「はっはっは、娘をよろしく頼むぜ!喰らえ、ハリケーンミ○サー!!!」
「ありがっ!!とござまっす!!!お義母ざん!!!!」
サイガとコルトも無事ご両親の了解を得て、晴れて夫婦になった。
もっともサイガはしばらく入院生活が続きそうだけど…。
コルトのお母さんって、コルトにそっくりだな。
それにしても何て恐ろしい技だろう。
僕とサイガの決闘から一週間。
さすがに砕けた骨はまだ治り切っていない。
まだ左腕は三角巾で吊ってるし、右腕だって自分の炎で大火傷だ。
後3日はこのままだろう。
「性欲を持て余す。」
「さすがに入院中だとそうなるよね。」
そんな訳で僕はサイガの見舞いに来ている。
彼の好きなお菓子の詰め合わせも持ってきたが、コルトに全部食べられてしまった。そして食べた本人はつわりがあるのに、無理して食べたおかげでトイレで全部吐きに行っている。
何のために持ってきたのか…。
「まぁな。さすがに看護婦に手を出す程、命知らずじゃないし…。」
「手を出したら、命がないだろうねぇ。」
だってコルトだもん。
「…なあ、サクラ。またいつかやろうや。今度はこんな感じじゃなくて、もっと楽しいんでやろうぜ。」
「…うん!」
「さぁ、次はマイアか…。アイツの強さは俺以上だぞ。何か手があるのか?」
「……僕は真正面から行くよ。そうじゃないと、例え勝っても僕はあの人に一生顔を背けて生きなきゃいけなくなる。」
「面倒な女に惚れたもんだな、お前も。」
頑張れよ、と言ってサイガは笑う。
「僕はそろそろ帰るよ。また今日から学園長にしごかれることになってるから…。」
「…ほんと、怪我人に容赦ないな。あの人。」
「人じゃないよ…、悪魔だよ…。」
じゃあね、と言ってサイガの病室を出る。
まだ僕、腕を吊ってるんだけどなぁ…。
僕は大変な人に恋をしたけど、それ以上に大変な人に目を付けられたんだなぁ…。
――――――――――
「学園長、こんに…。」
「飛燕疾○脚!!!」
ゲシッ、バシッ(2hit
「うげはっ!!」
「暫○拳!!!」
ドガガガガガガガガガガガ(11hit
「あばばばばばばばば。」
「ビルドア○パー!!!」
スパーン(空中追い討ち
「ぐっはぁ!!」
ズダーン(倒
「む、いかん。気力が切れたか…。1の仕様ではこんなものか。」
こんなものか、じゃないよ…。
1の仕様だったら当たり具合によっては今ので死んでるよ!
「が、学園長…。一体何を…!?」
「いやな、何だか俺の知らないところで貶されたような気がしてな。」
…下手なことは言えない。
「ところで、出かけるぞ!」
「え…、今日も特訓だと聞いていたんですが…?」
「特訓だぞ。だから出かけるぞ!」
付いて来い、学園長は家を出る。
「ま、待ってくださいよー!!」
「…と、言う訳で、飲め!!!」
僕の目の前には大ジョッキに並々と注がれたテキーラ。
「とりあえずイッキな?」
「殺す気ですか?」
それに僕、まだ未成年です。
「今日鍛えるのは肝臓だ。酒をガンガン飲んでどんなレバーブローにも耐えろ!」
「用途が違います!!」
学園長の家を出て、やってきたのは居酒屋『フラン軒』。
肝臓の特訓と称して、無理矢理飲まされそうになっている。
「…で、本題は何ですか。」
「…娘がなぁ、最近口を利いてくれないんだよ。」
「マイアさんが?一体何をしたんですか…。」
グイッと学園長は大ジョッキを空にする。
今の…、テキーラだったよね?
「…大したことはしてないはずなんだよ。ただ、この間インプと結婚した八百屋の親父と貧乳談義しているのを聞かれたり、うっかり娘が学校から帰っているのに気が付かなくてアスティアと夫婦の愛情を深めていたり、娘の本棚から小説と間違ってうっかり日記を開いて読んでしまったくらいなんだが、心当たりがあまりない。」
「それは死んで詫びるべきですね。」
ベキッ(殴
「やっぱ娘に頭下げた方が良いかなぁ。」
「…思いっ切り殴っておいて言うことはそれですか!?」
見えなかった…。
「で、マイアさんとアスティアさんはどうしたんですか?」
「ああ、今日は二人で夜まで買い物だ。だからな、たまには男同士、気心の知れた者同士で飲もうと思ってな。えっと、新人君。どぶろく頼む。ところで、今日のおすすめは何かね?」
「カユ、ウマ!」
「なるほど、マタンゴ産キノコの雑炊か。それを一つ、取り皿二つで。」
「カシコマリマッター。」
最近入ったという珍しい男性のゾンビ。
…きっと生前は大変だったろうなぁ。
あんな体格で玉がないなんて…。
それより、よくあれだけで言葉が通じるよ。
「奢りだ、今日は食って飲め。」
「それで自棄酒なんですね。でも僕が言うのも何ですけど、あまりそういうことは口に出さない方が良いと思いますよ?」
「あん?」
学
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