淫獄へと堕とされる戦乙女達(予定)
――さあ、戦うのじゃ――
｢戦えねぇよ!!｣
――エルフと女勇者とヴァルキリー一緒になんて最高じゃろ?――
｢難易度がな!!ルナティックにインフェルノなナイトメアでマストダイじゃボケェ!!｣
――もしかしてヴァルキリーじゃなくてワルキューレとか戦乙女とか言ったほうが好みか?――
｢この状況で気にするわけねぇだろ!!｣
――お主は山賊じゃ…なんかこうアレをアレすれば必ず勝てる――
｢俺は山菜採りに来ただけの普通の村人だ!!｣
――私有地の物を勝手に持って行く、即ち山賊――
｢山賊の定義ユルユルじゃねぇか!!｣
――まあ、いけるって――
｢いけねぇよ！バーカ!!｣
――バカって言うほうがバカなんじゃよクソゴミ虫――
｢黙れくされ外道!!さっさと元いた場所に帰せよ!!｣
――彼の者達を堕とさねば帰すことはできぬ――
｢それ遠まわしの死刑宣告だろうが!!｣
――案ずるな、お主が山賊ならばきっと手篭めに出来る――
｢お前は山賊をなんだと思ってんの?｣
――仕方ない、お前がそこまで不安なら助太刀を与えよう――
ポン ポン
｢ブヒヒ、あたいに任せときな!｣おく〜ん
｢悪戯なら得意だよ!｣ごぶ〜ん
｢死体増えるだけだろうが!!｣
――何を言う、ゴブリンとオークと山賊のゴールデントリオじゃぞ隙が見当たらない――
｢隙しかねぇだろうが!!最初の洞窟の出現モンスターみたいになってんじゃねぇか!!｣
｢男の癖になに騒いでんだい、だらしないねぇ何なんだい全く?｣
｢そうだよ!｣
｢エルフとヴァルキリー付き勇者をこのメンツで倒せと言われたらどうする?｣
｢｢泣き騒いで命乞い｣｣
｢そういう素直な反応すごい好きだぜ｣
――なんじゃお主ら意気地がない――
｢このままだと未来もないんじゃハゲ!!｣
――ハゲてませーん、仮に下の方を言ってるのなら話は別じゃが――
｢いいよお前のことなんて!!それより早くどうにかしろや!!｣
｢そうですよ〜簡単な仕事って聞いたから来たのにこれはあんまりです〜｣
｢オークちゃんキャラ変わってない?｣
｢強いものには逆らえないからね…本能的に｣
｢頭の方は最弱レベルだけどなアレ｣
――全くどいつもこいつも…やっぱりこやつがいないとダメか――
ポン
｢ど、どうもよろしく…｣ｳﾈｳﾈ
――やっぱり触手がいないと始まらんよね――
｢いても始まらねぇよ!!｣
｢まぁ、私達よりはマシかもね…｣
｢うん…｣
｢…私はどうしてここに…?｣
｢｢｢勇者退治｣｣｣
｢ふぇぇ!?そ、そんなの無理…ケンカは苦手…｣
｢ケンカどころか一方的な殺戮になりそうだけどね｣
｢うんうん｣
｢だ、そうだぞ!!｣
――ならもう一人のプロフェッショナルも呼んでやろう――
ポン
｢ボク、悪イスライムジャナイヨ｣プルプル
｢そうか、なら帰れ｣
――山賊オークゴブリンテンタクルスライム完璧じゃ、もうアヘ顔に出来ないものなど何もない――
｢どこがだ!! 完全に始まりの洞窟の出現モンスターコンプリートしただけだよ!!｣
｢テンタクルちゃんはボスだねきっと｣
｢ボスなんてそんな…｣
｢じゃあ、あたい中ボスいいですか?｣
｢ボクハ、ゴブチャント一緒ニ平原カラノ続投スル雑魚役カナァ｣
｢だねぇ｣
｢俺は２Fから出てくる新雑魚でいいか?｣
｢う〜ん…洞窟にいるのに山賊さんなんですか?｣
｢確カニ違和感アルネ｣
｢じゃあ盗賊か｣
｢盗賊だと勇者PTにもいそうで紛らわしい…｣
｢それもそうだな｣
｢もう『賊』だけでいいんじゃない?｣
｢うん、良いと思う…｣
｢イル所ニヨッテ海トカ山トカ付ケレバイイ｣
｢それいいな｣
｢なら、洞窟にでるなら洞賊さんですね｣
｢俺も魔物みたいになっちゃうな｣
｢｢｢｢｢アハハハハ!!!｣｣｣｣｣
――ワシを無視して盛り上がるのをやめなさい――
｢こっちは目の前の現実から必死で逃避してんだよ!!
笑ってるけど俺達全員涙目だからな!!｣
｢もし時間を巻き戻せるなら、30分前のあたいを止めたいです…｣
｢私も近くにいるはずだから、私にもお願いね…｣
｢私は向かいのお店に…｣
｢俺は…ハハ、山だからどうしようもねぇや｣
ｽﾞｰﾝ
｢ミンナ！諦メチャダメダ!生キテ帰ロウヨ!｣
｢そうだね…ありがとうスラちゃん｣ﾎﾛﾘ
｢帰ッタラミンナニウマイケーキヲ奢ッテヤルゼ!!｣
｢一気に即死級のカーブに変化した!?｣
――お主達ならばきっと勝てる――
｢このメンバーでどうやって勝つんだよ!!公孫淵プレイより詰んでるわ!!｣
――やる前から無理無理って、いいかげんにしないとバフォちゃん怒りますよ――
｢おう、キレて見ろや、こっちはその百倍キレっからなオラァ!!｣
｢上位魔族相手にあの啖呵切れるのって頼もしくてあたい結構好きです｣
｢ほとんど錯乱状態だからじゃないかな…｣
――よっし、今からワシそっち行くからな、マジ容赦しないから、ぼっこぼこのロリロリじゃから、カリ首洗って待ってろ。
ん?他にも誰かそっちに行ったみたいじゃな――
｢なんだと?｣
ポン
｢ろ、ローパー?｣
｢…ずっと…………ました｣ｸﾞﾈｸﾞﾈ
｢え？｣
｢触手っていうから………
ずっとスタンバってました!!｣
｢………｣
｢ご、ごめん…｣
｢謝らないで!!余計惨めだから……うっううぅ…｣
｢ローパーはほら、触手っていうか寄生系の側面も強いですし…｣
｢テンタクルちゃんはまんま触手だし、エロ・ソ・ノモノだし!!｣
｢ふぇっ!?｣
｢コノ流レダト、ボクゲップーニナリソウダケドヤメテネ?｣
｢それに比べてワタシナンカドーセ…｣
｢ならもっと前向きに考えて。触手部分よりも本人の個性とか前面にだそうよ!!｣
｢そうだ!ローパーになる前はなにやってたんだ!?｣
｢……勇者やってたわ…｣
｢まさかの大穴来た!!?｣
｢……(この人に勇者達倒してもらえばもしかして…)｣
｢……(でもむちゃくちゃ落ち込んでますよ)｣
｢……(｢私触手じゃないですし…｣トカ言ッテヤラナソウ)
｢……(すごい流暢な発音聞こえたんだけど)
｢……(キノセイサ)
｢……(なら私にまっかせなさい!!)
｢すごいじゃん!勇者からローパーってきっとローパーになった時とかも、とってもドラマティックな原因だったんでしょ? それってローパー的にすごい輝いてるよ!!｣
｢……(ゴブちゃんフォロー上手)｣
｢……(ホブゴブちゃんボスにしつつお店切盛りしてますからね…)｣
｢ウィスキーのつまみにピーナッツ食べてたらローパーの種を間違って食べたのよ…｣
｢｢｢思いっきり燻んでたぁぁぁぁぁ!!!｣｣｣
｢……(ひでぇ…しんのゆうしゃでもしない堕ち方なんだけど)｣
｢……(まさか種の方も胃酸の中で育つとは思ってなかったでしょうね…)｣
｢……(テコトハ、ドッチカラ出テ来タンダロウネ上?下?)｣
｢……(うぅ…私がその触手なら地獄の決断…)｣
｢そ、そうだったのね!!酔った時だからね、しょうがないね｣
｢うぅ…ハタチの時は皆チヤホヤしてたくせに…三十路すぎてから対応がおざなりなのよ!!｣
｢いきなり愚痴始めてる…｣
｢ですね…でも可哀相です…｣
｢残酷ダネ人間ッテ｣
｢だから私達が少しづつ変えて上げなきゃ…｣
｢ドラゴンから宝玉取り返したのも、サバトの軍勢追い払ったのも、リリム撃退したのも
私なのに!!｣
｢やたら滅法強い!!｣
｢あ〜隙のない女の人って逆にモテにくいらしいですからね｣
｢ソノ点ボクラ隙取ラレテ先制サレマクルシ、モテルニ違イナイ｣
｢違うと思う…｣
｢なのに、若い娘ばっかり…
私は? どうしてって? いつも思ってた…
そう思う自分すら嫌いだった…
だから、お酒に逃げたのよ……｣
｢……(もう聞いてる方が辛いんだけど、輝きどころかブラックホールしか見つからないんだけど)｣
｢……(もうヴァルキリーがどうとか関係無くなってきましたね)｣
｢……(このままブラックホールに飲み込まれて宇宙のチリになりそう…)｣
｢ソレハソレデ『スペーススライム』トカ『コスモテンタクル』トカ一気ニ最終面ポクナレルネ｣
｢辛かったね……自分の努力も成果も年齢だけのせいで歪められて…
でも、こうやって話せるってことは踏ん切り付いてるってことなんだよね?｣
｢ええ、ローパーになったときに全部過去のことだって思うことにしたの…でも…｣
｢思い出しちゃうのは仕方ないことだよ…大丈夫、皆あなたの味方だから…｣
｢う、うぅ…ありがとう…｣
｢……(なんで?なんで年増ローパーのカウンセリングになってんの？タイトル変えろよもう)｣
｢……(敵ヲ一名発見)｣
｢……(焦ってイライラするのはわかりますが、それを他人に当てちゃいけませんよ?)｣
｢……(イライラ解消なら任せて…頑張る)｣ｳﾈｳﾈｳﾈ
｢……(結構)｣
｢魔物になったら年齢なんてあってないようなものだし誰も気にしないよ!
ね、山賊さん!｣
｢え?ええ!はい!!(まさかのキラァァァァァァパァァァァァス!!)｣
｢……(私にもちゃんと聞こえてたんだからね。ローパーおばさんだなんて冗談でも言っちゃいけないよ!)
｢……(そこまで直接的じゃなかったような…)｣
｢……(選択肢ミスッタラ偉イコトニナリソウダネ)｣
｢ホントにそう思ってる?｣
｢はい!それはもう!!｣
｢こんな３○才の行き遅れでも?｣
｢も、もちろん!ポローヴェとかにもっとすごいのいるし!!噂だと第四皇女もそうらしいですし!!全然気になりません!!!｣
｢……(とんでもないものを敵に回してる気がします)｣
｢実は甘えたがりでも?｣
｢は、はい!最高です!｣
｢休日はほぼ飲んだくれてるけど?｣
｢そういう生活感あった方が好感持てますよ!｣
｢パンツは二日おき交換でも?｣
｢え゛!?……あ、あぁはい｣
｢……(隙がなかったんじゃなくて見えなかっただけだったんだね…)｣
｢初デートが実家でも?｣
｢それは、い｣
｢い?｣ｸﾞﾈｸﾞﾈｸﾞﾈｸﾞﾈ
｢いいですとも!｣
｢やったぁ♥……それなら脳内で恋人作っちゃてたりしても引かない?｣
｢ひ、引かないです!!だ、誰だってありますよ!!｣
｢よかったぁ
あ、でも心配しないで、今、思い出全部をアナタと過ごしたことにしてるから♥｣
｢……(ゴブさん た す け て)｣
｢……(ご め ん な さ い)｣
｢うふふ♥じゃあ最後の質問
年上のローパーは好き?｣
｢ひゃい…｣ﾁｰﾝ
｢……(私が振った時点でどうあがいても絶望だったんだね…ゴメン)｣
｢……(詰め将棋みてるみたいでした)｣
｢……(私は砂地獄にはまった蟻)｣
｢……(ウツボカズラニ落チタハエ)｣
｢遂に!!遂に運命の人と巡り合えた!!もう!!絶対!!絶対!!離さない♥♥｣ｷﾞｭｳｩｩｩ
｢タタリ神に埋め込まれかけてんだけど俺｣ｸﾞﾁｬｸﾞﾁｬ
｢大丈夫こんな幸せそうなタタリ神なんていないから｣
｢あ！あたいも入っていいですか? 側室でいいんで｣
｢もちろん!!悲しい思いする人が少しでも減るように一夫多妻制は認めます!!｣
｢お〜本妻の余裕ってやつだね。じゃあ私も｣
｢…私も流れ的に｣
｢ぬれおなごに負けぬくらい尽くしてみせますわ旦那様♥｣
｢お前ら別にそんな素振り見せてなかったよね?フラグの一本も成立してないのになんなの?
後一人キャラ完全に捨て去ったやついるですけど｣
｢キノセイサ｣
｢オークちゃんも捨ててるし大丈夫｣
｢フラグはこれから立てて行けばいいですよ｣
｢それ言ったらそもそもローパーさん…｣
｢婚期ニ焦ッテ適当ニ捕マエタダケニナルネ｣
｢だよな｣
｢適当結構!!全ては運命という言葉で片付くわ!!｣
｢ある意味魔物の真理ですね｣
｢基本スタンスは誰でもＯＫだしね私ら｣
｢その後が大切…｣
｢ウンウン｣
｢幸せだけは保証してア ゲ ル♥｣
｢くっ!このまま流されてたまるか!!
絶対魔物娘なんかに負けたりしない!!｣
｢実質的な敗北宣言ですよねそれ｣
｢うん、俺もそう思うけど、ほらなんか言わないといけない気が…ん?｣
バーン!
｢来たぞオラァァァァァ!!山賊風情がワシに楯突いたこと後悔させっからな!!｣ﾌﾟﾝｽｺ
｢ああ、そういえば｣
｢忘れてました｣
｢…忘れてた｣
｢記憶ニゴザイマセン｣
｢何ダーリンに危害加えようとしてるの?｣
｢最初に言葉の危害加えたのはお宅のダーリンじゃから、さっさと渡せ｣
｢その肉球一個でもダーリンに触れてみなさい、容赦しないわよ｣
｢お？お主もワシに喧嘩売っとんの?｣
｢あなたが売ってるんでしょ、買って上げるわよ?｣
｢上等じゃ、お主ら全員ツルペタ幼女にしてやんよ!!｣
｢私は元からだけどね｣
｢やれるものならやってみなさい。あなたはたっぷりとオシオキしてあげる
それじゃダーリン皆、あっちで山羊のしてくるからちょっとまっててね♥｣
｢ワシ、マジスッゲーからマジスッゲーからなワンパンだからな!?オォォン！？｣
｢行っちゃいましたね…｣
｢どっち勝つと思う?｣
｢ローパーに有り金全部｣
｢あたいもローパーさんに晩ごはん｣
｢無論私も｣
｢モチ、ボクモ｣
｢賭けにすらならないね…
にしてもなんか私ら忘れているような…｣
｢いたぞ!!魔物だ!!｣
｢｢｢｢｢ゲッ｣｣｣｣｣
｢魔物共、覚悟なさい!!｣ｼｬｷﾝ
｢我が勇者と共に貴様らを粛清する｣ﾁｬｷ
｢終わった…｣
｢魔生これからだっていうのに…｣
｢アンデットになってワンチャンありますよ…｣
｢スライムゾンビトカイルノ?｣
｢触手…骨ないからどうしよう…｣
｢あ、待ってください勇者様。男も混じってますよ、恐らく山賊かと｣ﾆﾀｧ
｢そうか…山賊か…ちょうど溜まってた所だクククッ…｣
｢勇者よ、たまには最初にやらせてはくれないか?キヒヒ…｣
｢馬車から精力剤もってきますね…エフフ…｣
｢｢｢ヒャッハー!!山賊だぁ!!｣｣｣
｢｢｢｢｢それ逆!!｣｣｣｣｣
終わり
｢戦えねぇよ!!｣
――エルフと女勇者とヴァルキリー一緒になんて最高じゃろ?――
｢難易度がな!!ルナティックにインフェルノなナイトメアでマストダイじゃボケェ!!｣
――もしかしてヴァルキリーじゃなくてワルキューレとか戦乙女とか言ったほうが好みか?――
｢この状況で気にするわけねぇだろ!!｣
――お主は山賊じゃ…なんかこうアレをアレすれば必ず勝てる――
｢俺は山菜採りに来ただけの普通の村人だ!!｣
――私有地の物を勝手に持って行く、即ち山賊――
｢山賊の定義ユルユルじゃねぇか!!｣
――まあ、いけるって――
｢いけねぇよ！バーカ!!｣
――バカって言うほうがバカなんじゃよクソゴミ虫――
｢黙れくされ外道!!さっさと元いた場所に帰せよ!!｣
――彼の者達を堕とさねば帰すことはできぬ――
｢それ遠まわしの死刑宣告だろうが!!｣
――案ずるな、お主が山賊ならばきっと手篭めに出来る――
｢お前は山賊をなんだと思ってんの?｣
――仕方ない、お前がそこまで不安なら助太刀を与えよう――
ポン ポン
｢ブヒヒ、あたいに任せときな!｣おく〜ん
｢悪戯なら得意だよ!｣ごぶ〜ん
｢死体増えるだけだろうが!!｣
――何を言う、ゴブリンとオークと山賊のゴールデントリオじゃぞ隙が見当たらない――
｢隙しかねぇだろうが!!最初の洞窟の出現モンスターみたいになってんじゃねぇか!!｣
｢男の癖になに騒いでんだい、だらしないねぇ何なんだい全く?｣
｢そうだよ!｣
｢エルフとヴァルキリー付き勇者をこのメンツで倒せと言われたらどうする?｣
｢｢泣き騒いで命乞い｣｣
｢そういう素直な反応すごい好きだぜ｣
――なんじゃお主ら意気地がない――
｢このままだと未来もないんじゃハゲ!!｣
――ハゲてませーん、仮に下の方を言ってるのなら話は別じゃが――
｢いいよお前のことなんて!!それより早くどうにかしろや!!｣
｢そうですよ〜簡単な仕事って聞いたから来たのにこれはあんまりです〜｣
｢オークちゃんキャラ変わってない?｣
｢強いものには逆らえないからね…本能的に｣
｢頭の方は最弱レベルだけどなアレ｣
――全くどいつもこいつも…やっぱりこやつがいないとダメか――
ポン
｢ど、どうもよろしく…｣ｳﾈｳﾈ
――やっぱり触手がいないと始まらんよね――
｢いても始まらねぇよ!!｣
｢まぁ、私達よりはマシかもね…｣
｢うん…｣
｢…私はどうしてここに…?｣
｢｢｢勇者退治｣｣｣
｢ふぇぇ!?そ、そんなの無理…ケンカは苦手…｣
｢ケンカどころか一方的な殺戮になりそうだけどね｣
｢うんうん｣
｢だ、そうだぞ!!｣
――ならもう一人のプロフェッショナルも呼んでやろう――
ポン
｢ボク、悪イスライムジャナイヨ｣プルプル
｢そうか、なら帰れ｣
――山賊オークゴブリンテンタクルスライム完璧じゃ、もうアヘ顔に出来ないものなど何もない――
｢どこがだ!! 完全に始まりの洞窟の出現モンスターコンプリートしただけだよ!!｣
｢テンタクルちゃんはボスだねきっと｣
｢ボスなんてそんな…｣
｢じゃあ、あたい中ボスいいですか?｣
｢ボクハ、ゴブチャント一緒ニ平原カラノ続投スル雑魚役カナァ｣
｢だねぇ｣
｢俺は２Fから出てくる新雑魚でいいか?｣
｢う〜ん…洞窟にいるのに山賊さんなんですか?｣
｢確カニ違和感アルネ｣
｢じゃあ盗賊か｣
｢盗賊だと勇者PTにもいそうで紛らわしい…｣
｢それもそうだな｣
｢もう『賊』だけでいいんじゃない?｣
｢うん、良いと思う…｣
｢イル所ニヨッテ海トカ山トカ付ケレバイイ｣
｢それいいな｣
｢なら、洞窟にでるなら洞賊さんですね｣
｢俺も魔物みたいになっちゃうな｣
｢｢｢｢｢アハハハハ!!!｣｣｣｣｣
――ワシを無視して盛り上がるのをやめなさい――
｢こっちは目の前の現実から必死で逃避してんだよ!!
笑ってるけど俺達全員涙目だからな!!｣
｢もし時間を巻き戻せるなら、30分前のあたいを止めたいです…｣
｢私も近くにいるはずだから、私にもお願いね…｣
｢私は向かいのお店に…｣
｢俺は…ハハ、山だからどうしようもねぇや｣
ｽﾞｰﾝ
｢ミンナ！諦メチャダメダ!生キテ帰ロウヨ!｣
｢そうだね…ありがとうスラちゃん｣ﾎﾛﾘ
｢帰ッタラミンナニウマイケーキヲ奢ッテヤルゼ!!｣
｢一気に即死級のカーブに変化した!?｣
――お主達ならばきっと勝てる――
｢このメンバーでどうやって勝つんだよ!!公孫淵プレイより詰んでるわ!!｣
――やる前から無理無理って、いいかげんにしないとバフォちゃん怒りますよ――
｢おう、キレて見ろや、こっちはその百倍キレっからなオラァ!!｣
｢上位魔族相手にあの啖呵切れるのって頼もしくてあたい結構好きです｣
｢ほとんど錯乱状態だからじゃないかな…｣
――よっし、今からワシそっち行くからな、マジ容赦しないから、ぼっこぼこのロリロリじゃから、カリ首洗って待ってろ。
ん?他にも誰かそっちに行ったみたいじゃな――
｢なんだと?｣
ポン
｢ろ、ローパー?｣
｢…ずっと…………ました｣ｸﾞﾈｸﾞﾈ
｢え？｣
｢触手っていうから………
ずっとスタンバってました!!｣
｢………｣
｢ご、ごめん…｣
｢謝らないで!!余計惨めだから……うっううぅ…｣
｢ローパーはほら、触手っていうか寄生系の側面も強いですし…｣
｢テンタクルちゃんはまんま触手だし、エロ・ソ・ノモノだし!!｣
｢ふぇっ!?｣
｢コノ流レダト、ボクゲップーニナリソウダケドヤメテネ?｣
｢それに比べてワタシナンカドーセ…｣
｢ならもっと前向きに考えて。触手部分よりも本人の個性とか前面にだそうよ!!｣
｢そうだ!ローパーになる前はなにやってたんだ!?｣
｢……勇者やってたわ…｣
｢まさかの大穴来た!!?｣
｢……(この人に勇者達倒してもらえばもしかして…)｣
｢……(でもむちゃくちゃ落ち込んでますよ)｣
｢……(｢私触手じゃないですし…｣トカ言ッテヤラナソウ)
｢……(すごい流暢な発音聞こえたんだけど)
｢……(キノセイサ)
｢……(なら私にまっかせなさい!!)
｢すごいじゃん!勇者からローパーってきっとローパーになった時とかも、とってもドラマティックな原因だったんでしょ? それってローパー的にすごい輝いてるよ!!｣
｢……(ゴブちゃんフォロー上手)｣
｢……(ホブゴブちゃんボスにしつつお店切盛りしてますからね…)｣
｢ウィスキーのつまみにピーナッツ食べてたらローパーの種を間違って食べたのよ…｣
｢｢｢思いっきり燻んでたぁぁぁぁぁ!!!｣｣｣
｢……(ひでぇ…しんのゆうしゃでもしない堕ち方なんだけど)｣
｢……(まさか種の方も胃酸の中で育つとは思ってなかったでしょうね…)｣
｢……(テコトハ、ドッチカラ出テ来タンダロウネ上?下?)｣
｢……(うぅ…私がその触手なら地獄の決断…)｣
｢そ、そうだったのね!!酔った時だからね、しょうがないね｣
｢うぅ…ハタチの時は皆チヤホヤしてたくせに…三十路すぎてから対応がおざなりなのよ!!｣
｢いきなり愚痴始めてる…｣
｢ですね…でも可哀相です…｣
｢残酷ダネ人間ッテ｣
｢だから私達が少しづつ変えて上げなきゃ…｣
｢ドラゴンから宝玉取り返したのも、サバトの軍勢追い払ったのも、リリム撃退したのも
私なのに!!｣
｢やたら滅法強い!!｣
｢あ〜隙のない女の人って逆にモテにくいらしいですからね｣
｢ソノ点ボクラ隙取ラレテ先制サレマクルシ、モテルニ違イナイ｣
｢違うと思う…｣
｢なのに、若い娘ばっかり…
私は? どうしてって? いつも思ってた…
そう思う自分すら嫌いだった…
だから、お酒に逃げたのよ……｣
｢……(もう聞いてる方が辛いんだけど、輝きどころかブラックホールしか見つからないんだけど)｣
｢……(もうヴァルキリーがどうとか関係無くなってきましたね)｣
｢……(このままブラックホールに飲み込まれて宇宙のチリになりそう…)｣
｢ソレハソレデ『スペーススライム』トカ『コスモテンタクル』トカ一気ニ最終面ポクナレルネ｣
｢辛かったね……自分の努力も成果も年齢だけのせいで歪められて…
でも、こうやって話せるってことは踏ん切り付いてるってことなんだよね?｣
｢ええ、ローパーになったときに全部過去のことだって思うことにしたの…でも…｣
｢思い出しちゃうのは仕方ないことだよ…大丈夫、皆あなたの味方だから…｣
｢う、うぅ…ありがとう…｣
｢……(なんで?なんで年増ローパーのカウンセリングになってんの？タイトル変えろよもう)｣
｢……(敵ヲ一名発見)｣
｢……(焦ってイライラするのはわかりますが、それを他人に当てちゃいけませんよ?)｣
｢……(イライラ解消なら任せて…頑張る)｣ｳﾈｳﾈｳﾈ
｢……(結構)｣
｢魔物になったら年齢なんてあってないようなものだし誰も気にしないよ!
ね、山賊さん!｣
｢え?ええ!はい!!(まさかのキラァァァァァァパァァァァァス!!)｣
｢……(私にもちゃんと聞こえてたんだからね。ローパーおばさんだなんて冗談でも言っちゃいけないよ!)
｢……(そこまで直接的じゃなかったような…)｣
｢……(選択肢ミスッタラ偉イコトニナリソウダネ)｣
｢ホントにそう思ってる?｣
｢はい!それはもう!!｣
｢こんな３○才の行き遅れでも?｣
｢も、もちろん!ポローヴェとかにもっとすごいのいるし!!噂だと第四皇女もそうらしいですし!!全然気になりません!!!｣
｢……(とんでもないものを敵に回してる気がします)｣
｢実は甘えたがりでも?｣
｢は、はい!最高です!｣
｢休日はほぼ飲んだくれてるけど?｣
｢そういう生活感あった方が好感持てますよ!｣
｢パンツは二日おき交換でも?｣
｢え゛!?……あ、あぁはい｣
｢……(隙がなかったんじゃなくて見えなかっただけだったんだね…)｣
｢初デートが実家でも?｣
｢それは、い｣
｢い?｣ｸﾞﾈｸﾞﾈｸﾞﾈｸﾞﾈ
｢いいですとも!｣
｢やったぁ♥……それなら脳内で恋人作っちゃてたりしても引かない?｣
｢ひ、引かないです!!だ、誰だってありますよ!!｣
｢よかったぁ
あ、でも心配しないで、今、思い出全部をアナタと過ごしたことにしてるから♥｣
｢……(ゴブさん た す け て)｣
｢……(ご め ん な さ い)｣
｢うふふ♥じゃあ最後の質問
年上のローパーは好き?｣
｢ひゃい…｣ﾁｰﾝ
｢……(私が振った時点でどうあがいても絶望だったんだね…ゴメン)｣
｢……(詰め将棋みてるみたいでした)｣
｢……(私は砂地獄にはまった蟻)｣
｢……(ウツボカズラニ落チタハエ)｣
｢遂に!!遂に運命の人と巡り合えた!!もう!!絶対!!絶対!!離さない♥♥｣ｷﾞｭｳｩｩｩ
｢タタリ神に埋め込まれかけてんだけど俺｣ｸﾞﾁｬｸﾞﾁｬ
｢大丈夫こんな幸せそうなタタリ神なんていないから｣
｢あ！あたいも入っていいですか? 側室でいいんで｣
｢もちろん!!悲しい思いする人が少しでも減るように一夫多妻制は認めます!!｣
｢お〜本妻の余裕ってやつだね。じゃあ私も｣
｢…私も流れ的に｣
｢ぬれおなごに負けぬくらい尽くしてみせますわ旦那様♥｣
｢お前ら別にそんな素振り見せてなかったよね?フラグの一本も成立してないのになんなの?
後一人キャラ完全に捨て去ったやついるですけど｣
｢キノセイサ｣
｢オークちゃんも捨ててるし大丈夫｣
｢フラグはこれから立てて行けばいいですよ｣
｢それ言ったらそもそもローパーさん…｣
｢婚期ニ焦ッテ適当ニ捕マエタダケニナルネ｣
｢だよな｣
｢適当結構!!全ては運命という言葉で片付くわ!!｣
｢ある意味魔物の真理ですね｣
｢基本スタンスは誰でもＯＫだしね私ら｣
｢その後が大切…｣
｢ウンウン｣
｢幸せだけは保証してア ゲ ル♥｣
｢くっ!このまま流されてたまるか!!
絶対魔物娘なんかに負けたりしない!!｣
｢実質的な敗北宣言ですよねそれ｣
｢うん、俺もそう思うけど、ほらなんか言わないといけない気が…ん?｣
バーン!
｢来たぞオラァァァァァ!!山賊風情がワシに楯突いたこと後悔させっからな!!｣ﾌﾟﾝｽｺ
｢ああ、そういえば｣
｢忘れてました｣
｢…忘れてた｣
｢記憶ニゴザイマセン｣
｢何ダーリンに危害加えようとしてるの?｣
｢最初に言葉の危害加えたのはお宅のダーリンじゃから、さっさと渡せ｣
｢その肉球一個でもダーリンに触れてみなさい、容赦しないわよ｣
｢お？お主もワシに喧嘩売っとんの?｣
｢あなたが売ってるんでしょ、買って上げるわよ?｣
｢上等じゃ、お主ら全員ツルペタ幼女にしてやんよ!!｣
｢私は元からだけどね｣
｢やれるものならやってみなさい。あなたはたっぷりとオシオキしてあげる
それじゃダーリン皆、あっちで山羊のしてくるからちょっとまっててね♥｣
｢ワシ、マジスッゲーからマジスッゲーからなワンパンだからな!?オォォン！？｣
｢行っちゃいましたね…｣
｢どっち勝つと思う?｣
｢ローパーに有り金全部｣
｢あたいもローパーさんに晩ごはん｣
｢無論私も｣
｢モチ、ボクモ｣
｢賭けにすらならないね…
にしてもなんか私ら忘れているような…｣
｢いたぞ!!魔物だ!!｣
｢｢｢｢｢ゲッ｣｣｣｣｣
｢魔物共、覚悟なさい!!｣ｼｬｷﾝ
｢我が勇者と共に貴様らを粛清する｣ﾁｬｷ
｢終わった…｣
｢魔生これからだっていうのに…｣
｢アンデットになってワンチャンありますよ…｣
｢スライムゾンビトカイルノ?｣
｢触手…骨ないからどうしよう…｣
｢あ、待ってください勇者様。男も混じってますよ、恐らく山賊かと｣ﾆﾀｧ
｢そうか…山賊か…ちょうど溜まってた所だクククッ…｣
｢勇者よ、たまには最初にやらせてはくれないか?キヒヒ…｣
｢馬車から精力剤もってきますね…エフフ…｣
｢｢｢ヒャッハー!!山賊だぁ!!｣｣｣
｢｢｢｢｢それ逆!!｣｣｣｣｣
終わり
15/11/25 00:29更新 / ヤルダケヤル