「兄さん…」
「す、涼花…?」
涼花はお互いの吐息が感じれる程に、顔を近づけてくる。
普段の凜とした彼女からは想像の付かない犬の息のように浅い息遣い、蕩け切った眼差し。そこには何時ものどこか憎めない”妹”としての『夏目 涼花』では無く、俺の目にはただ目の前の男に尻尾を振り一生懸命に媚びる一匹の雌犬にしか映らなかった。
『最近彼女も理性と肉欲の境目があやふやになってるからこっちはいつ貴方を取られないか心配なんだから』
不意に楓の言葉を思い出す。
前までは明らかな行為を伝えてくるということは度々あった。が、それは人間社会の常識の範囲内で収まっているものだった。
多分彼女なりに魔物娘について何か思うところがあるのだろう。魔物娘がして来る様な性的な誘い方に線を引いてきた。
「…兄さんの体暖かいです」
涼花がさらに体を密着させ、胸に頭をピタリと付ける。
『邪魔をする服がない状況』『さらに家の浴室で』『妹に』という特殊すぎるシチュエーションに体は冷静では居られる筈も無く。
「…あっ、ふふっ。嬉しいこんな貧相な私にも興奮してくれるんですね」
…もちろん下半身的な意味でも。
背徳的なこの状況に正直に体は興奮し、猛々しいモノを涼花の柔肌に擦り付け、その存在を示していた。
「あれ…?どうしたんですか兄さん。抵抗、しても良いんですよ」
「っ!」
クスクスと黒い笑みを浮かべながら俺の首に手を回すと、耳の近くで囁くと背筋にゾクゾクと電気が通ったかの様に何かが走り抜け、腰が抜けそうになる。
「腰が抜けかけちゃいましたか、ふふふ…じゃあもっと気持ち良くして立てない様にしてあげますね?」
完全に勃起したのを確認すると涼花はゆっくりと体全体を動かし裏筋を重点的に愛撫してきた。
「あぁ…兄さんの太くて硬くて…とても熱いです。ほら、私のお腹で擦られて、ペニスがピクピクしてるの分かります…?」
「ぐっ…ぁっ…す、ずか。や、やめて…っくれ」
「聞こえないですよ兄さん。もっと大きな声で喋ってくださいよう…。あ、これ…っ私もクリに…っ、んんっ!こ、擦れて気持ち、いい…です」
完全に聞こえてはいる様だったがあえて俺の訴えを軽く流すと、近くのボディソープを手に取ると体の間に垂らした。
「んっ…これで良く滑る様になりましたね」
ボディソープのおかげで滑りが良くなったせいか、動きがさらに激しく、より複雑になる。縦に動いていたと思ったら急に横に動いたり、反応を見ながら緩急を付けるなど多彩な動きに抵抗する意思すらも薄れてくる。
そして、快楽に溶かされて声すらも出すことが出来なくなるほど、絶妙な愛撫が続いていく。
「んっ…ふぅ!…き、気持ち良い…ですか?…ってその様子じゃ聞くまでも無いですね」
「あっ、そろそろ…出そう、なんですね…?ほらっ、が、我慢しないで…んっぁ、だ、出してください兄さん」
「…っん!あぁっ!わ、わら、私もっ…そろそろですっ…!に、兄さんっ、いっ、いっひょ、一緒にぃっ」
涼花もそろそろ限界が近いらしく、呂律が怪しくなってきた。
だが、責めは緩まるどころかより多くの快楽を求め荒々しくなってくる。
「んぁぁあ!?あっあたま、頭が真っ白にぃっ…なりゅぅ。イくっ!イっっつつ!?」
「はぁっ…はぁっ…あ、いっぱい、でてるぅ…ふふっ、にいさ…ん、だいすき、です…」
尋常じゃない程の量の精液を吐き出したと同時に、涼花の方も絶頂に達したらしく、俺の体に強く抱き付く。
遠くに聞こえる涼花の声を聞きながら、俺は心地よい気怠さとに流され、意識を手放した。
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