ヘルハウンドさんの調教実技
「・・・よし!」
「よし、じゃねえよ。一体何なの?」
「この前、あたし達の子供の事を考えたときに躾けの話しただろ?」
「したね。だいぶ大火傷したけど」
「それからずっと考えてたんだが・・・
まずはお前を躾けるのが一番大事だと思うんだ」
「なんでだ」
「だってさ、子ってのは親の背中を見て育つもんだろ?
あたし達が立派なヘルハウンドのつがいになれば、子供も立派になるってことだ!」
「やりたかった事は分かるが手段がおかしい」
「そういう訳で今日はお前をビシビシ躾けてやるから覚悟しろよ!」
「この前も思い付きで(俺が)痛い目見たのを忘れたのか・・・」
「大丈夫だ!今回はちゃんと勉強して、躾け方法はばっちりマスターした!」
「ちゃんとその本『バカでもわかる』って書いてあった?」
「わふふ・・・そういう反抗的な態度も躾け直して従順にしてやるからな!」
「ぐ・・・実力行使されるとどうしようもないのが無念だ・・・」
「てなわけで、まずはしっかり上下関係。
その次に最低限生活のルールが守れるように躾けてやる!」
「最低限守れてない奴が言うな」
「目標は芸が出来るまでだな。『おて』と『ちんちん』くらいはやってもらうぞ!」
「お前は自分の旦那を何だと思ってるんだ」
「さ、躾けの続きだ。仰向けになってあたしに腹を見せろ!」
「断固拒否」
「わう、仕方ない。ならこれを使うか・・・」パサッ
「縄? ああ、知ってる。
それで犬と主人で引っ張り合いをして、力の強さを誇示するんでしょ?」
「いや、普通に縛る」
「急にブレるんじゃねえ!」
―――――――
「これで、よしと・・・!」
「無理やりベッドに手足を縛りつけるのを躾けと呼びませんが?」
「最初は無理やりでも毎日やっていくと、
だんだんと自分から腹を見せてくるって書いてあったぞ」
「犬は、ね」
「犬が出来るなら人間のお前なら楽勝だろ?」ナデナデ
「ここまで納得できない論法も珍しい」
「そう言ってても腹を撫でられていると、溜まってくるだろ?服従心」
「ストレッ○マンみたいなこと言うな」
「さて、ここまで頑張ったお前には、ご褒美上げて条件付けさせないとな♥」
「一応聞くけど、ご褒美と君が俺の上に馬乗りになることに何の因果関係が?」
「次からはちゃんと自分で腹を見せておねだりするんだぞぉ・・・♥」ジュルリ
「・・・ひぎぃ」
――――――――
「たっぷりご褒美やったし、これからの躾けもやりやすくなるな」ツヤツヤ
「てめえにご褒美やってどうすんだ」
「次はマズルコントロールだな」
「なにそれ?」
「母犬が子犬のマズルを噛んで押さえつけて上下関係を教え込むやり方だ」
「マズルないんだけど俺」
「何言ってるんだ、今動かしてる立派なマズルがあるだろ・・・♥」
「定義調べ直してこ「じゃ、早速やってみるぞ」・・・え、何言って
・・・んぅむ!!」
「・・・ぷはっ、そして小まめにご褒美!」
「あひぃ」
――――――――
「これでどっちが上か分かっただろ?」
「縛って繰返し強姦した挙句その台詞って、犬畜生にも劣るわ」
「なんだぁ・・・?まだ反抗的な態度だな。
やっぱりご褒美だけじゃなくてお仕置きも必要ってことだな♥」
「ご褒美の時と体勢全く一緒なんだけど?」
「お前の『悪い子』をあたしの説教部屋でたっぷりお仕置きしてやるからなぁ・・・♥」
「その言い回し、大して上手くないからね?むしろ腹立・・・
・・・ぬふぅ」
―――――――――
「これで上下関係はばっちりだな!」
「ペットじゃなくてベッドの上下関係しかやってこなかった気がするんだけど」
「今度はご飯の食べ方からトイレの仕方までみっちり叩き込んでやるからな!」
「俺の13年間の文化的生活を否定するのやめてくんない?」
「そんなわけでほら、吸え。いつもの様に」プルン
「その言い方はやめろ、マジでやめろ」
「大好きだろ?あたしのおっぱい」
「そもそもこれ、何がしたいんだ」
「メシに決まってるだろ!」
「出ねえだろ」
「気合いで出す!」
「胸に気合い入れるとか訳分かんないな」
「入れるんじゃない。出すんだ!」
「やかましいわ」
「別に、こっちが嫌ならあたしの口で豚を「あ、是非おっぱい吸わせてください」カプッ
「・・・・・・」チュウチュウ
「・・・わふん♥・・・こうやってお前が必死に吸ってるの見ると、
満足するまでこのままにしておこうって気になるんだよ
・・・きっとこれが『母性』ってやつなんだろうな
よかった。こんなあたしにもちゃんとあるんだな・・・」
「俺に母性覚えてどうすんだ!」
「何言ってんだ、こんなに嬉しそうにおっぱい吸われてみろ。誰だってそう思うぞ」
「誰か俺を殺して」
「大丈夫だ、お前を殺そうなんてするやつは、あたし全部がやっつけてやるからな!」
「目の前の黒い犬が俺を精神的に殺そうとしてまーす」
「そうか・・・なら、傷つけた分責任もって癒してやるからな・・・
あたしの体でな♥」
「・・・ひでぶ」
――――――――
「わふっ♥なんだか今日はたくさんヤレて良いな!」
「とっくの昔に『今日』は終わってるわ!」
「なら、回数リセットして新たな気持ちで子作りだ!」
「失礼、俺の勘違いだった。外が暗いだけでまだまだ今日だね」
「なら、このまま1日の最大回数を更新するぞ!」ガバッ
「どの選択肢を選んでも同じ結果とかファミコン未満だなぁ・・・
・・・うにゅ」
――――――――
「ゆうべもおたのしみだったな!」
「へんじがない。
ただの しかばねの ようだ 」
「『世界樹の葉』はなくても『冥界獣の歯』ならあるぞ」がぷっ
「生き返れそうな要素0なんだけど、その道具」
「効能は『お前の喉元やお腹を甘噛みして、いつでも食えるんだぞ!
という誇示と征服感を堪能できる』だ」ハモハモ
「やたらそこらを噛むと思ってたらそういう意味だったのか・・・」
「相手を屈服させようとするなら、
まずは日ごろから思って行動するのが大事なんだ!」
「さいですか」
「じゃ、ご飯の次は散歩の時間だな」
「まあ、それくらいなら別に付き合って上げてもいいよ」
「良い子だ♥」カチャリ
「待て、当たり前のように首輪を付けるんじゃない」
「首輪を付けて散歩するのは飼い主の義務だろ」
「君に首引っ張られたらムチ打ちでは済まなそうなんだけど」
「む、それもそうだな・・・
でも、首輪なしでお前の好きなように歩かせると調子に乗るし、何より危ないし」
「その発想が調子に乗ってるし危ないわ」
「ぐむむ・・・どうしようか
はっ!そうだ」ピコーン
「嫌な予感・・・というより確信!」
「あたしがお前をだっこして散歩すればいいんじゃないか!」
「一人でそこら辺歩き回って来いよ」
「がう!ちゃんと毎日散歩して、ストレス発散させないとかわいそうだろうが!」
「誰のストレス発散が目的なんだ」
「そりゃもちろん。あたしのだ!!」
「本筋を見失ってません?」
「一応お前の調教にもなるし、大事なのは過程じゃなく結果だってよく言うぞ」
「言われてるけど、それ言う人って大体悲惨な目に遭ってるからね?」
「お前といればどんな目に遭ってもあたしは平気だ!
だから行くぞ!」
「なんか素敵なこと言われてる気もするけど、やっぱり納得いかない!」
―――――――
「わははっ!すっかり気づかなかったけど、今って夜だったんだな!
まあでも、夜の森を散歩ってのも悪くないな!」
「いや、月明かりすらない完全に真っ暗闇で、
どこをどう行ってるのか分からない上にやたらと風を感じるんだけど!」
「任せろ!あたしには全て見えている!」
「さすがヘルハウンド!やたらと高スペックだ!
でも、とりあえずは、散走から散歩に変えて欲しいなぁ!」
「わうん!何言ってんだ!
この全力で疾走する開放感と疾走感を味わうのが散歩の醍醐味だろうが!
さっきも言ったろ?あたしには全部見えている・・・・・・そんな気がするって」
「不穏なワードを付けたすんじゃなぇぇぇぁぁぁぁぁぁ!!!」
―――――――――
「がふぅっ、久しぶりに腰以外も思いっきり動かしたぜ」
「・・・何回か洒落にならない浮遊感あったんだけど」
「あぁ、何回か崖から飛んだからな!」
「強烈な重力を感じた場面もあったんだけど」
「降りた崖を跳んで戻ったからな!」
「俺の意識もトんで戻っての繰り返しだったよ・・・」
「ベッドの上でも同じだろ♥」
「クソッ!クソッ!」
「おっと、そんなこと言ってるうちにもうすぐ住処だな。
ちょうどいいしここで最後の躾けしちまうか」
「あ?何かまだ残ってんの?」
「トイレだ」
「・・・嫌です」
「ダメだ。これが躾けで一番重要なんだって本に書いてあった!」
「その本帰ったら燃やす」
「それでもいいぞ。もう全部あたしの頭の中に収まってるからな!」
「インプット出来ても適切にアウトプット出来ない人も総じて馬鹿と呼ぶんだよね」
「どっちにしろこれで最後なんだから諦めてやれよ
この木を目印に思いっきりおしっこするんだ!」
「暗くて木も草も見えないです」
「なら、どこでもいいぞ」
「トイレの躾けだってのに、どこでもいいはないでしょ」
「始めから完璧を求めすぎるとお互い辛いからな、妥協は大事だぞ?」
「妥協しすぎたかなぁ・・・君に」
「わう?なんか言ったか?
早く下を脱いで片足上げるんだ!」
「ここまで来たからやるけどさ・・・
これって本当に全部子供が出来たら教えるわけ?」
「当たり前だ!一人前のヘルハウンドになるために絶対必要だろ!」
「そういうもんなのかなぁ?
・・・じゃ、今からするからさ・・・後ろ向いて」
「わう?何言ってんだ、それじゃあ見えないぞ?」」
「貴様が何言ってるんだ」
「正しいポーズでやれてるかチェックしないと意味ないだろ!」
「君に他人の排泄行為を見て興奮するとか、そんな類の性癖があるとは知らなかった」
「子育てにそんなやましい気持ちを持つはずないだろ!
汚いことだからこそ、みっともないことだからこそ
あたしらが教えなきゃ誰が教えるんだ!」
「・・・その通りだね。
わかった。上手くできるか分からないけどやってみるよ!」
「それでこそ私の夫だ!」
――――チョロロロロロ
「わふっ・・・♥・・・わふふふ・・・♥」
「どうだった!?」
「がう!?うん、いいんじゃないか!?」
「なんでちょっと動揺してんの?」
「気のせいだろ! まあこれで、今回の躾けも終わりだな。
でも、これからは日常でも意識してやっていこう!」
「うん・・・まあ、そうだね」
「今日はお前だけにやらせたけど、
明日からはあたしも見本になれるようやっていくからな!」
「うん!一緒に頑張ろう!・・・でも、散歩するなら夜より朝の方がいいかな」
「わふっ!そうか!だったら明日は起きたらすぐに散歩に行くぞ!」
「全く・・・極端だなぁ・・・まぁ、いいか」
――――翌日――――
「んぁ・・・朝か・・・そういや散歩の約束してたな・・・
朝だよ、散歩に行こう」ユサユサ
「ぐぅぅぅぅ・・・さんぽぉぉぉぉ・・・?
今日はいいんじゃないかぁ」
「えぇぇ・・・」
「・・・うっ・・・あたしトイレ・・・」ズルズル
「あぁ、トイレ?俺もさっきしてきたよ。
昨日は暗くて分からなかったけど
外でするのって開放感あってのびのびと穏やかな気分になるね。
ああいう気持ちを子供の頃から覚えておくのって君が言っていた通り、
とても大事なんだなぁってわかったよ\ガチャッ/
ん?・・・そっちは普通のト・・・\カチッ/
・・・・・・・イ・・・\ゴォォォォォォ/・・・
・・・レ・・・\カラカラカラ/・・・・・・・」
「ふぅ・・・あたしもう一回寝る・・・朝ごはん要らない・・・ぐぅ・・・」zzzzz
「・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・」zzzzzz
「・・・ジパングにさぁ・・・こんな諺があるの知ってるかなぁ?
飼い犬に手を噛まれる」
\ガブリッ/
「びゃぅぅぅぅぅぅ!!?」
終わり
「よし、じゃねえよ。一体何なの?」
「この前、あたし達の子供の事を考えたときに躾けの話しただろ?」
「したね。だいぶ大火傷したけど」
「それからずっと考えてたんだが・・・
まずはお前を躾けるのが一番大事だと思うんだ」
「なんでだ」
「だってさ、子ってのは親の背中を見て育つもんだろ?
あたし達が立派なヘルハウンドのつがいになれば、子供も立派になるってことだ!」
「やりたかった事は分かるが手段がおかしい」
「そういう訳で今日はお前をビシビシ躾けてやるから覚悟しろよ!」
「この前も思い付きで(俺が)痛い目見たのを忘れたのか・・・」
「大丈夫だ!今回はちゃんと勉強して、躾け方法はばっちりマスターした!」
「ちゃんとその本『バカでもわかる』って書いてあった?」
「わふふ・・・そういう反抗的な態度も躾け直して従順にしてやるからな!」
「ぐ・・・実力行使されるとどうしようもないのが無念だ・・・」
「てなわけで、まずはしっかり上下関係。
その次に最低限生活のルールが守れるように躾けてやる!」
「最低限守れてない奴が言うな」
「目標は芸が出来るまでだな。『おて』と『ちんちん』くらいはやってもらうぞ!」
「お前は自分の旦那を何だと思ってるんだ」
「さ、躾けの続きだ。仰向けになってあたしに腹を見せろ!」
「断固拒否」
「わう、仕方ない。ならこれを使うか・・・」パサッ
「縄? ああ、知ってる。
それで犬と主人で引っ張り合いをして、力の強さを誇示するんでしょ?」
「いや、普通に縛る」
「急にブレるんじゃねえ!」
―――――――
「これで、よしと・・・!」
「無理やりベッドに手足を縛りつけるのを躾けと呼びませんが?」
「最初は無理やりでも毎日やっていくと、
だんだんと自分から腹を見せてくるって書いてあったぞ」
「犬は、ね」
「犬が出来るなら人間のお前なら楽勝だろ?」ナデナデ
「ここまで納得できない論法も珍しい」
「そう言ってても腹を撫でられていると、溜まってくるだろ?服従心」
「ストレッ○マンみたいなこと言うな」
「さて、ここまで頑張ったお前には、ご褒美上げて条件付けさせないとな♥」
「一応聞くけど、ご褒美と君が俺の上に馬乗りになることに何の因果関係が?」
「次からはちゃんと自分で腹を見せておねだりするんだぞぉ・・・♥」ジュルリ
「・・・ひぎぃ」
――――――――
「たっぷりご褒美やったし、これからの躾けもやりやすくなるな」ツヤツヤ
「てめえにご褒美やってどうすんだ」
「次はマズルコントロールだな」
「なにそれ?」
「母犬が子犬のマズルを噛んで押さえつけて上下関係を教え込むやり方だ」
「マズルないんだけど俺」
「何言ってるんだ、今動かしてる立派なマズルがあるだろ・・・♥」
「定義調べ直してこ「じゃ、早速やってみるぞ」・・・え、何言って
・・・んぅむ!!」
「・・・ぷはっ、そして小まめにご褒美!」
「あひぃ」
――――――――
「これでどっちが上か分かっただろ?」
「縛って繰返し強姦した挙句その台詞って、犬畜生にも劣るわ」
「なんだぁ・・・?まだ反抗的な態度だな。
やっぱりご褒美だけじゃなくてお仕置きも必要ってことだな♥」
「ご褒美の時と体勢全く一緒なんだけど?」
「お前の『悪い子』をあたしの説教部屋でたっぷりお仕置きしてやるからなぁ・・・♥」
「その言い回し、大して上手くないからね?むしろ腹立・・・
・・・ぬふぅ」
―――――――――
「これで上下関係はばっちりだな!」
「ペットじゃなくてベッドの上下関係しかやってこなかった気がするんだけど」
「今度はご飯の食べ方からトイレの仕方までみっちり叩き込んでやるからな!」
「俺の13年間の文化的生活を否定するのやめてくんない?」
「そんなわけでほら、吸え。いつもの様に」プルン
「その言い方はやめろ、マジでやめろ」
「大好きだろ?あたしのおっぱい」
「そもそもこれ、何がしたいんだ」
「メシに決まってるだろ!」
「出ねえだろ」
「気合いで出す!」
「胸に気合い入れるとか訳分かんないな」
「入れるんじゃない。出すんだ!」
「やかましいわ」
「別に、こっちが嫌ならあたしの口で豚を「あ、是非おっぱい吸わせてください」カプッ
「・・・・・・」チュウチュウ
「・・・わふん♥・・・こうやってお前が必死に吸ってるの見ると、
満足するまでこのままにしておこうって気になるんだよ
・・・きっとこれが『母性』ってやつなんだろうな
よかった。こんなあたしにもちゃんとあるんだな・・・」
「俺に母性覚えてどうすんだ!」
「何言ってんだ、こんなに嬉しそうにおっぱい吸われてみろ。誰だってそう思うぞ」
「誰か俺を殺して」
「大丈夫だ、お前を殺そうなんてするやつは、あたし全部がやっつけてやるからな!」
「目の前の黒い犬が俺を精神的に殺そうとしてまーす」
「そうか・・・なら、傷つけた分責任もって癒してやるからな・・・
あたしの体でな♥」
「・・・ひでぶ」
――――――――
「わふっ♥なんだか今日はたくさんヤレて良いな!」
「とっくの昔に『今日』は終わってるわ!」
「なら、回数リセットして新たな気持ちで子作りだ!」
「失礼、俺の勘違いだった。外が暗いだけでまだまだ今日だね」
「なら、このまま1日の最大回数を更新するぞ!」ガバッ
「どの選択肢を選んでも同じ結果とかファミコン未満だなぁ・・・
・・・うにゅ」
――――――――
「ゆうべもおたのしみだったな!」
「へんじがない。
ただの しかばねの ようだ 」
「『世界樹の葉』はなくても『冥界獣の歯』ならあるぞ」がぷっ
「生き返れそうな要素0なんだけど、その道具」
「効能は『お前の喉元やお腹を甘噛みして、いつでも食えるんだぞ!
という誇示と征服感を堪能できる』だ」ハモハモ
「やたらそこらを噛むと思ってたらそういう意味だったのか・・・」
「相手を屈服させようとするなら、
まずは日ごろから思って行動するのが大事なんだ!」
「さいですか」
「じゃ、ご飯の次は散歩の時間だな」
「まあ、それくらいなら別に付き合って上げてもいいよ」
「良い子だ♥」カチャリ
「待て、当たり前のように首輪を付けるんじゃない」
「首輪を付けて散歩するのは飼い主の義務だろ」
「君に首引っ張られたらムチ打ちでは済まなそうなんだけど」
「む、それもそうだな・・・
でも、首輪なしでお前の好きなように歩かせると調子に乗るし、何より危ないし」
「その発想が調子に乗ってるし危ないわ」
「ぐむむ・・・どうしようか
はっ!そうだ」ピコーン
「嫌な予感・・・というより確信!」
「あたしがお前をだっこして散歩すればいいんじゃないか!」
「一人でそこら辺歩き回って来いよ」
「がう!ちゃんと毎日散歩して、ストレス発散させないとかわいそうだろうが!」
「誰のストレス発散が目的なんだ」
「そりゃもちろん。あたしのだ!!」
「本筋を見失ってません?」
「一応お前の調教にもなるし、大事なのは過程じゃなく結果だってよく言うぞ」
「言われてるけど、それ言う人って大体悲惨な目に遭ってるからね?」
「お前といればどんな目に遭ってもあたしは平気だ!
だから行くぞ!」
「なんか素敵なこと言われてる気もするけど、やっぱり納得いかない!」
―――――――
「わははっ!すっかり気づかなかったけど、今って夜だったんだな!
まあでも、夜の森を散歩ってのも悪くないな!」
「いや、月明かりすらない完全に真っ暗闇で、
どこをどう行ってるのか分からない上にやたらと風を感じるんだけど!」
「任せろ!あたしには全て見えている!」
「さすがヘルハウンド!やたらと高スペックだ!
でも、とりあえずは、散走から散歩に変えて欲しいなぁ!」
「わうん!何言ってんだ!
この全力で疾走する開放感と疾走感を味わうのが散歩の醍醐味だろうが!
さっきも言ったろ?あたしには全部見えている・・・・・・そんな気がするって」
「不穏なワードを付けたすんじゃなぇぇぇぁぁぁぁぁぁ!!!」
―――――――――
「がふぅっ、久しぶりに腰以外も思いっきり動かしたぜ」
「・・・何回か洒落にならない浮遊感あったんだけど」
「あぁ、何回か崖から飛んだからな!」
「強烈な重力を感じた場面もあったんだけど」
「降りた崖を跳んで戻ったからな!」
「俺の意識もトんで戻っての繰り返しだったよ・・・」
「ベッドの上でも同じだろ♥」
「クソッ!クソッ!」
「おっと、そんなこと言ってるうちにもうすぐ住処だな。
ちょうどいいしここで最後の躾けしちまうか」
「あ?何かまだ残ってんの?」
「トイレだ」
「・・・嫌です」
「ダメだ。これが躾けで一番重要なんだって本に書いてあった!」
「その本帰ったら燃やす」
「それでもいいぞ。もう全部あたしの頭の中に収まってるからな!」
「インプット出来ても適切にアウトプット出来ない人も総じて馬鹿と呼ぶんだよね」
「どっちにしろこれで最後なんだから諦めてやれよ
この木を目印に思いっきりおしっこするんだ!」
「暗くて木も草も見えないです」
「なら、どこでもいいぞ」
「トイレの躾けだってのに、どこでもいいはないでしょ」
「始めから完璧を求めすぎるとお互い辛いからな、妥協は大事だぞ?」
「妥協しすぎたかなぁ・・・君に」
「わう?なんか言ったか?
早く下を脱いで片足上げるんだ!」
「ここまで来たからやるけどさ・・・
これって本当に全部子供が出来たら教えるわけ?」
「当たり前だ!一人前のヘルハウンドになるために絶対必要だろ!」
「そういうもんなのかなぁ?
・・・じゃ、今からするからさ・・・後ろ向いて」
「わう?何言ってんだ、それじゃあ見えないぞ?」」
「貴様が何言ってるんだ」
「正しいポーズでやれてるかチェックしないと意味ないだろ!」
「君に他人の排泄行為を見て興奮するとか、そんな類の性癖があるとは知らなかった」
「子育てにそんなやましい気持ちを持つはずないだろ!
汚いことだからこそ、みっともないことだからこそ
あたしらが教えなきゃ誰が教えるんだ!」
「・・・その通りだね。
わかった。上手くできるか分からないけどやってみるよ!」
「それでこそ私の夫だ!」
――――チョロロロロロ
「わふっ・・・♥・・・わふふふ・・・♥」
「どうだった!?」
「がう!?うん、いいんじゃないか!?」
「なんでちょっと動揺してんの?」
「気のせいだろ! まあこれで、今回の躾けも終わりだな。
でも、これからは日常でも意識してやっていこう!」
「うん・・・まあ、そうだね」
「今日はお前だけにやらせたけど、
明日からはあたしも見本になれるようやっていくからな!」
「うん!一緒に頑張ろう!・・・でも、散歩するなら夜より朝の方がいいかな」
「わふっ!そうか!だったら明日は起きたらすぐに散歩に行くぞ!」
「全く・・・極端だなぁ・・・まぁ、いいか」
――――翌日――――
「んぁ・・・朝か・・・そういや散歩の約束してたな・・・
朝だよ、散歩に行こう」ユサユサ
「ぐぅぅぅぅ・・・さんぽぉぉぉぉ・・・?
今日はいいんじゃないかぁ」
「えぇぇ・・・」
「・・・うっ・・・あたしトイレ・・・」ズルズル
「あぁ、トイレ?俺もさっきしてきたよ。
昨日は暗くて分からなかったけど
外でするのって開放感あってのびのびと穏やかな気分になるね。
ああいう気持ちを子供の頃から覚えておくのって君が言っていた通り、
とても大事なんだなぁってわかったよ\ガチャッ/
ん?・・・そっちは普通のト・・・\カチッ/
・・・・・・・イ・・・\ゴォォォォォォ/・・・
・・・レ・・・\カラカラカラ/・・・・・・・」
「ふぅ・・・あたしもう一回寝る・・・朝ごはん要らない・・・ぐぅ・・・」zzzzz
「・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・」zzzzzz
「・・・ジパングにさぁ・・・こんな諺があるの知ってるかなぁ?
飼い犬に手を噛まれる」
\ガブリッ/
「びゃぅぅぅぅぅぅ!!?」
終わり
16/07/03 23:13更新 / ヤルダケヤル