どれほどの時間がたったのだろう。どうやら交わり続けながら寝てしまったらしい。気が付くと全身は滑々として温かな蛇体に包まれていた。俺に優しく巻き付く有妃の感触が心地よく、頭はむにゅむにゅとした弾力のある二つの物体に挟まれている。
それが何か気が付くのに時間はいらなかった。……間違いない。有妃のおっぱいだ。豊かで温かい双丘の間に俺は顔をうずめているのだ。気恥ずかしさで頭を避けようとも思ったが、こうしていると、とても穏やかで気持ちが安らぐ。これは……なかなか離れがたい。まあいい。まだ寝ているふりをして暫くこうしていよう。
気が付かれない様にそっと顔を押し付け、大好きな人の匂いを胸に吸い込む。濃厚で刺激的な、それでいて香しい有妃の汗と体液の混じった匂い。想像していた性の交わりの匂いでは無く、ボディーソープの爽やかな香りがする。その匂いは俺の体からも漂っている。そうか。どうやら俺が寝ている間に一緒にシャワーを浴びてくれたらしい。
そんな心遣いが嬉しくて、つい顔を胸にすりすりしてしまう。きめ細やかな肌の感触を堪能していると、あやす様な手つきで俺の頭をなでなでしてくれた。背中もぽんぽんと優しく叩いてくれる。だが、いつも有妃には子供を慰めるように頭を撫でられる。やっぱり俺の事は頼りない弟分だという意識があるのかな…と、そんな思いが一瞬浮かんだが、温かくむにゅむにゅふわふわした感触を味わっているうちにそれも消えた。
ずっとこのままいたい。温かく、優しく包まれていたい。そんな思いを我慢しきれずに有妃の体を掻き抱き、顔をぐいぐいと押し付ける。さすがの彼女も苦笑すると、俺の肩を持ち上げて顔をのぞき見た。
「おはようございます。……ほら、やっぱり起きていたんですね。佑人さんはいたずらっ子さんです。」
仕方がないなあと言いたそうな有妃の表情だが、何の含みも無いような穏やかな微笑みが、決して嫌がっていないことを物語っていた。安心した俺もつられて笑ってしまう。
「有妃ちゃんごめんね。あの……とっても暖かくて、心地よくて……ずっとこうしていたかったんだ……。」
「いえいえ。いいんですよ。佑人さんが満足するまで存分に甘えてくれていいんですよ……。って、甘えんぼの佑人さんにわざわざ言うまでもないですねえ……。」
「そんな…。有妃ちゃん……。」
からかうように、そして悪戯っぽく耳元で囁くと、有妃は嬉しそうに含み笑いを漏らす。衝動を抑えきれずに甘えて、求めてしまう俺の姿を見て満足したかのようだ。なんの気兼ねも遠慮も必要ないと言われたようで安堵するのだが、それでも気恥ずかしくて俯いてしまう。
「もう…。私は甘えんぼの佑人さんが…佑人さんに甘えられるのが大好きなんですよ…。だから、ね。何も気にしないで好きなだけこうしていて下さい…。
ふふっ…。私も悪いとは思うんですよ。でもいつも良い反応をしてくれるもので、ついあなたを構いたくなってしまうんです…。」
そんな俺をなだめると、先ほどの様に胸に頭を抱き、優しく撫で摩ってくれた。再び与えられた心地よさの中をただひたすら漂う。俺たち二人は安らぎに浸り、とろけるような時間を過ごす。
「ありがとうございます。素晴らしい初体験でしたよ。佑人さんで本当に良かった……。さ、ゆっくり休んでくださいね。もう今日は精を頂くつもりはありませんので。」
「ううん。お礼を言うのはこっちの方だよ。有妃ちゃんがもらってくれなかったら俺はずっとあのままだったから……。ありがとう……。」
有妃は慈愛深く母親の様に労わってくれる。俺も喜ばしい気持ちを抑えきれずに顔を胸に埋める。その姿を見て喜色満面の笑みを浮かべた有妃。俺の頬に優しくキスをすると、恥ずかしそうにもじもじとした。
そうされると興奮するとはいえ、先ほどまで淫虐な魔物として俺を貪っていた有妃だ。だが、今見せている貞淑な乙女の様な、優しい姉の様な姿も間違いなく有妃の一面なのだ。そのギャップも愛らしく、とても魅力的でうっとりと見つめてしまう。
「もう……。佑人さんったら……。恥ずかしいじゃないですか……。」
俺の熱い視線に気が付いたのか、ますます恥ずかしそうにする有妃。真紅の瞳が潤み、透き通るような白い肌に赤みが差している。とても可愛い……。愛しい思いがますます募る。
「だって…。有妃ちゃんがあんまり素敵で可愛いから…。ずっと見ていたいんだ…。」
「いやですよぉ…」
我ながら恥ずかしいセリフを言ってしまったと思うが、有妃は俺を見てますます顔を赤らめてうつむく。この愛らしい表情をじっと見ているのもよいが、今日は色々恥ずかしい事をされてしまった。少しお返ししてもいいだろう。よし…。俺は有妃がよくするように、わざと意地悪な表情を作ってにや
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