第12章 ふたりの愉しい?休日は…

「ごめん有妃ちゃん。なんか気持ちが落ち着かないんだ…。」

「よしよし佑人さん。大丈夫ですよ〜。何も心配しないでくださいね。私がずうっとこうして差し上げますから…。」

休日の昼下がり、俺はひたすら有妃に甘え続ける。甘いうずきと切なさを抑えきれずに、愛する人の肉体を抱きしめ続ける。有妃もそんな俺を当然のように受け入れて、蛇体に優しく包み込んでくれている。俺を愛撫する手も心地よい。今にも心がとろけそう。

前日は当然のように有妃に魔力を入れられていた。数え切れないほど有妃の中で精を吐き出していた。今は暴風のような欲情は治まっていたが、有妃を求める渇望感は静まることは無かった。張り裂けそうな気持ちのままに俺は有妃に溺れる。

浮気を疑われたあの日。初めて有妃に白蛇の炎を入れられてから、それが今では当たり前になってしまった。毎週のように魔力を注がれ続け、今では依存状態になってしまっている。すさまじい快楽と気持ちの高揚感を拒むことは出来ない。

また、俺に魔力を入れた日を境にして、有妃の不安定な様子は嘘のように治まった。これは本当に幸いだった。有妃が日々を穏やかに過ごしてくれることが何より大切なのだから。

「ごめんね有妃ちゃん。毎週毎週こんな風になってしまって…。」

「もう…。また謝ったりして。私は佑人さんがこうなって下さって嬉しいんですよ。何も気になさることはありません。」

有妃は頭を下げる俺を見て優しく笑ってくれた。

もちろん以前から有妃に抱きしめられて、安らぎと心地よさに溺れはしていた。だが、今では満ち足りない何かが俺の心を突き動かすようだ。俺はためらうこと無く有妃の胸に顔を埋めた。極上の柔らかさと温かさ。甘酸っぱい匂いが顔を包む。

「うふふっ。とっても可愛いですよ…。佑人さんが甘えてくだされば、私はそれだけで大満足なんです。」

有妃は俺を安心させるように穏やかな声でささやく。何の心配もいらないとばかりに胸に抱き、蛇体の拘束を強める。たったそれだけの事で、荒れ狂う俺の心は平静を取り戻した。

そのまま俺は有妃に抱かれ続けた。心地よさに体を弛緩させ、惜しみなく与えてくれる愛情の中を漂う。有妃は幼児の様に身を委ねる俺を見て訥々と語り出した。

「謝らなければならないのは私の方ですよね。佑人さんが私に酷いことをしないなんて、わかりきっていたはずなのに。あのときは気持ちが抑えきれなくて、結局佑人さんを縛り付ける事になってしまいました…。」

「ううん…。君のことを理解しようとしなかった俺が悪いんだ。」

有妃は悲しそうに微笑むとかぶりを振った。

「あの。佑人さんつらかったら我慢しないで言ってくださいね!私が何でもしますから…。」

「有妃ちゃんのしたいことをしていいよって前から言っていたじゃないか。そんな気を遣ってくれなくても大丈夫だよ。」

「いいえ!私には責任があるんです。佑人さんは絶対に幸せにしますから…。後悔はさせませんから…。」

有妃はなだめる俺を無視して思い詰めたようにつぶやき続ける。労るように俺の頭を何度もなでてくれる。どことなく腫れ物に触るような手つきに、なぜか泣きたくなってしまう。

「ねえ有妃ちゃん。俺は有妃ちゃんと出会えたときから幸せなんだよ。こうして君と一つになれて嬉しいんだ。」

俺は有妃の手を取るとそっと握りしめた。有妃ははっとした表情を見せると俺の手を握り返してくれる。柔らかく繊細な手が心地よい。

「ありがとうございます佑人さん…。」

有妃は俯くと何度も頭を下げた。俺の全身を包む蛇体は再度拘束を強める。その温かさにいつしかまどろみに落ちていた。




















有妃に抱きしめられながらの至福の昼寝だったが、それも目覚める時は来る。意識が戻った俺は相変わらず有妃の蛇体に包み込まれていた。目覚めに気がついた有妃は優しく笑ってくれた。

「おはようございます。お目覚めですか佑人さん?」

「………ん。」

有妃は俺を蛇体でぐるぐる巻きにしながら、何やらパソコンをいじっていた。俺は半分寝ぼけながら聞いてみる。

「何やっているの有妃ちゃん?」

「いえ。たいしたことじゃ無いんですけれどね。写真が色々溜まってしまったので整理しようかと思いまして。」

「へえ…。」

俺は何気なくパソコンの画面を見た。いくつもの画像データがあったが、たちまち目が釘付けになった。そこには美しい女性の姿があった。

健康的な小麦色の肌。さらさらのセミロングの黒髪。スタイルは抜群。そんな彼女は上品そうな紺のビジネススーツを着こなしていた。タイトなスカートから除く足はすらりと伸びている。つぶらな黒い瞳に良く通った鼻筋。驚くほど整った顔立ちだ。

写真は色々あったが、一番多いのはその美麗な女性の姿。彼
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