SEXi 〜Sexy & TAXi〜

やばいやばいやばいどうしてこうなった!!!

俺はただチャリンコこいで通勤していただけなのに、路肩に止められていた車の助手席側のドアが急に開いたために激突した。
そんで、俺が激突した車から出てきた怖いお兄さんたちが

「オラァ、修理代で1000万払えや、払えねぇなら臓器売ってでも金用意しろや!!」

って絡んできた......
俺は、自転車を起こす間もなく、走って逃亡した。
相手は車だし逃げ切れる、そう思ったが甘かった。
男が車内へ戻ると、運転席・助手席と男二人を乗せたまま車が変形し、二人乗り用で二足歩行のパワーローダーへと変形した!!

......で、自分はその二人組(とパワーローダー)から全力で逃げている真っ最中なのである。
現在、スーパーの駐車場の車と車の間の陰に逃げ込んだ......
だが、このままでは見つかるのも時間も問題だろう......。

その時だった。



「お兄さん、お困りですか?」

声のした方向を見ると、そこにあったのは黄色い車。
そして

『 TAXi 』

......の文字。
こそこそとタクシーの下へ忍び寄ると、後部座席のドアを開けてくれた運転手さん。
中へ乗り込んで運転手さんを向き合う。
なんと、女性のドライバーであり、それもかなりの美人さんであった。

「なにか、面倒なことに巻き込まれた様子ですね?」
「あぁそうなんです、自転車はパーになるわ、ヤクザみたいなやつらに追いかけられるわ......」
「『お客さん』......

 ......今、このタクシー客待ちなんですよ。

 行きたいところへ行けますよ?」

!!!?

どうする!?

ガションガションという機動音が聞こえてきた......
そんな近くじゃないものの......

ええい、背に腹は代えられない!!!

「お願いします!!」
「了解ですー」

運転手さんがそういうと。
ウォーンという音で、車体の屋根やら側部から、何やら加速用パーツが、
カションカションという音で、車体の下部がスポーツカーのごとく変形し、ナンバープレートが入れ替わった。
ウィウィウィウィウィーンという音で、車体が浮かび上がり、浮かんだ隙にタイヤが違うもの......たぶん、レース用?のものへと入れ替わった。
後ろで物音し、見るとリアウイングが展開。
車内で音がするので前方へ視線を戻すと、ハンドルが変形していた!!

「頼む、急いで......」
「今出ますよー」

運転手さんは料金カウントボタンを押して、アクセルを踏んだ......

ゴォォォォォッ!!!!
爆音とともにタクシーが発進した!!

敷地内をレーサー顔負けのテクニックで爆走する運転手さん。
二人組のパワーローダーが気づいて追ってくる!!

だが、二足歩行では限界があったのか、速度的に追いつけない!!
急いで車モードへ変形して追いかけなおしてきた!!

通勤ラッシュ中の車道の車をぐいぐい避けてかっ飛ばすタクシー。

「あぁ、のんびりしてたら渋滞にはまっちゃいますね、シートベルト締めて、サードに入れて飛ばすから」
「あっ、あぁ......」

気づけばパワーローダー車は見えなくなっていた......
だが、こっちの視界もぐらぐらになっていた......




「いやー、お客さんも災難でしたねー」
「えぇ、まぁ......」

振り切ったのを確認すると、タクシーは通常の車と同じスピードになって走行し始めた......

「最近は、主神教団の構成員を名乗ったヤクザものがああやって、魔物娘の技術をパクって作られたパチモンロボだ武器だを悪用するんですよ、本当に迷惑極まりない話です」
「そっ......そうなんですか......

 ン? じゃあ、運転手さんも魔物娘......?」

「そうですよー、まぁ、パッと見てわかる種族じゃないですがねー?」

ダメだ、全然わからん。
モロに人間みたいな外見だもの。

そうこう走行してるうちに、目的の自分の職場へとたどり着いた......

「料金は......お兄さんタイプだから1500円で」
「ええっ、料金メーター4000円とかでてるじゃないですか!!」

逆ボリすぎ!!
これは困る。

自分が4000円払おうと財布を覗いていると、

「だったら、仕事終わったら連絡くださいよ、帰る手段がないでしょうし、その時に今の残り分の料金でご案内しますから」

ええー......まぁ、借りがあるわけだし......

「じゃあ、それでお願いします」
「まいどー
#9829;」

俺は運転手さんにラインの連絡先を教えてタクシーを後にした。
......本当に純粋な人間っぽい外見だけど、種族はなんなのだろう。

俺はずっとそれが気になっていた......。






「おまちど
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