もうすっかり日も暮れた。アネモネがつけてくれたのだろうか?紫の部屋には優しい紫の灯りが灯っていた。さっきまで静かだった家の外も、車の音で嘘の様に騒がしくなっている。
でも、僕にはそんな雑音は耳に入らなかった。今はただアネモネさえいればいい…。
アネモネも僕の気持ちに同意するように、大量の粘液を絡めてきた。僕はアネモネを掻き抱く。
「アネモネ。アネモネぇ…。」
夢中になって粘体を抱きしめ、甘える僕にアネモネも嬉しそうだ。
「よろしいのですよ。もっともっと甘えて可愛い旦那様になって下さいませ!」
顔を上げればアネモネは慈愛深く微笑んでいた。いつもの事だけれどアネモネの笑顔は素敵だ。
だが、アネモネは急に真面目な顔になる。よく見れば何か困った様な雰囲気だ。
「どうしたのアネモネ?」
気になって問いかける僕に、アネモネはためらいがちに言った。
「えっと…。あ、はい。旦那様。あの、大変申し上げにくいのですが…。」
「なにかあったの?気にしないで何でも言って!」
続きを促す僕にアネモネは言いにくそうに答えた
「あの、恥ずかしい話ですがお腹がすいてしまいまして…。旦那様のお情けを頂ければなあと…。」
「あ…。うん。」
僕たちはお互いに顔を赤らめた。今日はアネモネに色々してもらった。当然お腹もすくだろう。
風呂に入って、またいつもの様にバスタオルに出すか。そう思い僕は立ち上がろうとした。
「それじゃあいつもみたいにするから…。」
そそくさと風呂に行こうとする僕をアネモネは慌てて引き留めてきた。
「い、いえ。お待ちくださいませ!もうわたくしたちはこれまでとは違うのですから…。
あの、夫婦の、ち、契りを交わすという事に…いたしませんか?」
「っ………。そ、そうだよね………。」
アネモネは羞恥に悶える様に言葉を絞り出した。とんでもない事を言ってしまったとばかりに体をくねくねしている。僕も言葉を続けること無く黙り込んでしまった。今まで実質的にアネモネとセックスしていたとはいえ、やっぱり直接そういわれるのは恥ずかしい。
でも、アネモネと一緒になるという事は夫婦になるという事だ。今後は夫として精を捧げ続ける事になるのだ。咲姉の言葉を思い出した僕は、俯いているアネモネの両肩に手をやった。繊細な肩の感触が両手に伝わる。
「あっ…。旦那様ぁ。」
顔を上げたアネモネの眼差しは蕩けきっていた。これから起こる愉しい事が待ちきれないような、
欲望と期待に満ち溢れた眼差しでもあった。瑞々しい唇はわなないていた。アネモネは舌を出すと己の唇をちょっと舐めた。おいしいものを今すぐ食べたい。言外にそう言っているようだった。
アネモネが何を期待しているのか嫌というほどわかる。僕は今まで従順だったメイドに貪りつくされるのだ…。僕は覚悟を決めて生唾を飲み込んだ。
そうだ。
でも、これから何をすればいいんだろう?
思い至って僕は焦る。そもそも魔物娘との、しかもスライムとのセックスなんて全く経験がない…。いくらスライムでも強引に押し倒して、無理やりチンポぶち込む訳にはいかないだろう…。
え〜と。これはやばい。どうしよう…。僕はアネモネの両肩を掴みながら固まってしまった。
焦りと混乱が顔に出てしまったのだろうか。アネモネはいたわる様に語りかけてきてくれた。
「旦那様…。旦那様にご満足頂くのはメイドの務めでございます。どうかこのわたくしにお任せくださいませんか?」
アネモネは愛情あふれる笑顔を見せてくれた。こうして優しく気遣ってくれるのが嬉しい。
僕はほっとして頭を下げた。
「あ…むっ。っう!」
何も言う間もなかった。アネモネはたちまち距離を縮めると僕に口づけをしてきたからだ。
そのまま僕の両肩をしっかり抱いて固定すると、さらに熱烈にキスを繰り返した。
「むっ…。ちゅっ…。むぅっ…。むちゅっ…。」
当然彼女とキスをするのはこれが初めてだ。柔らかくぽってりしたアネモネの唇が何度も僕の唇に触れ、繰り返し優しく吸い続ける。最初は驚いた僕も接吻の心地よさを味わいたくて、自分からアネモネの口を吸い始めた。するとアネモネは嬉しそうに目を細めて、舌を僕の口の中に侵入させてきた。長く伸びるアネモネの舌は歯茎や上顎を丹念に刺激し始める。
「んんんっ!」
呻く僕の頭を抱いて動けないようにすると、アネモネの舌は僕の舌を絡め取った。
うごめくアネモネの舌は念入りに、愛情深く僕の舌を吸い始めた。僕の口の中はアネモネの味でいっぱいになる。アネモネの味は、先ほど食べたショゴスゼリーの味だった。
僕も夢中でアネモネの舌を吸い返し、アネモネの甘く濃い唾液を味わい続けた。
ぬるぬるのアネモネの舌がもたらす快感は、全く経験したことが無い強烈なものだった。
僕がうっと
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