カヌクイ 番外編 床の間ダベり編

「はい、枝節家の床の間からお送りします司会のカンジナバルでーす。ここらへんはまだ寒いのでコタツが現役です。素晴らしいわね!」
「・・・・・」
「あ、ミカンだありがとー妹よー。さて、今回は長くなりがちなエピソードが全然進行していないし、シリアスに飽きたというメタ的なお手紙をいただいたので我々姉妹がお送りします。丁度良く息抜きできたらこれを消して後篇をアップするかもしれない、だそうです。それにしてもこの手紙適当過ぎるわね。反響もないだろうから場繋ぎ的って、何の話?あ、ちなみにアマトリちゃんにはペンとメモ帳を用意してみました。速記できる子なのでこれで安心」
『そうは言っても、あまりおしゃべりも、得意じゃないから』
「いーのいーの。細かいところはさっき呼び出したババァとなんとかすっから。気にしないで」
「・・・誰がババァですって?」
「あ、いらっしゃい。ちなみに彼女、私とダーリンの出会いにケチをつけてくれた校長先生ですっ」
「入学早々教室で騒ぎ起こせば当たり前でしょうが!だいたいババァババァって私はまだ240歳よ!」
「私は184歳だもーん。やーい」
『桁が違い過ぎて人間にはよく解らない争い』
「魔物だもんねー。しょうがいないよねー」
「その点に関しては仕方ないわね。魔物である我々は、元々の世界でもマイノリティだし。基本的に感覚が違うわね。それでも、人間との付き合いがそこそこある私達って、そこらへんが曖昧になりつつある気もするけど」
「まー、数少ないのも今のうちで、もうちょっとすれば男の取り合いで人間の女と戦争になる規模になりそうだけどねー。うふふのふ」
「物騒な事を言うのはやめなさい。ところで、こちらに来た面々は、比較的にそういった反応、性的な衝動が少ない事の理由は知ってる?」
「そりゃ魔王の影響が少ないからっしょ。元々は魔王の代替わり、現魔王であるサッキュバスの影響で女性化が発生し、その所為で知性と性欲という危険な武器を手に入れた魔物と人間のアレやコレを使った交流が始まったわけで」
「概要はその通りね。でも、それならこの世界では女性化も解けていないとおかしい話にならない?」
「あー、私とかアマトリって、元々が女だし、人間体あるからよくわかんないのよね。そこらへん」
「なるほど。ここからは私の仮説だけれど、女性化はある程度固定されているのかもしれないという仮説があるの。知性化や女性化は身体的に大きな変化で、代替わりの時に行われた巨大な魔力によって行われた世界の規模の改革でだったかもしれないけど、性欲ってのはどれだけ強くても単なる欲求でしかないわけで、言うなれば魔力という魔王より放たれ空気に蔓延するフェロモンの影響で活性化されているような面があるのではないかという話」
「よくわかんないけど、女の子になっちゃう世界構造が確立されちゃったから、一度変化した女の子は戻らないけど、魔王のムンムンとした色気に当てられた魔物は、同じようにムラムラしちゃうって話?」
「・・・貴方の解釈だと途端に軽くなったわね。けど、そんな仮説もあるという話。それだけよ」
「まー、あっちの世界ほどはムラムラしないわね。けど、なんというか、私の男見てると、こうへその下あたりから猛烈なものが湧きあがってくるのもまた確かでなんかもういっそ押し倒してイケない個人授業やっちゃいたいんだけどあぁもう想像しただけで若干耐えられなくなりそう」
「・・・とりあえずあの子に手を出したら殺すわよ」
「あ、やだ。嫉妬?やーねー、これだから独り身って」
「人聞きの悪い事言わないで欲しいわね!生憎と男に不自由してないわよ!」
「コイビトがいないのにー?やーねーこれだから性欲滾っているおばちゃんって」
「・・・小娘、龍だかトカゲだか知らないけど、そろそろ表へ出なさい」
「ん?やるの?いいわよー。なんか最近溜まっててイライラしてたとこだし」
「そう。心臓、一度止めてみる?」
「いーうーわーねー」
『二人が外へ出てしまったので、私が後始末を。こちらの手紙の追記には『カヌクイと閉鎖(後篇)は全然進んめてないし、もう一度文章練り直そうかと思ってます。極少数のお待ちいただいている方は申し訳ありません』と』
「っだらぁ!それじゃあさよなら!うらー死ねぇぇぇぇぇぇえぇえx!」
「ところで私は何時まで校長って表記なのかしら!?」
「本編で名前出るのを期待しないで待っとけばいいでしょ!」
『それでは』



                     − おしまい −

11/04/02 09:32更新 / ザイトウ
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