ヘルハウンメイド
「わふっ!クーシーもキキーモラも同じウルフ属だぞ!あたしもやれる!」
「ウルフ属ならメイドも出来ると考えるなら、君をウルフ属から外す方が現実的」
「そういうお前も人間じゃなくて冷血動物名乗った方がいい」
「そりゃどうも。
・・・じゃあ、そこまで言うならやってもらおうかな、メイドさん」
「任せとけ!」
「まずは定番のアレからだね」
「わう!アレだな!よっしゃ!いくぜ!
お帰りなさいませ!ご主人さ・・・
・・・ちょっと待て。あたしがご主人様だ」
「よし。今からヘルハウンドをキャット属に変更する旨の嘆願書作成するね」
「だー!今のは無し!ノーカンノーカン!」
「初っ端からこれとか・・・メイドさんとか遺伝子レベルで向いてないでしょ?」
「くぅん・・・お前の事をご主人様って言うのは何があっても無理だ。絶対無理」
「そこまで?」
「お前って口悪いのにちっちゃくてかわいいし、いざベッドに入って押し倒されると大人しくなって好き好きいいだすだろ?他にもいろいろあるけど、これでもかって言うくらい庇護欲そそるんだよな。だから、たまにお前に甘えることはあっても、お前を私の飼い主と思うことは一生無理だ」
「・・・本心で言われてるから余計ザックリ来る・・・そんな頼りないかな」
「・・・・・・」ナデナデ
「ヘルハウンドにあるまじき優しい目で俺の頭を撫でるのはやめろ」
「お前を慰めるのは今夜でいいとして・・・早くメイドの続きを始めるぞ!」
「全然よくないけどこれ以上面倒にしたくないからそれでいいです」
「がう!じゃあ次は掃除と洗濯だな!」
「出来んの?」
「当たり前だろ!早速やってくるぜ!」ダッ
「まあ、確かに俺と会う前までは一人暮らししていたわけだし、それくらいは出来
\ガシャァァ/」
「びゃう!窓ガラス拭こうとしたらなんか割れた!」
「んな、アホな」
「ホントだって、見てろよ・・・こうやって雑巾持って窓を拭くだろ?」
「待て、やめろ」
「で、ちょっと汚れが目立つところあるから、擦って取ろうと力入れるだろ?\パリーン/
ほらな?」
「ほらな?じゃないわ馬鹿犬」
「グルル!誰が馬鹿犬だ!」
「それより手とか切らなかったの?ちょっと見せて・・・あ、完全に無傷だコレ」
「わぅ・・・そうやってたまに優しいからズルいよなお前って」
「・・・その言葉そのまま返すよ。
まあここは俺が直しておくから洗濯の方お願い」
「今度こそ任せろ!」ダッ
「ハァ・・・代わりのガラス買うまでしばらく適当に塞ぐしかないか。ただでさえここ寒いのに隙間風まで入って来られたら堪ったもんじゃないよ・・・
――――――――
よし、飛び散ったガラスも片づけ終わったし、あっちの様子見に行くとするか」
「よう、ちょうど今全部洗い終わったところだぜ」
「なら干すのは俺も手伝うよ」
「いいっていいって、今日のあたしはメイドだからな!あたしが全部やる!」
「そうですか・・・じゃあ俺は今日ゆっくりしてようかな」
「ああ、そうしとけ。今のうちに休んで夜までたっぷり体力溜めておけよ?わふふふ♥」
「それが目的だったか・・・それはいいとして洗濯物の量多くないですか?」
「お前の服全部まとめて洗ったんだ」
「その割にカラフルな雑巾ばかりで洗濯物に俺の服が見当たらないんですけど」
「ちょっとだけ強めに洗ったからな、もしかしたら服の端っことか少し痛んだかも」
「服の端っこしか残ってないんですけど」
「うるせえな!ちゃんと着れるから、試しにこれ着てみろ!」
「なんでこんなクソ寒い日に濡れた雑巾を身に纏わなきゃいけな・・・
ちょっ、脱がすな!」ビリビリ
―――――――――
「・・・・・・」プルプルプル
「・・・わふっ♥ 裸より逆にエロい。これが文明ってやつなんだな!」
「引っぱたくぞ」プルプルプル
「まあまあ、どうせほとんどあたしとしかいないんだから裸でも問題ないって!」
「そういう問題か!着てた服も破けて使い物にならんし、このままだと凍死するわ!」
「なら、ほら、あたしにくっ付いていればいいだろ。あたしは人間より暖かいからな」
「うぅ・・・背に腹は変えられん・・・」ピトッ
「よしよし、いい子だ♥」
「・・・何なの今日は?日頃の俺に対する恨みを発散してんの?」
「何言ってるんだ。あたしはメイドとしてお前の世話をしているだけだぞ」
「悪意のない悪事ほど悪いものはない」
「さてと、次何をしてやろうかな?」
「もう何もしなくていいんで・・・クシュン!」
「なんだ?風邪ひいたのか?
あ、そうだ!なら元気が出る料理を「それ今は本当にマジで絶対やめて」
「こういう時こそ魔界豚食べてスタミナ付けなきゃいけないんだ!
すぐ戻ってくるから布団の中で待ってるんだぞ!」ダッ
「・・・神様助けて」
―――――――――――――――――
―――――――――――
―――――――
「ただいま!今回の奴はちょっとてこずったが今までにないくらい大きいぞ!
すぐに焼いてやるからな〜!
ん?・・・おい、どうした!?」
「ゲホッ・・・ゲホッ・・・・ぅぅ・・・(不味い、喉が腫れて声が出ない)」ガクガクガク
「やべえ・・・あたしが出ているうちにすっかり酷くなっちまったのか・・・
気まぐれでメイドなんてやったせいで・・・すまねえ・・・!!」ポロポロ
「・・・ゲホッゴホッ!(・・・本当にその通りだから慰める気にもならない・・・)」
「もう焼いてる暇なんかねえ!」
「・・・(そうだ、その豚はもう放っておいて町に買い物に行って来てくれ)」
「口開けろ!魔界豚なら生だって大丈夫だ!」
「ち・・・ちがウェェェェェェェ・・・(ァァァァァァァア!!!!口中に血と肉の臭いがぁぁぁぁぁ!)」
「な、なんで吐き出すんだ!・・・そうか!わかったぞ!」
「(そうだ、病人に生肉は拷問だ!早く町に行ってポカ○とうどん買ってくるんだ)」
「硬すぎて飲みこめないんだな!・・・よし、ちょっと待ってろ」ガブッ
「・・・(違うよ!?とにかく一旦豚から思考と口離せや!!)」
「(ごめんなさい・・・!ごめんなさい・・・!
こんなことになるなんて思わなかった・・・
ただ、あなたに喜んで欲しかったの・・・
あなたがいなくなったら私は・・・
どんなことしてもあなたを助けるから、もう少しだけ待ってて・・・!)」ムッチャムッチャ
「・・・(なんでこの人真剣な顔で生肉食ってんだろ)」
「・・・(お願い!飲みこんで!)」ヌチュル
「ぅむ!!?」
『一瞬、何が起きたのか理解できませんでした。ただ、彼女の口から粘り気のある物体が送り込まれたことだけわかりました。初めは彼女の舌かと思いましたが、それにしては大きすぎる。反射的に舌で押し返したらそれがぐちゃりと崩れたんです。その時にやっと俺の口内にある物の正体と彼女がしたことを理解しました。
後で調べたところ、狼には吐き戻しといってこれと似たようなことを子供に行う習性があるようです。なるほど、だからうちの○ののけ姫は本能的にこのような暴挙に出たのだと合点がいきました。
肉の塊が崩れた瞬間に口いっぱいに味・・・というよりも彼女の匂いが充満し鼻腔を抜けて、まるで彼女の一部を取り込んだようでした。
いくらよく噛まれたといっても、このまま飲みこむのは不可能と判断した私は、意を決して出されたものを咀嚼しました。ほとんど液体になっていた肉を口の中でかき混ぜると、一瞬だけ甘さを感じ、その後じわりと肉の味がしてくるのです。血なまぐささも、肉特有の臭みも彼女の匂いと味に上書きされていました。
なんとか全て飲みこむと、それに合わせてまた俺の口に噛み砕かれ磨り潰された肉が彼女の唾液と共に流し込まれるのです。その度に体の中を彼女で満たされていくようで、頭の中も彼女の事だけに・・・
これ以上は勘弁してください。
初めは抵抗ありましたが、あの時は反抗できる気力も体力もありませんでした。諦めて大人しく受け入れていると、自分が徐々に肉片を飲みこむことに躊躇しなくなっていることに気が付きました。終いには恐ろしいことに自分から口を開けて次の餌を待ち望んでいたのです。それをみた彼女が嬉しそうに目を細めると優しく唇を重ねて、食べやすいようにゆっくりと肉を流し込むのです。
この行為は俺が気を失うか眠ったかで意識が途絶えるまで続いていました。
断じて俺はこの行為に何かしらの充足感や快感を得たことはありません!あの時は風邪で意識が朦朧としていたから仕方なく・・・本当なんです!信じてください!』
「うぅ・・・本当なんです・・・信じてください・・・」
「おい!大丈夫か!」
「はっ・・・夢か」
「私が帰って来る前から寝てたみたいだから半日くらい寝てたみたいだな」ガブッ
「通りで明るいと思った・・・
全く、風邪ひいてるととんでもない悪夢を見ちゃうね・・・」
「どんら夢らったんら・・・?」ムッチャムッチャ
「え〜っと・・・それは・・・いや、やっぱり忘れて」
「なんらろ、気になふな・・・まあいひや、ほら、くひ開けろ」
「ん、あぁ・・・はい」
・・・チュ・・・ジュル・・・グジュ・・・ヌチッ・・・ゴクッ
「っぷはぁ・・・にしても、熱もすっかり下がったみたいで一安心だぜ」
「誰のせいで熱上げたと思ってるんだか・・・」
「それに関してはホント悪かったって!」ガブッ
「まあ、人にも魔物にも向き不向きがあるってことですね」
「そうらな、あらひもほんはいのでほりたよ・・・」クッチャクッチャ
「これからはもうちょっと物事考えてからやるように」
「むぅ・・・わらってるって、ほら、あー」
「あー」
・・・チュル・・・チュル・・・ミュチュ・・・クチャ・・・ゴクン
「寝ながら食わせるって難しいな」
「横から零れそうになるもんね」
「まあな・・・とにかく、今日一日安静にしてるんだぞ!」
「言われなくてもそうしますよ・・・」
「わふっ♥そうだ。じゃあ今日はメイドじゃなくてナースさんに!」グビッ
「冗談でも笑えない」
「ワリぃわりぃ。ほら水」チュー
「ぷぁ・・・ありがと」
「今日は一日こうやって、お前抱いて暖めてるよ」
「それが一番助かるかな・・・」
「にしても、やっぱりお前見てた怖い夢が気になるな。すげえうなされてたんぜ?」ガブッ
「ん・・・まぁ、怖い夢っていう訳じゃないんだけど・・・」
「悪ひ夢っれのは誰はに言っらほうがいいらしいほ?」ムッチャムッチャ
「そうなんだけどさ、君がなかなか酷い役回りで出て来るんだよね」
「夢なら別に気にひねえよ」クチャクチャ
「それもそうか、実は延々と君に生肉を「ほら、口開けろ」
んあー」
・・・チュル・・・チュルジュル・・・グジュ・・・ヌチッ・・・ゴクッ
「っはぁ・・・口移しで食べさせられる夢でさ。いくら魔物娘でもそれは普通し・・・・・・
あれ?」
終わり
「ウルフ属ならメイドも出来ると考えるなら、君をウルフ属から外す方が現実的」
「そういうお前も人間じゃなくて冷血動物名乗った方がいい」
「そりゃどうも。
・・・じゃあ、そこまで言うならやってもらおうかな、メイドさん」
「任せとけ!」
「まずは定番のアレからだね」
「わう!アレだな!よっしゃ!いくぜ!
お帰りなさいませ!ご主人さ・・・
・・・ちょっと待て。あたしがご主人様だ」
「よし。今からヘルハウンドをキャット属に変更する旨の嘆願書作成するね」
「だー!今のは無し!ノーカンノーカン!」
「初っ端からこれとか・・・メイドさんとか遺伝子レベルで向いてないでしょ?」
「くぅん・・・お前の事をご主人様って言うのは何があっても無理だ。絶対無理」
「そこまで?」
「お前って口悪いのにちっちゃくてかわいいし、いざベッドに入って押し倒されると大人しくなって好き好きいいだすだろ?他にもいろいろあるけど、これでもかって言うくらい庇護欲そそるんだよな。だから、たまにお前に甘えることはあっても、お前を私の飼い主と思うことは一生無理だ」
「・・・本心で言われてるから余計ザックリ来る・・・そんな頼りないかな」
「・・・・・・」ナデナデ
「ヘルハウンドにあるまじき優しい目で俺の頭を撫でるのはやめろ」
「お前を慰めるのは今夜でいいとして・・・早くメイドの続きを始めるぞ!」
「全然よくないけどこれ以上面倒にしたくないからそれでいいです」
「がう!じゃあ次は掃除と洗濯だな!」
「出来んの?」
「当たり前だろ!早速やってくるぜ!」ダッ
「まあ、確かに俺と会う前までは一人暮らししていたわけだし、それくらいは出来
\ガシャァァ/」
「びゃう!窓ガラス拭こうとしたらなんか割れた!」
「んな、アホな」
「ホントだって、見てろよ・・・こうやって雑巾持って窓を拭くだろ?」
「待て、やめろ」
「で、ちょっと汚れが目立つところあるから、擦って取ろうと力入れるだろ?\パリーン/
ほらな?」
「ほらな?じゃないわ馬鹿犬」
「グルル!誰が馬鹿犬だ!」
「それより手とか切らなかったの?ちょっと見せて・・・あ、完全に無傷だコレ」
「わぅ・・・そうやってたまに優しいからズルいよなお前って」
「・・・その言葉そのまま返すよ。
まあここは俺が直しておくから洗濯の方お願い」
「今度こそ任せろ!」ダッ
「ハァ・・・代わりのガラス買うまでしばらく適当に塞ぐしかないか。ただでさえここ寒いのに隙間風まで入って来られたら堪ったもんじゃないよ・・・
――――――――
よし、飛び散ったガラスも片づけ終わったし、あっちの様子見に行くとするか」
「よう、ちょうど今全部洗い終わったところだぜ」
「なら干すのは俺も手伝うよ」
「いいっていいって、今日のあたしはメイドだからな!あたしが全部やる!」
「そうですか・・・じゃあ俺は今日ゆっくりしてようかな」
「ああ、そうしとけ。今のうちに休んで夜までたっぷり体力溜めておけよ?わふふふ♥」
「それが目的だったか・・・それはいいとして洗濯物の量多くないですか?」
「お前の服全部まとめて洗ったんだ」
「その割にカラフルな雑巾ばかりで洗濯物に俺の服が見当たらないんですけど」
「ちょっとだけ強めに洗ったからな、もしかしたら服の端っことか少し痛んだかも」
「服の端っこしか残ってないんですけど」
「うるせえな!ちゃんと着れるから、試しにこれ着てみろ!」
「なんでこんなクソ寒い日に濡れた雑巾を身に纏わなきゃいけな・・・
ちょっ、脱がすな!」ビリビリ
―――――――――
「・・・・・・」プルプルプル
「・・・わふっ♥ 裸より逆にエロい。これが文明ってやつなんだな!」
「引っぱたくぞ」プルプルプル
「まあまあ、どうせほとんどあたしとしかいないんだから裸でも問題ないって!」
「そういう問題か!着てた服も破けて使い物にならんし、このままだと凍死するわ!」
「なら、ほら、あたしにくっ付いていればいいだろ。あたしは人間より暖かいからな」
「うぅ・・・背に腹は変えられん・・・」ピトッ
「よしよし、いい子だ♥」
「・・・何なの今日は?日頃の俺に対する恨みを発散してんの?」
「何言ってるんだ。あたしはメイドとしてお前の世話をしているだけだぞ」
「悪意のない悪事ほど悪いものはない」
「さてと、次何をしてやろうかな?」
「もう何もしなくていいんで・・・クシュン!」
「なんだ?風邪ひいたのか?
あ、そうだ!なら元気が出る料理を「それ今は本当にマジで絶対やめて」
「こういう時こそ魔界豚食べてスタミナ付けなきゃいけないんだ!
すぐ戻ってくるから布団の中で待ってるんだぞ!」ダッ
「・・・神様助けて」
―――――――――――――――――
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「ただいま!今回の奴はちょっとてこずったが今までにないくらい大きいぞ!
すぐに焼いてやるからな〜!
ん?・・・おい、どうした!?」
「ゲホッ・・・ゲホッ・・・・ぅぅ・・・(不味い、喉が腫れて声が出ない)」ガクガクガク
「やべえ・・・あたしが出ているうちにすっかり酷くなっちまったのか・・・
気まぐれでメイドなんてやったせいで・・・すまねえ・・・!!」ポロポロ
「・・・ゲホッゴホッ!(・・・本当にその通りだから慰める気にもならない・・・)」
「もう焼いてる暇なんかねえ!」
「・・・(そうだ、その豚はもう放っておいて町に買い物に行って来てくれ)」
「口開けろ!魔界豚なら生だって大丈夫だ!」
「ち・・・ちがウェェェェェェェ・・・(ァァァァァァァア!!!!口中に血と肉の臭いがぁぁぁぁぁ!)」
「な、なんで吐き出すんだ!・・・そうか!わかったぞ!」
「(そうだ、病人に生肉は拷問だ!早く町に行ってポカ○とうどん買ってくるんだ)」
「硬すぎて飲みこめないんだな!・・・よし、ちょっと待ってろ」ガブッ
「・・・(違うよ!?とにかく一旦豚から思考と口離せや!!)」
「(ごめんなさい・・・!ごめんなさい・・・!
こんなことになるなんて思わなかった・・・
ただ、あなたに喜んで欲しかったの・・・
あなたがいなくなったら私は・・・
どんなことしてもあなたを助けるから、もう少しだけ待ってて・・・!)」ムッチャムッチャ
「・・・(なんでこの人真剣な顔で生肉食ってんだろ)」
「・・・(お願い!飲みこんで!)」ヌチュル
「ぅむ!!?」
『一瞬、何が起きたのか理解できませんでした。ただ、彼女の口から粘り気のある物体が送り込まれたことだけわかりました。初めは彼女の舌かと思いましたが、それにしては大きすぎる。反射的に舌で押し返したらそれがぐちゃりと崩れたんです。その時にやっと俺の口内にある物の正体と彼女がしたことを理解しました。
後で調べたところ、狼には吐き戻しといってこれと似たようなことを子供に行う習性があるようです。なるほど、だからうちの○ののけ姫は本能的にこのような暴挙に出たのだと合点がいきました。
肉の塊が崩れた瞬間に口いっぱいに味・・・というよりも彼女の匂いが充満し鼻腔を抜けて、まるで彼女の一部を取り込んだようでした。
いくらよく噛まれたといっても、このまま飲みこむのは不可能と判断した私は、意を決して出されたものを咀嚼しました。ほとんど液体になっていた肉を口の中でかき混ぜると、一瞬だけ甘さを感じ、その後じわりと肉の味がしてくるのです。血なまぐささも、肉特有の臭みも彼女の匂いと味に上書きされていました。
なんとか全て飲みこむと、それに合わせてまた俺の口に噛み砕かれ磨り潰された肉が彼女の唾液と共に流し込まれるのです。その度に体の中を彼女で満たされていくようで、頭の中も彼女の事だけに・・・
これ以上は勘弁してください。
初めは抵抗ありましたが、あの時は反抗できる気力も体力もありませんでした。諦めて大人しく受け入れていると、自分が徐々に肉片を飲みこむことに躊躇しなくなっていることに気が付きました。終いには恐ろしいことに自分から口を開けて次の餌を待ち望んでいたのです。それをみた彼女が嬉しそうに目を細めると優しく唇を重ねて、食べやすいようにゆっくりと肉を流し込むのです。
この行為は俺が気を失うか眠ったかで意識が途絶えるまで続いていました。
断じて俺はこの行為に何かしらの充足感や快感を得たことはありません!あの時は風邪で意識が朦朧としていたから仕方なく・・・本当なんです!信じてください!』
「うぅ・・・本当なんです・・・信じてください・・・」
「おい!大丈夫か!」
「はっ・・・夢か」
「私が帰って来る前から寝てたみたいだから半日くらい寝てたみたいだな」ガブッ
「通りで明るいと思った・・・
全く、風邪ひいてるととんでもない悪夢を見ちゃうね・・・」
「どんら夢らったんら・・・?」ムッチャムッチャ
「え〜っと・・・それは・・・いや、やっぱり忘れて」
「なんらろ、気になふな・・・まあいひや、ほら、くひ開けろ」
「ん、あぁ・・・はい」
・・・チュ・・・ジュル・・・グジュ・・・ヌチッ・・・ゴクッ
「っぷはぁ・・・にしても、熱もすっかり下がったみたいで一安心だぜ」
「誰のせいで熱上げたと思ってるんだか・・・」
「それに関してはホント悪かったって!」ガブッ
「まあ、人にも魔物にも向き不向きがあるってことですね」
「そうらな、あらひもほんはいのでほりたよ・・・」クッチャクッチャ
「これからはもうちょっと物事考えてからやるように」
「むぅ・・・わらってるって、ほら、あー」
「あー」
・・・チュル・・・チュル・・・ミュチュ・・・クチャ・・・ゴクン
「寝ながら食わせるって難しいな」
「横から零れそうになるもんね」
「まあな・・・とにかく、今日一日安静にしてるんだぞ!」
「言われなくてもそうしますよ・・・」
「わふっ♥そうだ。じゃあ今日はメイドじゃなくてナースさんに!」グビッ
「冗談でも笑えない」
「ワリぃわりぃ。ほら水」チュー
「ぷぁ・・・ありがと」
「今日は一日こうやって、お前抱いて暖めてるよ」
「それが一番助かるかな・・・」
「にしても、やっぱりお前見てた怖い夢が気になるな。すげえうなされてたんぜ?」ガブッ
「ん・・・まぁ、怖い夢っていう訳じゃないんだけど・・・」
「悪ひ夢っれのは誰はに言っらほうがいいらしいほ?」ムッチャムッチャ
「そうなんだけどさ、君がなかなか酷い役回りで出て来るんだよね」
「夢なら別に気にひねえよ」クチャクチャ
「それもそうか、実は延々と君に生肉を「ほら、口開けろ」
んあー」
・・・チュル・・・チュルジュル・・・グジュ・・・ヌチッ・・・ゴクッ
「っはぁ・・・口移しで食べさせられる夢でさ。いくら魔物娘でもそれは普通し・・・・・・
あれ?」
終わり
16/05/04 11:36更新 / ヤルダケヤル