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令和元年 5月1日
 16時10分

自宅の自室にて、万年床と化している布団に寝っ転がり、新年号『令和』と表示されているスマホのカレンダーを見る。

「あーあ、令和になったっていうのにニートかァ......。 いい加減、本腰を入れて就職活動しないといけないってわかってるけど、なんかなぁ...」

前職を辞めてから8カ月。
未だに自分は実家でニート暮らしをしていた。
気合入れて働けよニート風情が...と、思うかもしれないが、一応言い分くらいは聞いてほしい。

自分は発達障害者...いわゆるアスペルガー症候群を抱えていた。
前職は障害者枠で就社し、一応は3年間勤めあげた。
...のだが、障害者雇用で働いていたのだが、職場の人間に理解を求められないわ、サボる健常者の仕事を全部自分にやらせるわ...と、職場の人間に理解が無かった。
加えて、障害者を支援する立場の組織の人間も酷かった。
就職してすぐ一度やってきて、『次は1カ月後に来ますねー』と言ってから、次に来たのは1年と2カ月後であった。
一度それに対する文句を言いに行ったら、『前任者から引き継ぎに不備がありました、ごめんなさい。 来月に職場に伺います』と一度頭を下げられた来るかと思ったら.....こない。

その間も頑張れば頑張るだけ仕事と負担は増え、理解もない上司から罵詈雑言を浴びせられ...。
とうとう心身に限界がきたために仕事を退職した。

それからというもの、自分はずっと日がなネットネットのクソニートと化してしまった。
いい加減仕事を見つけないといけないと思ってはいるのだが、求職サイトを見てはあれもこれもダメそうだ、まーた同じことになるんだろうな...という気持ちが先行して腰が上がらないのであった......。

「自分にあった仕事を見つけろっていうけどさー、自分に合うことを理解してるやつってどれくらいいるのよ...」

現代人にとって、自分の向き不向きを理解している奴なんて数えられるくらいしか存在しないのではないか。

「あーやめやめ、何が悲しくって令和早々無いものをねだろうとしているんだか...」

この場でいう無いモノとは、この世界における自分の居場所だろうか。

「こういう時には魔物娘のSSでも見るに限るね...」


令和元年 5月1日
 16時16分16秒

一人、この世にはいないであろう存在に思いを寄せながら、いつものようにスマホからモンスター娘の総本山......クロビネガのページを開いた...。

だが、そこにいつものトップページは表示されない。
そこには『いくつかのご質問にお答えください』という無地のページが開かれていた。

アンケート(?)の実施人は...<入国管理センター>、と書かれていた。

「魔王軍が異世界で何やってんだよ...」

バッカじゃないのと思いつつ、『質問に応える』というリンクを押した。


まず目に留まったのは、
<YES or NO でお答えください>
...と、書かれている文面。

なるほどそういう形式ね...。

次に自分はページを下にスクロールした。
アンケートは、
 1:あなたは男性である
   『YES』
 2:宇宙人はいると思う
   『No』
 3:異世界はあると思う
   『YES』
 4:何を置いても優先する存在がいる
   『No』
 5:何をやっても満たされない
   『YES』
 6:言い知れぬ虚無感を抱えている
   『YES』
 7:言葉はなくとも人間はわかりあえる、と思っている
   『No』


......うん、なんだこれ。
メンタルケア的なモンだろうか?
よくわからないまま問を進める。


 8:自分の未来に絶望している
   『YES』
 9:過去に自分はこの世界からすれば異物であると悩んだことがある
   『YES』
10:慢性的に周囲との違和感を抱いている
   『YES』
11:自分はこの世界では必要とされてないと思う
   『YES』


嫌な問いだ、完全に梅干し......いや、図星である。
どこかから自分の人生を見ていた上で考えたかのような問だ...。
少々機嫌を悪くしながら次に進んだ。


12:起きているのに夢を見ているような感覚に悩まされたことがある
13:そして、「今生きているこの世界は、もしかしたら夢なのではないか」という、漠然とした違和感を抱いている
14:異世界を舞台にしたフィクションや、異世界に行くフィクションに身を委ねているときだけが、原因の分からないモヤモヤを忘れさせてくれる
15:異世界に行けるなら行きたい


.........オイコラ。
やっぱりどっかから俺の事見てるだろ、オラッ!!
なんだコレ、なんの意図があってこんな質問を......。

完全に機嫌を
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