エロ本と性癖と嫁さん

 休日の昼にリビングのソファーでのんびりくつろぐ、さっきまで妻の雪がいたがどこかに行った、多分トイレだろう、しかしまぁ、年上の妻と時々いちゃつきながら過ごす休日は良いものだ。

「あなた」

「な、なんだ」

 雪がいきなり髪の毛で軽く縛ってきた、彼女は縛るのが好きらしいので、夜に縛られる事はあるがこんなのは初めてだ、困惑しつつ早雪を見ると、無表情に両手で四冊の本を持っていた。

「これは、なぁに?」

「それは……」

 月刊黒髪、中学時代から独身時代まで何度もお世話になった性書だ、これを初めての見た時に黒髪ストレートに目覚めた、しかし処分したはずだ、同志を増やすために配ったはずだ、なぜここに存在するんだ。

「それは、どこにあった?」

「昨日押し入れの掃除してる時、奥にあるダンボールを間違って落としたら出てきました」

 何かの拍子に入れて忘れたのか? ええいもうそんな事はどうでもいい、雪の目が冷たくなってきた、誤解を早く解かないと。

「処分した、前に全て処分した」

「本当に?」

「本当だ、信じて欲しい」

「忘れてただけ?」

「そうだ」

「そう…………じゃあこれは何?」

「それは……」

 月刊お姉さん、大学時代からお世話になった本だ、これを見た時は年上の色香に興奮した、しかし、これも処分したはずだ、配り歩いたはずだ、なぜ、ここにある。

「それは、どこに?」

「これも落としたダンボールの中にありました」

 過去の自分を恨む、とんでもない爆弾を作ってくれたな、おかげで雪の目が少々恐ろしい事になってるぞ。

「だから、処分したはずだぞ、さっきのと一緒に」

「あら、じゃあこれも捨て忘れてただけかしら」

「それは……」

 月刊モン娘、高校生の頃にソッチ方面に詳しい友人から貰った物だ、当時はバフォメットの可愛らしさに夢中だった、ロリなのに年上というものが新鮮だったのだ、しかし、なぜこんなにも過去の品が出てくるのやら。

「バフォメットのページの端だけ小さく折り畳まれてるわね」

「偶然だ……」

「開き癖がついてるのも?」

「偶然だ……!」

「そうそう…………これも偶然見つけたの」

「それは……」

 月刊S女、小学校高学年の頃に公園のトイレで見つけた物だ、男を縛る女性になぜか目が離せず、トイレにこもって見ている内に門限を越えてしまった事がなつかしい。
 
「全部捨てるけど、いいよね?」

 黒髪、お姉さん、モン娘、S女が床に並べられる、自分の性癖が並べられてるみたいで非常に恥ずかしい。

「構わない……お前がいるし」

「……あなたったら」

 雪の髪が体を強く縛り、長い髪の毛の隙間からこちらを見る目が欲情している。

「まだ日が高いけど良いよね……?」

 自分はゆっくりと深くうなずいた。

 この後の事については、本の内容を言わされながら責められるのは最高だったとだけいっておこう。
15/04/25 20:30更新 / ミノスキー

[5]戻る [6]次へ
[7]TOP [9]目次
[0]投票 [*]感想[#]メール登録
まろやか投稿小説ぐれーと Ver2.33