とある魔界の、ヌーディストビーチ事情

自分は今世紀最大のアホである。

それはなぜか?

特に露出癖があるわけでもないのに、ヌーディストビーチにきてしまったからだ。
あまりにも救いのないポジティブさを見せるなら、友人カップルの誘いに乗った友達思いなやつとでも言えるか。

友人カップルは、数少ない俺の学生時代からの付き合いの男友達と、そのエキドナの嫁である。
なぜ自分も(強制)連行されたかというと、周りが既婚者ばっかで魔界暮らしのくせに女と縁がない自分に、『ここなら嫌でも彼女さんが見つかるよ!!』...と、気を使われたからである。

いや、どうだろうか。
ついてすぐに帰宅時の待ち合わせ時間を決め、奴らはビーチパラソルの下でパコパコ勤しんでおられる。

......ヌーディストビーチはそういうのは御法度?
いい質問だ、ここは『ヌーディストビーチ』という単語の頭に『魔界の』という単語がつくのだ。

『魔界のヌーディストビーチ』である。

ここでは『魔界とはいえ、ちょっとは公の場では慎もうぜ?』ってのが全面的に取っ払われている。
そのため、砂浜をベッドにパコパコされたり、ビーチパラソルとビーチチェアを用意して勤しんだり......。
全てがフリーダムである。
最低限のモラルとして強姦が禁止なくらいしかないほどだ。

友人共と別れて10分。
俺はヌーディストビーチでぶらついていた。
全裸になる勇気なぞないので、海パンでだけど。

......右も見ても左を見てもリア充がパコパコパコパコしている......。
嫌でも彼女ができるとか言ったのはどこのどいつだ!!
あいつだ友人だ!!

悔しくて、怨めしくて、悔しくて、怨めしくて、裏切られて、悲しくて、悲しくて、悲しくて悲しくて悲しくて、憎くて憎くて憎くて憎くて憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎――――――――

漆黒の殺意をみなぎらせながら歩いていると。
砂浜の、道路寄りの端でポツンと独りで座っている魔物娘―――――バジリスクさんを発見した。
何と言うかその......彼女も俺と一緒で......

悔しくて、怨めしくて、悔しくて、怨めしくて、裏切られて、悲しくて、悲しくて、悲しくて悲しくて悲しくて、憎くて憎くて憎くて憎くて憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎――――――――


......というオーラを出しまくっている。
自分がさっきまでそういうオーラを出しまくっていたにも関わらず、黒を通り越したどす黒いオーラに充てられて唖然としてると。
おもむろに立ち上がったバジリスクさんは、砂に尾を取られてコケて顔から砂に突っ込んでしまった。

「あわわわわ、大丈夫ですか?」

思わず駆け寄って彼女を起こす。

「あっ、はい......何とか......」

彼女は仮面をつけて視界を封じているにもかかわらず、正確に自分と顔を見合わせる。
......彼女もガスが溜まっているのだろう。
お互いガス抜きになればと彼女と話をしてみることにした。




「あー、エウレカさんも友人カップルに連れてこられたんだ」
「連れてこられたってもんじゃないですよ、連行ですよ連行!!」

改めまして、彼女はバジリスクのエウレカさん。
友人カップルに(強制で)連れてこられたという共通点から、自分はとてもとても彼女と話が進んでいた。

「それでそのサキュバスは言ったのですよ、『ここなら嫌でも彼氏さんが見つかるよ!!』...って。そんな簡単に見つかるなら苦労しないですよ!!」
「わかる、わかるよォ......」

彼女のサキュバス友人カップルも、自分の友人エキドナカップルも、積極的に男を捕まえに行く魔物娘だ。
それらと比較すると彼女が悲観的のもわかる。
自分だって同じだったもの。

「......あのさ」
「......はい......あの、デルキメアスさんも、今、同じこと考えてるんですかね...?」
「......ちょっと二人で歩いてみようかって考えてたけど...」
「ぜひ」





「しっかし、予想以上に恥ずかしいですね......」
「......図鑑絵の人はだいぶ露出してますよね?」
「よそはよそ、うちはうちです!! 私はガッツリ着込むタイプでした、っから...」

二人で波打ち際を歩いている......全裸で。
何をトチ狂ったか、同じ境遇の人がいたということでテンションが上がり、全裸で並んで歩く方向に話が進んでおり、この惨状である。

左側を歩いているエウレカさんに目を向けると......
揺れる揺れる、ごっつ揺れてる。
上半身の二つの巨大な『禁断の果実』がごっつ揺れている。

それにして、エウレカさんてかわいいなー...
でっかいしなー、本当に...

「あの、デルキメアスさん...
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