「幸せになってもらう・・・ねぇ」
鳴瀬結希は悩んでいた。
新しく入った学院の生徒に"唇"を奪われ。
さらにその生徒に幸せになってもらうなんて言われ訳がわからなくなる。
「はぁぁ面倒なことになったなぁ・・・」
家を出ると空の雲色が怪しくなる。
「これ・・・降るな」
玄関に置いてある折りたたみの傘を鞄に入れて戸締りをして学院に行く。
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学院につき下駄箱で靴と上履きを替えて学院に入る。
すると後ろから誰かが小走りでこちらに向かってくる。
「おはようございます鳴瀬君」
顔がひきつる結希。
何故なら学院の下駄箱で待ち伏せていたバイコーン、寺井要がいたからだ。
「おはよう」
挨拶をして早く教室へ向かう結希。
しかし要は結希に近づきそのまま寄り添うように結希と歩く。
「おい!な、何してるんだよ!?」
「何って言ったではありませんか・・・鳴瀬君には幸せになってもらうと」
「いやそうじゃなくってなんで寄り添うように歩く?周りの目って物をだな」
「いいではありませんか減る物ではありませんし」
「俺のSAN値はもう0を振り切ってマイナスになってるけどな」
チラチラと辺りを見ると生徒達がヒソヒソっと会話をしているのがわかる。
中には拳を作って羨む者もいた。
「・・・なぁ俺のことはほっといてくれないか?」
「嫌です」
「・・・」
要の即答にゲンナリする結希。
そして教室に着くと要は1枚の紙を結希に渡す。
「鳴瀬君これをあげますね」
「・・・おいこれって部活とか同好会とかの入部届け、だよな?」
「はい放課後部室で待ってますから」
要は笑顔だが結希はその笑顔に"鬼"を感じた。
逆らったら命の危機を感じた結希は憂鬱な気分になっていくのであった。
@
朝から曇り空だった空は午前中には案の定雨が降り始めた。
(やっぱり降ってきたな)
外を見ながら授業を受ける結希だがあまり授業に関心がないのか半分以上授業を聞き流している。
(あと少し、あと少しで終わる)
カチ、カチ、カチっと時計の針の音が響きそしてチャイムが学院内に響き渡る。
「よし、今日はこれまで・・・ちゃんと予習復習しとけよ〜」
教師が教室を出て生徒たちは緊張を解き仲良しグループみたいに集まって会話する者や。
トイレに行く生徒も中にはいた。
「・・・」
結希はというと鞄から最近買ったラノベを出して栞を挟んだところまでめくり。
続きから読み始めるとそこへ一人の男子生徒が結希に近づく。
「な、鳴瀬君な、何読んでるの?」
「・・・ラノベ」
ちらっっと相手を見るといつも結希に話しかけてくる男の娘。
旗元 誠(はたもと まこと)だった。
「へぇ〜なんてタイトルなの?」
「神様の日常は苦行」
たんたんとタイトルだけを言う結希。
相手はどう思っているかわからないが結希にとっては早くどこかに行って欲しいだけだが。
「す、すごいタイトルだね面白いの?」
相手も負けじと食い下がらずに会話を試みる誠。
「面白い、面白くないは他人(ひと)に聞くんじゃなくて自分で決めろ」
「そ、そうだね・・・あ、あははじゃあ、ボクもそれ買ってみようかな」
「・・・読み終わったら貸してやる」
「え・・・いいの?」
誠顔がぱぁぁぁっと明るくなる。
その輝きに結希は眩しさに鬱陶しいと思い始める。
「ああ、約束だ」
「ありがとう、鳴瀬君は優しいね」
会話が終わると同時にチャイムが鳴る。
生徒たちは自分達の席に戻り始める。
(あんまり読めなかった・・・)
"後悔あとにたたず"という言葉が結希の頭に過ぎり。
ため息を出して次の授業もまた窓の外を見つめる結希であった。
@
雨は降り続け時間も過ぎ去っていくと時はいつの間にか放課後になっていた。
そして朝言われた通りに部活棟へ行く結希その途中下駄箱前を通ると。
1匹の魔物娘が困っていた。
「あうあう・・・どどど、どうしよう」
その魔物娘は頭に2本の角が生えていてスカートから尻尾もはみ出ているのがわかる。
「このまま帰れなかったら・・・怒られるちゃうよぉ」
おそらく傘を盗まれたのであろうっと結希は察する。
少し眺めていても面白いとも思ったが困っているを無視するわけにもいかなかった。
「どうかした?」
「ふぇ」
魔物娘が振り返ると見た目は子供っぽいが可愛い顔と。
それに似合わぬたわわに実った巨乳を持っていた。
「あ、あの・・・あうあうぅ」
彼女は怯えて震えていた。
結希はひょっとして俺の顔が怖いのかと思い、ならさっさと済ませようと鞄から折りたたみ傘を魔物娘に渡す。
「これ、よかったら使ってくれ」
「え・・・ええ、そんなできません!」
結構ですと言うが結希は少し強引に傘を渡す。
「いいか
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