不運な男と、暴君アマゾネス

人間とは、誰もが『自分だけは違う』と本能的に思い込んでしまう性質を持っていると思う。

ニュースや新聞で悲惨な事件や災害を見ても『自分は関係ない』、『自分は大丈夫』と無意識に思ってしまうのだ。


それはこの図鑑世界に於いても例外ではない。
なぜなら―――



「助けてえぇぇぇぇぇ!」

「待ぁてぇぇぇぇぇ!私の婿ぉぉぉぉぉ!」



俺は今、何度も男性の行方不明が相次いでいる森の中でアマゾネスに追い回されているからだ。


事の始まりは村に伝わるとある伝承だった。

―村の外れには森があるが、決して若き男が踏み入れてはならない。踏み入れたが最後、森の民に捕われ、一生蹂躙されるであろう。


今考えると、森の中にアマゾネスの集落があり、アマゾネスが男を婿として攫っている事を表した伝承だったのだろう。

村の男達はこの伝承を信じ、決して森に入ろうとはしなかった。


けど、ある日突然森に行こうと言い出した奴が居た。俺の友人だ。

俺と友人は16歳。そういうやんちゃがしたくなる歳頃だろう。


そうして俺達は、やすやすと森に入ってしまったのだ。



「…で、今に至ると」

「何をブツブツ言っている?考え事ならベッドの上ですれば良い!」

「断固拒否する!」



とりあえず俺とあのアマゾネスの紹介をしようか。

俺はギィ=ハルトマン。鍛治屋の息子だ。
今も修行中の身。あと三年程したら店も継ぐらしい。俺自身鍛治は好きだし親父の後を継ぐのに文句は無い。まぁ、このアマゾネスに捕まったら何もかも潰えるが。

あのアマゾネスはセルフィ=エルフィンと名乗っていた。再現するとこうだ。


『私の名はセルフィ=エルフィン!貴様の嫁となる女だ!』


森を歩いていたら、あいつがいきなり木から降りてきて、そう言い放ったのだ。


歳は十代前半頃かな…?容姿はかなり可愛い。まあ今の魔物は十人が十人、とてつもなく魅力的な容姿をしているのだが。

服装は図鑑とかに載ってるアマゾネスと変わらない。顔の特徴は右目の眼帯とツインテールだろうか。

あと、ぺたんこだ。すごいぺたんこだ。俺にとって大事な事なので二回言いました。


「大体何で俺なんだよ!婿にする男なんて他にも沢山いるだろ!」

「私はチャンスを大事にする性質でな。滅多に巡り会えない男をさらにえり好みするつもりはない!」


つまり俺にロックオンってわけですね。最悪だ。


「さあ、諦めて私の物になれ!」

「嫌だね!俺はまだまだやりたい事があるんだ!」


このまま走って行けば村に繋がる川に出るはず。川を流れればセルフィもそう簡単には追って来ないだろう。


「よし、もうすぐ…」


もうすぐ川に出るかと言う時、俺は絶望した。


「あら、活きの良い男の子」

「どっせぇぇぇい!」


なんと前方にもアマゾネス。セルフィと違ってきょぬーだ。まあそんな事はどうでもいい。


あのアマゾネスに俺を捕らえる気があるかは判らないが、俺は本能的に右に避けてしまった。


「いきなり逃げるなんて、心外ね」

「あ、シルフィ姉!あいつ捕まえるの手伝ってくれ!あいつ私の婿にするから!」

「おっけー♪」


姉妹かよ、逃げて正解だった。


さあ参った。あのアマゾネス、もといシルフィの登場に驚いて思わず森の奥の方に逃げてしまった。


こうなったらあいつらが諦めるまでひたすら逃げ続けるしかない。体力には自信がある。どこまでも逃げきってやるさ!



――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


「ふう、手間かけさせて」

「良かったわね。カッコイイ男捕まえて」


ゴメン、無理だった。多勢に無勢ってあれ、本当だね。


襟首を掴まれたままズルズルと森の奥まで引きずり込まれる。ああ、俺終わったな。


「ねえ、もうここでヤっちゃわない?」


セルフィの隣を歩いていたシルフィが、おもむろにそんな事を言い出した。


「ここで?誰にも見せる相手が居ないが…」

「良いじゃない。里でもヤれば良い話だし」


これは…、あれか?お天道様の下で凌辱フラグか?


「そうだな、私もさっきからムズムズしていた所だし」

「決まりね、じゃあ始めましょうか」


舌なめずりをしながら俺を見下ろす二人。

どうみても凌辱フラグです。本当にありがとうございました。


「じゃあ早速、貴様の宝刀を見せてもらおうか」


いや、そんな大したもんじゃありませんよ。ただのなまくらですよ。

セルフィは全く恥ずかしがらずに俺のズボンを降ろしていく。


あえなく俺の息子は露出してしまった。


「くく…、もうこんなにして。こうなる事を期待していたのか?」

「男の子だもの。期待しちゃうわよね」

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