黒衣の聖者 外伝 拷問師の休日
私はベンジャミン・シュバルツ・リヒター 。しがない拷問官だ。今日も諜報局、秘密諜報機関にて尋問を行なっています。
『む"う"う"う"ーーーー!!!ん"ん"ーーー!!!』
はぁ……最近、どうにも退屈だ。ハルちゃんはテンタクルになってますます良く働いてくれるし、どいつもこいつも同じ様な反応しかしないし。
ん?ハルちゃんは誰だと?前作を読めばわかる。
『それで……喋る気になったか?』
『む"ぅ"!む"ー!!(喋る!喋る!』
コクコク!
『そうか、まだだめか……仕方ない(笑』
『む"ーーー!!む"ーー!!(違う!いやだー!!』
フルフル!!フルフル!!
どちゅん!
『む"う"う"う"ーーーーーーーーー!!!』
『じゃあ、もう少し反省ね。』
先日、触手が伸び過ぎてしまったとハルちゃんから相談を受け、仕方がないので植物系魔物娘専用の剪定鋏を取り寄せて伸び過ぎた触手を切った。
切ったのだが……ハルちゃんから離れても生きていそうだったので栽培してみたら立派な触手になった。
うねうねと気色悪いがな。
堕落の実の果汁を塗りたくった拷問対象を無数の小さな穴を開けた樽の中に入れ、一本一本触手を差し込んで行くとご覧の通り、触手が対象をぬちゃぬちゃと気味の悪い音を立てながらなんとも楽しそうに襲い出したではないか。
今回はこの哀れな男には何も術式を使用していない。拘束して猿轡は噛ませたが……
『んぶふ
#12436;!!?』
おっと?ケツに入ったな……
さて、明日から3日間休に入る。栽培した触手には最低限の栄養しか与えていない。男から栄養を捻り出したくてうねうねしている。まぁ、休暇が終わる頃にはピーチクパーチクと知りたい事を小鳥のようにさえずり出すだろう。
『喉が渇いただろう?プレゼントだ。受け取りたまえ。』
キュポン……トクトクトク……
『ガポガポガポガポガポガポ!!?』
『栄養満点のスライムの体液だ。……ただ少し消化に悪い。腹に留まり続けるかもしれないなぁ?そういえば……その触手はスライムの体液が大好きなんだ。』
『む"ーーー!!む"ーー!!(いやだ!いやだー!!』
『存分に触手が腹を犯す感覚を楽しんでくれ。あ、そうそう。私は3日ほど休みをもらうので、お話はまた今度だ。』
どちゅん!
『これで触手は全部だ。楽しんでくれたまえ。ご機嫌よう♪』
『む"ーーー!!む"ーー!!』
ギィ…………バタン。
部屋から出るとハルちゃんがやって来た。テンタクルの触手には魔界銀の鞭に、注射器、媚薬、魔界銀の解剖ナイフ、針、拘束具、吸引機etc.etc……
頭に衛生頭巾(ナイチンゲールが着けてるやつ)をかぶった姿から察するに、そういった拷問をやってきたようだ。
『ハルちゃん、調子はどうだ?』
『あっ、先生!ん〜〜……イマイチですね〜。なんか、あたしが尋問するとすぐ気絶しちゃうんです〜。アベベべ!!だってー。』
『……何をやったんだ?』
『えーと、最近のお気に入りはですね〜?魔界銀の解剖刀でお腹に穴を開けてー、それでね?触手を入れて内臓コチョコチョーー!って。』
あぁ……うん……我が弟子ながら容赦がない。
『次からは精神覚醒術式を掛けてからやると良い。それで気絶しないだろう。それから触手だけでも気持ちいいと思うが、快楽の術式を使うとなお良い。』
『はーい!……そういえば先生これから3日ほどお休みですよねー?ゆっくりしてくださ〜い♪』
『あぁ……』
『ダフネさんにもよろしくお願いしま〜す!お休み中はお任せ下さ〜い!いーなぁ……結婚かぁ〜』
『良い人はいないのか?』
『なかなかですよー。今は先生のお手伝いが1番楽しいので〜。未来の旦那様の為にも〜、あたし頑張りまーす♪』
『それは頼もしい。……』
そういうとハルちゃんは無数の触手に引っ掛けた拷問器具をジャラジャラさせながら鼻歌混じりに尋問室に戻っていった。
存在そのものが拷問器具みたいなハルちゃんの結婚相手はさぞ大変だろう。
諜報局を出て、馬車に乗り込み家路に着く。
家に帰ると妻であり、従僕であるダフネが出迎えてくれた。
『お帰りなさいませ、旦那様。』
『あぁ……。良い匂いだな。』
『ふふふ……腕によりをかけましたので……。どうぞこちらへ……お疲れでございましょう?』
何時もの事だが我が妻は笑顔が顔に張り付いている。しかし、今日は妙な気配を感じる。根拠はない……が、感がそう告げる。
まぁ、最近疲れているし、頭が鈍っているのだろう。それに男の感だ。当てにはならない。
そうして食事を食べたら急に眠くなってしまったので、その日は直ぐに寝てしまった。
自分の感を疑った事を後悔する事になる
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