-竜嫁After- 『ある朝の出来事』

「ん……」

陽が昇り、朝が訪れる。 意識を覚醒させた俺は寝台から身を起こし、寝惚け眼を擦った。
住みなれた我が家とは違う石造りの部屋、二人が寝てもまだ余裕のある大きな寝台。
そして隣には夜を共に過ごした愛しい人…… いや、竜が可愛らしく寝息をたてている。

ここは竜の巣。
元々は俺の横で眠っている竜娘の住処だったのだが、今では俺達夫婦の家となっている。
俺としては住み慣れた街にある我が家で暮らしたかったのだが……
彼女が貯め込んだ竜の財宝は小さな我が家の許容量を遥かに超えていた為、俺は財宝を持ち帰る事を諦めてここで彼女と暮らす事にした。 ……という訳だ。
まぁ、彼女の飛行能力なら俺の暮らしていた街まで一時間と掛からないから不便だと感じる事はない。

「朝だぞ。 起きろー」

一足先に目が覚めた俺は眠る嫁の肩を揺さぶり目覚めるように呼び掛ける。
……が、目を覚ます様子は無い。
頬を平手で軽くたたいてみたがこれも効果は無いようだ。

「おーい。 起きないと悪戯するぞー」

そう宣告して俺は嫁の頬に両手をそっと添え、その寝顔をじっと見つめる。
静かに吐息を零し、ふるふると揺れる唇。
真っ白な頬肉は俺の手から体温がうつったのかほんのりと紅く染まって見える。
……何か恥ずかしくなってきた。 いや、夫婦なんだしこのくらいで恥ずかしがってどうする。
意を決した俺は眠るままの彼女と唇を重ね、その綻びへと侵入した。

ん… ちゅ…
   んちゅ… ちぅ…

……気付けば俺の背に嫁の両腕が絡みついている。
もしかすると彼女は俺がこうするのを待っていたのだろうか?
俺は彼女の唇を十分に堪能すると互いの唇を引き剥がした。

「おはようございます」
「ああ、おはよう」

互いに朝の挨拶を交わす。
彼女の覚醒を確認した俺は寝台から降りようと……

「お前、待ちなさい」

…したところを彼女の手によって妨げられた。
俺は彼女の手で手繰り寄せられるように引き戻され、寝台の上で組み敷かれた。

「こっちにはまだ挨拶してませんよ。 ふふっ、お前は朝から元気ですね」

彼女はそう言うと露出した俺の股間(昨日シた後にそのまま寝た為履いてない)を撫であげる。
柔らかなその手つきは確実に手にした"それ"に快楽を注いでいく。

「ねぇ… キスをください」

ささやかな求め。 俺はねだられるままに唇を重ねその中へと侵入する。
互いの舌が交叉し、絡み合い、情欲の赴くままに口内を掻き乱す。

ちゅぅ… ぅんん… くちゅくちゅ…
   んんん… ちゅぷぅ… んちゅぅぅ…

渇いた口内を混ざり合う互いの唾液が流動し、その間も彼女は手を休める事無く踊らせる。
這うように、舐めるように、絡みつくように、柔らかな手のひらと五本の指が股間を刺激する。

ぅんん… ちゅ…
   ………… はぁ…

別離。 唾液の糸を張りながら引き離される唇と唇。
互いの荒い呼吸に揺れた銀の糸はぷつりと途切れ、布団の上に小さな染みを残して消えた。
―――刹那。 熱に浮かされた脳に快楽の信号が走る。

「どうです? 気持ちいいですか? このまま射精してもいいのですよ?」

彼女はその手で肉棒を扱きながら俺にそう訊ねる。
その動きは先程までの包み込むようなそれではなく、乱暴に絞り出すかのような動きへと変化していた。

「それとも……」

彼女はそこで言葉を切るとその手の動きを止める。
絶頂へと昇りつつあった俺の肉棒は急に途切れた快楽を求めてビクビクと震えた。
彼女はその様子を見て唇の端を吊り上げる。

「お前は別のところで射精したいのですか?」

彼女は空いた手で自身の瑞々しい唇にその指を這わせる。
震える唇が、濡れた呼気が、魅了する声音が俺を誘惑する。

「……………口でしてくれるか」
「口で? コレを咥えて欲しいのですか? わたしの口の中で気持ち良くなりたいのですか?」
「ああ、そうだよ。 言わなくてもわかってただろ? 意地悪しないでくれ」
「…別に意地悪したつもりなんてないです。 ただ、お前の言葉で求めて欲しかっただけですよ」

彼女は体の位置をずらし俺の下半身の方に頭が来るように移動した。
それにあわせるように俺は上半身を起こし、肉棒を見つめる彼女を見下ろす。

「では、いきますよ………」

彼女はそう告げると肉棒に軽く口づけをする。
そして、その口内へと俺の肉棒を迎え入れた。
唾液に濡れた粘膜が肉棒を包み込む。

ち… ぅぅん…
  ちゅ… ちぅぅ…

唾液が絡み、吐息が撫で、舌と粘膜が弄ぶ。
快楽、享楽、悦楽。 彼女の口内で獣欲が踊り狂う。

ちゅ… れろぉ… ちゅぷぷぷ……
   あむぅ… ちゅぷぷ… じゅるるるる…… 

吸い込まれるように唇の中へと肉棒が沈む。
頬肉が貼りつき肉棒を締めつける。
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