ワイト×ワイト×ワイト 〜三つ子の魂百まで、も〜

「ハゥッ、イクよっヴィクトリア......!!」
「アナタッ......キテェッ!!」

今抱いているのは妻のワイトである。
妊娠中で今月が臨月である。
ちなみに三つ子、である。
3卵性の三つ子らしい。

まだ予定日まで日付があるからと、胎児3人娘に栄養をと、ボテ腹セックスに興じていた。

「イクッ......グッ......」

びゅるるるるるるるっ!!

妻の胎内に盛大に放射する。
その時だった...

妻がビクンと大きく震えた。

「どっ、どうした!?」
「産まれそう......」

予定日まであと1日あるんだぞ!?

などとのんきなことを言っていられる状況ではなく。
いそいで産婆のリッチを呼びに行った。



「オギャー! オギャー!!」
「元気な三つ子ですよー、安産でしたねー」

リッチが取り上げた子供は、お約束のワイトが三人。
当たり前だが。

だが、今の自分は少し気になることが存在していた。

「リッチさん、赤ん坊たちは......普通に中出し直後の産道を通って出てきて精液塗れで産まれてきましたけど......」
「大丈夫でしょう、こんなのはざらにあることです」
「ざらにあるんですか......」

人間の常識は魔物娘の常識と=じゃないことを思い知ることは時折あるものの。
なにもこんな時じゃなくてもいいじゃないの。

「......あら...」

赤ん坊を抱いている妻の声に振り向くと。
赤ん坊たちにこびりついて精液が消滅していた。
いや、軽く拭かれたからある程度はなくなっているのだけど、そういうことじゃない。

綺麗になり過ぎているのだ。
まさか吸精した?

でも、ざらにあることなんだし......

そう思って自分は妻の隣に行き、赤ん坊たちの頭をなでてやるのだった。
先述の勘の正体に気づくのは、まだ先のことであった。





生後1年。

「あらあらまぁまぁよしよし、泣かないでー!」
「本当に元気な泣き声で......」

何とか泣き止ませようと乳母ファントムと妻のヴィクトリアがあやしているものの。
一向に泣き止む気配が無い。

「任せろ」

こういう時は父親の自分が出張るのが、自分たち夫婦のお約束である。

「はーい、お父さんが来ましたよー、泣かないでくださいねー?」

すると三つ子は泣き止んだばかりか、キャッキャと笑い声をあげたではないか。

「まーったくお父さん子なんだから...」
「その点は奥方にそっくりですね......」

呆れている二人。
まぁ、こういうのが男親のほうが手馴れているともなればそういうリアクションを取るよね。

「もしかしたらだけど、産まれた直後にさ。自分の精液を吸精したのが効いているのかな?」
「......どういうこと?」
「中出し直後の産道を通って出てきたんだから精液塗れだったわけじゃん? その塗れた精液を少し吸精したからこんなことになってんのかなって」
「聞いたことは無いケースですけど、肌から吸精できるワイトならではの状況かもしれませんね」

ファントムの乳母が言った。

「まぁ、何にせよ確実に泣き止んでくれる手段があるのはいいことですよ」
「......ううむ、将来が心配なのだわ......」

そう、心配だね。

この時点の心配は、後々の大きな波乱の前触れでしかなかった。





18年後。

「パパ〜!!」 抱きっ
「うぉぅ!!」

後ろから抱き着いてきたのは二女のルーナ。
腰まであるウェーブのかかったプラチナブロンドを後ろでアンダーポニーにして結んでおり、タレ目気味の目は明るい赤色である。
たれ目は自分からの遺伝であろう、母親はツリ目だし。

「パパ? 私また胸がおっきくなっちゃいました......。 今回で99cmですって!!」

何より、三姉妹で一番乳がデカい。
みんな身長は170cmくらいなのに。
前回の報告と合わせて、98/58/90か。
すごいな。

「わざわざ父親に報告しに来ることかね......」
「だって! 毎日パパに抱き着いてるおかげですもの!!」

困った、こいつがこうなると時間が掛かる。

「あっ、見つけましたよ、『ちょっとお花を摘みに』と言って休憩にしたのにお父様といちゃつくとはなにごとですか!!」

家庭教師のヴァンパイア先生のご登場である。

「わっ、パパ、また後で!!」

ドレスをつまみ、猛ダッシュで逃げるルーナ。

「なんでこうあいつはこうなのか......」

産後直後の勘働きが正しかったと言わざるを得ない。




ルーナに逃げられてから数分後。
城の廊下の曲がり角を曲がると...

ゴッ

「あいたっ!」
「おお大丈夫か...って...」
「あぁ、お父様、お疲れ様です」
「あぁ、リュンヌ......なんでこんな大量に本を...
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