第3章

ホーネット?
好きか嫌いかなら、うーん、まあ好き寄り、かしらね。
あいつらがいるとハニービーが近くに寄ってこないから。

でもたまにハニービーと男の取り合いで喧嘩するのはやめてほしいわ。
結局、どっちがその男を気持ちよくさせられるかで勝負するんだもの。

そんな気ないのに見せつけられたらムラムラしちゃうし、勘弁してよね。

―とあるアルラウネとの語らいの続き




アカオニが断酒するようなもの。

―ジパングの諺 無駄なこと、無理なことのたとえ




あのさ、かぶった塩の量と肉体年齢の変化の関係について気になるのはわかるよ?
普通の塩、岩塩、種類によってどうなるのか、僕も興味はあるさ。

でも、ジパング産のワサビ塩は、試す前に一言言って欲しかったかな。

―おおなめくじの夫 病室での一言




人の認識と認識のはざまに潜み、絡み手をもって襲い来る。
気をつけろ。奴らの戦法は見た目以上に柔軟だ。

―主神教海兵団の教訓




ふんわりぷかぷかゆーらゆーら。

彼女たちは日がな一日、波に流され漂い暮らす。
のんびり屋な彼女たちは周りに流されることも多いけど、
好きなものだけは絶対に譲らない強かさもある。

―海洋学者の観察日誌




時が移ろい、人間がただの餌から愛すべき存在、よき友人となった。
断言はできないけど、きっとそのこと自体は良いことだと思う。

…でも、だからこそふと考えてしまう。

彼らが永遠に帰らぬ旅に出たとき、私は、笑って彼らを見送ってあげられるのか、と。

―とあるサキュバスの独白




ふっ、その宝箱は間違いなく本物だったよ。
なぜなら、世界にひとつの、僕だけの宝物が入っていたからね!

―気障な冒険者の惚気話




マーメイドたちは歌い上げる。
美しき恋の歌を、愛しき者への賛歌を。

だが、彼女たちが悲恋を歌いあげることはない。

それは自分たちが「人魚姫」では決してないという、確固たる意思の現れなのだ。

―さすらいの吟遊詩人 導入の語り




盗人に財布をスられたとき?そりゃ慌てて追いかけたさ。
宵越しの銭は持たないなんて言うけど、悲しいかな、俺の稼ぎじゃ生活に困っちまうからな。

でも盗人が走ってすぐに急に突風が吹いてさ、そいつ、たまらず尻もちをついたんだ。

偶然かもしれないけど、あれ、カラステング様の御業と思うんだよな。

―奉行所の事件記録より




この前さ、うちのカミさんが好きな人参が畑で採れたんだ。
だからカミさんに「見ろよ、おっきな人参!」って言ったら顔を赤らめてさ、そのあと俺の手に持った人参見てハッとした顔をして、あわててうれしそうな顔をつくったんだ。

…何と勘違いしたんだかな。

―とある農夫の世間話
24/04/15 22:16更新 / ルーカ

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