読切小説
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声を出せない状況でマンティコアに襲われる話
――ホーッ、ホーッ……
――パチパチ……

夜の山道は、静かだ。
しかし耳を澄ませば、いろいろな音が聞こえて来る。
フクロウや獣、虫の鳴き声、焚き火の薪が燃える音、そして仲間の寝息。
彼は周囲の音に耳を澄ませながら、焚き火の側で寝ず番をしていた。
勇者として選ばれて6年、20歳まで生まれ育った町を3人の仲間と共に出発して1ヶ月、魔王打倒への道のりは、いろいろな意味でまだまだ遠い。
――しかし、いつかきっと辿り着いてみせる。そして、必ずや人類の敵共を討ち滅ぼしてみせる。
さしあたってこんな所で斃れる訳には行かない。
賊、獣、魔物、何が来ようと、自分と仲間の身は守り切ってみせる。
自分の後ろ、洞穴の中で眠る仲間たちには指一本触れさせはしない。
装備の手入れをしつつ、彼は周囲の警戒を続けていた。
その矢先、後ろから鳥の羽音の様な物音。

「…………誰だ?」

「夜分遅くに失礼しまーす、ってね」

背後に只ならぬ気配を感じて振り返ってみれば、洞窟の中には一匹の魔物の姿。
四足獣の手足、コウモリの羽、トゲの生えた尻尾を持つ魔物、マンティコアだ。
警戒を怠ったつもりは無いが、何故間近まで気付けなかった……!?

「いつの間にそこに……失せ…………ちっ」

「おぉー、流石は勇者様。鋭いねぇ」

彼は「失せろ」と言い放ちつつ側に置いてあった剣を抜き、またもう片方の手で魔法を繰り出そうとして、途中で止めた。
マンティコアの尻尾が、仲間の一人の顔に食らいつこうとしていたのが見えたためである。
「止まれ、そして大声を出すな、さもなくばこいつを殺す」……そう無言の内に語り掛けている。
こいつは相当な手練れだ、万全を整え、全力でかからなければ自分一人で勝てる相手じゃない。
ましてや人質を取られている状況で下手に動く訳には……。
激情に駆られかけながらも冷静に判断し、彼は臨戦態勢を保ちつつマンティコアを睨みつけるだけに留める。

「良い判断だねぇ。もし君がもう少し利口じゃなかったらこの子の頭はぶっ潰れてたよ」

心中穏やかではない彼とは対照的に、マンティコアはけたけたと笑いつつ語る。
――全く無防備な仲間たちを人質に取られている、どうする? 考えろ、考えろ……。
彼はマンティコアの言葉など全く聞かずに打開策を頭の中で巡らせている事を知ってか知らずか、あくまで楽しそうに続ける。

「剣士に弓兵にプリースト……男の子が3人に女の子1人なんて、ケンカにならない? それとも三人で仲良く共有しているのかな?」

「黙れ、お前の知った事じゃあない」

「つれないねぇ……でもそんな態度取って良いのかな?」

マンティコアはその口の様な尻尾を、未だ眠ったままの仲間の頭に近付ける。
思わず手と足が飛び出しかかるが、策も何もない今はまだ、奥歯を噛み締める事しかできない。

「よせ、俺は良いが仲間には手を出すな……! と言っても、魔物相手じゃ望むべくもないか……」

「そうだよ? アタシらは魔物だかんね、卑怯上等、極悪非道でナンボだよ」

「――と本来なら言う所だけど、仲間の為に自身を差し出すその心意気に免じてチャンスをあげよう」

遊びにでも誘うように、にやけた顔で人差し指を上げながら。
尻尾のトゲを、仲間の首筋に突きつけながら。

「何?」

「簡単なゲームだよ。君が勝てばすっぱり諦めるよ。その後は野宿を続けるなり逃げるアタシを追撃するなり、好きにすれば良い」

「俺が負ければ?」

「勿論、殺す。まずこの弓兵の子を頭から食らい、次に剣士の子を脚から頂き、その後女の子をお腹から貪り食らい……」

「――そして最後に君を……そうだな、脚から食べようか。長く悲鳴が聞けるようにねぇ……?」

つまり、「仲間が殺されて行く様をむざむざ眺めていろ」「最大の苦痛と屈辱を味わわせながら殺してやる」と。
狂気と快楽に歪むマンティコアの顔を、彼は反吐が出る思いで見つめる。
口ではチャンスをあげると言いつつも、彼には選択の余地など与えられてはいない。
どの道、この状況を全員無傷で切り抜ける方法など無い。
マンティコアはそれを分かって、自分を「ゲーム」に誘ったのだ。

「ダイジョブダイジョブ、勝てば良いだけさ。君が神様に選ばれし勇者様なら、何と言う事は無いお遊びだよ」

「……何をするつもりだ。トランプか、チェスか?」

「そんなんじゃないよ。君はただ――」





――夜が明けるまで、声を出さずにいれば良いんだよ……

「……っ! ……っ…………!」

「ん……れろ……おやおや、まだ1時間もしてないのに随分苦しそうだねぇ。夜はまだまだ長いよ?」

地面に寝かせた彼の身体をひとしきり舌で舐め回したマンティコアは、彼の表情を見て満足気に顔を歪ませる。
マンティコアが提示したルールは3つ。
夜が明けるまで残り約7時間、何をされようとも一切の声を出さないこと。
彼が声を出さない限り彼とその仲間の命は保障する。
しかし僅かでも声を出したり仲間を起こそうとしたり、或いは彼が寝てしまった場合その時点でゲームオーバー、全員がマンティコアに食い殺される。
彼にできる事はただ、声を漏らさない様にする事だけ。

「そう、声を出さなければ良いんだよ? そんなに難しい事じゃないと思うけどなぁ……あむぅ……♥」

(この……ふざけた真似を……!!)

――れろ……ちゅっ……ちゅうぅっ……ちゅぱっ……
――れーっ……れろれろ……ちゅっ、ちゅっ……

捲り上げられたシャツの内、胸や腹を再び舐め回すマンティコアを彼は恨めし気に睨みつけるが、それで止まる訳でもない。
ましてや、身体の奥から湧き上がる快感を抑え込める訳でも。
ただ舐められているだけにしては異様に大きな快感、僅かでも気を抜けば情けなく声が漏れてしまう。

(訳が分からない……拷問でもするのかと思えば、何だこれは……!? どうしてこんな辱めを……!!)

「ちゅっ…………はぁーっ……♥」

――ちゅぷ、ちゅぷ……れろ、べろべろ、れろっ……
――さわ、さわさわ……

「……!!」

彼の困惑を他所に、マンティコアは身体を舐めるのを止め、今度は彼の耳に舌を挿入する。
それと同時に、片手は彼の乳首をいじくり回す。
粘っこい水音が、先程とは比べ物にならない大きさと生々しさで耳道に響き渡り、耳と胸元から鋭い快感が走る。

――ちゅぽ、ちゅぽ……れろっ……れろっ……
――ぺろぺろ、ちゅぱっ……ちゅぱっ……

「……! ……んんっ! ……っ! ……! ……んむっ!?」

耳から舌を抜いたかと思えば、次は口。
唇を抉じ開け、口の中を穿り返す様な激しいキス。

「ちゅ……んむ……ん……あむ…………じゅる、じゅるる……あん……んむ……む……」

「――ぷはっ……君、キスした事ある? 無かったなら、初めて貰っちゃったぁ♥ にひひっ」

彼にとってキスは初めてといえば初めてであるが、こんな魔物に無理矢理奪われた分など当然勘定に入れるつもりは無い。
声を出せない以上否定も肯定もできないため否定代わりに睨みつけるが、マンティコアはそれに気付いてか否か、口から舌を抜いて顔から離れる。
口の中に、蜜でも塗りたくったのかという程の甘い香りを残しながら。

「そろそろこっちを頂こうかなぁ……大分苦しそうにしてるし……♥」

マンティコアの興味が、下半身に移った。
下半身で激しく主張するそれを見つめるマンティコアは、表情に一層嗜虐的なものを宿らせる。
「身体は正直」とはこの事か、自分がそうなるとこうも情けないものなのか……。
彼は嫌悪感を覚えながらも同時に強烈な快感で股間をいきり立たせている事に自己嫌悪するが、マンティコアはその様な事は気にも留めない。

「それっ…………わはっ、こんなに大きくなって……ビンッビンのカッチカチだぁ……♥ ふーっ……」

「んぐぅっ……!!」

下半身を露出されられ、それと同時に湧き上がる怒り、羞恥、屈辱……それらを感じた事のない強烈な快感が一気に押し流す。
マンティコアが裏筋に向けて息を吹きかけ、ただそれだけで身体がびくんと撥ねた。
それを面白がってか、ニヤニヤしながら更に二度、三度……。

「へへへ、可愛いなぁ……♥ それっ、ふーっ、ふーっ、ふぅーーっ……!」

「ん……ぐぅ……ぅぅ……」

微妙に強さや位置、角度を変える事で、少しずつ違った快感が走る。
ただ息が吹きかかっただけにしては、余りに強過ぎるそれ。
先端からは徐々に透明な粘液が溢れ出ていた。

「あはっ、面白っ! さっきキスした時に飲ませたからかな、それとも元々君がビンカンなのかな? まだ触ってもないのに、今にもイッちゃいそうだねぇ……♥」

(だ……まれっ、この…………くぅぅ……)

顔とペニスを交互に、嗜虐的に、そして愛おしげに見つめながらそんな事を言う。
一方で彼には最早睨みつける余裕すら無くしつつあった。
このままではまずい――頭ではそう理解しつつも身体は言う事をまるで聞かず、少しずつ快感を受け入れ始めている。
長くは持ちそうにない、しかしこの状況を一気に打開する方法など無い、かといってこのままされるがままという訳には……。
頭を混乱させる彼に構わず、マンティコアは更に追い打ちをかける。

「――じゃあ直に触っちゃったら、どうなるのかなぁ……?」

――すりっ……すりっ……すりっ……

「……ッッ!!」

「おおっ、良い反応……」

亀頭の先端を、指先の肉球で軽く撫でるだけ。
ぷにぷにとした触感と、それによって先走りが亀頭全体にぬるぬると塗り付けられるような感覚。
それだけなのに下半身は跳ね回り、喉の奥からは声が飛び出ようとする。

「じゃあそろそろ一発目を貰おうかなぁ……あむっ」

「……!!!」

マンティコアの口の中の暖かさ、舌のざらついた感触、頬の内の柔らかい感触。
それを感じたと思った次の瞬間、彼は果てていた。

――どびゅっ! ……びゅるるるるるるっ!! びゅっ! びゅっ! びゅるるるるるっ!
――びゅーっ! びゅーっ!! どくっ! どくっ! どくどくどくどくっ!

「んむぅーーっ!! ……むぐ、ぐぉぉお、ぁっ……!!」

思わず上げそうになった悲鳴を、両手で口を抑える事で強引に口内に押し留める。
反射的に手で口を覆ったが、しかし何が起きたのか分からない。
頭の中で火花が散るかの様に、視界が明滅する……。

(なんだ、これ……今の……射精……? こんなに……はげ……しく……? ちょっと、舐められた、だけ……なのに……)

――こくっ……こくっ……

「んぐ……こくっ……こくっ……んん…………んぐっ……ぷはっ…………うへぇっ、凄い量と濃さ…………♥」

呆けた様な顔なのはマンティコアも同じだった。
……否、あちらは多分に余裕がある。
これからがやっと本番と言いたげな程に。

「はぁーっ! 凄い射精だったねー、アタシびっくりしちゃったよ! って、まだ一発目だよ? そんなにボーっとしてて良いのかな?」

「――まだまだ、夜明けまではたっぷり時間があるよ?」

(ま、待て――)

再びペニスに顔を近付けるマンティコアを止める術は無く、今の彼には慈悲を乞う事さえできない。

――ちゅ、ちゅぱっ、がぽっ、ぐぽっ、ぐぽっ
――れろれろ、じゅぽっ、じゅるっ、じゅぽっ

「――っ! んぎ……いぃぃいぃぃいぃいっ……!!」

ゆっくりと口の中に出し入れ、かと思えば激しく上下させる。
鈴口や裏筋をほじるかの様に舌を動かしたかと思えば、亀頭を舌全体でしゃぶり尽くす。
激しい、余りに激し過ぎる快感が、少しずつ頭を焼いて行くのが分かる。

(気が……気が、変になりそうだ……! こんなのが、いつまで続く……!?)

「じゅるるる、んむっ、あむっ、んむっ!」

――びゅるるるるるるっ!! どびゅるるるるるるっ!!
――どぴゅっ! びゅるっ! びゅるるるっ! どくっ! びゅるるるっ!!

「あはっ! んぐっ……! こくっ……! こくっ……!」

「むぉ、お、ぉぉおおぉぉっ……!! お……! ぉあっ……!!」

二度目でも全く勢いの落ちないマンティコアの口淫と自らの射精の激しさが、まだまだ終わりは遠いと暗に語る。
まだか、まだなのか、まだ終わらないのか――。
彼の焦りを嘲笑うかの様に、時間はゆっくりと過ぎる。

――じゅぽっ、じゅぽっ、じゅぽっ……
――びゅるっ! びゅっ! びゅるるるるっ! どびゅーーっ!!

――ちゅぱ、ちゅぅぅっ、れろれろれろ……
――どくっ! どくっ! どくっ! どぷぷぷぷぷぷっ!!

「むぉ……ぁ…………はぁーっ……はぁーっ……はぁーっ……」 

マンティコアの口に6発目の射精。
ペニスは未だ萎えず、それどころか射精の勢いは少しずつ増してすらいる。
一度目すら信じられない程に大量に吐き出したのに、今やその倍の量を一度に射精している様にも感じる。

(身体の感覚も……いい加減麻痺して来そうなものなのに……麻痺どころか、どんどん敏感に……このままじゃ……)

口を抑える手に込められた力は徐々に弱っている。
――体力の消耗によってではない、心が屈しかけている。

(だ、ダメだ! 仲間の命は、俺にかかってるんだ! 今、諦める、訳には……!!)

「……強情だねぇ、まだ辛抱するなんて……じゃあそろそろ、『コレ』を使っちゃおうかなーっ……♥」

マンティコアは、その背後でくねくねと揺れていた尻尾の先端を手繰り寄せる。
先端がぐぱぁっと開くと、中で無数の肉の突起が蠢いているのが見て取れた。
初めはこれで仲間の頭を貪り食らうつもりかと思ったが、今は違うと分かる。
これの「正しい」使い方は――。

――くちゅ……
――じゅぷぷぷぷぷっ!!

「――ッッ!!!!」

「口」がペニスを咥え込んだ直後、一気に尻尾の中へと飲み込んで行く。
それと同時に伝わる、肉を掻き分ける感覚。
肉の突起の一つ一つが、ペニスに絡み付き、扱き、引っ搔き回す感覚。

「――っ!! ――っ!! ……っ、はぁっ……ぁぁ……っ……く、ぉぉぉ……」

それまでのマンティコアの口淫が児戯にも思える程の激しい快感は、否応なく声帯から悲鳴を発させた。
彼は必死で腕に力を籠める事で無理矢理それを口内に留めさせるが、皮肉にもその姿は余計にマンティコアを喜ばせてしまう。

「もう限界なんて超えてるだろうに、いじらしい事だねぇ……そんなの見せられたら、余計にいじめたくなっちゃうじゃんか……♥」

――じゅぷっ! じゅぷっ! じゅぷっ! ぱんっぱんっぱんっ!
――ぎゅぅぅっ……ぎゅぷぷぷぷ……じゅぽぽぽっ……ずりゅりゅりゅりゅ……

「んむっ! んむぅっ! むぅぅううぅうぅっ! むぉぉおぉぉぉぉっ……!!」

激しく上下させる荒っぽい刺激が、強引に彼の精神力を削り取って行く。
思わず浮き上がる腰は、尻尾から逃れようと右に左にと動くが、尻尾は易々とそれに追随する。

「逃がさないよー? 逃げられないよー? そんなんじゃ逃げられないよぉ?」

――じゅぽっ、ずりゅりゅりゅ……ぎゅむ、ぎゅぷぷっ
――にゅるにゅる……じゅるるるる……じゅぽっ、じゅぽっ……

激しく責めたかと思えば、今度は柔らかく締め付けながらゆっくりと抜き差しする甘い動き。
一気に絶頂まで持ち上げられた次は、恋人にでもするかのような甘い責め。

――……びゅーーっ! びゅるるるっ! びゅるるるっ! どぷどぷどぷっ!!

「む……もごぉぉあぁぁぁっ……!!!!」

射精を堪えるなど不可能だった。
それまでよりも更に激しく、尻尾の中に精液を放つ。
その最中にも、尻尾の動きは止まらない。

――びゅるるるるっ!! どぷぷぷぷぷぷっ! びゅるるるーーっ!!
――じゅぽっ! じゅぽっ! にゅるるっ! ずりゅりゅりゅっ!!
――ごぷっ! びゅるるっ! どぷどぷどぷっ! びゅーっ!

「あはっ! さいっ……こう……♥……君の精液、最高だよ……♥ やっぱりこっちから味わうと違うねぇ……♥」

「むぁぁぁっ……! むーーっ! んぐぅぅぅぅぅっ……!!」

恍惚の表情を浮かべるマンティコアに対し、彼は最早死に物狂いといった風であった。
射精直後の敏感なペニスを尻尾内の肉襞に激しく刺激され続けられ、意識を保つのがやっとなまでに追い込まれている。
そんな様を見たとて、マンティコアに手を緩めるなどという甘さは無い。

「ねぇ、そろそろ苦しくなって来たんじゃない? そろそろ楽になろうよ、ね? 声出した方が気持ち良いよ?」

――ぎゅぅぅぅっ! にゅるるるるるっ!!
――ぎゅぽっ! ぎゅぽっ! ぎゅぽっ! ぎゅぽっ!

「んーっ! んーっ! んんんんーーっ!!」

誘いの言葉と共に尻尾内の締め付けを強め、より強い刺激を与えながら尻尾の動きを速める。
それでも口を押えたまま首を振り乱す彼は、否定を示すというより単に声を出すまいと必死になっているだけであった。
その意地も、限界が近付いている。

――どぷんっ! どぷっどぷっどぷっどぷっ!! びゅーっ! びゅるるるーっ!!
――ごぷっ、どぴゅっ、びゅるっ、びゅるるるっ……!! ぶびゅぅうぅっ!!

続けざまに尻尾の中に射精。
しかしそれでもまだ尻尾の動きは止まらない。

「んんんっ!! んむぅ!? むぐ……! ぐ……おぉぉおおぉ……」

――じゅぽっ! ずぽっ! じゅぽっ! ぐちゅっ!
――ぢゅぽっ! にゅるるっ、ずろろろっ……!! ぢゅぽっ!

「限界? ねぇ、そろそろ限界? まだ? もう我慢するのは良いんじゃないかな……♥」

――ぶびゅっ! びゅるるるる、びゅるるるるるっ!! ぶびゅーっ!
――ごぷっごぷっごぷっ、どぷっ、どぷどぷどぷっ……!!

「はぁーっ……!! むぐ……ぁぐぅ……! が……」

――にゅるるるるるっ……ちゅぷぷぷぷぷ……ずりゅずりゅずりゅ……
――むにゅ、むにゅ、むにゅ……

「どう? こんなのも良いでしょ? おチンポもみもみされながら、亀頭もコリコリ……」

――びゅるっ! どぷっ! びゅるるるっ! びゅーーっ!
――びゅるるるーーっ! びゅるーっ! どぷーっ!

「ぁあ……ぁぁぁぁぁ……むぉぁ……はぁーっ、はぁーっ……!」

――むにゅむにゅむにゅ……もみもみもみ……
――ちゅぅぅぅっ……ちゅぅぅぅぅぅぅっ……!

「尻尾の中でヒダヒダが蠢いて、おチンポをチューチュー……♥ 人間じゃこんなの味わえないよぉ? ある意味ラッキーだねぇ君♥」

――ずぽっ! ずぼっ! ばちゅっ! ごちゅっ! ずりゅ!
――にゅりゅりゅりゅ! ぐりゅりゅりゅりゅ!!

「はぅっ……! く……! ぅぐぐぐぐ……!」

――びゅるるるっ! どぷっ! びゅるるるるるーっ!!
――びゅっ! びゅっ! びゅるるるるるっ!!

(いつまで……! 一体、いつまで……! こんなの……もう……!)


――文字通り休み無く続いた尻尾による搾精責めは、80発目にしてようやく止まった。
息も絶え絶え、意識を保つための気力さえ失いかけている彼とは逆に、マンティコアは全く消耗の兆しさえ見せない。
それを目の当たりにした彼の表情に、絶望が漂い始めていた。

「正直驚いたよ、まだ耐えるなんてね。でももういい加減そろそろ分かって来たんじゃない? アタシには勝てないって」

「ふーっ……ふーっ……ふーっ……」

込める力、口を押える力も弱り、口の上に置かれているだけも同然の手と腕。
動いてもいないのに、ただ尻尾に咥え込まれているだけのペニスから伝わる甘い快感。
最後に彼の意識を繋ぎ留めている意地さえ、今や折れかかっていた。

「……でもこのままじゃ面白くないし、最後のチャンスをあげよう」

「――この尻尾、君の手で抜いてみ? 抜けたら、ここでお終いにしてあげる。君の勝ちで良いよ」

――どうせ罠なんだろう。この期に及んで見逃す訳がない。
そう分かってはいつつも、ここで終わりのチャンスと聞いて飛びつかない訳には行かなかった。
仮にでも勇者なら、罠の一つや二つ踏み抜いて行け、そしてそのまま踏み潰せ……。
粉々にされ欠片程のプライドと意地をかき集め、上体を起き上がらせる。

「ふふふ……声を出さずに抜けるかな? 片手じゃ抜けないだろうけど、両手だと口を押えるものが無くなっちゃうからね♥」

(そんな事は分かっている……誤魔化しは効かない……一発勝負だ……)

――ずぷっ……! ずぷぷぷぷ……

「んぐっ……! く……!」

尻尾を両手で掴み、ペニスの根本まで食らい付くそれを少しずつ引き抜いて行く。
引き抜く間も、亀頭を尻尾内の突起が絡み付き、弾いて行く。
1cm、2cm、3cm……!

――ずぷぷぷぷ……!

――焦るな、焦るな……もう少し……!
ゆっくり、だが確実に尻尾は引き抜かれて行く。
甘い刺激に顔を歪ませつつ、漏れそうな声を噛み潰しつつ。

(もう、少し……!!)

――ずぷぷぷぷ……
――……ずちゅんっ!!

「く……ぁあああぁぁあああっっ!!??」

「あはっ……♥」

――じゅぽっ! ぐちゅっ! じゅぽっ! ずぽっ!
――ぎゅっ、ぎゅっ、ぎゅっ、ぎゅっ! じゅぽっ! じゅぽっ!

……何が起きた?
何故俺は、自らマンティコアの尻尾を使って、自分で扱いている?

――ばちゅっ! じゅぽっ! ぢゅぽっ! ばちゅっ!
――びゅるっ! びゅるっ! びゅるるるるるっ!!

「うあぁぁあっ!? ……何で、どうしてっ!!?」

「残念、ゲームオーバー♥ 惜しかったねー、あとちょっとだったんだけどねー♥」

「――アタシの尻尾のトゲには強力な媚毒が含まれてるんだけど、気付けなかったかぁ……いやぁ残念、君の負けだよ♥」

――声を出してしまった。
その事実に後から気付く。

「君も、君の仲間たちも皆食べちゃうから……後で、私の胃の中で仲良くねー……♥」

――自分の所為で、仲間は、自分は、もう助からない。

「ほら、もうゲームはお終いだからさ……♥ 最後に思いっ切り、声出しちゃおう?」

マンティコアが尻尾から抜いていた力を再び込め、激しい責めを再開させる。
口から「ひっ」と小さく怯える声が出て来た事に後から気付いた。

――ぢゅぱっ! ばちゅっ! ずちゅん! ぐちゅっ!
――ぐりゅ! ごりゅ! ぐりゅ! ぐりゅ!

「ひぐぁぁあっ! あぅ! うぐぁぁあああっ!! ぁああぁぁぁあああああっっ!!」

「あはははっ! それ! それだよ! その声が聞きたかったんだぁ!」

「ひぃっ! ひぃぃいあぁぁあああっ!!」

正に堰を切るかの様に口から溢れ出る喘ぎ声。
堪える理由すら無くなった今、腕は強烈な快感で弾けそうになる頭を無意識に抑えていた。

「うぁ、ぁ、あ、あぁ……!!」

「あ、射精しそう? 出して……♥ もう限界っぽいし、これが最後かな? ほら、最後の射精、頂戴……♥」

――ずぷっ! じゅぷっ! ぐちゅっ! どちゅっ!
――ぎゅぷっ! ぎゅぷっ! ぢゅぬっ! ぢゅぷっ!

「あ、あ……あぁぁああぁぁあああああああっ!!!」

――びゅぶっ! びゅるっ! びゅるるるるるるるるるるるるるっ!!
――びゅーーっ! びゅぶーっ! ぶびゅるるるるるるっ! ぶびゅるるるっ!
――どびゅるるるっ! どぷっ! ごぷっ! ごぷっ! どぶどぶどぶっ!
――びゅっ、びゅるっ、びゅるるるっ、どびゅーーっ!! ごぷっ……!

それは心が、身体が、魂が、全て流れ出るかの様な、激しい射精。

(ごめん……皆…………俺の……せい……で…………)

頭を埋め尽くしていく快感の中、ほんの少しだけ残された領域で仲間への謝罪を残し、彼は意識を手放した。


*


――深夜、暗黒魔界の一角。
通りに面したそのアパートは、どの部屋からも愛し合う夫婦の絡み合う音と甘い声が漏れ出ている。
その部屋も同様だった。
ベッドの上では、一匹のマンティコアが一人の男――今や彼女の夫となった元勇者の男に腰を打ち付けている。

「はぅ……ぁんっ…………良いところ、あたって、るぅ……♥」

「出るっ……出すぞっ……!」

「来て……♥ いっぱい頂戴っ……! 貴方の精液で、私のこと、孕ませて……♥」

――どびゅっ! びゅーっ! びゅるるるるるっ! どぷどぷどぷどぷどぷっ!!
――ごぷっ! どぷっ! びゅるるるーーっ!!

「あは……♥ んんーっ……♥ きたきた……25発目……♥」

「――あ、日付、変わってる……ねぇ、覚えてる? 今日が何の日か……」

「あぁ覚えてるとも、忘れる訳がない。……俺らが出会った日だ」

「今だから聞くけどさ……」

「ん?」

「あの後、ここに来て一週間後だったかな? 君のお仲間達が、みんなここの魔物のお婿さんになってたの見て、どう思った?」

「…………最初に思ったのは無事で良かったって事だけど、その次は……それとは別に、安心した」

「無事だったのとは別の『安心』ねぇ。その心は?」

「皆の中で、俺だけがこの快楽を独り占めしてるのかと、ちょっと申し訳ない気がしていたんだ。でも、皆伴侶を得られたのなら……って」

「へぇ……どこまで行っても君はあの子らのリーダーなんだねぇ」

「仮にでも幼馴染だからな。……でもあの子だけ魔物化したんじゃなくて、最初からダークプリーストでしたってのには驚いたぞ」

「実はあそこで野宿する事になったのも、それ以前に20歳になったら旅に出るって事になったのもあの子の差し金だった、と言ったら?」

「…………用意周到さと気の長さに感心するやら呆れるやら……つまりあそこで君と出会ったのは必然だったのか」

「そういう事! 因みに、実は弓兵の子とデキてたってのは?」

「それは薄々そんな気がしていたから驚きは無かったな」

「知ってて黙ってたんだ?」

「まぁな……今度は俺から聞いても良いか?」

「なになに? …………んひぃっ!?♥」

「最近、君の弱点を突く余裕が出て来た、って言ったら?」

「このっ! 生意気っ、なぁっ……♥ ぁんっ!♥ ひぃんっ!♥」


夜明けには、まだまだたっぷりと時間はある。




おしまい
19/09/06 21:28更新 / あーるぐれい

■作者メッセージ
この後彼は、やっぱりまだちょっとインキュバス化が足りず、逆転し損ねてまた搾り取られてしまったそうです。

今度はもうちょっと早く戻って来ます……。
ご意見・ご感想お待ちしております。

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