「おーい、誰かいませんかぁ!? おーい! おーい!」
なってこった...。
空間に空いた、ヘンなファスナーみたいな穴に飛び込んでみたら、これだよ...。
もぉ、止めとくんだったよ......。
好奇心は猫をも殺すっていうけど、本当に散々だよ......。
これで、二度とAVみたりとか出来ないんだ...。
「おーい、誰かー。誰いませ...かっ!?」
突然、耳に響いた風切り音に身を竦める。
そして、恐る恐る後ろを振り向くと、一本の矢が木に刺さり、ビィィィン...と、振動していた。
まさか......プレ○ターか!?
プ○デターなのか!?
とにかく、やばいと思った俺は、一目散に真左に、全速力で逃走。
すると、左方から『ガササササッ』と音がしたと思ったら、こちらに弓矢(装填済み)を向けながら、金髪をシニヨンに結った女が並走しようとしてくるではないか。
そして、あっという間に併走状態に持ち込まれてしまった。
そこで気づく。この女、エルフ耳だ。
「足を止めなさい」
「.........」
「二度は言わないわ、足を止めなさ...」
殺意があるのか、弓をさらに引き絞る。
俺はサッと右方へ逃げる。
「あっこら!! 待って!!」
おーし、振り切った......と、思った瞬間、頭上から自分めがけて何かが落ちてきて、俺は地面に倒れ込んでしまった。。
いや、『何か』じゃない。『誰か』だ。
その証拠に、倒れる寸前、落ちてきた『誰か』......やっぱり女エルフの太ももで右腕をホールドされ、地面に倒れこむと同時に、腕ひしぎ十字固めで取り押さえられてしまった。
「アデデデデデデデデッ!!!」
結構な痛みに悲鳴を上げていると、弓矢を装備した、最初に出会ったエルフ...シニヨンエルフが追いついてきた。
「ぜー、ぜー、捕まえたの?」
「そうよ? 誰かさんが取り逃がした人だけどねー」
「ぐっ...」
「いいから、集落に集まるサインの角笛吹いてよ」
「......そうね」
シニヨンエルフは弓矢を一度地面に置くと、肩から下げていた角笛を口に付けた。
吹かれた角笛は、プォホォォォォ...と音を立てる。
すると、そう遠くない場所にいるであろうエルフたちから、返信の角笛の音色が返ってきた。
それを確認すると、俺を取り押さえた、ウルフカットのエルフ...ウルフエルフが何かを唱えた。
すると、自分の体に電流が走り、痺れが出始めた。麻痺の魔法を使ったのだろうか。
そして、動けなくなったのを確認すると、ウルフエルフは地面に転がっている長く太い木の枝を拾ってきた。
次に、俺をコの時の体勢にすると、その手足の間に木の棒を挟んだ。
立って見ると、□の底辺の端が余っているのうな感じだろうか。
それを見たシニヨンエルフは、呪文を唱えた。
すると今度は、周囲からツタなどが伸びてきて、俺の手足を木の棒に縛ってしまった。
「これでよし」
何がよしなのか聞きたかったが、麻痺しているため聞けなかった。
「そっち持って」
「はーい」
二人は、余っている底辺の端を肩に担ぐようにして.........俺を豚の丸焼きのような状況にした。
「よーし、男も手に入ったし、凱旋しましょ〜」
「おー」
フンフンと鼻歌を歌う二人に担がれ、俺は更なる森の奥へと連行されていくのだろう。
俺は『もういいや、助かんないし...』と、意識を手放した。
「ちょっと、起きて」
頭にチョップを入れられ、俺は目を覚ました。
目の前には、なんか偉そうなシニヨンエルフがいた.........全裸で。
起き上がろうとしたが、四肢が縛られている。
それも、手に縄が食い込まないよう、柔らかい布を一枚当てた上から。
だが、それ以外に特記することが一つ。服を全部剥ぎ取られていた。
今の俺は、真っ裸である。彼女の全裸を見て、ギン...ッギンッになったイチモツを隠せないのである。
羞恥心を一時脳裏の墓地に葬り、気丈に質問をする。
「...ここは?」
「ここはエルフの住まう、『ヘルヘイム樹海』の最深部よ」
「樹海の最深部...」
「で、あなたは重要な役割があって、ここに連れてこられたの。なんだと思う?」
「...生贄とか?」
「おバカ。これだから人間は...」
そこまで言わなくてもいいんじゃないですか?
俺の疑問顔をスルーし、シニヨンエルフは続けた。
「この世界で、魔王の代替わりがあったのが千年前...。それからというもの、魔物は女しか生まれなくなってしまったの。そのせいで、子孫を残すには、人間の男の協力が必要不可欠となっちゃったの。ここまでいい?」
「はい、なんとか」
「次に行くわ。それはエルフにも当てはまる条件だった。そのせいで、今の集落のエルフは、女ばかり24人になってしまった...。そこで
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