第2話〜遭遇〜

〜何かが墜落した森〜


「なぁ、ホントにこっちであってるのかよ?」
「多分大丈夫でしょ、森に入る前に方向は確認したんだから。」
「『多分』て...」
「森って目印になるものとか無いから、知らず知らずのうちに進んでる方向が変わっててたりしてね」
「森の中で迷子はゴメンだね」
「2人とも、お喋りは結構だが今は任務中だ、集中しろ。」
「はいよ」
「はーい」

つい先ほどのことだ、耳鳴りのような音と地面を揺らすほどの轟音とともにこの森に何かが墜落した。
それが何なのかはよくわからないが、目撃者のほとんどが、
『黒い鳥のようなものが煙を吐きながら森に落ちた』と言っている。
しかもその鳥が落ちたであろう場所から黒い煙が上がっており、『その煙を目指して進めば落ちたのが何かわかるのではないか?』という意見が出たため。
私たちが『鳥』を探しにこの森に派遣された。
調査隊はアマゾネスのメリッサとエルフのテュール
それと隊長である私、デュラハンのノーマの3人だ。

「だけどさ、落っこちた鳥っては教団領から飛んできたんでしょ?」
「そうだって聞いてるけど、それがどうしたんだ?」
「いや、ひょっとして教団が攻めてきたんじゃないかなぁって...」
「そん時はそん時だ、いい男がいればアタシがいただいてくさ!」
「それで相手が勇者とかだったら?」
「何とかなるだろ」
「なるといいねー...」

初めはに周囲に気を配っていた2人だがなにも現れず、特に変わった様子の無いいつもの森の空気に緊張感は途切れ、今ではピクニック気分だ。

「2人とも気を引き締めろ、いつ何が起こるかわからないからな。」
「だけど隊長、今のところ何も発見できてないぜ?」
「たしかにそうだが、方向は間違っていないはずだ、そうだろうテュール?」
「ええ、煙が見えたのが北の方角だったので、大体はあってると思いますよ?」
「大体って...お前は適当だねー、ホントにエルフかい?」
「エルフだけど? サキュバスかアマゾネスにでも見える?」

(気を引き締めるように注意したはずがまた緊張感が無くなってしまった...)

3人が会話をしながら道もない森の中を進んでいくと

「...ッ! おい、2人ともあれを見ろ!」
「何だありゃ?」
「あわー、すごい」

3人の前方に真ん中あたりから折れて倒れている木があった、それも1本2本などではなく3人の進行を阻むように何十本も折れており、すべて向かって左側に倒れている。

「いったい何が、いや誰が...」
「こりゃすげーや、ミノタウロスでも通ったのかね?」
「いや、ミノタウロスでもこんなことはしないよ」

3人は調べるため、折れた木々に急いで駆け寄った、すると
折れた木々の直ぐ隣に折れた木々に沿って地面が抉られたような跡があり、その抉られた跡の反対側にも折れて木々が列をなしていた。

「な、なにがあったんだ、ここで...」
「これも鳥がやったのか...?」
「どうやらそうみたいですね...」

2人が驚く中テュールだけが冷静にそう言った。

「テュール?」
「何で分かるんだ?」
「あれを見ればわかりますよ。」

テュールはそう言いながら木々が倒れている方向を指さした。
その方向には、黒煙が上がっていた...

「なるほどね。」
「隊長どうします?」
「むろん偵察に行くぞ。」

3人は黒煙に向かって歩き出した。

〜実験機不時着現場〜

不時着後、隊長は部下の安全を確認し全員で実験機の修理を試みていた。
周囲は偶然にも開けており、機体を修理するには十分な広さだった。
奇跡的に死人けが人は1人もいなかったが状況は最悪だ。

「通信機は修理できないのか?」
「無理ですね、予備の部品が全部やられましたから。」
「右スラスターの方はどうだ?」
「手の施しようがありません、爆発しないだけでも奇跡でしたよ...」
「レーダーや探知装置はどうだ?」
「レーダーは使い物になりません、探知装置も出力が下がり、ほとんど反応しません。」
「どのみち使えないか...銃座は使えるのか?」
「銃座は使えます、ジェネレーターが生きててくれたので問題ありません。」
「そうか、わかった。」

あまり期待はしていなかったが、酷いものだ...
簡単に説明すれば動けず喋れず目も見えないったところだ...
銃座が使えるのが不幸中の幸いといったところか、だが弾は無限じゃない。

「本国はすでに動いているのでしょうか?」
「わからん、だが通信が途切れたのだ、おそらく動いているだろう。」
「だと良いですけど...」
「回収艇が来るかもしれん、救難信号を出しておけ、それと誰か1人木の上に待機させろ。」
「了解...」

我々だけがこの世界に取り残された...そう考えれば普段戦闘訓練に明け暮れている兵士でさえここまで士
[3]次へ
[7]TOP [9]目次
[0]投票 [*]感想[#]メール登録
まろやか投稿小説ぐれーと Ver2.33