ジパングにある辰巳神社。
「たかあまはらにましまして、」
本殿の裏手には巨大な瀧がある。
「てんとちにみはたらきをあらわしたもうりゅうおうは、」
その瀧へ向かって一人の少年が歩いていた。
「だいうちゅうこんげんの、」
真っ白な髪と乳白色の肌、淡紅色の目をもつ華奢な少年だった。
「みおやのみつかいにしていっさいをうみいっさいをそだて、」
白装束を着て、まるで冥界へ向かう死者のように、
「よろずのものをごしはいあらせたもうおうじんなれば、」
一歩ずつ、一歩ずつ、『異界』へと歩を進める。
「ひふみよいむなやことのとくさのみたからを、」
ちゃぷ…と脚を冷たい池に踏み込ませ、
「おのがすがたとへんじたまいて、」
ちゃぷ…ちゃぷ…とゆっくり瀧へ向かう。
「じざいじゆうにてんかいちかいじんかいをおさめたもう。」
池の半ばまで来ると、
「りゅうおうじんなるをとうとみうやまいて、」
両手を太ももの前で重ねる。
「まことのむねひとすじに、」
そして二回頭を垂れて二礼、
「みつかえもうすことのよしをうけひきたまいて、」
頭を上げて背筋を正し、
「おろかなるこころのかずかずをいましめたまいて、」
胸の前で二回手を打ち鳴らす。
「いっさいしゅじょうのつみけがれのころもをぬぎさらしめたまいて、」
そしてもう一度両手を太ももの前で重ね、
「よろずのもののやまいわざわいをもたちどころにはらいきよめたまい、」
深くお辞儀をして一礼。
「よろずせかいもみおやのもとにおさめせしたまえと、」
頭を上げ、またゆっくりと歩き出す。
「こいねがいたてまつることのよしをきこしめして、」
ちゃぷ…ちゃぷ…と瀧の前に着く。
「むねのうちにねんじもうすたいがんをじょうじゅなさしめたまえと、」
水深は少年の胸のあたりまで来ている。
「かしこみかしこみもうす。」
そして祝詞を言い終えた少年は、
ドドドドドドドドド…と轟音響く瀧の中へ入って行った。
瀧を通過して瀧の裏側へ入ると、そこには巨大な空洞があった。
暗い洞窟のなか、少年は水たまりの縁に手をつき、池から上がる。
瀧を通って来たため、全身から水が滴っているが気にする事も無く、
火打ち石を使って、立てかけてある松明に灯りをつける。
ボッ!と音を立てて松明が燃え上がり、多少周りが明るくなる。
続けざまに洞窟内をぐるりと一周して松明をつけていき、
全ての松明に灯りをつけると、洞窟内はそれなりに明るくなった。
「結(ゆう)く〜ん♪」
後ろから少年に抱きついて来たのは紫色の小袖に身を包んだ美しい女性だった。
その側頭部からは枝分かれした角が一対生えていて、下半身は鱗のはえた蛇のように長い体をしていた。
彼女は辰巳神社の龍神である。
「深津映(みつは)様、今日も神事ですよ。」
「旦那様のお務めご苦労様です
#9829;」
「今日から雨乞いですからね。しばらく繋がりっぱなしですよ。」
「んふふ…しばらく繋がったまま…
#9829;」
しばらく繋がりっぱなしという言葉に嬉しそうに顔をにやけさせながら、少年に聞こえないように独り言を呟いた。
洞窟の中央には大きな池がある。
池の水は透明度が高く、水の色が群青色であるため水深はかなり深いことがうかがえる。
恐らく少年の身長の三倍から四倍ほどの深さはあるだろう。
そこへ、
「どーん!」
「わぁ!?」
と、龍が少年を突き落とす。
すぅーっと水面まで浮かんで来ると、
「酷い…。」
と少年が抗議する。
ごめんごめんとかるく謝りながら龍もざぱんと池に飛び込み、しゅるしゅると少年の下半身に己の体を巻き付けて支えてやる。
「じゃあ…始めます。」
少年の宣言と共に、お互いが濡れた服を脱がしあう。
池の縁に上がると、米糠を溶かした液が入っている桶が置かれていて、二人でじゃぶじゃぶと手を突っ込む。
そのまま少年は抱きつくように背中に手を回し、龍は股間に手を伸ばした。
「違う違う違う違う違う。」
「えー?」
「そこは最後!」
「でもー毎日同じ順番じゃ飽きちゃうよ?」
「熱が入ったら洗わずに交合始めちゃうでしょ!」
「うん。」
「じゃあ駄目!」
「えー?」
「分かった!前から洗おう?そうしよう?」
「んーそれでもいっか…。」
少年の妥協案に、龍は渋々といった感じで受け入れる。
少年と龍はお互いの胸に手を伸ばす。
米糠汁を手で満遍なく体に広げて、塗りつけてゆく。
「んっ…。おっぱいから洗いたいなんて助平なんだー
#9829;」
「なっ!?ちっ、違っ!」
「違わないよー。さっきからおっぱいばっかりもみ洗いして…♪」
確かに、少年の手は先ほどから胸ばか
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