草原を横切る道を進む私たち。
当たり前のことではあるけれど、木の根や転がる石で思うように進めなかった森と比べると、その歩みは軽かった。
少なくとも目に見えて危険そうな物がないのも精神的にとても大きい。
平和で、穏やかで、心地いい。もしお屋敷に帰っても、ここならもう一度来てもいいかなと思えた。
「説明するものがないとつまらないよぉ、にゃふぅ」
でも、隣を歩く猫はそうでもないようで、とても退屈そうにあくびをしている。
「私はいいと思うけどな。こういうのも」
「退屈は猫を殺してしまうんだよ、アリス」
「好奇心じゃなくて?」
「魔物にとって愛する人との交わりは常に好奇心と探求心から成り立つのさ。だから好奇心は魔物を生かすんだよ」
「そんな話をした覚えはないけどね」
まったく、すーぐそういう方向にもっていこうとする。
でも、だんだんとこの軽口に慣れてきている自分がいるのも確かで。
「…猫だって寝転がって日向ぼっことか好きでしょう?」
「私は寝るなら、」
「好きな人の隣で寝たい、とか言うつもり?」
だからなんとなく、彼女の言いそうな言葉の続きが分かってしまった。
私の言葉にちょっとびっくりしたように、目を見開ききょとんとするシェリー。
その顔はすぐにいつものニヤニヤした笑みを浮かべた。
「だいぶ優しい言葉だけど、だいたいその通りだよ。だんだん私のことわかってきてくれたんだね。嬉しいなあ」
「でも、その先もぜひわかって欲しいけどね。私も喜んでオテツダイするよ?」
「それは謹んで遠慮申し上げます」
「にゃふ…、相変わらずツレナイね」
相変わらず私を誘おうとする猫の言葉を軽く流し、歩き続ける。
こういう会話をいつの間にか、少し楽しんでいる自分がいた。
シェリーには絶対に言ってあげないけど、ね。
そうして穏やかな気持ちで歩いていたとき、視界の隅を何かがかすめた。
その何かが気になり目を移すと、空をふんわり舞う桃色の羽の鳥のような魔物と、そのすぐあとを追う大きな白い犬が居た。
「ダーリン、こっち、こっちよー」
「わんっ!わふぅ」
魔物と犬の散歩だろうか。見ていてとても微笑ましい光景にほっこりする。
魔物であってもペットを慈しむ気持ちは人間と同じなんだなあ。
でも、いくら好きでもダーリンはちょっと行きすぎじゃないかと思うけど。
「見てよシェリー。ほら、こういうのどかな光景も、とっても素敵だと思わない?」
「にゃふふ、そうだね。とっても、とーっても、素敵だねえ」
シェリーもニヤニヤ笑いを深め、その光景をじっと見つめている。
魔物は飛び疲れたのか地面に降り立ち犬に向かって両羽を広げ、犬はその胸に飛びつくと激しく主人の顔を舐め始める。
犬の重さにだんだんと耐えられなくなったのか、ついに魔物が倒れ、茂みの向こうに姿を消した。
「不思議の国にも、ああいう愛情があるのね」
「そうだよアリス。この国は愛情に満ちた素敵なところだよ」
「シェリーもああいう風にもっと純粋な愛情を学ぶべきだと思う」
「アリスはああいうのが好きなのかい?」
「えっ、まあ、好き、だけど?」
「にゃふふふふ!へぇ、好きなんだぁ」
私の肩を後ろから掴み、ニヤニヤ笑いを崩さず囁く猫。
横目に見えたその顔は、なぜかとても淫らに見えた。
なにか、なにかが、おかしい。
「きゃあああああああああん」
そんな疑問も、先ほどの魔物の悲鳴にかき消される。
「あっ、ダーリン、やめ、あああああああああああ」
犬が何をしているかわからないが、魔物は静止を求めている。
これって!
「シェリー!あの魔物襲われてる!!」
「そうだね。組み敷かれて、襲われてるんだろうねえ」
「なにを悠長なこと言ってるの!早く助けてあげなきゃ!」
「まあ見ててよアリス。この場合、聞いてて、かな?とにかく大丈夫だよ」
「なに言って!!」
そう言いつつシェリーは決して私の肩を離さない。
彼女は一体何を知ってるというのだろう。
そう疑問に思ったのもつかの間、その答えはすぐに訪れた。
「ああん、ダーリンの犬ちんぽぉ、しゅき
#9825;しゅきい
#9825;」
「普段のダーリンもとっても素敵だけど、いつもと違うところに当たるのもいいのぉ、あはぁ
#9825;」
「もっとぉ、わたしをいじめてぇ、お腹せつないのぉ
#9825;きゃああああん
#9825;」
「あっ
#9825;あっ
#9825;ダーリン私のお胸好きだもんね?ああっ
#9825;カリカリやめへぇ
#9825;もっと楽しみたいのにぃ、すぐ気持ちよくなっちゃうのぉ
#9825;」
「あんっ
#9825;離れてた分、あっ、ああっ
#9825;すごい感じちゃ、ああっ、んっ、あ、あ、はぁああ
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