開いたドアから見えた部屋の内装に、オレは胸を撫で下ろす。
「どうやら、マトモな部屋らしいな」
部屋の中央で立ち止まると、周りを見回したアンテが頷く。
「はい、今のところ異常な物は見当たりません。ですが、念のため」
徐にテーブル近づくと子細に調べ始める。そのままイスやベット、サイドボード、花瓶に花、飾られてる絵にその額縁、吊るしてあるランプ他部屋中のあらゆる物を点検してゆき、隣のシャワー室にバスタブまで調べる。
そうして調べ終えたアンテは、手の甲で額を拭うと報告してくる
「異常な物はみつかりませんね」
「そこまでしなくても」
呆れているオレにアンテは、真剣な表情で詰め寄る。
「いいえ、油断は禁物です。サバトがあのような異常集団である以上、常に警戒しなければいけません。いつマスターに危害が及ぶとも限りませんから、ここは万全を期して」
「あー、それよりも。アンテ、ちょっといいか」
「はい、マスターじゃなくてベルツ。何でしょうか」
仁王立ちして両手を握り締めていたアンテが笑顔で振り返り、
「アンテってさ、初めて?」
凍り付いてしまった。
「・・・・・・・エラー、エラー、精神に著しいダメージを受けました。再起動まで暫くお待ちください」
「へー、ゴーレムでも固まるんだな」
目の前で銅像の様に直立不動しているアンテを見て、オレはしみじみと頷く。そして再起動したアンテの叫び声が部屋中に響き渡った。
「何を馬鹿な質問してくるんですかーーー!!!」
「いや、ただ気になってさ」
両手で耳を塞ぎながら答えると、顔を赤くして更に叫びだす。
「悪かったですね!どうせ、私は売れ残りです!欠陥品です!中古品です!ガラクタです!骨董品です!」
「まあまあ、落ち着いて。興奮しないで」
「これが落ち着けますか!!デリカシーの欠片すら無いのですか!!」
ドウドウと宥めるオレに怒りの表情でアンテが詰め寄る。その姿にオレは思わず笑いだす。
「何を笑っているのですか!!!」
「いや、アンテってさ」
「何ですか!!!!」
「可愛いな」
「なっ?!?!?!」
再びフリーズしようとするアンテを抱きしめてやることで、落ち着かせ
「実を言うと、オレも初めてでさ」
耳元に顔を近づけ囁く。
「だから、一応気をつけるつもりだけど・・・その、正直上手く出来るか自信ないから・・・痛かったり辛かったりしたら遠慮なく言ってくれないか」
「ベルツ?」
「マスターだからとか、ゴーレムだからとか関係なくさ。ただ一人の女性アンテとして君を抱きたいんだ。オレのお願い、聞いてくれるかい?」
オレのお願いにアンテは泣きながら答えてくれた。
「・・・は、はい。お願いします、ベルツ。私を貴男だけのものにして下さい。貴男だけのアンテにして下さい」
「パワーをセーブします。出力20%まで低下。これで仮に抵抗したとしてもベルツには何らダメージを与えることはありません」
アンテの言葉に対して、オレは両腕で彼女を優しく抱きしめる。
「ベルツ・・・・もう少し強くしてもいいですよ」
「じゃあ、これ位かな」
両腕に更に力を込めて抱きしめる。
「ん、そうですね。これならベルツの身体の温かさを感じられます」
「アンテ・・・目を瞑って」
「・・・はい」
オレの指示にアンテは目蓋を閉じる。オレも目を閉じると、ゆっくりと顔を近づけてゆき口づけをする。
「んっ!ちゅっ!ふむ!」
「ふっ?ちゅむ!ふっ?!ア・・アンテ?!」
軽くした次の瞬間、アンテは強引に唇を押し付けてくる。そのまま暫く押し付けた後、勢いよく離れると頬を赤く染めて囁く。
「こ、これがキスですか?!す、凄いです!データーでは知っていましたがこれ程のものとは・・・か・・顔の温度がじ、上昇してな・何も考えられなく」
「アンテ、ン!」
「ふェ、ン??!!」
オレは再度アンテに口づけをするとゆっくりと身体から離れる。
「あ!な、何で離れるのですか?」
不思議がる彼女に対してオレは照れながら答える。
「いや、服を着たままじゃ上手くできないかもしれないからさ」
「?!そ、そうですね。これからするのですから・・・」
オレの答えにアンテも思い出したように呟くと、脱ぎだしているオレの隣りで胸当てと腰当てとおもえるパーツを取り外してテーブルの上に置いゆく。
脱ぎ終えたオレが目を向けると、アンテは右腕で両胸を覆い左手で股の部分を隠してしまう。
「だめじゃないか。そんな風に隠したりしたら」
「は、恥かしいものは恥かしいんです!ベルツこそ、何故そ、その、平気でいられるのですか?」
赤くした顔を横に向け目を瞑りながら訊ねてくる彼女に対して、オレも顔を赤くする。
「いや、そりゃ恥かしいけど・・・これからもっと恥かしいことするわけだし、その・・そうやって恥かしが
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