1
「ユートの精液を、分けて欲しいんだ...。」
俺の親友がそう言って近づいてくる。
魔物娘なんていう存在になってしまったユキ、泉雪弥がこれから生きていくためには男の精気が必要になる…?だから俺の精液を分けてほしい…?
「ちょっと待て!急に精液をよこせって、他になんか方法があるだろ!そもそも男の精気が必要ってなら別に俺じゃなくても!」
近づいてくるユキを静止させそう叫ぶ。
「そうねぇ、一番効率がいいのは精液ってだけで他にも方法はあるわよ。」
「変身するだけなら、ディープキスを10分続けるとか、一晩中抱き合って眠るとかでも必要な量の精気を補えるかもね。」
「でも今のユキくんの角や尻尾を隠すのには早急に魔力が必要でしょう?、それに私達魔物娘にとって精気が0の状態が続くのは辛いことなののよ」
目の前に立つ異形の美女、異世界からやってきた魔物だというリリムさんが話を続ける。
「それに、ユートくんだってユキくんがどこの誰とも分からない男とそういう行為をするのは嫌でしょう、ユキくんだってそう思ったから勇気を出して貴方のところに来たのよ。」
ユキが見知らぬ男と…?それは確かに嫌かもしれない。それにユキだっていきなり誰かの精液を貰いにいけなんて言われても嫌に決まってるだろう。
そこでハッと気付く。
そうだ、いきなりのことに戸惑っているのは俺だけじゃない。
ユキだって今日朝起きたら急に体が女に変わっていて、それで今日から生きていくのには男の精気が必要ですなんてことを言われたんだ。
今朝だって風邪を引いたなんて嘘をついて、困って、悩んでそうやって俺を頼りに来たんだ。
少しだけ冷静になってユキの顔を見る。
俺に拒絶され、悲しそうな、申し訳なさそうな顔をして目には涙を浮かべている。よく見ると顔は普段よりも青ざめ、体調も悪そうに見える。
「…。」
「悪かったよユキ、おまえだって急にこんなことになってるのに突き放す様なこと言って、俺が助けになれるなら力を貸すよ。」
気付けばそう言い、ユキの手をとっていた。
「ユート…、ありがとう…!」
彼、いや彼女は笑顔を浮かべそう言った。
2
「ーそれで、精を分けるってどうやってやるんだよ…。」
「えっとね…、とりあえずは口で精液を受けとればいいんだって。」
「あっ、大丈夫!この体なら美味しく感じるってリリムさんが言ってたから!」
平気な顔をしてとんでもないことを言う。
「じゃあ、始めるね。」
そう言ってベルトに手をかけるユキはなぜか嬉しそうだった。
「ちょっと待てって!なんでそんなノリノリなんだよ…。それにここは屋上だぞ、誰か来たらやばいだろ!」
迫ってきたユキをなだめながら言う。
「そうねぇ、そしたら私に任せてちょうだい」
リリムさんがそうって指を鳴らす。
すると、周りの会式が球状に歪んでいく。
俺たち3人は、水の玉のようなものの中に閉じ込められたような形になった。
「こ…これは…?」
「これも魔法の一つよ、いわゆる結界みたいなものね。これで周りからは私たちのことは見えないし、声も聞こえないわ。」
これが魔法か…、壁に触ってみるとぷよぷよとした不思議な弾力がある。
今までに見たことも感じたこともない不思議な感触が、彼女の魔法が本物であることを伝えてくる。
おそらく周りから認識されなくなると言うのも本当なんだろう…。
「これなら安心してできるでしょ?」
「もし良ければ、私が手伝ってあげてもいいのよ
#9825;ユキくんは今まで男の子だったわけだから初めては不安でしょう?」
リリムさんがそう言う。
「ダメ!!」
ユキが叫ぶ。
「だめだよリリムさん、これはちゃんと僕がやらないと…」
「それに、僕たちは別に初めてってわけでもないんだよ。」
「そうでしょ?ユート。」
その言葉に一つの記憶が呼び覚まされる。
忘れていた、無かったことにしてしまったあの日の記憶をー。
3
ーあれは確か小学校5年性の頃だった。
クラスのお調子者がエロ本を拾ってきたと騒いでいた。
子供には見てはいけないものとはわかっていても、やはり気になってしまい、俺もユキも見に行ってしまった。
当時まだ子供だった俺たちにとっては初めてみる過激な性描写に今まで感じたことのない不思議な興奮を覚えたのだった。
その中で、なぜか俺とユキに一番衝撃を与えたのが、女性が勃起した男性機を手で扱き口で咥えるところを写したページだった。
「こうやってちんこを口でしゃぶるのを“フェラ“って、めちゃめちゃ気持ちいんだって!おれの兄ちゃんの先輩が言ってたって!」
お調子者のクラスメイトが恥ずかしげもなく大声でそんなことを叫ぶ。
「「フェラ…」」
なぜか俺とユキは同時にそう呟ていた。
4
その日の帰り道、家に荷物を置いてから、いつものように隣のユキ家に行きゲームの続きでもし
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