エンディンぶー
「そういえば、他にも二人感染してた娘がいました」
「自分の体験をゲーム造りに活かせって言うけど、こういうことじゃねえよ」
「彼女たちの制作担当してたフロアはここまでなので、あとは大丈夫だと思います」
「無いと思うが続編決定したら、そいつらクビな」
「まぁ、ここからが本番ということで…」
「長い前座だったぜ。
今度はちゃんと歩き回ったり、周囲を見張ってるオークがいるな」
「足元を調べると石ころが手に入るので、投げるとオークの気をそらすことが出来ます。
それに、背後を見せたときに攻撃すると奇襲できますよ」
「最低限の所はちゃんと出来てるんだな。さっそく足元の石を使ってみるか」ポーイ
ドグシャッ
『ぶっっっ!!!!!!』
「予想以上の大きさの石を、予想以上に振りかぶって、
予想以上の正確さでオークの後頭部に直撃させたんだけど、この主人公」
「石と石ころで別アイテムなので」
「同じような名前で効果が全然違うものを作るって、
お前ら真面目にクソゲー作る才能あるわ」
「ぶひっ♥ありがとうございます」
「褒めてねえよ、どうすんだこれ、危ない感じに痙攣してんぞ」
「ここにある石も魔力に侵されてるので、当たっても直ちに健康に害はありません
これはイってるだけです」
「魔力ってマジ便利」
『ぶひっ、脱走してるぞ、捕まえろー!』
「また見つかってしまった」
「それなら今度こそオークのハンマーの見せ場ですね」
「構えてPボタンだな」
「ですです。オークからの攻撃を避けて、その隙に攻撃を叩きこむのです!」
「いいね。そういう格闘戦のあるゲームは好きなんだ」
『わたしのハンマーを食らえぇ!』チョロリン
「ハンマーちょっと突き出しただけにしか見えなかったんだけど、なんかの予備動作?」
「今です!反撃を!」
「えぇ…」
SMAAAAAAAAASH!!!!
ガゴンッ
『ぷぎゃ!!!!』
YOU WIN
「一応さ、魔物って言っても女の子のわけで、その顔面にフルスイングってどうよ?」
「めっちゃ興奮しますぅぅぅ♥」
「たまたまこのゲームはオークの中でも変態が集まったと思いたい」
「自分の中のプライドを粉々にされた後に性処理の乱暴な征服ックスによる屈服は、
オークだったら誰でも憧れちゃいます…♥」
「オークとヘルハウンドを足して2で割るとちょうど良い感じになりそう」
「ご主人!どっちかに振り切れてるから、どっちも魅力的なんじゃないですか!」
「一理ある。それよりも、オークの攻撃がしょぼすぎたのが気になったわ」
「ぶひひ、人間の頭にためらわず鈍器を振り下ろすなんて出来ませんよ、ご主人様」
「主人公、一撃でハンマーぶっ壊れる勢いで殴打してたぞ」
「今のでハンマーが壊れてしまったので、武器を拾うまで素手で戦わなきゃいけません」
「…石やハンマーは魔力で無傷に済んだって言い訳できるが、素手は言い訳できんぞ」
「大丈夫、大丈夫、ほら、あそこにも雌豚リョナ要員がいますよ!」
「お前の精神状態おかしいよ…」
『ぶひっ!捕まえてまた犯してやる!』
「えーっと、Pボタンだったな」
『ブヒョォォォォォォぉ!!!』
「あ、間違えた構えてからPボタンだったな」
『ぶひゃぁぁぁぁぁぁぁ!!』ゲシッ
『イタッ!』
「連打でコンボ出来ますよ」
「こう?」カチカチカチカチ
『ぶっぶぶぶぶぶっぶぶヒロットォ…』
「構えてから構えてから」
「まだ操作慣れてないんだ」カチカチカチカチカチカチ…
『ブヒャヒャヒャヒャ!!!』ゴスッゴスッ
『ぐっ、ガハッ、あうっ!』
「奇声上げながらオーク殴り続ける男が主人公って駄目じゃね?」
「そんなことないと思いますけど」
『ぶ…ぶひっ…もう…降参…ごふっ!いだっ!!降参!こうさん!』
「俺もうボタン押してないのにまだ殴り続けてんだけど」
「ちゃんと連打した回数分攻撃しますよ」
「なんでそんな仕様にしてんだ」
「この方がオナニーしやすいかなと」
「殴られてるオーク見て抜かねえよ」
「いや、我々がやります」
「俺はオーク用のエロゲーやらされてたの?」
「鼻血を出しながら怯えて命乞いするオークを、レイプするとか興奮しませんか?」
『こ…殺さないで…ぐふっ!…何でもしますから許し…ギャッ…アッ♥…』
「胸糞悪いわ」
「ご主人様だったらお気に召していただけると思ったのですが残念です…」
「お前は俺の事を何だと思ってやがる」
「あ、他にも捕まえたオークをアクセサリーでドレスアップして、
自分だけのオークを作ることが出来ます!これは絶対エロいですよ!」
「確かにちょっと興味出てきた」
「でしょう?早速倒れてるオークに試してみましょう!」
アクセサリー
ピアス(乳)
ピアス(陰核)
「最初ですのでこれしかありませんが、
アクセサリーは宝箱などから手に入りますので、
いろんなところを探索してみてください」
「なぜメイド服とか体操着とかポピュラーなのにしなかった」
「砦にそういうのが置いてあるのはおかしいかなと…」
「それを言ったらクリピアスの方がよっぽどおかしい…
ってピアスはピアスだわ、着ける場所に問題があるだけで」
「それで、どちらにしますか?」
「どっちも嫌に決まってんだろ」
「チュートリアルなのでどっちか選ばないと進めませんよ?」
「もうちょっとわくわくできる選択肢が欲しかった」
「ぶひっオススメは両方です♥」
「もうじゃあ、それでいいわ」カチカチ
ブスッ
パチン
『ぴぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!』
「………」
「ぷひっ…ぷひっ…♥」クチュクチュ
「ピアスを着けるのにここまで丁寧な描写いる?」
「オークの90%がいるって答えました」
「オークでまともなのは残りの10%か」
「10%のオークはもっとリアルにしろって言ってました」
「小数点以下の理性的なオークの存在を願うしかない」
「でも、見てください、このオークの幸せそうな顔!
あなたはこんな顔で死ねますか?」
「勝手に殺してやるなよ」
「でも、天国は見れてるっぽいので良しとしましょう」
「俺の目の前に広がってるは地獄にしか見えないですね」
「まあまあ、こうやっておしゃれしたオークは吊るしても見分けがつきやすくなるし、
地下広間が華やかな雰囲気になって、まるでお人形部屋みたい!」
「絶対お前に人形買ってあげないことにした」
「もうそんな歳でもないので…それよりも次に進みましょう!」
「もう素手で戦いたくないからどっかで武器を調達したいな」
「それなら台所とかがオススメですね。寄り道的な所には良い武器設置してるので」
「そういうセオリーはしっかりしてるんだな」
「武器の種類も結構作ったんですよ」
「お、いいな。やっぱり武器がたくさんあった方がそれっぽくなるし」
「鞭にロウソク、スタンガン、洗濯バサミなどなど」
「武器と呼ぶにはあまりにも露骨なチョイス」
「他にも武器はありますので、ほら、噂をすれば包丁を入手しましたよ!」
「この包丁、身長くらいあるんだけど、クジラでも解体してたの?」
「そこはフィクションの範囲内ということで…」
「まあ、大きな武器を振り回すのはロマンではある」
「ですよね、他にもパイルバンカーとか対戦車ライフルとかもあります」
「どうせバカゲーだからなんでそんなものがあるかはツッコまないけど、
オーク相手にぶっ放していいもんじゃないだろそれ」
「魔界銀だったら以外にいけました」
「試してみたのか…」
「体内の魔力が見たことのない勢いで弾け飛んでました」
「そこまで行くと逆にちょっと興味出てきてしまった」
「ゲーム内で忠実に再現されてますから、やりこんでゲットしてみてください♥」
「そこらへん忠実に再現するよりゲームバランスをどうにかして欲しかった」
「好きな所を徹底的にこだわれるのがインディーズの魅力ですね」
「適当ほざくな」
「それと、さっき防具は無いといいましたが、頭に着けるアイテムとかはありますよ」
「へぇー全裸のくせにそこは装備できるのか」
「セックスの邪魔になりませんからね」
「お前たちの基準はそれしかないのか」
「武器との組み合わせで特殊効果が発生する装備も!」
「本当、変な所にだけ力入れてるよな」
「その肉きり包丁だと鉄の三角コーンと組み合わせがオススメです」
「血と錆の世界に迷い込みそうだから嫌」
「じゃあ、金髪のツンツンヘアーとか」
「その組み合わせにするとリミット技でも使えるのか?」
「攻撃方法がオークの肉壺へのマテリア捻じ込みに変わります」
「やめなよ」
「これ以上は組み合わせを探す楽しみが薄れてしまいますので…」
「もう薄れたどころか消え去ったから心配いらない」
「ま、最強の武器は愛のささやきと熱くて硬い棒ですけど、ぷひっ♥」
「焼きごて?」
「熱くて硬くて武器にしたらたしかにヤバいので別解として採用します」
「これ作ったやつらに一発づつ食らわせてやる…」カチカチカチ
ザシュッ
『ぷぎゃぁぁぁぁぁぁ!!』
ドシュッ
『ぶふっ…』
ザクッ
『ぴぎぃぃぃ…』
「完全に作業モードの目ですねご主人様」
「倒しすぎるとオークが逃げたり隠れたりするのか、
マジでストレスしかねえなこのクソゲー!」
「ガチ目に言われると傷つくのでもっとソフトな感じに…」
「終わったらソフト硫酸に浸す」ザクザク
「そこはちょっと違うような気がするんですが」
『ぶ…ぶひー!!た、助けて』バタン
「最後の一匹がクローゼットの中に隠れやがった」
「おら、開けろ」
バタンッ
『いやぁぁぁぁ!』ドンッ
タッタッタッ…
「は?」
「開けて捕まえることが出来ますが、確率で突き飛ばされて逃走される恐れがあります」
「また別の所に隠れられたら、面倒だろうが」
ガチャ バタン
「隠れたみたいですね…」
「ちなみに突き飛ばしの発生確率は?」
「80パー…」
「ドロポンと一緒かよ!!」
「いや、でも、結構外れますし…」
「敵のは当たんだよ、もういいわ、出て来るまで待つ」
「え、それは…」
「なんだ?待ってても出てこないのか?」
「出て来ることは出て来るんですが…」
バタン
『えへ…えへへへ…いのちだけはぁ…いひっイヒヒ』
「恐怖の結果ちょっと壊れます」
「そうか」
ザシュッ
「うーんジェノサイド」
「これで残りはハイオークだけだな」
「あー…まあ…はい」
『アタイの可愛い部下たちが随分世話になったそうじゃね「攻撃」
ブンッ
うぉ!あぶねっ!』
「避けやがった」
「私たち的には会話飛ばしやがった!と言いたい気分です」
『ちくしょう!!これでもくらいやがれ!』
ガツッ
GAME OVER
「は?」
『また来たのかい!今度も返り討ちだよ!』
ガツッ
GAME OVER
『アタイに勝とうなんて百年早いのさ!』
ガツッ
GAME OVER
「………」
「いや、あのボスがですね、『アタイはこれくらいつよい!』って聞かなくてですね」
「………」
「最初の雰囲気みたいな感じだったら、
ご主人様にツッコまれつつ笑いながら許していただけるかなぁって思ってまして…」
「………」
「えへ…えへへへ…いのちだけは…」
「最初のフロアを作ったやつら」
「はい?」
「才能がないなんて言ったがとんでもない、あいつらがゲームを一番わかってたんだな」
「へ?」
「まずは捕まえていたオークを一匹出す」
『ご主人様の命令なら何でもいたしますぅ♥』
「最初のフロアに戻る」
『う…限界…限界来てる…』
「こいつを捕まえたオークに連れていかせる」
『ホントムリ!今揺らされるとホントムリだから!!』ズリズリ
「そして、オークにはハイオークの部屋に生体兵器を連れていくように命令。
自分はこの砦から脱出」
『…ご主人様、この命令が終わったら
…いえ、何でもありません。
奴隷一号、行ってまいります!』
『ん、お前らどうしたなんだか顔色悪いぞ『う…うう”ぉ……』
ウワァァァァァァァァ!!
『……(ご主人様、この命令が終わったら
私を愛していただけますか?)』
END
「なかなか切なさの残るラストだな」
「むごい…」
「なんで作ったお前がそう言う反応なの?」
「いや、このゲーム、ボスが倒せるの知らなくて…
たぶんあの子たちがこっそりエンディングを作ったんだと思います」
「なんかハイオークに恨みでもあったんかね?」
「そんな…略奪したカキをあんなに嬉しそうにボスから貰ってたのに…」
「それじゃねえか」
「若干逆恨み気味ですけどね」
「ま、これでクリアはクリアだ。
寝る」
「それなら私もご一緒に…♥」
「お前は責任もってこのゴm…じゃなかったゲームの感想を伝えて来いよ」
「ぷひぃ…」
その後、男性の意見によりゲームは大幅リニューアルされ、
『猟奇的なご主人様のお仕置きを回避するため、オークたちが砦を逃げ回るゲーム』
に変貌を遂げ、大ヒットを記録した。
もちろん、スペシャルサンクスとして、男性の名前と顔写真も添えられて。
「…ノンフィクションにしてやる」
19/08/12 17:17更新 / ヤルダケヤル
戻る
次へ