…着いた時にはすべては終わっていたんだ…
一体目は、鎧を貫く強い一撃によって胸を突かれて即死。
二体目は、うつ伏せに倒れていて、ひっくり返すと首が取れた。
三体目は、手当てしたら助かっただろうに…出血死。
四体目は…もう言いたくない。
俺は虚ろな目で空を見上げて、今までに起こった事を考えていた。
祖国のデルウェーヴェは、隣国のレヴァトーニャとの戦争で緊張状態が続いていた。
戦争は泥沼化し一進一退の争いが日々断続的に行われ、早10年の時が過ぎた。
最初は些細な事だったらしい。
兵士同士の些細な喧嘩、思想の対立…いつの間にか最大の友好国で在った
レトヴァーニャは、最大の敵国になっていた。
おっと…申し遅れてしまった。
俺は、ハインケイル。
ハインケイル・ゼンガー=シュヴァルツシルト。
この国には珍しい黒髪なので、印象に残りやすい…とよく言われている。
まぁ、デルヴェーヴェ王国王立騎士団第18騎兵部隊の所属だった…者だ。
さて…話を戻そうか?
俺が8歳の時から戦争が始まり、15歳の頃に騎士団入った…
デルウェーヴェ王国王立騎士団…その歴史は古く、この国の建国時に組織された。
本来の任務は、魔物の討伐や街の防衛などが主なのだが。
戦争が始まった今は、最前線で戦う軍隊となっている。
もちろん普通の職業よりは給与も高く、憧れの職業となっているのは、今も昔も変わらないのだが。
様々な経験を経て…18歳になった今軍の補給部隊として戦争に従事している。
俺が騎士団に入った理由は、この国を愛していたから…
もちろん戦争の終結に少しでも手を貸したかった。
自分で言うのもなんだが、剣の腕は立つ。
騎士団でも成績優秀で、騎士団長のフォーゲル様とも面識がある…いや実際にあったのは後の事なんだが…。
訓練を終えた俺は、前線部隊へと配属された…しかし大体2年経ってからだろうか
なかなかの戦果をあげる事が出来るようになった俺は、この国の為にと躍起になっていたのだが…
その後の異動で、後方の輸送部隊へと編入されてしまったのだ。
始めのうちは、何かの間違えじゃないか?と上官に異論を唱えたが…
「騎士団長の意向だ、覆す事は出来ない」と押し返されてしまった始末だ。
この時だ、実際に騎士団長にあったのは。
異論を自ら唱えに行ったのだが…気にすら止めてもらえなかったのは、言わずも分かるだろう。
如何もあのお方は苦手だ、考えてる事が分からない…俺の異動だってそうだ。
成績優秀の騎士を、何故後方の補給部隊に配属させる必要があるんだ?
かつての戦友からは「きっと戦場でへまを起こした」やら「調子に乗るからこんな事になる」とか
まぁ相当な罵られ方をした訳だ。
かつて前線で活躍していた若き騎士は…今や戦闘とは関係のない荷馬車に乗っている。
「おーい!ハインケイル!お前、補給部隊に送られた事、まだ落ち込んでんのかぁ?」
今俺に話しかけてきている小柄な金髪野郎は、バレンダ…俺と同期で騎士団に入り、成績は
底辺…と言ったら可哀想か…。
コイツは、最初から補給部隊に所属していた為、前線で活躍していた。
俺より、先輩に当たる訳だ……はぁ…。
まぁ兎も角、仲が良い事には変わりないが。
「いい加減そのネタを引っ張るのをやめてもらえるか?」
きつい口調で返す、これが何時ものやり取りなのだ。
俺たちは今、首都ランカスから東に100km以上も離れているキャンプに補給を行う為の道のりの途中だ。
ここら辺は魔物も徘徊するエリアだ、しかし荷馬車には魔法で障壁を張ってある、魔物は絶対に入ってこれないだろう。
「ったく…後何時間掛かるのだろうねぇハインケイルよ」
こいつは何時もこうだ、1時間に一度はこの手の質問をする。
いい加減ウンザリと言いたいところなんだが…返してやらないと10分後には、またこの質問をするだろう。
「あと4時間って処だろうな、運よく何も起きずに進んでいるからな」
馬4頭に満載の荷馬車を引かせている。
護衛は4人、俺とバレンダが先頭の馬車、残りの二人は後続の馬車に乗っている。
森のただ、木を切ったような獣道紛いの道を通る。
荷馬車が揺れ荷物がギシギシと音を立てて揺れている。
空には木々が生い茂っていて、木漏れ日が俺たちの頭上を照らしている。
「ふあぁ…こんな良い天気には、ゆっくり昼寝でもし…」
ヒュン…
一瞬の事だった、最初は何が起きたのかは分からなかった。
その直後の声で現実に引き戻された。
「てっ!敵襲!」
俺の横を通り過ぎたのは矢だった…その矢は…
「バレンダ!!しっかりしろ!!」
俺はバレンダを荷馬車から引きずり下ろし、馬車を盾にして矢を防ぐ体制に入った。
連続で矢が飛んできている…恐らく盗賊の部類であろう。
「おい!バレンダ!」
しかしバレンダは返事を返さな
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