いで国を堕として勢いで仲良さそうな王女と護衛の女騎士をリリラウネにしたけど、
竿役が見つからないからそこら辺にいた旅人につがいになってもらおうと思ったのよ」
「そのままの勢いで帰れ」
「適当に堕とせば良い感じにくっつくと思ったけど…デル姉みたいに上手くいかないわ…」
「ああ見えてかなり綿密に計画立ててたらしいからね、役者が違う」
「まあでも、アフターフォローすれば問題ないわけだし」
「後手後手の対応ともいえる」
「あんたも後手に縛って逆さまにリリラウネの中に突っ込んでやるわ」
「リリラウネの方も突然拘束された男を入れられても困るだろうが」
「ま、なんとかなるなる、多分大丈夫でしょ」
「お前、その感覚で国を堕としたからこうなってんやぞ」
「…正論で人は救えないわ」
「確かに救えない奴だけども」
「だけど、あなたが挟まるだけで救われる魔物たちがいます」
「募金っぽく言っても嫌に決まってんだろ」
「そもそも何が嫌なのよ、百合本人たちがオッケーだしてるのよ？」
「いや、百合ってこう…遠くから見守るものだろ」
「違うわ、『百合』って字はね、
毎日『百』回『合』体するから『百合』って書くのよ。合体しなさい」
「虎でも二日で１００回だぞ」
「ならいいじゃない。あんたは虎よ、虎２匹分になるのよ」
「伊達直人でも無理っていうと思う」
「勢いで何とかするのよ！」
「お前そればっかりだな…」
「そう、本当のこと言うと…勢いでなんとかする癖を直したいのよ…」
「普通に生きていれば勢いだけで何とかなる方が少ないだろうが」
「リリムは顔も良いし魔力も強いし家柄も最高だから余裕でいけるのよね」
「なるほど、人格と知能に問題があってもどうにでもなるわけだ」
「百合じゃなくて別のものに挟まれたい？鉄板とか」
「お前勢いで人殺してないよね？」
「そうなる前に勢いで魔物娘にするかその餌にしてるから大丈夫よ」
「本当に今の魔王が淫魔でよかった…時代が時代なら完全な狂戦士だった」
「だからあんたをリリラウネの中にぶち込むのではなく
、自主的にリリラウネの膣内に精子ぶち込むように言葉で説得しようと思ってるの」
「今のところ説得要素皆無」
「じゃあ、挟まれるメリットを上げましょう！
なんと今なら救出に来た女魔導士も取り込んだので３人！
トライアングルで挟まれることができるわよ！」
「おい、リリラウネですらねえじゃねえか」
「名付けてリリリラウネね」
「ポケ〇ンみたいな命名方式だな」
「一人増えたくらいなら大して問題ないでしょ」
「大問題でしょ。矢印は？関係は？」
「いや、あたしも遠巻きに見ただけだから分からんし…」
「アフターケアはどうした。
男を云々よりもまずリリラウネになった本人たちと話し合いをすべきだろ」
「あたしが近づくと攻撃されるのよね…」
「心当たりは？」
「ないわよ、普通に姫様と騎士ちゃんを空ラウネの中に入れただけよ」
「空ラウネとか初めて聞いたけどこの際いいわ、
城から森まで連れて行く間に失礼なことしたんじゃないか？」
「城からここに直接投げ入れたからそれはないわ」
「物理ルーラすんな」
「他の人を飛ばすんだからバシルーラよ、
ツッコむならちゃんとツッコみなさい、まったく…」
「なんで俺が呆れられてんの？」
「言われてみれば…
城で優雅に暮らしていたのに突然何もない森に飛ばされたのは気の毒ね」
「街道歩いてだけでクレイジーリリムとエンカウントする方が気の毒だと思わん？」
「世の中にはあたしたちリリムに会いたくてしょうがない人もたくさんいるのよ？」
「その人たちが会いたいのはお前以外のリリムだと思う」
「そんなこと言ってもあたしが本気出せば骨抜きのコロリよ、コロリ」
「ならリリリラウネのところに行ってコロリと懐柔してこいよ」
「そのためにも手土産が必要なのよね…あんたという手土産がね…」
「『これで機嫌直して！』って、人間連れて行くのってお前か奴隷商人だけ」
「あんたをこれから恋の奴隷にするからあながち間違いじゃないわね」
「自称するならわかるけど、他人を恋の奴隷にするっていうと普通に怖いな」
「魔物ですもの、多少怖がられた方がいいスパイスになるわ」
「お前の場合サイコホラー的な怖さなんだよね…」
「男女を密室の中（花）の中に閉じ込めて一生出られなくさせるのは
確かにサイコ味あるかもしれないわね…
ん？」
『お姉さまー！助けに来ました！』
「なんだ？こんな場所に高そうな服着た子供が向かっていったぞ」
「そうだった、王子もたまたま国外にいて無事だったのよね」
「ちなみに王子と姫様たちとの関係って分かる？」
「ここまで助けに来るんだから仲いいんじゃないかしら？知らんけど」
「いい加減もここまでくると罪だと思うね、俺は」
「確かに、罪な奴だとよく言われるわ」
「全ての言葉をポジティブ変換するの羨ましいけど、やめてほしい」
『ｵﾈｴｻﾏｰ！』
「あ、目を離してる隙に挟まれたわ」
「百合も好きなんだけど実はオネショタも好きなんだ。
とりあえず、俺はもう必要なさそうだな」
「ちょっと待って！王子になんか生えてきてるわ」
「『生えてきてる』じゃなくて男には元々生えてんの」
「いや、頭とか背中から角とか羽とか…」
「それはまずい」
「元々生えてる方は微妙に残ってるわよ」
「微妙ってなんだよ」
「竿が辛うじて残って玉が消滅…代わりに穴…いや、これはスジねスジ」
「表現方法がおっさん並みだな…」
「リリラウネが更にリリリラウネになるだけでも珍しいのに、
アルプが混じってリリリリラウネになんて…」
「もう収集つかねえな、状況も名前も」
「いや、あんた放り込めば万事解決よ」
「４人にドンピシャで好かれるとか無理だろ」
「今は好きじゃなくても好きになる過程も楽しめるのが魔物娘だから問題ないわ」
「無敵すぎる…そんなにいうなら…ちょっと様子見るくらいならしようかな」
「そうしなさいそうしなさい」
ーーーーーーー
「なるほどな…そういう訳か」ｷｼｯ
「あの方も一応、わたくしたちのことも考えてくださっていたんですねぇ」ﾋﾒｯ
「代わりに俺のことは全然考えてないんですけど」
「それならボクたちが貴方のことを考えてあげますよ！」ｼｮﾀｯ（元）
「２４時間年中無休ですぜ旦那〜」ﾏﾎｯ
「一人だけでも重そうなのに４人に挟まれたら圧殺されるわ」
「しかし、その前にだ、私はリリラウネである前に姫様を守る騎士であるわけで、
その役目を共に成しえる者としか添い遂げるつもりはない！」
「そうなの、じゃあ帰るね」
「あ、形だけでいいんで！ホント！形式的なものなんで！！お願いします！！」
「お約束すんな、今時ベタ過ぎるわ」
「騎士である前に一人の女の子だし、私！
もっというと女の子の前に魔物だから人間のオスは逃がしたくない！」
「リリラウネの前に色々置きすぎじゃないっすかねぇ〜…？」
「あらあら〜昔は『女など既に捨てた！』が口癖だったのに…
でも、わたくしは今の素直な騎士ちゃんの方が好きよ」
「姫…」
「なんやかんや今の方が皆はっちゃけてて楽しいっすよね〜」
「前のころよりみんな明るく元気そうだし、本当に良かったです
でも、僕はそんなにはっちゃけるって言うほど変わってませんけどね」
「お前が一番はっちゃけとるわ」
「長男とか次期国王とかそういう重圧から解放されたので…」
「解放の仕方が強烈すぎる」
「その話はその辺にして、貴様が姫様を守れる腕があるかどうかテストするぞ！」
「本当に形だけでいいなら…」
「心配するな、このテストは力を示すためではない。
騎士としての素質があるか見極めるものだ」
「いや、力がないと騎士としての素質なんてないのと同じでしょ」
「愚かな…騎士としての矜持をいま懇々と説明してやってもいいが…
それはお前が挟まってからでも遅くないな」
「俺が挟まるの前提なのやめろ」
「うぉぉぉぉぉぉ！必犯剣！蜜飛ばし！！」ﾋﾞｼｬｯ
「すごい、会話の途中の不意打ちで剣を全く使わずに蜜ぶっかけてきやがった。
騎士の矜持はどこいった」
「騎士は犬とも花畜生とも言われようが勝つことこそが本分に候」
「花畜生ってなんだ」
「まあまあ、もういいでしょう…どうです？
貴方様もこちらに来て蜜でも飲んで…お話いたしましょう…♥」
「いくら貴重なリリラウネの蜜だとしても、
下半身の特定部位から直接注がれたのを飲むのはイヤです…」
「あらあら、今はそう仰ってても、
もうすぐ私たちの蜜なしでは生きていけない体になりますのに♥」
「まさか…せっかく姉上が淹れてくれた蜜を飲まないなんて言いませんよね…？」
「これが花畜生どもか」
「そんな身構えなくてもいいっすよ〜姫さんなりのジョークっす」
「あの目は冗談を言ってる目じゃないぞ、絶対」
「じゃあアタシが姫様の蜜を飲むから、アタシから出た蜜を飲めばいいわけっすね〜」
「それは魔導士さんなりのジョーク…
じゃねえな目がマジだ」
「それならその蜜を舐めたボクの蜜はどうですか？」
「いや、なんか男の『名残り』が付いてる分、余計に嫌」「酷い！」
「仕方ない、騎士たる私が王子の蜜を舐めとって…」
「でしたら、貴方様がそれを舐めれば完璧ですわね」
「なんだその綺麗なムカデ人間」
「最後尾は貴方っすけどね〜」
「嫌に決まってんだろうが、
それにしてもこう…わちゃわちゃわちゃ…姦しいというかやかましいというか…
二人だけの方が静かでよかったんじゃないか？」
「あたしらが気にしてたことをズケズケと聞くっすね…」
「ボクも姉さんたちの聖域を踏み荒らしてしまってるんじゃないかと正直不安で…」
「ふふっ…いいえ。
二人で静かに寄り添っていた時も満ち足りた幸せな時間でしたけど、
三人になったらもっと幸せで楽しくなりました。
四人になった今は騒がしいくらいだけど、もっともっと楽しくて幸せになる
…そんな予感というよりも確信がありますわ
きっと貴方が入ってくれたらもっともっともっと楽しくて幸せに…
そう…これこそが幸せの連結連鎖
つまりムカデ人間ですわね♥」
「最初良い感じだったのに…」
ーーーーーーーーー
「ってことで逃げ帰ってきました」
「５分後に再出撃よ」
「人を気軽に死地に追い込むな」
「真面目な話４人からも好感触だったし、本気で挟まれるの考えてみないかしら？」
「いや、実際入ったとしても何話していいかわからんし、
どういう風に接していいかもさっぱりだし…」
「見ず知らずの女の子たちの輪に急に入るのは気恥ずかしくて無理ってこと？
カワイイところあるわね」
「平たく言うとそうだけど、普通にむかつくわ」
「つまり、誰か知り合い挟めばいいってことね！
なら話は簡単だわ、あんたの知り合いで姫様たちとも知り合いの女の子を、
百合に突っ込んでリリリリリラウネにすればいいのよ」
「まず該当者が全く及びも付かないし、名前をこれ以上長くするんじゃねえ」
「ふふ…いいこと？知り合いにその人の知り合いを紹介してもらって、
またその知り合いからその人の知り合いを紹介してもらって、
そのまた知り合い…を繰り返すと、６人くらいでどんな人とも知り合いになるらしいわ
つまり！知り合いをリリリリリラウネに突っ込んで！
そのまた知り合いをリリリリリリラウネに突っ込んで！
さらにその知り合いをリリリリリリリラウネに突っ込む！
…を繰り返せば理論上はリリリリリリリリリリリラウネあたりで
あんたと姫様は知り合いになるわけ」
「鈴虫みたいになってんぞ」
「風流でいいじゃない」
「ムカデだと鈴虫だのさっきから虫ばっかりでうんざりしてきたな」
「鈴虫って言ったのは自分なのに…流石のあたしも理不尽感じるわ」
「お前の後始末を押し付けられてる俺はもっと理不尽感じてるの！」
「…そうね…わかったわ。
私が先に行くから１０分くらい待ってから姫様たちの所に来てちょうだい」
「どうする気だよ？」
「自分のやったことに決着つけてくるわ」
「偉い、それは素直に褒める」
「謝ったら後は勢いでなんとかなるわよね！」
「お前、勢いだけで生きていくの本当にやめろ」
「ちなみに、来なかったらあんたの目の前にリリラウネ直通ポータル開けるから」
「勢いよく走ったら逃げれねえかな…」
ーー１０分後ーー
「いちおう来たけど…何でお前もその中に入ってるわけ？」
「勢いよく謝ったら許してくれて、あいだに挟んでくれたわ」
「取り込まれてるじゃねえか」
「過去のことは水ならぬ蜜に流すことにしましたの」
「リリムを機能不全にさせたとあれば騎士としての面目も立つしな」
「それに、なんだかんだ面白そうじゃんこのお姉さん〜」
「ボクも皆さんがいいならおっぱいが増えることに異論ありません」
「正直者め」
「これからあたしたちはリリリリリリムラウネね」
「ちゃっかり自分の種族名ねじ込むな」
「これで知り合いも出来たし、文句ないわね」
「いや、文句しかないわ、特にお前に」
「じゃあ口説き文句でも聞かせてもらおうかしら…
魔力！開放！」
「ぬおぉ！これが本来のリリムの実力…さっきまでのあのアレとは思えない！」
「あのアレって何よ」
「男も騎士も潔さが大切だぞ。ま、貴様じゃ姫様は守れないだろうし仕方ない。
私が姫様も貴様も一生守ってやろう♥」
「花の中に入ったら、まずは自己紹介から始めましょうか…
ゆっくりお互いの蜜を舐めあいながら♥」
「町に何か用があるならあたしが上手いことやるっすよ〜街中デートも実はちょっと憧れてたっす…♥」
「ボク、元男ですし、男友達にもなれると思うんですよね、恋人と兼任ですけど♥」
「「「「「末永くよろしくお願いします♥♥」」」」」
「これもう百合じゃなくてただのハーレムだな」
21/08/04 14:55更新 / ヤルダケヤル