とうとう仕事を退職してやったぜ......。
なにせ、職場で前に組まされたやつは仕事しない、やる気がない、サボると三拍子揃ったやつだった。
おかげで俺一人に仕事が集中して地獄を見た。
そいつが異動して次に組まされたやつは、やる気があるものの、おっそろしく効率が悪いやつだった。
職場の人間がそいつよりそこそこ仕事ができる自分ばっかりに仕事を押し付けていくため、またも地獄を見た。
もうたくさんだ、やってられるか!!
そう思って退職届を出してきた。
自分の方を優遇してくれる職場でもないしね。
というわけで退職金と今までの貯金を切り崩しながら生活していくのだが。
それだけでは物悲しいと、ちょっとした新しい趣味を作ることしたのだった。
手始めにアフィリエイトで稼げるという動画配信サイト......
......『Mamo Tube』で動画を配信するマモチューバーでもやってみることにした。
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説明しよう!!
Mamo Tubeとは、魔物娘の企業が運営している動画配信サイトである。
プログラムと魔法が組み合わされており、
配信者のプライバシーを尊重して、任意で顔を認識されなくなる『無貌機能』や、
配信者の身の安全のため、個人情報を得ようとするのを妨害するセキュリティ機能が搭載されているのだ。
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「そうは言っても何をやるか......」
ボカロ?
No、初期投資が馬鹿にならないし、技術がいる。
歌ってみた?
No、そんなに歌が上手い方でもないから視聴率は上がらない。
絵をかいてみた?
No、画像投稿サイトで事足りる。
......何がなんだかわからなくなり、俺はmamo tubeをランダム検索した......
すると。
「おっ、これはこれは......」
手軽に実践できそうなものを思いついたぞォッ......!!
自分は100円ショップから買ってきたベニヤ板と角材と塗料を使って、一つの看板を作って大通りにかざしていた。
看板には
『フリーセックス』
とだけ書かれていた。
人間の女子がやっていて良くも悪くも話題になった『フリーおっぱい』の男版である。
対象は女性、人間か魔物娘かは細かく考えていない。
どっちでも話題になるし。
そう思っていると......
「お兄さん、本気?」
「本当にセックスさせてくれるのね?」
やってきたのは二人の魔物娘!!
幸先いいぞー、と思っていたのだが、その二人を見て硬直した。
一人は、ゴシックアンドロリータに身を包んだバイコーン。
言わずと知れたハーレムメーカーとして有名なあいつである!!
もう一人は、銀髪にタトゥーを入れた、スキニージーンズに肩出しトップスの......たぶんぬらりひょん。
夫に百鬼の妾を作るという伝説持ちのあの御仁である。
「は、はい、フリーセックス、です......はい」
.......どえらいことになった。
「そっかー
#9829; いいんだー
#9829; あっ、どうせだったらたくさん女の子がいたほうがいいよね
#9829;」
「ちょっ」
「ぬっちゃんはここで待っててー
#9829; あっ、ここら辺通る娘をスカウトしててもいいから!」
「あいわかった」
「私はちょっとその辺を軽く走ってくるから
#9829;」
「キリのいいところで帰ってきなさいよ?」
「りょうかいでーす
#9829;」
......大変なことになった......。
「さて、フリーセックスの本番ということで」
「やってきました、魔物娘運営のラブホテルの大部屋! ベッドも10人乗っても大丈夫だー!!」
「今宵集まったのは、69人の魔物娘! どんどんぱふぱふー!!」
「ジョロウグモから稲荷、毛娼妓といった大和撫子勢から」
「ウシオニやオーガ、雷獣といった荒くれ組」
「ダークヴァルキリーやダークプリースト、ダークメイジやダークエルフといった腹黒組」
「エルフやヴァンパイア、バジリスクといったムッツリスケベたち」
「アプサラス、ガンダルヴァ、デーモンといったエロいお姉さんズと、いろんなメンツが揃った!!」
いつの間にか配信者の立場がバイコーンとぬらりひょんに乗っ取られており、俺は哀れな竿役になり果てていた。
言い出しっぺとはいえ、この扱いよ......。
「さて、生本番ノーモザイク配信ってことで、まず確認」
「君は女の臭いがしないケド、童貞かい?」
「童貞です......んっ? 今『生本番』『ノーモザイク』って言った!?」
「言いましたー
#9829; 魔物娘に『避
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