『僕は彼女に逆らうことができない......弱みを握られている......』

<『シコシコシコ......

「あともうちょい...」

二か月前に、20代半ばで失業してからある趣味ができた。

公園などの女子トイレに忍び込んで臭いをオカズにオナニーすることだ。
職を求めどもそう簡単には見つからない世の中。
当然ストレスも溜まるのだが......

ある日気分転換に日が沈んでから散歩していたのが悪かった。
日が沈んでからの公衆トイレは人が来ないことを知ってしまった俺は、こうやってちょいちょい忍び込んでは、個室内でオナニーに及んでいた。

今日も今日とて、女子トイレの個室に入ってオナニーしている。
最初は後始末しやすいよう便器内に射精していたが、最近では痕跡を残したくなり、便器に座って扉側に射精している。
自覚はあるものの、完全に『ザ・変態』である。

「うっ、イクッ......」

快感に身を委ねられたのも一瞬だった、ペニスから放たれた精液の飛んだ先を見て凍り付いた。


鍵を閉めていたはずの扉が開けられていて、長い銀髪をひっつめた黒い着物に白いレザージャケットを重ね着した女がスマホで自分を撮りながらニタニタ笑っていたからだ。
そして精液は、その女の着物に飛び散っていた。







「粗茶でございます」
「......どうも」

男の自分が深夜に女子トイレでオナニーしているという現場を変な着物ファッションの女(だが滅多にみない別嬪)に撮られてしまった上、

「あー今からあったかい茶でも飲みたいなー、でも一人で飲むのもなー」チラッ

......と完全に主導権(と弱み)を握られて、彼女の家までホイホイいかざると得なかった。

ついていった先は結構大きい邸宅だった。
中へ入り和室へ通され、出された茶を一口飲む。



「......で、あの写真ばらまくつもりですか」

自分は女に聞いた。
女はニタァッ......と笑いながら、

「それはお前さん次第さァ......。まぁーまさか、たまたま近くを通りかかったら独身男が盛ってる臭いがするから探してみたら、女子トイレでオナッてるとは思わなかったけどさァ?」

クククと嗤う女。

「......臭いで......ってことは、アンタも魔物娘か」
「そうだよ? あたしはぬらりひょん。これでも作家やってるモンさ、先生とでも呼んでおくんな」

女(とりあえず先生と呼ぶことにする)は、茶を啜った。

「まぁ、着物汚されちまったしィ? 誠意見せてもらってもいいよねーとは思ってるけどさー?」
「.........まどろっこしい、結論を言え」
「そりゃー、あたしだって魔物娘だし、そこはさぁ? みんな一緒ヨ」

......つまりコイツは体を要求しているわけだ。
エロ漫画で例えるなら、弱みを握られた少女が、汚いオヤジに体を提供すればバラさないと言われている辺りか。

とりあえず今は体をエサにして、隙を伺って写真を消してオサラバが妥当か......

「好きにすればいい、抵抗できる立場じゃないからな......」

好きにすればいいといい終わる前に畳に押し倒される。
鼻の先がくっつきそうな距離で、吐息を匂わせながら先生はつぶやくように言った。

「そう、それだよ、その言葉を待っていたんだ......」

下衆な女だ。
そう喋ろうとする前に、自分の口を口づけでふさいだぬらりひょん。

同時に、自分のジャージのファスナーに手をかける。
キスと同時にしている癖に、器用に下すと一旦口を離した。

キスだけで呆けている自分から上半身の服をはぎ取ると、ぬらりひょんは舌なめずりした。

「なかなか引き締まってるじゃないか、仕事は何をしているんだい」
「今は職なしだ、前の仕事は割と肉体労働だったが」
「ほほぅ...、おあつらえ向きな出会いだ......」

自分の腹から胸板、そして首、右頬へと舌を這わせるぬらりひょん。
頬からさらに耳へと舌を這わせると、今度はその右耳を舌で犯し始めた。
耳だけではない、ダイレクトで音が淫靡な聞こえるのだ、当然脳髄も犯されることになる。

「うっぁっ......」
「ぬちゅ...よしよし...」

ぬらりひょんは頭を撫でると、その手で下も一気に脱がした。
嬲られ続けた体は非常に正直で、早く女陰に入りたいとばかりに天を向いていた。

「よしよし、いい子だ......」

ぬらりひょんは耳から口を話すと、今度は自分のジャケットを放り投げ、帯を緩め、一糸まとわぬ生まれたままの姿となった。
その蛍光灯の光で照らされて見える女陰は汁を滴らせており、まだかまだかとひくひく蠢いていた。

25年守り続けた童貞を、こんな形で散らすことになるとは。
後悔とはまさにこのこと、それが顔に出ていたのか、ぬらりひょんに釘を刺された。

「抵抗するなよ? 写真を忘れるなよ? 大丈夫、ちゃんと
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まろやか投稿小説ぐれーと Ver2.33