親魔物派都市ティグリスは東にそびえる山脈を挟んで教団領と隣接していた。
だからと言って教団の脅威におびえていたわけではない。
山脈を越える道はあれどその道は険しく、教団がその山脈を越えてくることはなかった。
だが、勝てる見込みがあるのであれば多少無理をしてでも険しい山脈を越えようと考えるだろう。
例えば『自分たちの領地に隣接する親魔物派の都市の防衛隊の半数が何らかの理由で都市を離れている時』などは・・・
〜親魔物派都市 ティグリス〜
森から引き返してきたアリアナたちが目にしたのはその数、1000はいるであろう教団と都市の防衛隊が激戦を繰り広げている惨状だった。
魔物は旧世代よりその姿が変われど、あらゆる面で人間を上回っている、身体能力などがいい例だ。
だが、都市の防衛隊は200強、それに対して教団は1000を超えている、魔物娘が不利なのは明らかだった。
アリアナは焦りを露わにしていた。
「クッ...教団め、我らの留守を狙ったな!」
「アリアナ様、1人で先走らないでください!」
「わかっている!」
ノーマにとがめられることで落ち着きを取り戻した。
彼女は自分を落ち着かせるために2、3度深呼吸をし兵士たちに叫んだ。
「全軍、教団に対して奇襲を仕掛ける! 私に続けぇ!!」
『オオオォーーーーー!!!』
アリアナは教団の軍勢を横から奇襲するべく馬を駆り突撃した、兵士たちも彼女に続き教団めがけ突っ走る。
だが...
「なんだ!? 敵の増援!?」
不運にも敵に見つかってしまった。
「見つかったか...やむを得ん、このまま突撃ぃ!!」
だが彼女は突撃を敢行した。
「敵襲ぅ! 敵s「邪魔だ!!」『ドガァ』ぐあぁ!!」
「敵の増援だ! 応戦せよ!!」
『ウオオオォーーーー!!!』
「敵は不意を突かれて混乱している、押し返せ!!」
『オオォーーーーーー!!!』
彼女は敵の1人を馬で跳ね飛ばしながら突撃した、それに続き防衛隊の兵士たちも教団兵に突撃した。
だが教団への側面からの突撃が功を奏し教団は混乱状態に陥った。
だが、決して戦況が好転したわけではなく、数による戦力の差は開いていくのだった...
〜北の森〜
その戦闘の様子を1つの人影が森の南端にある木の上から見下ろしていた。
まるで、戦闘の行方を見守るように・・・
「さて、あとどれほど持つのか...」
〜親魔物都市ティグリス〜
ティグリスの防衛隊は必死に戦っているが数で物を言わせている教団を前にしては消耗戦を強いられ、防衛隊の消耗は激しかった。
「食らえ!!」
「フッ!」
「ぎゃぁ!」
「もらったぁ!!」
「フン!!」
「ぐあぁ!」
「おのれ...次から次へと...!」
アリアナも教団兵をすでに20人近く倒しているが、異界の軍との連戦により体力はほとんど残されていなかった。
(このままでは敗北は時間の問題...せめて兵士たちが万全の状態であれば...)
ティグリスの防衛隊の人数は約500人、普段の状態であれば1000や、2000の教団兵に遅れは取らない。だが彼女の率いていた兵は300人の兵士は異界の軍との戦闘で捕虜となった者こそいないがまともに戦えるのは200人ほど、しかもほぼ全員が体力を消耗していた。
合計400人ほどの兵士で少なくとも約1000人の教団兵を相手にしていることになる、どう見ても不利な戦いだった。
もちろんアリアナも例外ではなくすでに限界が近かった。
そんな彼女に1人の教団兵が近づく。
「お前がこの都市を納めているヴァンパイアか」
「だとしたら...なんだ...」
「お前を殺せば俺の名も上がる、名誉のために死んでもらうぞ!!」
「やらるものなら...やってみろ...」
だが彼女はすでに体力の限界、動くことすらできない。
対して教団兵は薄汚い笑みを浮かべ手に持った剣を振り上げた。
「アリアナ様! 今参ります!!」
「よそ見すんなぁ、魔物!!」
ノーマは自分の主の危機を救おうとアリアナのもとに向かおうとするが教団兵が立ちふさがる。
「無駄な抵抗だ、死ねぇい!!」
教団兵がアリアナにとどめを刺そうと剣を振り下ろした。
だが...
「早まるな雑兵が...」
バギィイインン!!!
教団兵の持っていた剣に黒い線が走り、次の瞬間耳鳴りのような何かが砕けるような音とともに艦が爆発し教団兵は明後日の方向に吹き飛ばされた。
その音と宙を舞う教団兵に気付き一瞬戦闘が止まった。
「随分と危機的な状況ではないか...手を貸そう...」
〜アリアナ視点〜
何が起きたかわからなかったアリアナだが聞き覚えのある声に顔を上げた。
そこにはつい先ほど身も凍るような殺気を放ち彼女に怒りの言葉を浴びせた指導者が立っていた。
「な...何故貴様がここに?
[3]
次へ
[7]
TOP [9]
目次[0]
投票 [*]
感想[#]
メール登録