読切小説
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飼うか飼われるか
 
 朝の陽射しが微かに差し込むと、私の体に活力が漲ってくる。

「さぁ! 二人とも起きるんだ! 時間は待ってくれないぞ!!」

「「…ふぁ〜い」」

 未だに寝ぼけている二人を起こし、手早く食事を取って自慢の畑に向かう。丹精込めて作った作物たちが私を待っているのだ。今日も一日頑張ろう!!










………
……


「ふがっ…」

 という夢を見た。太陽がしっかりと昇っているところを見ると、朝というよりは昼に近い時刻だろう、いつも通りだ。若返ったかのように体は活力に満ちているが、彼女達が起こしにくるまでもう少し寝ていよう。

 ベッド、毛布、枕、パジャマにナイトキャップと、至るもの全てがワーシープの毛で作られている。そんな寝具に囲まれていると目を瞑り力を抜くだけで、眠りに落ちてしまう。

「……」

 これらは教団圏内ならば王侯貴族ですら、買い揃えることが出来るのは一握りに満たない代物である。うちのは全て自前のため金額など気にすることはないが、そういうものを使っているという優越感が非常に心地よい。

 しかし、優越感に浸っていられるのも一瞬だけである。思考に霧がかかり、目蓋が落ちるのは、コカトリスの足よりも速い。

 …彼女たちが起こしに来たら、今日こそは「農業を再開をする!」と宣言してやるのだ。

「ぐぅ…」


……
………










『商人を辞めて夢にまで見たスローライフ!!
農業はよく分からないが何とかなるでしょ!!』


『収穫物をいっぱい取りたいから畑に蒔けるだけ蒔いたぜ!!』



『うへぇ…』



『虫が気持ち悪いから、農薬薄めずに使ってみました!!』



『うちの野菜食ったマコチューが全部死んどる…』



『肥料は多ければ多いほど良いに決まってる!!』



『そんなことはなかった…』



『資金も底を尽いた…だが、いいかげん目が覚めた。
簡単なのから手堅く作っていこう…
育てやすくて、出来れば利潤を出しやすいやつ…


おっ、これなんか良さそうだな。
栽培は簡単で食用、衣類、油まで取れるのか…すごい…すごいぞこれ!! 

これなら、今度こそ成功するはずだ!! これに私の命運を賭ける!!






で、えっと…なんて読むんだ? おおま?』






『自宅禁固30年!?』




『自宅で…って私は妻も子供もいないんですよ!?
どうやって30年も生きていけばいいんですか!?』


『え、監視を付ける?』

………
……



「う〜ん゛……」


「おはようございま〜す」ノフン

 頭に重量感のある物体を乗せられ、やっと過去の悪夢から解放された。そう、夢の通り、私は罪人である。そして、今私の頭にスイカのお化けを乗せているのが監視員のホルスタウロス、ミグさんだ。で、

「おっそよぉぉぉございまぁす!!」

「おぶっ!?」

 私の体目がけて飛んできたのがもう一人の監視員、ワーシープのヨウである。こんなやつは呼び捨てにしてもいいのだ。それにヨウさんというとまるで絹でも作れそうではないか。

 やけにハイなのは、職務を全うするためにと、体毛をほとんど刈っているのが原因だ。

「さぁ! チッカ君起きるんだ! 時間は待ってくれないぞ!!」

 ヨウに無理矢理に寝巻きをひんむかれる。抵抗しようにも、顔がミグさんの胸の谷間に押し付けられているため、まともに動くことさえ出来ない。朝の恒例行事であるが一向に慣れない。

「ま、待て! だからっていきなり始めようとするんじゃない!!」

「いきなり始めてもゆっくり始めてもチッカ君嫌がるじゃん。
それならいきなり始めたほうがお得だよね♥」

 あれよあれよという間に寝巻きの胸を開けられ、ズボンがそしてパンツがずり下ろされ、なんとも情けない姿にさせられてしまった。下ろすなら全部下ろしてくれればいいのに…

「ぐふふ…チッカ君のすべすべのお腹…
いつスリスリしても気持ちいいなぁ…」

 そういいながらヨウは腹部を頬ずりしている。息が荒く、腹にかかる度にくすぐったくて仕様がない。時折二重の意味で舐められているような気がするが気のせいだろうか?

「君付けはやめなさいと言った筈だ!! 私はキミより年上だぞ!!」

「そんな細かいことは気にしな〜いの♥
それよりも、そろそろ朝ご飯の時間だね♥」

「ひっ!?」

 ミグさんに胸を押し付けられたり、ヨウに体を弄られたせいで半勃ちになっていた陰茎を握られた。ふいの接触に体がすくんでしまう。

「あははっ! 毎日されてるのにまだ慣れないの?」

「そ、そんな簡単にっ…なれ…ぁっ…るか!!」

 ゆっくりと揉み解すような手つきで陰茎を愛撫してくる。その手つきとは裏腹に、自分の愚息は大きく硬くなり、血が溜まっていく。快感にそのまま身を任せてしまいたいが、ヨウの思い通りにさせるのは癪だ。

「今日はよく眠れましたか〜?」

 そんな苦戦を知ってか知らずか、ミグさんが一切空気を読まずにとぼけた質問をしてきた。

「えっ…!? あぁっ! はい! 良く眠れましたっ…ひぁ!!」

「それはよかった〜 うなされていたから、心配だったんです〜」

「チッカ君またうなされてたの? しょうがないな〜チッカ君は、まだ昔の事を引きずってるなんて。そんなこと考えるより今を楽しんだ方がずっとイイよ♥」

「うるさっ…い!?」

軽く揉み擦る程度だった手の動きが上下に扱く動作へと変わり、明確な悪意を持って私に快楽をもたらす。単純に竿の部分を擦るだけではなく、亀頭、カリ首を人差し指と親指で器用になぞりながら責め立てる。手で扱かれているというより何匹かの蛇が這い回っているようだ。

「こっちからじゃ顔見れないけど、もういっぱいいっぱいでしょ?
頑張ったしそろそろ出しても良いんじゃない?」

「ふーっ! ふぅっ!…んんーっ!」

 『誰がするか』と言いたい所だが、もはや言い返す余裕も無く、歯を食いしばって堪えているがいつまで耐えられるかわからない。全身の筋肉が強張ってどうにか射精を堪えようとしているが、焼け石に水の体である。

「チッカ君も朝ご飯にしましょうか〜」

押さえつけている胸が頭から離れた。それはいいのだが、にこやかに服を脱ぎ始めたミグさんが怖い。ただでさえ今は辛いのに、事態が余計に悪化しそうだ。

「それじゃ〜おっぱいちゅうちゅうしましょ〜ね〜♥」ムニュムニュ

「んっーーんっーーーー!!!!」

 ミグさんは私の頭を持ちあげると、乳頭を口に入れようと胸を強引に押し付けてきた。声は優しいのだがかなり力強い。

 だが、私が歯を食いしばっているため、思うように口に含ませられないようだ。ミグさんが私の口に乳首を入れようとするたびに胸の形が変わり、少し硬くなった乳首がぬるぬると顔を撫で回す。そうしているうちに、零れる乳で顔がミルクまみれになってしまった。

「む〜?ダメですよ〜朝ご飯はしっかり食べないと〜 えいっ♥」

「ふぎっ!?」

 胸を押さえていない手で、鼻をつままれた。口呼吸がままならない今、鼻を塞がれてはどうしようもない。

「ぷはっ…「召し上がれ〜♥」んぅぅぅっ!!!」
 
 口を僅かに開けた途端に柔らかな肉塊をねじ込まれた。口の中にホルスタウロスの乳特有の香気が充満し、ねっとりとした甘く濃厚な汁が舌を滑る。喉に流れ込むたびに体の力が抜け、思考は鈍っていく。そうして顎の力が抜けてくると、さらに容赦なく乳房を押し込まれ、口が開けるだけ温い柔軟な凶器を頬張らされた。
 息苦しさと敗北感から目の端から涙が出てきた。女性がイマラチオ強要されたときの辛さが分かった気がする。

「私もいただきま〜す♥」パクッ

「〜〜〜〜〜っ!!!!?」ビクンビクン

 追い討ちを掛けらるように、陰茎にとどめの一撃をもらった。単に口に含まれただけだが、生暖かい口腔と尿道を抉る舌によって、膣と誤認してしまうほどの快感が走り、我慢の限界を迎えた。

「ぐむっ…!

んふふ♥……じゅる…ずっ…ずずっ…」

 ヨウは精子の量が多かったのか一瞬呻いたがすぐに持ち直し、くぐもった笑声を上げながら、旨そうに喉を鳴らして飲みはじめた。

「……ん…んぅぅ……」

 人間ならばありえない長時間の射精は、私に人外の快感とそれに屈した敗北感をそれが止むまで与え続ける。もはや私に抵抗の余地もなく、指先さえ力が入らない。もうこのまま彼女達の好きにさせようと思う。

「ぷはぁ! チッカ君の一番搾りごちそうさま!!
チッカ君、なんだかんだ言う割りには堕ちるの早いよね〜♥」

 不愉快な発言が聞こえるがどうでもいい。

「たくさん出ましたね〜出した分は〜ちゃんとごくごくしましょう〜♥」

「………」コクコク

 言われるまま、乳に吸い付いて母乳を貪った。自ら進んで母乳を啜ると、幼児に戻ったような気さえする。ほどよい硬さの乳首は咥えていると、興奮と安らぎが入り混じった感情を覚える。一見矛盾するふたつであるが、そうとしか表現できない。
 顔にのしかかる胸の重みもまた同様だ。もっとこのふかふかな胸に顔を埋めたい。
 そうして大人しくしていると、私を強引に乳房に押し付けていた腕も、包みこむような優しい抱擁に変わっていった。

「んふふふ…おっぱい吸うのも良いけど、吸われてみるのも良いんじゃなぁい?」チュプ

「くひっ!」

 太腿からゆっくりとヨウの舌が這い上がってくる。ナメクジが蠢くような気味の悪さと、くすぐったさに紛れて、わずかに快感が混ざる。それらはだんだんと胸に近づくにつれて、快感が占める度合いが上がっていき、乳首を吸われる頃には体に電撃が走るような快感が襲った。
 
「すっかり開発されちゃったね、チッカ君♥」チュル…クチュ…

「あぅ……ひぁぁ…」

舌先で乳首を転がされるたびに、自分の声とは思えないような喘ぎ声をあげてしまう。萎えてゆく男性としてプライドとは裏腹に、肉棒には血液が充血し漲っている。

「あ〜おいしそ〜う、後で私も吸っちゃおうかな〜♥」

「うん! ミグちゃんも吸ってみなよ!! クセになっちゃうよこれ」
 
 魔物娘の味覚がさっぱりわからない…

「何よりチッカ君の反応がイイし♥」ガプッ

「ひぎゃぁぁっ!!?」

 舌先でチロチロと舐められるだけだった私の乳首に、突き刺さるような快感と痛みが走った。脳内に電流を流されたかに思えるほど鮮烈な一撃に、再度硬くなった男根から精液が漏れだした。

「あらぁ…乳首で射精なんて・・・堕ちるとこまで堕ちちゃってねチッカ君♪
社会復帰は諦めようね。一生面倒見て上げるから♥」

「もったいないです〜今度は私が頂きまふね〜」ジュプ

「へっ…ぁ?

……あひぃぃぃぃぃぃ!!!」ガクッ

 頭がベッドに投げ出された直後に、もぎ取られそうなほど性器を吸い上げられた。

 陰嚢にある精液を根こそぎ飲み下す吸引で、絶え間ない絶頂に犯され続ける。

 脳が快楽によって擦り切れ目の前が暗転した。

「挿れてもいないのに気絶しちゃうなんて…まだまだ躾をしないとダメですね〜♥」

「だね〜もっともっと従順なコにしなきゃ…♥」



















「……うぅ」パチリ

「「すぅ……」」

 気がついた頃には夕日が赤くベッドを染めていた。両脇に、私を抱えるように二人が眠っている。

 ふと自分の体を見ると、精液と愛液、加えて母乳が混ざったものが体中にべっとりと付着し、胸や太腿などに噛み痕が赤くいくつかついていた。

 禁固を言い渡されてから幾日たったかわからないが、連日の苛烈な交わりに精神が磨り減らされている。おそらく、私がまた同じような過ちを繰り返すと思っているからであろう。

 ならば、彼女達に全てを委ね、服従すれば楽になるのだろうか…?


 だが、私は負けない。長年の夢をやすやすと諦めることなど出来ない!

 彼女達が疲れ眠っている今が好機だ。とにかく畑に出向いて、手入れをする。そうやって私の熱意を伝えて行けばきっと彼女達もわかってくれる筈だ。

「…よし」

 私は二人を起こさぬようにベッドを抜け出し、裏の物置へと向かった。







「「………」」ニヤッ
 



















「そんな馬鹿な!?」

 一体どうなっているのだ!? なぜこんなに鍬が重い!? 作業靴もこんなにぶかぶかなはずがない!? 他の道具も重たくてまともに持てない。サイズも一切合う物がない。

「クソッ!!体縮んだとでもいうのか!?」






 

「そのとおり〜 チッカ君、大せぇ〜か〜い♥」


「え……?」


「ご飯に混ぜたり、寝ているうちに魔法を掛けたり…
違和感を与えないよう、毎日ちょっとづつ若返らせてました〜♥」

 いつの間にか、ミグさんとヨウが後ろに立っていた。

 夕日が逆光になり二人の顔の上半分がよく見えない。だが、二人とも笑顔であることは、異常に吊りあがった口角を見れば理解できる。

「なんでこんなことを…」

 震えが止まらない。怒りや悲しみよりも、恐怖が私の全てを支配した。目の前に得体の知れない魔物が立っている。

「その姿じゃ力仕事なんてできないでしょ〜? 当然、畑仕事なんてろ・ん・が・い♪」
「そもそも〜前科のあるあなたが作った食べ物なんて、一体誰が買うんでしょ〜かぁ?♥」

「子供一人で暮らすなんて不可能で♪」
「貯金も殆ど残ってない♥」

「助けてくれる家族もいなければ♪」
「親戚友人も、誰ひとぉ〜りといません〜♥」

「優しいチッカ君は犯罪なんて出来ないだろうし♪」
「諦めて飢え死になんてことはもっと出来ませ〜ん♥」


「「そうなると」」














「「私達に飼われるしかないねチッカ君♥」」











終わり
















………
……


「おわっへ!?」

二度寝してとんでもない悪夢を見てしまった…

悪い夢は誰かに話すと良かったんだっけか

しょうがない、少し早いが起きて彼女達に喋ってすっきりさせよう。よっこいしょっ…と

ガチャン!

「ぐへっ!?」

 起き上がろうとしたが、首に何かが引っかかり、ベッドに引き戻されてしまった。一体何なのだろう?


 そう思い、首に手を掛けると、革の触感。

 動くと、かちゃりという鎖の音が部屋に響いた。




ハッピーエンド
15/11/25 00:30更新 / ヤルダケヤル

■作者メッセージ
 授乳プレイ好きなことに今頃気づきました…
ウシオニさんの話然り、オーガさんの話然り。そういう兆候はありましたけど。

 エロチックな感じが苦手でこれも途中放棄でしたが、一皮向けようと頑張ってみました。でも淫語の語彙がさっぱりです。

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