冴えない僕が学年1の美少女に呼び出された
「もうちょっとやりようなかったんですか?」
ちょっと引きつっているが、艶やかでそれでいて少女じみた彼女の笑顔は、自分の妄想の化身と言えるものだった。そんな微笑で俺に告白してくれるなんて… こんな素晴らしいことがあるだろうか!!
しかし本当に、彼女は妄想の化身である。冷める。
「何のことかしら…」
とぼけたまま、笑顔を崩さない彼女は、私の理想的すぎる。そう、まるで雑誌の広告のように出来すぎている。
「クラスでも、いや、学年でも1、2を争う才色兼備が
話したこともない男子に告白ですかぁ〜?
中学生の妄想かライトノベルじゃあるまいし、大概にして欲しいです」
少々攻撃的な言い方になってしまったが許して欲しい。こんなことに引っかかると思われたのが腹立たしいのだ。
「あ、貴方のことを見てからずっと気になってて…」
「魔物がこの世界に来てもう何年経ってます?
あんまりにも使い古された手法だと思いますね僕は」
異世界との交流はとっくの昔に歴史の教科書に載り、魔物が議員になっている世の中だ。魔物はすでに神秘的な存在ではない、例えるなら、二股大根、四葉のクローバー、田舎電車で外国人、フルハウス、お釣りが721円などなど、珍しそうでそんなに珍しくもないけどやっぱり珍しいかも、そんな存在なのだ。
そんな彼女達の男性を口説き落とすテクニックは、すでに逞しい人間女性の間でも取り入れようと研究され尽くされている。『小悪魔インプメイク』や、『ラミア系女子』、『モテカワリリムで愛されガール』などの売り文句で声高に宣伝している。『研究した結果がそれか!!』とツッコミを入れたくなるときがあるが、本人の勝手。私達がとやかく言っても仕方ないのだ。
話を戻そう。つまり、魔物を実際見たことはないが、魔物がどうやって男性を魅了するのかだけは知っているという、この私のような人間も数多くいるのだ。まあ、実際にアレを鵜呑みにするのは失礼なのである程度は調べたが…
「………」
「とりあえず、本人に見られるとややこしくなるから元に戻ってもらっていいですか」
高圧的な口調になってしまうが、これぐらい強い態度で臨まないと魔物に押し切られてしまうらしい。別に押し切られても良いのだが、私が相手では押し切ったこの人が可哀相なことになってしまう。
「……はい」ポフン…
「………」
正直、ドッペルゲンガーは擬態するほどであるから、容姿は大したことはないと思っていたが大きな間違いであった。他の魔物と比べると地味と称される彼女らであるが、とんでもない。擬態した後の姿よりもよほどよほど美少女である。
濡羽色の前髪から時折見える紅眼は可憐で、幼さの中にも妖麗さがあるというか…華奢で薄倖そうな体つきは抱きしめて守ってやりたいような…。こんな気障ったらしい言葉を尽くしても、説明など出来ない。とにかく 可愛くて綺麗 以上である。
しばしの間、口を開け目を見開き彼女を凝視するしかなかった。
「……?」
「じゃじゃじゃ、じゃあ俺は帰るので……さようなら!!」
このまま見ていると彼女のストーカーになり兼ねない。今見た事は忘れてさっさと家に帰ってM○TEHR3でもしよう!!カッコいい物 フルスペック にしたせいで若干後悔してるけどそんなもの気にするものか!! それよりも早くここから立ち去られねば…
「あ、あの…」
おずおずと学制服のすそを掴まれた。振り払うという選択は私には出来ない。
「はい」
かなり上擦った声になってしまったと思う。しかし、しょうがないではないか
私は真性の童貞である。
「ちょっとだけでいいから……お……」
声も非常に魅力的な声だ。録音して寝る間も惜しんで聞き続けたいほどだ。
「お?」
おちん○ん食べさせてとかじゃないだろうな……
失礼、完全に下種な発想だったのでお詫びする。
でもちょっと期待していることは期待しているのだ。
「お……お話しませんか!?」
「お…oh…」
公園
「で……お話って…」
公園のベンチの端と端に座り、お互い俯いたままの「お話」となった。あまり長居をすると未練が出来てしまう。さっさと終わらせよう。
「あ、貴方の事を一目見たときから……すっ…好きに…なりました…
つ、付き合って……くれませんか!?」
「はぁん?!」
それはお話ではない。
顔を真っ赤にした彼女の告白に訳のわからない声が出てしまった。
「いったいどこで私をみたんですか?」
「本屋で…私達ドッペルゲンガーのページを読んでた時です…」
「あ、あぁ…あれ…」
心当たりがある。その日は雨だったが傘を忘れたので、バスに乗ることにした。
そうして、暇つぶしに魔物娘図鑑を本屋で立ち読みしていたのだ。
「あんなに、熱心に読んでくれてたから……その…」
実をいうと偶然である。他の魔物娘もかなり熟読していたし。
「でもやっぱり……私じゃ……ダメですよね…暗くて…地味だし…」
俯きぎみだった顔をさらに俯かせる。
こんな所作でさえ可愛らしく、抱きしめたくなってしまう…ってまずいなそれは。
「いや、逆、逆」
「……?」
「君みたいに綺麗で可愛い女の子はもっともっと格好良くて性格のいい男の人と付き合うべき、俺じゃ釣りあいません」
「そ…そんなことありま「あります」
「もっと自信を持って、よりよい条件の男性を探すべきです!!」
「自信を…持つ…」
「そう!!貴方は貴方が思っているよりもずっと魅力的です!!」
「み……魅力的…だなんて…」
「いや、本気でいってるんですよ私は!! 外見だけでなく中身も奥ゆかしい、私が生きてきた中で一番素敵な女性です。だからこそ、私はあなたにもっと青春を楽しんで欲しいと願っています!!」
「私が…素敵?」
「自暴自棄になって私に告白したんでしょうがまだ間に合います、
自分をもっと大切にして、もうちょっと冷静になって恋愛した方が良いです!!」
「…ふふっ……ふふふっ…」
俯いたまま笑っている。冗談だと思われたのだろうか。まあ、それも仕方ないだろう。
「と言うわけでこれでおわかれというこ…と……で?」
一気にまくし立て、ベンチから立とうと思ったが体が思うように動かない。
辛うじて動かせる顔を彼女の方に向けると、紅い眼を煌々と輝かせ口元を歪ませてこちらににじり寄る姿が目に映った。
「私ってそんなに魅力的ですか?」
そのまま擦り寄るように私と体を密着させ、耳元で囁く。
彼女の柔らかな肉感と体温
香水などではない女性特有の芳香
頭が蕩けそうなほど甘美な声
どれもが経験も想像もできないほど私を興奮させ恍惚とさせた。しかし、それと同時に頭の中で危険信号がけたたましく鳴っている。
「いや…それはもう…」
「あなたを魅了できるくらい?」
ゾクッ
背中に電流が走り、一瞬、体の筋肉が萎縮する。耳たぶを甘噛みされたと理解するのに時間を要した。どうにか身を捩り逃げ出そうとするが、いつのまにか背中に手がまわっていて、私を捕らえて離さない。そしてさらにいつの間にか上着が脱げている、いや、脱がされている。
「え、え?」
「あなたのおかげで自信を持って言えます。
あなたが好きです。
そして、今から私の虜にしてみせます♥」
先ほどまでのおどおどした雰囲気はなく、自信に満ちた、蟲惑的な笑顔で私に口付けをした。
柔らかで優しい弾力と、今まで味わったことのない芳醇な果実のような香りに思考を溶かされる。ちゅるちゅると音を立てて、口内を舌で弄ばれ続けた。
「んぅ…くっ……」
「んっ…美味しい♥
でも、これからですよ…」
糸を引くように口を離すと、首にキスマークを付けつつ私の下半身に手を伸ばした。
完全に脱力しきった私に抵抗の力は残されていなかった。
「で!!で!!それからどうなったんだ!!」
「気持ち良過ぎて覚えていない」
「馬鹿野郎!!」
おわり
ちょっと引きつっているが、艶やかでそれでいて少女じみた彼女の笑顔は、自分の妄想の化身と言えるものだった。そんな微笑で俺に告白してくれるなんて… こんな素晴らしいことがあるだろうか!!
しかし本当に、彼女は妄想の化身である。冷める。
「何のことかしら…」
とぼけたまま、笑顔を崩さない彼女は、私の理想的すぎる。そう、まるで雑誌の広告のように出来すぎている。
「クラスでも、いや、学年でも1、2を争う才色兼備が
話したこともない男子に告白ですかぁ〜?
中学生の妄想かライトノベルじゃあるまいし、大概にして欲しいです」
少々攻撃的な言い方になってしまったが許して欲しい。こんなことに引っかかると思われたのが腹立たしいのだ。
「あ、貴方のことを見てからずっと気になってて…」
「魔物がこの世界に来てもう何年経ってます?
あんまりにも使い古された手法だと思いますね僕は」
異世界との交流はとっくの昔に歴史の教科書に載り、魔物が議員になっている世の中だ。魔物はすでに神秘的な存在ではない、例えるなら、二股大根、四葉のクローバー、田舎電車で外国人、フルハウス、お釣りが721円などなど、珍しそうでそんなに珍しくもないけどやっぱり珍しいかも、そんな存在なのだ。
そんな彼女達の男性を口説き落とすテクニックは、すでに逞しい人間女性の間でも取り入れようと研究され尽くされている。『小悪魔インプメイク』や、『ラミア系女子』、『モテカワリリムで愛されガール』などの売り文句で声高に宣伝している。『研究した結果がそれか!!』とツッコミを入れたくなるときがあるが、本人の勝手。私達がとやかく言っても仕方ないのだ。
話を戻そう。つまり、魔物を実際見たことはないが、魔物がどうやって男性を魅了するのかだけは知っているという、この私のような人間も数多くいるのだ。まあ、実際にアレを鵜呑みにするのは失礼なのである程度は調べたが…
「………」
「とりあえず、本人に見られるとややこしくなるから元に戻ってもらっていいですか」
高圧的な口調になってしまうが、これぐらい強い態度で臨まないと魔物に押し切られてしまうらしい。別に押し切られても良いのだが、私が相手では押し切ったこの人が可哀相なことになってしまう。
「……はい」ポフン…
「………」
正直、ドッペルゲンガーは擬態するほどであるから、容姿は大したことはないと思っていたが大きな間違いであった。他の魔物と比べると地味と称される彼女らであるが、とんでもない。擬態した後の姿よりもよほどよほど美少女である。
濡羽色の前髪から時折見える紅眼は可憐で、幼さの中にも妖麗さがあるというか…華奢で薄倖そうな体つきは抱きしめて守ってやりたいような…。こんな気障ったらしい言葉を尽くしても、説明など出来ない。とにかく 可愛くて綺麗 以上である。
しばしの間、口を開け目を見開き彼女を凝視するしかなかった。
「……?」
「じゃじゃじゃ、じゃあ俺は帰るので……さようなら!!」
このまま見ていると彼女のストーカーになり兼ねない。今見た事は忘れてさっさと家に帰ってM○TEHR3でもしよう!!カッコいい物 フルスペック にしたせいで若干後悔してるけどそんなもの気にするものか!! それよりも早くここから立ち去られねば…
「あ、あの…」
おずおずと学制服のすそを掴まれた。振り払うという選択は私には出来ない。
「はい」
かなり上擦った声になってしまったと思う。しかし、しょうがないではないか
私は真性の童貞である。
「ちょっとだけでいいから……お……」
声も非常に魅力的な声だ。録音して寝る間も惜しんで聞き続けたいほどだ。
「お?」
おちん○ん食べさせてとかじゃないだろうな……
失礼、完全に下種な発想だったのでお詫びする。
でもちょっと期待していることは期待しているのだ。
「お……お話しませんか!?」
「お…oh…」
公園
「で……お話って…」
公園のベンチの端と端に座り、お互い俯いたままの「お話」となった。あまり長居をすると未練が出来てしまう。さっさと終わらせよう。
「あ、貴方の事を一目見たときから……すっ…好きに…なりました…
つ、付き合って……くれませんか!?」
「はぁん?!」
それはお話ではない。
顔を真っ赤にした彼女の告白に訳のわからない声が出てしまった。
「いったいどこで私をみたんですか?」
「本屋で…私達ドッペルゲンガーのページを読んでた時です…」
「あ、あぁ…あれ…」
心当たりがある。その日は雨だったが傘を忘れたので、バスに乗ることにした。
そうして、暇つぶしに魔物娘図鑑を本屋で立ち読みしていたのだ。
「あんなに、熱心に読んでくれてたから……その…」
実をいうと偶然である。他の魔物娘もかなり熟読していたし。
「でもやっぱり……私じゃ……ダメですよね…暗くて…地味だし…」
俯きぎみだった顔をさらに俯かせる。
こんな所作でさえ可愛らしく、抱きしめたくなってしまう…ってまずいなそれは。
「いや、逆、逆」
「……?」
「君みたいに綺麗で可愛い女の子はもっともっと格好良くて性格のいい男の人と付き合うべき、俺じゃ釣りあいません」
「そ…そんなことありま「あります」
「もっと自信を持って、よりよい条件の男性を探すべきです!!」
「自信を…持つ…」
「そう!!貴方は貴方が思っているよりもずっと魅力的です!!」
「み……魅力的…だなんて…」
「いや、本気でいってるんですよ私は!! 外見だけでなく中身も奥ゆかしい、私が生きてきた中で一番素敵な女性です。だからこそ、私はあなたにもっと青春を楽しんで欲しいと願っています!!」
「私が…素敵?」
「自暴自棄になって私に告白したんでしょうがまだ間に合います、
自分をもっと大切にして、もうちょっと冷静になって恋愛した方が良いです!!」
「…ふふっ……ふふふっ…」
俯いたまま笑っている。冗談だと思われたのだろうか。まあ、それも仕方ないだろう。
「と言うわけでこれでおわかれというこ…と……で?」
一気にまくし立て、ベンチから立とうと思ったが体が思うように動かない。
辛うじて動かせる顔を彼女の方に向けると、紅い眼を煌々と輝かせ口元を歪ませてこちらににじり寄る姿が目に映った。
「私ってそんなに魅力的ですか?」
そのまま擦り寄るように私と体を密着させ、耳元で囁く。
彼女の柔らかな肉感と体温
香水などではない女性特有の芳香
頭が蕩けそうなほど甘美な声
どれもが経験も想像もできないほど私を興奮させ恍惚とさせた。しかし、それと同時に頭の中で危険信号がけたたましく鳴っている。
「いや…それはもう…」
「あなたを魅了できるくらい?」
ゾクッ
背中に電流が走り、一瞬、体の筋肉が萎縮する。耳たぶを甘噛みされたと理解するのに時間を要した。どうにか身を捩り逃げ出そうとするが、いつのまにか背中に手がまわっていて、私を捕らえて離さない。そしてさらにいつの間にか上着が脱げている、いや、脱がされている。
「え、え?」
「あなたのおかげで自信を持って言えます。
あなたが好きです。
そして、今から私の虜にしてみせます♥」
先ほどまでのおどおどした雰囲気はなく、自信に満ちた、蟲惑的な笑顔で私に口付けをした。
柔らかで優しい弾力と、今まで味わったことのない芳醇な果実のような香りに思考を溶かされる。ちゅるちゅると音を立てて、口内を舌で弄ばれ続けた。
「んぅ…くっ……」
「んっ…美味しい♥
でも、これからですよ…」
糸を引くように口を離すと、首にキスマークを付けつつ私の下半身に手を伸ばした。
完全に脱力しきった私に抵抗の力は残されていなかった。
「で!!で!!それからどうなったんだ!!」
「気持ち良過ぎて覚えていない」
「馬鹿野郎!!」
おわり
15/11/25 00:30更新 / ヤルダケヤル