後編

ヒカリちゃんは何気ない様子でブラウスのボタンをはずした。
そしてブラジャーのホックも外すと、豊かな胸がぷるんとでる。
いつも見慣れているはずだけど、今からする事を思うとあらためて息を飲む。

「さ。どうぞ旦那様! 」

ヒカリちゃんは僕を安心させる様に柔らかい笑みを浮かべた。
静かに両腕を広げ迎え入れようとする。

「うん! 」

僕は当然の様に彼女の腕に飛び込むと、待ちに待ったおっぱいにすがりついた。
甘酸っぱく切ない匂いに包み込みこまれると同時に、しなやかな両腕がぎゅっと抱きしめてくる。
豊かで柔らかい乳房。いつもの優しい抱擁。その温かさに思わずほっとしてしまう。

「ヒカリちゃん…… 」

「よしよし。下半身でもぎゅーしてあげますね! 」

脱力してふにゃっとしてしまう僕を見つめて、ヒカリちゃんは微笑んだ
その言葉と同時に蛇体もするすると巻き付き、しっかりと包み込まれる。
とても心地よい拘束。何もしないでこのままずっといたい。

「うふふっ。でもおっぱいのことでずっとお悩みだったなんて…… ほんと可愛い旦那様です…… 」

身を委ねてうっとりしている僕を見て、ヒカリちゃんはそっとつぶやいた。
少しからかうような言葉に顔を赤くしてしまうと、慰めるように頭を撫でてくれる。

「ん。だって言うに言えないよ。実際ヒカリちゃんだって驚いてたじゃない…… 」

「ええ。わかっておりますよ。私がもっと早く気が付くべきでした。」

ヒカリちゃんはすまなそうに言うと、彼女の深紅の瞳が僕を捉えた。

「これからは旦那様が悩まれないように、何をお考えなのかいつでも把握するようにしますからね…… 」

ヒカリちゃんはそのまま微笑みながら僕を見つめ続ける。
冗談なのか本気なのかわからないけど、彼女がその気になればこの程度の事は簡単にやってきそう。

「ええと。それはどうなんだろう。でも…… 」

キミのしたいことをしていいよ。そう言おうと思ったが言葉は続かなかった。
何から何まで知られるのは怖くないといったら嘘になる。
わずかな苛立ちや、些細な不満。自分では制御出来ない心の揺れはどうしてもあるから。

彼女のことは全面的に信頼しているけど、そういった負の気持ちまですべて読まれてしまうのは……
思わず真剣に考え込んでしまう僕を見て、ヒカリちゃんはぷっと吹き出した。

「いやですよ。ただの冗談ですから。大丈夫大丈夫。何も心配しないでくださいね…… 」

「もう。ヒカリちゃんったら…… 」

「ごめんなさい。せっかくこれからという時に変なこと言っちゃって。さ、好きなだけおっぱい飲んでくださいね。」

僕は口を尖らせて文句を言う。ヒカリちゃんは何事も無かったかのように華やかに笑った。

















僕はそのままヒカリちゃんの乳首を咥えた。舌でころころと転がして、音を立ててちゅうちゅうと吸う。いつもそうしていると気持ちが落ち着くのだ。
心に残っていた不安も心配事も全て消え去って、いつしか無心で吸っていた。

いつのまにか乳首もぴんと立って、ヒカリちゃんはあえぎ声を上げている。
それが嬉しくて僕はますます夢中になる。

「はぁい…… それじゃあ沢山飲んでくださいね…… 」

ヒカリちゃんは僕の頭を抱きながら震える声で言う。
その途端、吸い続けている乳首から液体が噴き出してきた。
液体の蕩けるような甘さと味わい深さが口いっぱいに広がる。

ごくり……

濃い甘さと味わいなのに全く癖がない。とても美味しい。
これがヒカリちゃんのお乳。大好きな、何よりもかけがえのないひとの味。
何のためらいもなく飲み込んだ僕は、安心しておっぱいを吸い続ける。

「ど、どうですか? 」

心細そうな声がする。見上げるとヒカリちゃんが不安げな眼差しをしていた。
僕は安心させる様に笑みを見せると、美味しいよとばかりに音を立てて吸った。

「ぅあっ…… 旦那様それ気持いい…… 」

ヒカリちゃんは恍惚とした声をあげた。
僕の頭を抱きながらしきりに撫でさすり、蛇体の拘束もじわじわと強まる。
心地よさと温かさに包まれながら僕は夢中に吸っていた。

吸っているうちにミルクの甘さが頭の中にまで浸透してくるようだ。
甘い。美味しい。もうそれ以外のことは考えられなくなった。
僕はひたすらミルクを飲む赤ん坊みたいになっていた。


……


……


「よしよし…… おっぱい沢山のんでいい子です…… 」

甘いお乳を飲んで夢心地でいるとヒカリちゃんの声が聞こえた。
僕が顔を上げるとにっこり笑ってくれる。

「さ、遠慮なんかしないで下さいね。」

促される間もなく僕が再度吸い付くと、ヒカリちゃんの手が優しく撫でる。
反対側の手では背中をぽんぽんと叩いてくれる。
全身を包み込む温かさと
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