「ラクスさん。起きて下さい、ラクスさん」
耳元で誰かの声がする……。
しかし俺の頭は正常に働かない。全身の筋肉が休息を求めている。まだ寝ていたい……。
「ラクスさん、起きてくれないと悪戯しますよ。もちろん性的なやつを」
うたた寝する頭に誰かの声が響く。
性的な悪戯…?望むところだ。サバトにいた頃は日々リリカの悪戯に困らされていた。
今さらどんな悪戯されたところで動じるものか……。
「良いんですか?私に悪戯されちゃっても。ラクスさんのぷるぷるの唇舐めまわしちゃいますよ。ディープなキスをかましちゃいますよ。その後は全身を愛撫しちゃいますよ?悩ましい鎖骨からほっそりした太ももまで撫でまわしちゃいますよ。その次にはラクスさんの逞しいぺニスに悪戯しちゃいますよ?良いんですか?ラクスさんのぺニスはロードさんのものでしょう?なのに私の手やおっぱいに悪戯されても良いんですか?ほらほら、起きないと本当にやっちゃいますよ?」
惰眠を貪る脳内に誰かの声がする…。
しかしぶつぶつと小声なので喋っている内容がよく聞こえない。
「良いんですか?良いんですね?ラクスさん。私を誘ってるんですか?独り身の魔物の前でそんな無防備な姿を見せたら襲われるに決まってますよ。まさか判っててやってるんですか?いやらしいですね、ラクスさん。ロードさんだけじゃ飽きたらず、私も籠絡してハーレムを築くつもりですか?ふふ、可愛い顔してケダモノですね」
なんだか寒気がしてきた。
もしかしたら寝冷えしたかもしれない。となれば一度起きてまずロードの様子を見なければ。
兄として、まず自分より先に妹の心配をしないとな。
そう思い、目を覚ますと、
「もう我慢できません…!ハァハァ…、ラクスさんの美味しそうな唇いただきます!」
眼前に息を荒げたラッテさんの顔があった。
「うおぉっ!?何事!?」
そのままラッテさんはヘッドバットをしてきたので、慌てて体をよじり、それを避ける。
「あぁん、折角のチャンスが…」
何がチャンスだ。寝起きに刺激的すぎるサプライズをかまされて一発で目覚めたわ。
ともかく何故こんな深夜に起こされたのか、その理由を問いただしたい。
「それで…、ラッテさん。何故俺は起こされたのでしょうか?」
そう訊くと、ラッテさんはきょとんとした表情で問い返す。
「昨晩お願いしたじゃないですか。街の見廻りを手伝って下さいって」
「ん?あぁ…そんなことも言っていたような…」
記憶の片隅を探り、昨晩の出来事を思い出す。
そうだ、町に盗賊が出るからなんとかしてほしいと言われていたんだった。
「今は丑三つ時ですから、盗賊さん達もお仕事の時間なんじゃないですか?」
ラッテさんが確信めいた表情で告げる。そこまでお膳立てしてくれたのなら応えるべきだろう。
「判りました。僭越ながら、盗賊退治に協力させて頂きます」
「ありがとうございます。でも……」
俺の力強い返事にラッテさんが少し困ったような表情を返す。
「とりあえずラクスさんにしがみついているロードさんを起こすところから始めましょうか」
「え…?うわぁっ、ロード!なんでこっちのベッドに…?」
自分の胴に目を落とすと、コアラの様に俺の身体に抱き着いて寝ているロードの姿があった。
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月の光と民家から漏れる灯りのみが視界を示す夜の街。
そんな街の中を俺とロードとラッテさんがカンテラを手に歩く。
「ふわぁ…、眠いのう…、低血圧には堪えるわい……」
これ見よがしにあくびをしながら、ロードはそんなことを呟く。
寝起きのところを強引に連れ出したので少しご機嫌斜めなのだろう。時折俺をジト目で見る。
「頑張って下さい、ロードさん。朝になれば美味しいドーナツをご馳走しますから」
「ドーナツよりプリンが食べたい……」
ラッテさんの提案もにべもなく返す。はは、可愛いなあ。
「ところで、ラクスさんはロードさんの夫……バフォメット流に言えば兄でしたっけ。兄なんですよね?二人はどうやって出会ったんですか?」
話題が途切れない様に、色々質問をしてくるラッテさん。そういう気遣いをしてくれるのは、魔物でもやはりシスターというとこだろう。
「道端でボロ雑巾の様に行き倒れていたとこをワシが拾ってやったのじゃ。その時からワシは決めておったのじゃよ。兄にするならコイツじゃと」
「ん、それ初耳だな。初対面の時から俺はロードに唾つけられてたのか」
今でこそ教会の下級騎士程度なら蹴散らせる実力はあるが、ロードに拾われた時点ではただの冴
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