Biginning〜影と友達と学園生活〜

「君は何か守りたいものはある?」
「うん!あるよ!」
「それは何?」

これは…

「お母さんに、お父さん、それに友達のみっちゃんにりゅうくん」
「守りたいものが多いのね、良い事だわ」

またこの夢か…

「どうしてそんな事を聞くの?」
「うん?私は守る事ができなくなったの」
「なんで?」
「何かを守るためには何かを犠牲にしなくてはならない、私には夫や子供がいるからその人達を犠牲にしたくないの」
「ふ〜ん…」

髪の毛が白くて長く、瞳は血のように真っ赤

「子供の君にはちょっと難しかったかしら?」
「うん、あんまりわかんないや」
「ふふ、そうよね、君なら可能性は無限大…私の未来を託すわ、さっ目覚めて?」


はぁ、毎回なんでこんな夢を見るのだろうか
一体、あの人は俺に何をさせようとさせているんだ?

殺風景な部屋の中、カーテンの隙間から差し込む朝日に目が少し眩む、やはり朝は苦手だ
俺は忍野 星夜(おしの せいや)特殊な力を持った人間、その特殊な力は影を操る事、自分の影を伸ばして物を掴んだり網状にして人を確保することができる便利なものだ
あともう一つは「おーい!星夜!」

うん?この声は我が親愛なる幼馴染A長宗我部 龍(ちょうそがべ りゅう)じゃないか

「学校に遅れるぞ!」

そういえば、今日から高校だったか…3月25日という何とも中途半端な日から始まる事をすっかり忘れていた

「今行くから待ってろ」
「おう!」

俺は急いでタンスに掛けられていた高校の制服を着て鞄を持ち一階に駆け下りて「丸薬」の袋を掴んで外に出る、もちろんその時は鍵を閉める
今日も日差しが強そうだ

「アンタも大変ね」

お?いつの間にか幼馴染が増えている、彼女は水無月 美鈴(ミナヅキ ミスズ)
幼馴染Bだ

「まぁ、慣れだ、それとこの丸薬があれば大抵空腹にならないし」
「お前の健康状態が心配だよお兄さんは」
「俺はいつお前の弟になったんだよ」

俺たちは幼稚園、小中高同じでつまりは幼馴染だ、悪く言えば腐れ縁

「二人とも遅れるよ!!」
「はいはい、わかったよ」

三種類ある丸薬の一つ、兵糧丸を口に含み歩いていく、ほのかに口の中に広がる苦味が俺の眠い目を覚ましてくれる
兵糧丸は「一つ食べれば一日動き回れる」という効果がある、実際俺もこいつのおかげでこうして生きていられるありがたいものだ

「なぁ星夜」
「何だ?龍」
「例のブツ持ってきたぞ?」
「おっ!あれか…そちも悪よのぅ」
「ぐへへ、そんなに褒めねぇで下せぇよ、お代官様」

例のブツそれはとあるサイトが出版している本、名を魔物娘図鑑という
俺たちは二人で金を割り勘してジャンケンで負けた龍が年齢を偽りメロンブ○クスで買ってきた
今の時代高校生がエロゲーやエロ本の一冊や二冊持っていたって不思議はない
このサイトを知ったのは大体一年前、それからはどっぷりと二人とも魔物娘にはまってしまった、ちなみに龍が好きな魔物娘は龍やドラゴンだそうだ
名前が大体被っているから親近感があるらしい
え?俺の好きな魔物娘はなんだって?実はパソコン持っていないからキャラソもやっていないし、まだ種族の名前を暗記しきれてないんだ☆
龍が俺の鞄に魔物娘図鑑が入ったメロンブ○クスの紙袋をスッと入れてきた
これで俺も魔物娘に詳しくなれるぜ…うへへ

「…………」

頼むから美鈴、俺を汚物を見るような目で見ないでくれ
俺たちは通う高校に着いた、これからまた何も起きないつまらない日常が始まるとなると憂鬱な気分だ





でも、そんな日常は今日で終了するとは思わなかった





「人がいない…」
「なんで…この時間帯なら慌てて教室に入っている人がいてもおかしくないのに」

何かがおかしい、一体何が起きているんだ?
この高校は人数が少ないわけではなく他の高校と比べると多いはずなのに今は人の気配がしない
人の気配だけではない、車の走る音や小鳥のさえずりさえも聞こえない、これじゃまるで俺たちだけしかいない世界じゃないか


『ズサッ』

後ろからグラウンドの砂を踏みしめる音が聞こえたので振り返ってみた
そこにいたのは黒い何かだった

「な、なぁ、あれ何なんだ?」
「知らないわよ…とにかく離れましょ」
「そうだな」

『ズサッ』

俺たちがその場を離れようとするとまた砂を踏みしめる音が聞こえた…
あの黒い何かは確実に動いている、落ち着け…こんな時の対処法は…

「アレで逃げるから俺に掴まれ」
「あいよ、頼んだぜ」
「しっかりつかまっていろよ!!『影楼(カゲロウ)』」

二人に手を伸ばして二人が俺の手を掴むことを確認した俺は力を使い一気に1/10秒の世界にして校舎の中に入った
さっき言いそびれたもう一つの能力は『影楼』という10秒間だけ自分の移動速度を1/
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