*石は転がり始める*辿り着いた砂の国*

この日も、2人は行動を始めた。
アデルに付けられた指輪を外すために。

現在2人がいる街は - プレイルート - と言い
教都からはそう遠くない所にある親魔物領です。

ここには酒場や宿屋がとても豊富で
情報を集めるのには事欠かない場所でした。



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"最近、教都の人間が出入りしている国を
いくつか目星を付けてみたのだけれど
まずはその場所に向かうのはどうかしら?"


"それはいいと思う
いつまでもここには居られないしね"


"なら決まりね。それならまずは…
ここよ。- レクィーム - という街ね"


"そこはどんな街なのかな"


"そうねぇ…詳しい事はわからないけど
だけど…砂漠の民などがいるらしいわよ"


"近くに砂漠でもあるってこと?"


"街の詳細は全然わからないわ
砂漠の民が住みやすいのかしらね"


"なんだか少し不安だね
ノエルは大丈夫?旅はした事ある?"


"あらっ
#10084;心配してくれるの?
全然大丈夫よ
#10084;まかせて頂戴ね"


"そりゃあ…ノエル女の子だし…
まぁ…それなら心配はいらないかな"


"安心してね
#10084;むしろこれは…
新婚旅行なんじゃないかしら
#10084;"


"僕らは結婚どころか
まだ付き合ってすらいないよ"


"あら残念。ツれないわね
簡単に振り向かないのは覚悟の上よ"


"振り…向く…?
僕はノエルしか見てないけど…?"


"アデル。それ以上はイケないわ"


"ごめんなさい…?"



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これから向かうレクィームは
砂漠の王と縁のある国の1つです。

昔から交流もありますが、その街の1つ
レクィームに怪しい男が出入りしているようです。

男は猟師を名乗ってはいますが
言動がとても怪しく軽薄な不審者と
街の人々から見られているようです。


"その人は指輪について
何か知っている感じなのかな"


"少なくとも無関係ではないわね"


"とりあえず、行ってみよう"


"そうね。それからねアデル
移動の事について聞いて頂戴

ここからは手探りで全て行うわ
私も魔力消費を抑えておきたいの

だからあまり転移魔法は使えない"


"わかった。なるべく歩くんだね"


"そうよ。魔力補給薬は持つけれど
これもそうそう手に入らない代物よ"


"ノエルには迷惑ばかりかけちゃうね"


"アデルから貰えたらいいんだけど、ね?"


この指輪を付けた人間の男の人は
精を魔力に変換し続けるがために
生殖機能がまったく反応を示さなくなります。

しかし。その効力は爆発的なモノで
1人で国を滅ぼせる程のチカラを得ます。

魔物娘であっても歯が立たないチカラです。



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ざくざくと2人の足音が砂を踏みしめ始めます。
気温が上がりつつ辺りには何も見当たりません。

ノエルは平気な様でしたがアデルは驚きます。
初めて向かう場所だからこそ興味が湧きます。

砂漠までは行かずともその周辺国
ましてや交流が深いともなると近しく感じます。

現在レクィームは親魔、反魔どちらにも属さない。
1人1人の意志を尊重する国のようです。

その近くには魔物も良く来ており
街の人々と時折、仲良くするそうです。


"そろそろ街の入口が見え始めてきたわね
きっとあそこが砂漠周辺国レクィームよ"


"あそこ…あっ、あれだね?"


2人の目にはまだ少し遠くに見えるが
そこには確かに砂の国レクィームがありました。

そこまで砂漠化の進んでいる環境でないので
近くには森もありオアシスも存在していました。

街が見えた途端、ぐぅと子気味良い音が鳴りました。


"あはは…ごめん。僕お腹空いちゃった"


"えぇそうね。どこか探しましょうか"


"ごめん。空腹には慣れてたのに"


"大丈夫ヨ。、ガマンは良くないもの
それに街の中を見ておかなきゃだしね?"


ようやく2人は砂の国レクィームへ足を運びます。



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がやがや…ざわざわ…がやがや…

街の中はそれなりに人で溢れていました。
所々から流れてくる良い匂いを辿ります。


"アデル。あそこへ入りましょう
丁度中が空いているみたいらしいわ"


"ノエルにまかせるよ
ノエルはこの辺の食べ物は詳しいの?"


"まったくわからないわ
せっかくだから味を盗んでみようかしら"


"そんな事ができるの?
ノエルはいいお嫁さんになるね"


"あら
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