ただいまー……で、いいの?
うん、ありがとう。ただいま、兄さん。
今更だけど姉さんじゃなくていいの?
ん、了解。
「わたしはあの人だけの女だから、それ以外なら男でもかまわない」か。
義兄さんは幸せものだねー。
ごめんね、無理言っちゃって。うん。晩ご飯は食べてきたよ。
おっと、忘れるところだった。
はい、お土産の焼き菓子。
うちの人からディオニア風のレシピを聞いたから、ちょっと試作。
義兄さんは……まだお仕事?大変だよね、官僚団。
やけ酒ぐらいならつきあうけど?
あ。こないだのお酒は無しだからね!
……露骨に嫌な顔しないでよ。わかりやすいなあ、もう。
ところで、このスカートと髪飾り、変じゃない、かな。
似合うからって、プレゼント、されたんだけど……あ、ありがとう。
やっぱりスースーするね……安定も悪いし。
褒めてくれたからいいんだけど。
……ぱんつ、って……もー。ほんとそういう話好きだよね。
え、ええと。いきなり夜の話?
確かにそっちの話もしたいからお邪魔したんだけど……。
もうちょっとこう、慎みとか恥じらいとか……。
僕らに言っても仕方ないような気もするけどさ。
口調?変えないでって言われてるから。
女の子の喋り方してると、僕を抱いてる気がしないからって。
うん。優しいよ?キスとか愛撫だって、とろとろになるまでしてくれるし。
おねだりするまで入れてくれないのが困るけど。
……やっぱりわかる?そういう時って幸せなんだよね……。
えへへへぇ。何だかね、心の底からこの人のものなんだー、って実感しちゃうっていうか。
彼専用のメスに染められちゃうっていうか……。
触られるたびにどんどん女の子になっていくみたいな……。
僕らアルプの特権かな?
いや、いくら何でもノロケ聞かせたかったわけじゃなくてね……。
魔眼は勘弁してよ……発情しちゃったらどうするのさ。
あんまり気持ちいいもんだからね、仕事がね、手につかなくなって……。
何で触ってもらえないんだろう、なんでキスしてないんだろう、って。
そういうことで頭の中ぐるぐるして。普通に、なんてできないんだから。
……うん。実は今でもそんな感じ。
食事だってとりあえずパンで肉と野菜巻いて終わり、ってわけにもいかないじゃない?
口で、その、飲ませてもらうと……身体が火照って、してもらいたくなるし……というか結局してもらっちゃうし……。
そりゃ見回りの途中でしてる子なんて沢山いるよ?
いるけどさ……真面目に働かないと隊長が辛そうで。
首があるうちは真面目なひとなんだし、あっちだって新婚さんなんだから、丸投げもできないし。
このところ、魔王様とお屋形様の首取りに来る連中がまた増えてきたから、そうおいそれと引退ってわけにも……。
そっちの話?
ディオニアに行くかここに残るかはともかくとしても。
城持ちの奥様、ってわけにはいかないみたいだね。
うちの人、廃嫡だって。
あっちの法律だと貴族の当主は人間の子供がいなきゃいけないみたいで。
……ほら。僕らとか旦那様みたいなのって、結婚したら相手以外は眼中に無しじゃない。ディオニアは僕らと友好条約結んではいるけど、魔界になりたいわけじゃないみたいだから。……今のところ。
うん。正直だいぶほっとしてる。
何をどう考えても分不相応だもん、貴族の奥様は。
でも、あっちはどうなのかなー、って。
後悔が無いわけじゃないだろうな、って。
いや、わかってるよ?僕が一番なんだ、って。
……うわ、実際口に出すと凄い恥ずかしい……。
……本当に、僕でよかったのかな、って。
こうなることもわかってたはずなのに、僕はあの人に選んでもらった。
あの人に選んで貰うだけの値打ちが、僕にあったのかな……、って。
自分の値打ちを決められないなら、つがいに決めてもらう、ってのもわかってるよ?
わかってるけど……うーん。僕が欲張りなだけなのかな?
あ、やっぱり何のことかわからない?何て言ったらいいかな……。
全部が、欲しいんだよね。
キスしたり、触りっこしたり、犯したり犯されたりだけじゃなくて……。
気持ちいいから、とか、食事だから、ってだけじゃなくて。
誇りとか思い出とか、考えとか、何が嬉しくて何が悲しいか、とか。そういう、あの人の全部が、僕のものになったらいいのにな、って。
それから、僕の全部も、あの人のものにならないかな、って……。
やっぱり、贅沢だよね……。痛っ!?いきなり何……、うわ。何その顔。
なんでそんなに真っ赤に……熱っ、熱い熱い熱い!?
だから魔眼は無しって……って、ちょっと、ま……だめ、だめなの……今、あの人いないから、とろとろになっ
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